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Bing検索の責任者が語った「検索の今と未来」

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グーグル検索SEO情報②

Bing検索の責任者が語った「検索の今と未来」
グーグルのIndexNow採用にも言及 (Abondance) 海外情報

マイクロソフトBingのプリンシパル プロダクト マネージャのファブリス・キャネル氏が、3月25日・26日にフランス・パリで開催されたSMX Parisカンファレンスでインタビューに応じ、Bing検索の最近の進展について語った。

主要ポイントをまとめる。

IndexNow の採用とインパクト

  • 2021年に公開されたIndexNowは、Bingでクリックされる新規リンクの約20%をすでに占めている。

  • IndexNowを使えば、サイト側は、URLの追加・更新・削除を即時に通知できるようになる。検索エンジン側は、最新コンテンツを取得し、SEO担当者はクローラーを制御できるようになる。

  • グーグルも最終的にはIndexNowを採用すると確信しており、今後数週間で「大手プラットフォーム」が導入を発表する。

ディープサーチとCopilot検索

※筆者補足:ディープサーチについてはこちらの記事を、Copilot検索についてはこちらの記事を参照
  • ディープサーチは追加クエリとクロールを多数実行し、ユーザー意図を深く解釈する。結果表示は通常4〜5秒で、標準検索(10ミリ秒〜20ミリ秒)より遅いが、精度が高い。

  • 「SPA」のような多義語に対して複数の意図のクラスタを提示するが、「YouTube」のような単純検索(指名検索)の99%ではYouTube.comのような正規リンクを返す。

  • 今後、ディープサーチの機能は高速化されたCopilot検索に組み込まれ、メイン検索結果ページで曖昧性を直接解消する予定。

AI戦略と品質管理

  • Bingは結果品質を制御できる自信があり、ハルシネーション抑制のためにユーザーフィードバックを日次で精査し指標を改善している。

  • フランスでのAI機能の迅速な展開は、堅牢な技術基盤と内部ガードレールによるものである。

市場シェアとパートナーシップ

  • 世界シェアの伸びは緩やかだが、ユーザー満足と企業パートナーが後押ししている。次のような場所でBing技術が採用されている:

    • OpenAI
    • Meta
    • DuckDuckGo
    • Yahoo
    • Ecosia
    • Qwant
  • IndexNowに支えられた高品質インデックスは、グーグルとの差別化要因である。

今後のプロジェクト: 生成検索と高速なイテレーション

※筆者補足: AI開発でいうイテレーション(iteration)とは、「データを入力→結果を評価→パラメータ更新」といった一連の反復サイクルのことを指し、これを繰り返してモデルの精度を高めていく。

  • 米国限定の Bing Generative Search(Bing生成検索)はグローバル展開予定。

  • 社内LLMツールにより「夜にアイデア、朝にコード、午後にテスト、夜に検証」という1日サイクルで新機能をリリース可能。

ソーシャルシグナル

  • Bing は「ソーシャル投稿やフォーラム」を検索での露出向上の要素とみなすが、長期的な上位表示には外部リンクとトラフィックが不可欠。Redditで話題化すれば結果に浮上しうるが、従来のサイトが依然優位となる。

◇◇◇

個人的には、やはりBing版生成AI検索の動向に注目したい。また、グーグルのIndexNowサポートの可能性に言及したことが興味深い(ただ、その場合は「IndexNowに支えられた高品質インデックスがグーグルとの差別化要因」という部分がなくなるのが気になるが)。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

Search Consoleの24時間レポートがAPIでも利用可能に
ツールでも直近24時間データを加工できる (グーグル 検索セントラル ブログ) 国内情報

Search Consoleのパフォーマンスレポートで直近24時間のデータを参照できる「24時間ビュー」が公開されたのが、2024年12月だった。この時点ではUI版でのレポート参照だけだったが、Search Console API 経由でも同じデータを入手できるようになった。

独自ツールを利用してデータ分析しているなら朗報だ。時間単位のデータを利用可能する具体的な構成は参照元の記事を参照してほしい。

★★★★☆
  • Search Console API 使ってるすべてのWeb担当者 必見!
  • 技術がわかる人に伝えましょう

訪問型ビジネスのGBPは「非店舗型」として登録する
住所情報は入力しない (永山卓也|Takuya Nagayama on X) 国内情報

実店舗を持たない訪問型ビジネスの場合の、グーグルビジネスプロフィール登録での注意喚起を、ローカルSEO専門家の永山氏が投稿した。

この場合、「非店舗型ビジネス」として登録しなければならないとのことだ。ビジネスプロフィールの「情報」タブに住所を入力してはいけない。詳細はヘルプ記事で確認できる。

ハウスクリーニングや水回り修理のような、「ビジネス拠点の住所では接客せずに、客先に出向いてサービスや商品を提供するビジネス」を営んでいるなら要注意だ。

★★★☆☆
  • 非店舗型ビジネスのすべてのWeb担当者 必見!

買収した事業のGBPを安全に移行する正しいステップ
手順を誤るとプロフィールを停止されることも (Darren Shaw on LinkedIn) 海外情報

ビジネスを買収しリブランディングする際に、グーグルビジネスプロフィールを停止されずに安全に移行する手順を、ローカルSEO専門家のダレン・ショー氏がリンクトインで共有した。

大まかなステップは次のとおりだ:

  1. プロフィールを更新する前に、ウェブ上の情報を更新する

    • 現在のプロフィールがリンクしているウェブページのNAP情報
      ※筆者補足:「NAP」はビジネス名、住所、電話番号
    • そのビジネスのFacebookページ
    • 他の主要なサービスでのリスティング:
      ※筆者補足: これらのサイトは英語圏で使われているものがほとんど。日本でいえば「Yahoo!プレイス」などか
      • Yelpリスティング
      • Foursquareリスティング
      • BBBリスティング
      • Data Axle
      • その他主要な業界サイト
  2. 既存のプロフィールのオーナー権限を取得する

    • 以前のオーナーに、あなたのGoogleアカウントをプロフィールのオーナーとして追加してもらうよう依頼する(管理者ではなくオーナーにする)。
  3. グーグルビジネスプロフィールを変更する

    • 短期間に多くの変更を行うと、再認証や停止の対象となる可能性がある。注意点は次のとおりだ:
      • 通常、名前の変更では再認証は発生しない。
      • 通常、電話番号の変更では再認証が発生する。
      • 名前の変更とウェブサイトURLの変更の間は、少なくとも1週間空けるようにする。
  4. インターネット上の引用情報を更新する

    • 注意: これについては、Whitesparkのリスティングサービスが役立つ。
      ※筆者補足:「intext:以前のビジネス名」で検索するなどして、言及を手動で探して更新を依頼することもできる

リンクトインの投稿には補足も付いているので、そちらも参考にしてほしい(英語が苦手なら生成AIを利用して日本語にしてもらうといい)。

★★★☆☆
  • ローカルSEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

ヤフーも生成AI検索の競争に参入、シェアを奪えるか?
今のところスマホでのみ利用可 (Yahoo!検索ガイド) 国内情報

Yahoo!検索が生成AIチャットをリリースした。ChatGPTやGeminiのように会話形式でAIとやり取りできる。

Yahoo! JAPAN AIアシスタント
Yahoo! JAPAN AIアシスタント

検索と連動しているので、ウェブの関連コンテンツが回答の終わりに掲載される。さらに詳しいことを知りたければ、そのページに移動すればいい。またチャット形式なので追加質問も可能だ。

Yahoo! JAPAN AIアシスタント

現時点ではスマホでのみ利用できる。公式発表ではアプリから利用できると書かれているが、こちらのURLにアクセスすればブラウザからでも利用できる。

ChatGPTやGeminiなど先行AIチャットのシェアを奪えるだろうか?

★★★☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

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