ひとりSEO担当者の疑問に答えます

全国が商圏のサイトで、全国各地の地名ページを作成してもいい?

SEO担当者の質問に、SEOのエキスパートである住 太陽さんが実践的で有効な解決法を答えます。今回の質問は「全国が商圏のサイトで、全国各地の地名ページを作成してもいい?」です。

ひとりで頑張るSEO担当者さんの悩みに答える本連載。今回の質問は「全国が商圏のサイトで、全国各地の地名ページを作成してもいい?」です。この回答は「Google検索のスパムポリシーで禁じられている誘導ページ(ドアウェイページ)に該当する危険があるのでやめましょう」です。

「全国が商圏のサイトで、全国各地の地名ページを作成してもいい?」に対する回答は
「Google検索のスパムポリシーで禁じられている誘導ページ(ドアウェイページ)に該当する危険があるのでやめましょう」です

全国を商圏にしているサイトでは要注意!

今回の相談内容は「全国を商圏にして、ある商品の買い取りサービスを提供しているが、全国各地の地名ページを作成してもいいですか?」というものです。「赤ちゃんマン」さんが質問を寄せてくださいました。ありがとうございます。

さて赤ちゃんマンさんは、以前あるコンサルタントから、地域の特色を出すエリアページ(たとえば北海道の札幌のページ)をできるだけたくさん作成しましょうと提案され、実際に地名だけが異なる、似たようなページを量産してみたそうです。結果は「あまり効果がなかった」とのことでした。

全国を商圏にしているサイトですと、ついこういうことをしたくなるのはわかります。しかしこれは明確にGoogleのスパムポリシー違反にあたります。今回は「あまり効果がなかった」程度で済んでよかったのですが、アルゴリズムでサイト全体が検索結果に表示されなくなる場合があります。また、同じことを繰り返しているなど悪質だと判断された場合には、手動でデータベースから削除される可能性もあります。

誘導ページ(ドアウェイページ)

キーワードだけが異なる同じようなページを量産する行為は、「誘導ページ」または「ドアウェイページ」と呼ばれる古典的なスパム手法です。実は筆者も2001年頃に同じことをして、goo検索(当時は検索エンジンにインクトミ検索が使われていました)のデータベースから削除され、goo検索のエンジンがGoogleに変わるまで復活することはありませんでした。苦い思い出です。

誘導ページを作成することは、現在でもスパム行為とみなされます。「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」のページにも明記されていますし、Google検索セントラルブログにも「誘導ページ(Doorway Page)はガイドライン違反です」という記事があります。

地域ごとに異なる独自の内容ならよいのか?

赤ちゃんマンさんにアドバイスしたコンサルタントは「地域の特色を出すエリアページ」とおっしゃったとのことですから、おそらく地域ごとに異なる独自の内容でページを作成することを考えたのでしょう。実際、そうしたやり方で上位に表示されているページを見かけることもたまにはあります。しかし安全を期すのであれば、これもやめておきましょう。

それぞれの地域のページに独自の内容が含まれていたとしても、商品買取りの窓口が同一なら、やはり誘導ページであると判断される可能性があるからです。

全国に多数の店舗をもつチェーンストアの場合はよいのか?

全国に支店をもつチェーンストアが各店舗のページをもつのは自然なことであり、誘導ページとはみなされません。チェーンストアが全国各地に各店舗のページをもっているのは、それぞれの店舗を目的とするユーザーがいるからです。

各店舗のページが一定のフォーマットに沿って作られていて似たような内容だったとしても、それぞれの店舗を目的とするユーザーの利便のために作られているため、誘導ページとはみなされないのです。

まとめ

全国各地の地名に紐付けたページを大量生産するというアイデアは、多くの人が思いつきますが、誘導ページという古典的なスパム手法であり、実際に営業拠点をもっていない限りやるべきではありません。個人的には「抜け道になるようなうまいやり方を模索する」というのもおすすめしません。ペナルティを受けてしまうリスクが大きすぎるからです。

P.S.
本コーナーでは、読者の質問にお答えしています。誰にも聞けずに困っていること、現場で感じるふとした疑問など、どしどし質問をお寄せください。

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