営業課によるECサイト開設に、Web担当者はどう対応する?
ひとりで頑張るSEO担当者さんの悩みに答える本連載。今回の質問は「営業課によるECサイト開設に、Web担当者はどう対応する?」です。この回答は「営業課のサイト運営を支援しつつ、相乗効果を狙いましょう」です。
営業課独自のECサイト⁉
今回の相談内容は「営業課がECサイトを開設して物販を始めようとしている。会社サイトを運用しているWeb担当者として、どう対応すればよいか?」というものです。「mochi」さんが寄せてくださいました。ありがとうございます。
さてmochiさんの会社では、従来からある会社サイトとは別に、営業課が独自のECサイトを立ち上げようとしているそうです。ECサイトは営業課で簡易なASPカートを使って構築し、運営も営業課で行う予定です。
営業課の課員たちは「社名や電話番号は表示しなくてもいいんだ」などと言っておられるそうで、Web担当者であるmochiさんは、従来のサイトに悪影響が及ばないか、会社の信用問題に発展しないかと危惧されています。勝手なことをされるのはしんどいですよね。
社内での立場づくりに活かす
もともとある会社サイトとは別に社内の別部署でECサイトが立ちあがるという状況は、マイナス面に目を向ければキリがなく、「勝手に余計なことをしないでくれ」と思ってしまうのも致し方なさそうです。
しかしプラス面に目を向ければ、営業課に恩を売り、社内での立場を上げるチャンスでもあります。mochiさんが支援してECサイトがそれなりに順調にいけば、営業課や社内でのmochiさんの立場も上がるでしょう。
mochiさんは以前いただいた質問のなかで、社長や多部署からの要望で苦労されていたと思います。これを機会に「社内のWebの専門家」としてのmochiさんの立場を明確にしてみてはいかがでしょうか?
やるならきちんとしたサイトを
きちんとしたECサイトとして機能するように、ECサイトの構築や運用についてアドバイスしましょう。社名や電話番号の表示を省かないことはもちろん、特定商取引法に基づいて、責任者名や所在地なども適切に表示しなければいけませんよね。社内の専門家として、積極的に助言してみてください。
運用のほうも、ECサイトとしての基本的な機能を備えてきちんと対応するだけでなく、営業課の方に、お客様や取引先にリンクのお願いをしてもらったり、ブログを書いてもらったり、各種の広告を活用してもらったり、などと助言内容はいろいろあります。助言をしていくことで、mochiさんの知見や能力がECサイトに活かされますし、日頃の苦労も理解されるでしょう。しっかり恩を売るべきです。
まとめ
サイトやドメインはやたらと増やすべきではありませんし、いい加減な運用もすべきではありません。しかし増えてしまうならそれはそれで、適切に運用してもらえるように助言することを考えましょう。「そのためにうまく立ち回って、社内での存在感と発言力をつくっていこう」と割り切るとよいと思います。
社内のあちこちから協力を得やすい立場をつくっていくことも、Web担当者やSEO担当者の大切な仕事です。今回のことをいい機会として利用し、日頃の仕事が評価されやすくなるようにするとよいでしょう。
P.S.
本コーナーでは、読者の質問にお答えしています。誰にも聞けずに困っていること、現場で感じるふとした疑問など、どしどし質問をお寄せください。
ソーシャルもやってます!