百戦錬磨のSNSマネージャーが手ほどき! 企業SNS活用の悩みに答えます

SNSをリアルイベントにも活用! ノウハウや注意点を公開

オンライン・オフライン関係なく、イベント開催時はSNSを活用して盛り上げましょう!

オーガニック運用・広告配信・危機管理など、企業のSNS活用のポイント、最新情報を、SNSマネージャー養成講座の講師陣「チーフSNSマネージャー」のメンバーが、それぞれの得意分野を中心に解説します。

今回は、チーフSNSマネージャー、上級ウェブ解析士などとして活躍する藤原忍氏が回答します。

質問

最近イベント開催することが多くなりました。SNSで盛り上げる方法はありますか?

藤原

コロナ禍が明けてあちこちでイベント開催されて盛り上がっていますね。オンライン・オフライン関係なくイベント開催時にSNSを活用すると、さらに盛り上げることができますよ。

SNS活用を考えるのはイベント開催を思いついたときから

まず、何かイベントをやろう!開催しよう!と思い立ったら、その計画段階からSNSでの活用を考えてください。

イベントの目的やターゲットについて考えると同時に、SNS運用の目的やターゲットも決めておきます。それに基づいて、ターゲットがよく利用するSNSを選定したり、公式アカウントから発信したり、専用アカウントを作成したり、いろいろな方策を検討できます。

ターゲットに基づいたSNSを選定するときには、総務省の「〇〇年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」という調査が参考になります。ちなみに執筆時点の2024年7月に発表されている情報は以下のとおりです。各年代ではどのようなSNSがよく利用されているかがわかります。リソースがあればさまざまなSNSから発信できるとさらに良いですね。

このように目的とターゲットがはっきりすることで、イベントやキャンペーンの方向性がしっかりして組織内でも一貫した発信ができるようになります。

さらに計画時からSNSについて考えておくメリットは、印刷物の出稿前に利用アカウントやハッシュタグを決めておけば、配布されるチラシやイベント詳細の部分に含めることができ、早くからSNSでの発信に注目してもらえるからです。ハッシュタグは独自性がありつつも短く、覚えやすくて入力しやすいものがいいですね。

準備段階から情報発信を!

さて、次に準備段階でもいろいろとやるべきことがあります。

決めたハッシュタグなどをみんなに知ってもらうために、発信を開始していきます。その前に事前発信コンテンツを決めておきましょう。過去にも開催されたイベントであればその際の写真や動画を参考に載せたり、開催ストーリーや参加者の声などを集めて投稿に生かしたりしましょう。

ハッシュタグを活用して、参加の申し込みをしてくれた人から「申し込んだよ!」「行きますよ!」といった投稿を促すことで、参加を迷っている人たちもSNS上のクチコミを見て参加したいと思ってくれるかもしれません。そのようにして参加者の不安を取り除くような発信をすることが大事です。

イベント開催中はクチコミを投稿してもらおう

では次にイベント開催中に移りましょう!どんなイベントか、どんな人が来てくれるかということを随時発信していきましょう。そして、決めておいたハッシュタグを中のSNS上でもリアル開催の現場からも来場者に知らせていきましょう。

ハッシュタグをタップすると、そのイベントに関する情報がずっとタイムラインに並びますから、このことからも一貫したハッシュタグを使用することの大切さがわかりますね。そのように、参加の感想をリアルタイムに来場者に投稿してもらうことで、まだ迷っている人やこれから参加しようとしている方々にもどのようなイベントかというイメージが伝わりやすくなります。

そしてリアルイベントの場合は、ハッシュタグを使って投稿してもらったことを現場で見せていただくことで景品のプレゼントを行うキャンペーンを展開できます。そうすることでクチコミ(UGC)がさらに増えてSNS上でも盛り上がりが伝わります。

ちょうどWeb担当者Forumのイベントでも以下のような取り組みがなされていましたね。

イベントや展示会の開催期間中、SNS担当者は、ソーシャルリスニング(特定のキーワードがSNS上で投稿されているかを調べて役立てること)を行って来場者の感想などを拾い上げたりリポストしたりすることでさらに拡散していけます。

なおXでの投稿の言及数などを調べるには、「Yahoo!リアルタイム検索」が役立ちます。Yahoo!リアルタイム検索ではAIの判断で「ネガティブ」「ポジティブ」の割合が表示されますので「ネガティブ」な投稿を見かけたときも、参加者の不満などの投稿があれば次回の改善策に生かすなど、顧客理解に活用できます。

たとえば、2023年11月にウェブ解析士協会が主催するセミナーが大阪で行われましたが、Yahoo!リアルタイム検索での分析を実施。実際にポスト数を確認しながら盛り上げた結果、参加者もセミナーの様子を投稿してくださったりして、半日間・100人近くの参加者のセミナーで、指定ワードで拾うだけでも数百件の投稿が見られて盛り上がりました。

イベントが終わってからも大事

さて、イベントが終わってからもSNSの運用は大事です。参加者にはハッシュタグをつけて感想を投稿していただき、その投稿を見つけてリポストしたり、リプライを返したり、開催を振り返る記事のために反応をまとめたりします。

今回集まった感想などの情報は、次回のイベント開催時に役立てられますのでしっかりと集めて使えるようにまとめておきましょう。

そして、「次のイベントまで何も投稿しない」といったことを避けましょう。ここまで集めた準備の様子や開催時の写真や映像、参加者の感想や開催ストーリー、これらを次回のイベント開催まで少しずつ発信していったり、次回に向けてのさまざまな準備などを発信したりすることで、見込み参加者をしっかりとつかんでおくのが重要です。

大事なのは一貫性です。最初に考えた目的やターゲットからブレないようにして、ハッシュタグを一貫して用いることでSNS運用がイベントの成功に貢献するようにしっかり活用していきましょう。

2020年より私たちは、「SNSマネージャー養成講座」という資格試験をスタートしました。SNSマネージャーの上位資格である上級講座では、実際に運用しているアカウントをサンプルにして、徹底的に運用目的とKPIなどの必要項目を掘り下げて企画書を作成するワークを実施しています。

この記事を読んで「理屈はわかったけど、実際自社のアカウントに当てはめるとピンと来ない。さてどうしたものか……」とお悩みのあなた。ぜひチャレンジを。

【SNSマネージャー養成講座 | 企業がSNSを効果的に運用して事業を進化させる講座】

タイトルデザイン、タイトルイラスト:995(Twitterアカウント
三度の飯より猫が好きなイラストレーター。ゆるくてかわいいイラストが得意です。

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

RTB
広告関連の用語。DSP と SSP による入札と応札を 1 回の広告表示(インプ ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]