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検索順位が急激に下がった! SEOにおけるSERP変動の原因8つと、その解決策(前編)

SEOにおいてSERPの変動は一般的であり、検索順位が急激に下がった場合でも冷静に対処する必要がある。この記事では、変動する8つの原因と解決策を解説する。
Moz, Adriana Stein[執筆] 2023/10/23 7:00 |
この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

検索順位が急激に下がって慌てたことはないだろうか?

もしあれば、それは「SERPの変動」、つまり検索キーワードに対して表示順位が大きく変動する動きの影響だろう。その影響がマイナスに働いた可能性が高い。しかし、パニックにならないでほしい。実際、SERPの変動は、競争の激しい今日のSEOの世界ではよくあることだ。

※「SERP」は検索結果ページ(Search Engine Result Page)のこと。

そのため、深呼吸をして冷静になって心を落ち着かせてから、次のことに取り組もう:

  1. 時間をかけてデータを分析し、
  2. 原因を突き止め、
  3. 確信を持ってコンテンツに変更を加える(あるいは、変更しない)。

この記事では、次の2つを理解するために、SERPの変動の原因を深く掘り下げてみる:

  • 表示される順位が急激に下がったときの分析方法
  • 表示順位をできるだけ安定させるコンテンツの最適化

SEOにおけるSERPの変動とは

SERPの変動が起こるのは、さまざまな状況に応じてSERPが変化するときだ。時には大きく変動することがあり、プラスの方向(順位の上昇)にもマイナスの方向(順位の下降)にも変動する。膨大な数のウェブサイトが上位を目指して競争するなか、今ではこれもごく普通のことだ。

簡単に言えば、SERPの変動は株式市場の変動のようなものと考えてほしい。1日も経たずに変化することもあり、必ずしもそれだけで心配するべきこととは限らない。

SERPの変動がなぜSEOのパフォーマンスに影響を与えるのか

キーワードに対する表示順位が少し下がっただけで、SEOの重要業績評価指標(KPI)やパフォーマンスに大きな影響を与えることはないかもしれない。しかし、さまざまな状況が積み重なって多くのキーワードに対する順位が落ちた場合、特にそれが売上に関わるキーワードの場合には、データを掘り下げて調べるほうがいい。

そうした状況では、SEOによってトラフィックを獲得して売上を増やすというビジネス全体の目的が行き詰まってしまう。検索結果にページが表示されなければ、クリックもコンバージョンも得られず、新たなリードや売上が失われる。

次の画像は、よりわかりやすいように視覚的にまとめたものだ。

SERPの変動を受けて、キーワードに対する表示順位が下がる。 重要なキーワードに対してページが表示されなければ、ウェブサイトはクリックされなくなる。 クリックされなければ、オーガニックトラフィックが減少する。 オーガニックトラフィックが減少すると、リードや売上などのコンバージョンが減少する。
SERPの変動がSEOのパフォーマンスに影響を与える背景

これでおわかりのように、必要な変更に目を光らせておくことが不可欠であり、だからこそSEOで長期的な成功を収めるには、コンテンツの最適化が非常に重要だ

SERPが変動する8つの原因と、変動に対処してキーワードに対する順位を維持する方法

SERPの変動に対処する最善の方法は、データを精査して根本的な原因を突き止めることだ。データの精査にあたっては、次のことを確認しよう:

  • 特に変動が激しいキーワードは?

  • それらのキーワードに対して表示されるコンテンツと、表示されないコンテンツは?

  • 技術面での基本的なエラーがSERPの結果に影響を与えていないか?

表示順位が安定しない原因を掘り下げて特定しよう。そうすれば、適切な変更を加えることで、それらの変更がパフォーマンスに与える影響を観察できる。

次に、SERPや表示順位の変動を引き起こす問題と、そうした問題に対して推奨される解決策を詳しく見ていく。SERPや表示順位の変動を引き起こす原因として、一般的に次の8つが挙げられる:

  1. 検索意図の混在と、多様なSERP
  2. 難易度の高いキーワード
  3. 競争の激しい市場
  4. 話題のトピック
  5. インデックス化の問題
  6. グーグルによるSERPのA/Bテスト
  7. アルゴリズムの変更やペナルティ
  8. カニバリゼーション

1つずつ詳しく解説する。

原因1 検索意図の混在と、多様なSERP

検索意図が混在していたり、または曖昧だったりすると、検索クエリに対してどのような回答を示すのがいいか、検索エンジンが判断しきれない場合がある。

B2Bのテクノロジ企業Healthcare ITの例で考えてみよう。検索エンジンで「healthcare IT」というクエリを入力すると、検索結果の1ページ目には次のようなコンテンツが表示される。

  • ニュースを探している人向け(1位):
  • コンサルティング会社を探している人向け(6位):
  • 政府のデータベースを探している人向け(7位):

多様な検索意図に向けたさまざまな項目を、1ページ内に混在させて表示しているわけだ。これらの例から、グーグルがユーザーの検索意図を正確に判断できない場合(検索意図が混在している場合)は、さまざまな種類のコンテンツを含む多様なSERPを表示することがわかる。

[対処法]検索意図が混在しているか、曖昧な場合に、SERPの変動に対処する方法

検索意図の混在は、SERPが変動する原因として特によく見られるものだ。幸い、この問題は完全に解決できるため、キーワードに対して表示順位が安定しない問題が続くことはない。

解決策としては、コンテンツの中で君自身のキーワードを使ってコンテンツが対応する検索意図を特定することだ。たとえば、「healthcare IT news」に関するページなら、単に「healthcare IT」とするのではなく、「news」を含むキーワードを使ってページ上で内容を明示しよう。そうすることで、グーグルはページが対応している検索意図を判断しやすくなるため、ユーザーに適切なコンテンツを表示できる。

この問題の影響を受けて検索結果が変動しているかを確認して観察するには、キーワードとそのキーワードの背後にある意図が変化したかどうかを考えてみよう。キーワードに対する順位の平均を3か月~6か月にわたって追跡し、「人々がどのようなクエリで検索し、SERP結果のクエリにどのような反応を示すか」を観察する。日によって結果が変動するのは避けられないため、月ごとに変動をモニタリングして傾向を明らかにするのが重要であることを忘れないでほしい。

加えて、常にSERPでの新たな競合相手に注意しておこう。同じキーワードに対して上位にきておかしくない品質や知名度をもった新たなプレーヤーが市場に参入していないだろうか。その場合、以前の順位を取り戻すには、コンテンツを改善する必要があるかもしれない。

原因2 難易度の高いキーワード

これもSERPが変動する原因としてよくあるものだ。SERPの上位に食い込んでオーガニックトラフィックを獲得しようと、膨大な数のウェブページが競い合っている。この高いレベルの競争によって、「キーワードの難易度」が生み出される。要は「そのキーワードで上位をとりたいライバルの数や質」だ。

難易度の高いキーワードをターゲットにしている場合、以前は検索上位に表示されていたページが、何の前触れもなく競合他社に抜かれてしまうこともある。

難易度の高いキーワードである「SEO beginner guide」(SEOビギナーズガイド)で検索した次の例を見てほしい。データはMozから取得したものだ。

「SEO beginner guide」(SEOビギナーズガイド)で検索したデータ
キーワード難易度(Difficulty)は70とかなり高い

そして、次は結果に表示されるサイトのリストだ。週によって順位が絶えず変動しているが、これは主にコンテンツの更新によるものだ。

結果に表示されるサイトのリスト
※画像ではSEOquakeというChromeアドオンで、検索結果項目にさまざまな情報を加えている

[対処法]難易度の高いキーワードによるSERPの変動に対処する方法

この例のように、競合他社が最近コンテンツを最適化したり、更新したりしていないか確認しよう。

さらに、自分のウェブサイトのオーソリティも考慮する必要がある。特に「以前は上位に表示されていたのに、その後ずっと下位にとどまっている」場合は、その検索キーワードに対して自分のドメイン名がオーソリティを維持できているか考えてみてほしい。

これを確認する手段として優れているのが、MozのKeyword Explorerツールだ。これを使うと、キーワードを集めてリストにし、キーワード同士を「検索ボリューム」と「難易度」で比較できる。競争が激しいためにキーワードの難易度が高くなりすぎてしまった場合は、表示されやすいように難易度の低いキーワードを使うことを検討すればいいというわけだ。

最終的には、そのキーワードに対して上位に表示されることがビジネスにとってどれほど重要かを判断する必要もある。高い価値があるなら、コンテンツを最適化して、ビジビリティの向上を図ろう。価値が高くはないのなら、そのキーワードはあきらめるほうがいいかもしれない。

原因3 競争の激しい市場

これは前の原因と同じような問題だ。直接的または間接的に競合する製品を手がける競合他社は、新しいコンテンツの制作に多額の投資をしているかもしれない。斬新なコンテンツを制作すれば、オーディエンスに提供するべき価値のある情報が含まれたサイトであるとのシグナルを検索エンジンに送ることになる。

こうしたパブリッシング戦略の頻度や質の高さから、競合他社は常に特定のテーマについてそのトピックに関するオーソリティを獲得している。そうしたコンテンツ戦略の長期的な累積効果によって、競合他社のトピックに関するオーソリティが高まり、サイトの表示順位が上がる助けになっている。

競合がそうした動きをしていれば、自社のサイトやグーグルは以前と同じでも、相対的に自社のサイトの順位が下がってしまう場合がある。

[対処法]競争の激しい市場によるSERPの変動に対処する方法

ここでの解決策は、競合他社の動きと取り組みをモニタリングするというシンプルなものだ。競合が最近公開したコンテンツで、特に人気を集めていると思われるものを特定しよう。

次に、競合するオーディエンスにさらなる価値をもたらすために、本質的には似ているが独自の工夫を盛り込んだコンテンツを作るにはどうすればいいかを決めよう。たとえば、コンテンツを定期的に更新して業界のトレンドやアルゴリズムのアップデートに関する情報を反映させるなどだ。

また、コンテンツアーキテクチャ全体を確実に連携させ、トピックのオーソリティを時間をかけて構築することで、難易度の高いキーワードに対しても上位を維持できるだろう。

この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。今回は、SERPの変動が生じる8つの原因とその対処法のうち、最初の3つを紹介した。

後編となる次回は、残る5つ「話題のトピック」「インデックス化の問題」「グーグルによるSERPのA/Bテスト」「アルゴリズムの変更やペナルティ」「カニバリゼーション」について説明する。

→後編を読む

用語集
B2B / KPI / SEO / SERP / インデックス / クエリ / コンバージョン / ドメイン名 / 検索エンジン
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