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コンテンツ戦略は1つではない。考え方を進化させる方法論と4つの改善例

コンテンツ戦略の基本から高度なものへ進化させる方法を解説。オーディエンスの行動に合わせて戦略を変えるために必要な4つの例を紹介している。
この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

「基本的なコンテンツ戦略から、より高度なコンテンツ戦略にステップアップするための方法」を、アジーム・アーマッド氏がホワイトボード・フライデーで解説する。

オーディエンスにとって「適切なコンテンツ」を「適切なタイミング」で作ることで、コンテンツ戦略を多様化しよう。

コンテンツ戦略の多様化を説明するデジタルホワイトボードの画像 ブランド認知度
ダウンロード、トラフィック、参照、メンション
エンゲージメント
リンク、コメント、「いいね!」、シェア
リード生成
MQL、SQL、サブスクリプション、コールバック
何 → どのように → Hit & Hope
基本 → より良い → 高度
枠組みとしてのトピックX → MCF →顧客を5セグメントに分類
例1 スクロールはあまりしないが動画はかなり見る
・長い動画
・ページの冒頭で紹介
例2 かなりスクロールするが動画はあまり見ない
・極めて詳細なコンテンツ
・リマーケティングで呼び戻す
例3 スクロールも動画の視聴時間も平均的だが、ASDが高い
・「ページホッパー」
・ブランドに焦点を当てる
例4 スクロールもせず動画も見ない
・早い段階で短い動画を取り入れる
・明らかにつながりが絶たれている

マーケターが測定を間違っている3つの例

まず、とても大胆な私見を述べたい。それは、僕たちがマーケターとして測定を間違えているということだ。ここで3つの例を挙げよう:

  • ブランド認知度を測定する場合 ―― ダウンロード、トラフィック、参照、メンションなど、測定できる要素がたくさんある

  • エンゲージメントを重要なKPI(重要業績評価指標)とする場合 ―― リンク、「いいね!」、コメント、シェア、リポストなどの指標を見る

  • リード生成の場合 ―― 主にMQL、SQL、サブスクリプション、コールバックなどの指標を見る

    ※「MQL(Marketing Qualified Lead)」は、マーケティング活動で得た見込み客、「SQL(Sales Qualified Lead)」は、営業活動で得た見込み客
ブランド認知度
ダウンロード、トラフィック、参照、メンション
エンゲージメント
リンク、コメント、「いいね!」、シェア
リード生成
MQL、SQL、サブスクリプション、コールバック

ごく簡単に挙げてみたが、いずれも、測定を間違えていると思う例だ。

※Web担編注 筆者は「間違えている」としているが、基本的な指標として間違っているとまでは言えない。

筆者の論旨は「こうした自明な基本指標だけでなく、さらに見るべきものを考えるのが、より良いコンテンツ戦略だ」というものだと思われる。

高度なコンテンツ戦略を立てる

ただ作っただけのコンテンツではもう無理

コンテンツの読者(オーディエンス)について言えば、彼らが「何を求めているか」はわかっているつもりでも、彼らがそれを「どのように求めているか」がわかっていない。さらに現在のインターネットの世界では、「Hit & Hope」(ただ「作った」だけのコンテンツを公開して「読んでもらえといいな」と待つだけ)では、うまくいかなくなっている。

インターネットはもう、その先に進んだと心から実感している。そこで、「基本的なコンテンツ戦略」から、「さらに優れたコンテンツ戦略」へと、できれば高度なものへと進化させる方法を、ごく簡単に紹介する。最初は基本からだ。

基本的なコンテンツ戦略

多くのマーケターは基本の段階にいると思う。基本的な段階のコンテンツ戦略は、次のようなものだ:

特定のトピックに焦点をあて、それを基本としてコンテンツを作る。

たとえば、樹木を話題にしている場合は、樹木がトピックになるかもしれない。それが枠組みとなって、そこから枝わかれし、樹木に関するさらに多くのトピックが生まれ、次に進む。

これ自体は戦略として問題ない。多くのマーケターはこの段階にいると思う。

続いて、より良い段階の戦略を紹介する。

より良いコンテンツ戦略

より良いコンテンツ戦略とは、次のようなものだ:

Googleアナリティクスのマルチチャネルファネル(MCF)を見て、パフォーマンスの高いコンテンツとはどのようなものかを理解し、オーディエンスが購買ジャーニーのどこにいるかに基づいて、高パフォーマンスのコンテンツを拡充する。

高度なコンテンツ戦略

さらに高度なコンテンツ戦略は、次のようなものだ:

Googleアナリティクスなどで分析して顧客(オーディエンス)を5セグメントほどに分類し、データドリブンなアトリビューションモデルでそのパフォーマンスを把握し、オーディエンスに適したコンテンツを適切なタイミングで作成する。

これが、ここで達成しようとしていることだ。

何 → どのように → Hit & Hope
基本 → より良い → 高度
枠組みとしてのトピックX → UA MCF →顧客を5セグメントに分類

オーディエンスの行動と改善方法の4つの例

さて、実際にコンテンツ戦略を改善するには、ここまでの情報をどのように使い、どのように処理すればいいのだろうか。

オーディエンスの行動と改善方法の例を挙げる。

ここから示す例では、GA4でスクロールトラッキングとYouTubeのビュー測定を設定している状況を想定している。この2つを組み合わせると、ユーザー行動をいくつかに分類できる。

たとえば、あるセグメントのオーディエンスがページをどこまで下にスクロールし、ページ内の動画をどれだけ見ているかという点で、コンテンツへどうエンゲージしているかがわかる。

その行動でセグメント化し、それぞれに適したコンテンツを検討していくという流れだ(ここでは顧客を4セグメントに分類している)。

例1 スクロールはあまりしないが動画はかなり見る
・長い動画
・ページの冒頭で紹介
例2 かなりスクロールするが動画はあまり見ない
・極めて詳細なコンテンツ
・リマーケティングで呼び戻す
例3 スクロールも動画の視聴時間も平均的だが、ASDが高い
・「ページホッパー」
・ブランドに焦点を当てる
例4 スクロールもせず動画も見ない
・早い段階で短い動画を取り入れる
・明らかにつながりが絶たれている

例1: スクロールはあまりしないが動画はかなり見るオーディエンスの場合

例1は、「スクロールはあまりしないが動画はかなり見る」オーディエンスだ。こうしたオーディエンスが中心の場合、僕ならページの冒頭で長い動画を紹介する。

オーディエンスが何を求めているかがわかったら、オーディエンスに手間をかけさせてはいけない。ページを下にスクロールさせてはいけない。オーディエンスにとって可能な限りシンプルなものにしよう。

例2: かなりスクロールするが動画はあまり見ないオーディエンスの場合

例2は例1の逆で、かなり下までスクロールするが、ページに掲載された動画はあまり見ないオーディエンスだ。

こうしたオーディエンスが中心の場合は、極めて詳細なコンテンツを作り、リマーケティングを活用して自分のウェブサイトに呼び戻せばいい。

例3: スクロールも動画の視聴時間も平均的だが、ASDが高いオーディエンスの場合

例3は、スクロールも動画の視聴時間も平均的だが、ASDが高いオーディエンスだ(ASDは「Average Settle Duration」、つまり「平均滞在時間」を示す指標として僕が提唱しているもの)。僕はこうした人を、ページホッパー(ページ間を渡り歩く人)と呼んでいる。

このような人たちは、購買ジャーニーのリサーチ段階にいる可能性が非常に高い。そのため、こうしたオーディエンスが中心の場合、コンテンツでは、君のブランドや、君が競合他社より際立っている理由に焦点を当てるといい。

例4: スクロールもせず動画も見ないオーディエンスの場合

例4は、スクロールもせず、動画も見ないオーディエンスだ。こうしたオーディエンスが中心の状況では、明らかにつながりが絶たれている可能性が高い。しかし、購買ジャーニーの早い段階で短い動画を取り入れるチャンスはまだある。

◇◇◇

ここで示した例ではスクロール状況と動画の閲覧状況を使った。あなたのサイトでも、さまざまな情報を活用し、4つの例のように自分のサイトのオーディエンスをセグメント化して見極めよう。

そして、音声やスニペット、さまざまな形式の紹介動画を取り入れるなど、より多様な方法で、オーディエンスに合ったコンテンツ戦略を立てよう。そうすれば、きっとうまくいくし、コンテンツ戦略で今後さらに大きな成功を収められるはずだ。

このごく短い動画で、何か得られるものがあったと思ってもらえたら嬉しい。僕のソーシャルメディアアカウントは@AzeemDigitalだ。僕のSEOがうまくいっているなら、「How can I contact Azeem」(アジームに連絡するには)と入力してもらえば、僕のウェブサイトにたどり着くはずだ。今日はとても楽しかった。どうもありがとう。それではまた。

用語集
Googleアナリティクス / KPI / SEO / クロール / スニペット / ソーシャルメディア / ダウンロード / ファネル / リンク
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