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グローバルSEO展開をうまく進める15の手順(前編:KW調査と競合分析)

グローバルSEOを成功させるための事前調査について解説。現地のキーワード調査と競合分析のポイントを知ってグローバル展開を判断しよう
Moz, Éléonore Frère[執筆] 2022/10/24 7:00 |
この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

ビジネスのグローバル展開は、企業を成長させるための素晴らしい方法だ。ただし、外国市場への進出を決断するには、いくつかの意思決定をして、オーガニック検索における存在感を確立するための行動を起こす必要がある。

そこで、新市場を効果的に攻略するために取り組むべきSEOの15の手順を紹介する。

グローバルSEO展開をうまく進める15の手順
  1. グローバル展開の決定と事前調査(この記事)
    1. キーワード調査
    2. 競合分析
  2. ドメイン名のベストプラクティスを探る(中編記事)
    1. ウェブサイトの構成を適合させる
    2. ドメイン名はブランド名を使うかローカライズするか
    3. 優先順位を決めてURL構造を選択する
    4. Google Search Consoleのインターナショナルターゲティングを利用する
  3. コンテンツのトランスクリエーション(中編記事)
    1. コンテンツの翻訳はalt属性やURLも忘れずに
    2. 文化、カレンダー、特殊文字、規制などへの適応
    3. 外部リンクの追加
  4. 技術的な検討事項(後編記事)
    1. hreflang属性の実装でどこの国の言語か示す
    2. html要素のlang属性と、metaタグのcontent-languageで言語と国を指定
    3. IPベースのリダイレクトはデメリットも
    4. サーバーの場所はサイト訪問者に近い方が良い
  5. オフページのベストプラクティス(後編記事)
    1. 国ごとに戦略を立ててリンクビルディングする
    2. ローカルサイテーションとNAPの一貫性を保つ
  6. さまざまな検索エンジン(後編記事)

前中後編の全3編でお届けしていくのだが、この記事では前編として、まず「①グローバル展開の決定と事前調査」を理解してもらおう。

15の手順のうち3番目以降は、中編・後編の記事でお届けする。

① グローバル展開の決定と事前調査

グローバル化によって、ほとんどのビジネスがグローバル展開しやすくなった。

  • ある特定の国から大きな機会を見出せる場合
  • ある特定の国からサイトへのトラフィックがそれなりにある場合

といった場合には、その市場をターゲットとした取り組みをしっかりと進める価値があるかもしれない。

とはいえ、しっかりとした事前調査もせずに新市場に参入すれば、時間とリソースが無駄になるおそれがある。やみくもな参入を避けるには、詳細なキーワード調査や競合分析で市場の可能性を明確にすることが有益だ。

グローバルSEO成功の手順1
キーワード調査

現地のキーワード調査では、製品やサービスに関連する検索キーワードの検索ボリュームとトラフィックの可能性に関するデータを収集する。

もちろん新市場のローカル言語で調査するのだが、こうしたデータ収集にはMoz Keyword Explorerが最適なツールだ。

検索ボリュームだけでなく、難易度も考慮すべき重要な指標だ。難易度を確認することで、異なる言語や市場においてキーワードの競争力を判断できるからだ。

※Web担編注 キーワード難易度とは(クリックで説明が開きます)

キーワード難易度は、キーワードの検索ボリュームやコンバージョン数、検索順位を総合的に判断して設定する。詳しくは過去のMozの記事でも紹介しているので以下の記事を参照。

SEOのためのキーワード分析&データを基に行動を起こす方法(後編)

Moz Keyword Explorerで、「electric scooters」(電動スクーター)というキーワードに対して表示される概要。

ただし、注意してほしい。キーワード調査においては、自国で狙っているキーワードを新市場の言語に1対1で翻訳した単語で行えばいいというわけではない。言葉というものは、言語や文化によって意味が異なる場合があり、市場によっては、複数の単語やフレーズが同じ製品やサービスのシノニム(同義と・類義語)として使われることもあるからだ。

キーワード調査は、ターゲット地域を理解している人に責任者を務めてもらうことを強く推奨する。具体的には、次のような人だ:

  • ターゲットとする市場や文化を理解している
  • ターゲットとする地域の言語が母国語である

もし現地調査するためのリソースが社内にない場合は、現地の専門家にこのタスクをアウトソースしてもいい。

さらに、Googleトレンドを利用して現地のキーワードの傾向を調査する手法も試してみる価値がある。

Googleトレンドではキーワードやトピックを指定して調査すると、どの地域でその検索ニーズが高いのか、自社の製品やサービスに対する関心が特に高い地域がどこなのかを明らかにできる。

Googleトレンドに示された、「electric scooters」という検索キーワードへの経時的な関心と地域ごとの関心。

時間の経過とともに地域ごとの関心度がどう変わって来たか分析すれば、市場の傾向や可能性を手軽に把握できる(期間はデフォルトで「過去12か月間」になっているが変更できる)。

それ以外にも、次のような使い方を試してみるといいだろう:

  • 「地域別のインタレスト」では「地域別」と「都市別」を切り替えて表示できる。

  • 小さな画面で表示している場合は、「地域別のインタレスト」で地図表示と地名表示を切り替えて確認できる。

  • 「関連トピック」や「関連キーワード」では「注目(前の期間と比べて検索ニーズが増えている)」と「人気(現在人気)」を切り替えながら調査できる。

  • 多くの表では、表の下にページ送りのリンクがあり、5件ずつ切り替えながら確認できる。

  • 標準ではウェブ検索の検索ボリュームが対象だが、上部のドロップダウンリストで「画像検索」「Googleショッピング」などに切り替えて調査できる。

グローバルSEO成功の手順2
競合分析

キーワード調査の段階で明らかになった関連キーワードとクエリに基づいて、新市場におけるオーガニック検索の競合を判別できる。

オーガニック検索の競合とは、ターゲットとするキーワードに対して検索エンジンの結果ページ(SERP)に表示される競合URLのことだ。MozなどのSEOツールを使うと、クエリに対するローカルSERPの概要を確認できる。キーワード調査の段階で明らかになった関連キーワードとクエリに基づいて、市場別にオーガニックの競合を判別できる。

オーガニック検索の競合は、世界全体として見ると重複している可能性もあるが、市場によって大きく異なる可能性もある。主な競合他社がどの国に存在し、どの言語でウェブサイトを公開していて、コンテンツの質がどの程度のものかを確認するだけの価値はある。進出する価値のある市場を自ら判断する助けになるからだ。

グローバルSEOを進めるにあたって最も魅力的な市場とは、次の両方を満たす市場であることは間違いない:

  • 扱っている商材に関して、検索ボリュームに高いポテンシャルがある
  • オーガニック検索の競合が比較的少ない

「検索ボリュームは魅力的だが、競合が強い」といったより競争の激しい地域に参入するかどうかは、自分が自由に使えるリソースを考慮して、君自身が決めることだ。

この記事は、前中後編の3回にわけてお届けする。中編となる次回は、「ドメイン名のベストプラクティス」と「コンテンツのトランスクリエーション」について説明する。

→中編を読む

用語集
NAP / SEO / SERP / metaタグ / オーガニック検索 / コンバージョン / サイテーション / ドメイン名 / リンク / リンクビルディング / 外部リンク / 検索エンジン / 訪問者
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