【衝撃】Search Consoleでクエリを調べられるのは検索トラフィックの約半分だけだった!?【SEO情報まとめ】
衝撃的なレポートが届いた。Search Consoleの検索パフォーマンスでクエリを具体的に確認できない検索トラフィックが平均で46%もあるというのだ。サイトによってはその比率がさらに高い場合もあるという。
なぜクエリデータが隠されるのか? 自分のサイトがどうかを調べるには? わかりやすく解説する。
ピックアップは衝撃的だが、続いて紹介する「最初は隠れているコンテンツは検索エンジンが評価しない」という定説に関する新情報も注目だ。
また、記事の最後で紹介している筆者の個人ブログからの2記事も、忘れずに目をとおしておく価値ありだ。
上記以外にも、サイトリンクやアップデート、Search Consoleや構造化マークアップなど、あなたのSEO力向上に役立つ幅広いトピックを今週もお届けする。
- コンテンツが隠れている展開型デザインはSEOにマイナスなのか?
- 適切なサイトリンクを表示させるためのベストプラクティス
- グーグル検索のアルゴリズムアップデートはグローバルで同時に展開? それとも国や言語で別々に展開?
- Search Consoleの「検証をリクエスト」に関するヘルプ記事をグーグルが更新
- 事前に空っぽのページを公開しておくのは良いアイディアなのか?
- Search Consoleのレポートがわかりやすく2分類になる
- 商品バリエーションごとに個別URLがある場合、全バリエーションまとめページに商品構造データをマークアップしてはいけない
- グーグルの歴史を学べるサイトが公開される
- マイクロソフトがIE 11のサポートを完全に終了
- Googlebotがクロールするのは最初の15MBまでのコンテンツ。それ以降はクロールせず
- いよいよmacOS版Safariにプッシュ通知サポートがやって来る
今週のピックアップ
【衝撃】Search Consoleでクエリを調べられるのは検索トラフィックの約半分だけだった!?
クエリ詳細を確認できないクリックが100%近いサイトも (Ahrefs) 海外情報
Search Consoleがレポートする検索パフォーマンスデータでは、すべての検索クエリを確認できるわけではない。
サイトによっては、検索結果クリック数の約半数に関して検索クエリの詳細を確認できないこともある。
こんな分析結果をAhrefs(エイチレフス)のパトリック・ストックス氏が暴露した。事実ならばかなり衝撃的だ。
ストックス氏らは、14万6741サイトを対象に、Search Consoleがレポートする約90億のクリックデータを分析した。すると、検索結果におけるクリックのうち46.08%は、どんなクエリで検索結果に表示されたのかがデータとして提供されていないことが判明した。
こちらは、クエリ個別データが提供されていないクリック数のパーセンテージごとのサイト数を表したグラフだ。
中央付近30%〜35%から75%〜80%の間に大半が収まっている。多くのサイトで、検索結果からのクリックの半数前後のクエリデータが喪失していることを示している。グラフのいちばん右、95%〜100%のクリックに関してクエリデータが提供されていないサイトの数が最も多いのも際立っている。ここに含まれるサイトでは、ほとんどのクエリがレポートに出ていないということになる。
次のグラフは、クリック数(要は検索トラフィック数)で分けて、提供されていないクエリのパーセンテージの分布を表している。
このグラフからは次のことを読み取れる:
- クリック数が少ないサイト(0〜1000クリック)と多いサイト(1億クリック以上)において、より高い割合でクエリデータが喪失している。
- サイトによってバラツキがあり、喪失データが非常に少ないサイトもあるが(箱ひげ図の下ひげ側)、特に検索トラフィックの多いサイト(1億クリック以上)では少なくとも30%は喪失している。
少しわかりづらいので補足しておこう。Search Consoleの検索パフォーマンス画面では、グラフの上部に「合計クリック数」「合計表示回数」などが表示されており、グラフの下にある表でクエリごとのデータを確認できる。
このデータのうち、グラフ上部に表示されている合計や平均の数値は全クエリを対象にした数字だ。しかし、表に「クエリ」として個別に出ているものが実際の検索クエリすべてではなく、この表に出てこないものもあるということだ。
「そりゃそうでしょ、検索パフォーマンスの表は最大1000項目しか表示しないんだから」と思う人もいるかもしれない。
しかし元記事の筆者は、Search Consoleの画面ではなくAPIを利用してデータを検証している。そのため、Search Consoleの1000項目制限の影響ではない(実際に、1000項目未満の小規模サイトでも同様の現象が発生している)。
こうした現象が発生する理由には、次の2つが考えられる:
Search Consoleのレポート提供方式
表示回数やクリック回数が非常に少ないクエリは、レポートに出てこない。たとえば期間中に1回とか2回のクエリで、いわゆる「ロングテール」のキーワードだ。
ロングテールキーワードが比較的多いサイトでは、データに出てこないクエリが増えるのかもしれない。
プライバシー/個人情報の保護
プライバシー保護のため個人情報または機密情報を含むクエリもデータからは除外される(データが一致しない理由はヘルプ記事に説明がある)。
だが、こうした理由によりすべてのクエリデータが提供されていなかったとしても、実際のクエリを確認できるのが検索トラフィックの半分しかない場合があるのはショックだ。
ストックス氏は、自分のサイトで詳細を確認できないクリック数の比率を調査できるGoogleデータポータルも公開している。
自分の管理サイトではどのくらいの数のクエリが隠されているのかを突き止める手順を次に示す(ストックス氏の解説に編集部で画面を追加したものだ):
元記事で紹介しているデータポータルのレポートをひらく。
右上のメニューから[コピーを作成]を選ぶ。
レポートのコピー画面で[新しいデータソース]の「(不明)」をクリックする。
[新しいデータソース]のドロップダウンリストが表示されるので、下部にある[Create data source]をクリックする。
接続するデータソースのコネクタを選ぶ画面が表示されるので、検索フィールドに「Search Console」と入力してフィルタし、Search Consoleのコネクタを選ぶ。
Search Consoleのコネクタで接続するデータを選ぶ画面が表示されるので、Search Consoleに登録済みの自分のサイトを選び、「表」では「サイトのインプレッション」を、「検索タイプ」では「web」を選ぶ。右上の[接続]をクリックしてデータに接続する。
データのフィールド画面が表示されるので、何も変更せずに右上の[レポートに追加]をクリックする。
レポートのコピー画面に戻るので、[レポートをコピー]ボタンをクリックする。
これで、自分のサイトのSearch Consoleデータをもとにしたレポートができる。
確認するのは、左右の表のクリック数「総計」の差異だ。左側の「#1」が全体データで、右側の「#2」が「クエリが空」でフィルタしたデータだ。
この差が大きければSearch Consoleでクエリとして個別にデータが提供されていないクリックのデータが多いということになる。
あなたのサイトではどうだっただろうか?
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル検索SEO情報①
コンテンツが隠れている展開型デザインはSEOにマイナスなのか?
見えているコンテンツと同じように今は評価される (Search Off the Record) 海外情報
初期状態ではページ上に表示されておらず、クリックやタップで展開して表示されるコンテンツは、無視されたり重要度を下げられたりする。
こうした問題は、今は(さほど)気にしなくていいようだ。
7~8年前まではグーグル検索でこうした状況が発生することがあった。しかし今はそういったことはない。隠れているコンテンツであっても、きちんと評価対象になる。
グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏が、Search Off the Record(サーチ・オフ・ザ・レコード)ポッドキャストで説明した。
グーグルの何らかのガイドラインでは、今でも「展開型のデザインを使わないように」としているようだ。しかしイリェーシュ氏によれば、現在は初期状態で見えないコンテンツであっても、見えるコンテンツと何ら変わることなく認識されるとのことだ。しかも、検索にマイナスな影響は与えないのだという。
UXと検索の流れで語られたことだ。ナビゲーションメニューに非常に多くの項目があっても、あらゆる項目を初期状態で見せるべきなのかといった問題提起があり、そこで、ガイドラインでの説明に話題が飛んだ(後半の20分前後から)。
(イリェーシュ氏)
初期状態で隠すのが駄目だという理由が(今は)思いつかない。今は隠れていても検索に出てくるし、ガイドラインでそんな風に記載している理由がわからない。
(サースマン氏)
ガイドラインの記載は「大丈夫だけど、好ましくない」というものだった。
(イリェーシュ氏)
おかしな説明な気もする。大規模ECサイトだと、ナビゲーションに何段階もあり大量のリンクを含む場合もある。初期状態でそれを非表示にしなかったら、サイトが使い物にならなくなる。そんなサイトが良いはずがない。
(スプリット氏)
ページで表示されていない内容は、見える状態のものよりも重要度が少し低いと判断するような処理は?
(イリェーシュ氏)
もう今はやっていない。
昔はそういった処理があったが、今はない。
(スプリット氏)
知らなかった! すばらしい!
サイトによっては、展開型のデザインが最適なこともある。たとえば、アマゾンには非常に多くのカテゴリが存在する。すべてのカテゴリをナビゲーションメニューに最初から表示していたら、スクリーンに収まらないかもしれない。ユーザー体験を考慮すれば展開式がふさわしい。
一方で、初期状態で非表示になっていると、検索からやってきたユーザーが目的としていた情報をすぐに見つけることができずユーザー体験を損ねるかもしれない。量がさほど多くないのであれば、初めから見せていたほうが親切な場合もある。
ようするに、展開型のデザインを採用するかしないかは、それぞれのサイトの状況に応じて判断したい。
注意してほしいのは、展開につかう仕組みだ。
クリックやタップなどのユーザーのアクションによってXHR(Ajax)でサーバーから別途コンテンツを取得したり生成したりする場合は、そのコンテンツをGooglebotは認識しない。Googlebotはクリックやタップをしないからだ。
ページ上では見えていなかったとしても、ページを表示した段階でHTMLコードにはすでに存在しなければならない。
この点に気を付けさえすれば、展開型デザインは検索には何ら問題ない。ユーザー体験視点で、採用の可否を決定すればいいということのようだ。
対話のなかででてきた「ガイドライン」がどの記載なのかまでは確認できていないが、こうした情報を公式に整理してくれると非常にありがたい。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
適切なサイトリンクを表示させるためのベストプラクティス
完全には制御できない (Google SEO office-hours) 海外情報
グーグルの検索結果ページでサイトリンクとして表示されるリンクはサイト側では制御できない。とはいえ、多少なりとも影響を与えることはできるようだ。グーグルのジョン・ミューラー氏がアドバイスした。
サイトリンクとして表示する内容を指定する
meta
タグや構造化データはない。グーグルのシステムが「ユーザーはこのページも探しているのではないか」と推測し、関連性が高いページのリンクを決定して表示する。適切なサイトリンクを表示できるようにするために、次のようなことを推奨する:
- 良いサイト構造
- どのページがどのページと関連しているかがわかるような明確な内部リンク構造
- 適切なタイトルをサイトリンクに表示できるように、明確なtitleタグを設定する
こうしたことを実践したからといって希望するサイトリンクを表示できる保証はない。しかしこうしていれば、グーグルのシステムが「関連するページを判断する」「サイトリンクを表示すべきかどうかを決定する」際の手助けにはなる。こうした情報に基づけば、適切なサイトリンクをずっと表示しやすくなる。
思うようなサイトリンクが表示されていなければ、ジョン・ミューラー氏のアドバイスを実践してみよう。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル検索のアルゴリズムアップデートはグローバルで同時に展開? それとも国や言語で別々に展開?
グローバルを目指しているが、ときには個別で (#AskGooglebot on YouTube) 海外情報
新しいアルゴリズムのアップデートは、すべての国と言語で同時に展開するのですか? それとも個別に展開するのですか?
この質問に、グーグルのジョン・ミューラー氏が動画で簡潔に回答した:
「はい/いいえ」で答えたいところだが、実のところはそう単純ではない。
基本的には、可能な限りグローバルで有効にすることを目指している。国や言語ごとにバリエーションを作らないほうが、テストや管理をしやすくなるからだ。
とはいえ、最初に適用する国や言語を選ばなければならないときもある。そうすることで、エンジニアが微調整できる。この場合は、そのアルゴリズムに最も関係する言語や国から始めるようにしている。英語の場合が多いが、必ずということでもない。
特定の国や言語だけで有効にする場合は、アナウンスでも言及する。新しいアルゴリズムが期待どおりに機能することを確かめたら、他の言語と国にも拡大していく。
まとめると、すべてをできるだけグローバルにしようとはするが、大きな変化を伴うアップデートでは状況は変わってくる。
グーグルとしては、可能な限り言語や国に依存せずに世界規模でアップデートを展開することを目指している。しかし、アップデートによっては一部の言語や国でのみ展開が始まるケースも多い。
たとえば最近では、次のアップデートで違いがみられた:
- ページエクスペリエンス アップデートは、グローバルで展開
- 商品レビューに関するアップデートは、英語コンテンツのみに展開
グローバル展開でない場合は、ミューラー氏が触れたようにたいていは米国、英語が最初だ。
- ホントにSEOを極めたい人だけ
Search Consoleの「検証をリクエスト」に関するヘルプ記事をグーグルが更新
利用は必須ではないがメリットあり (Search Consoleヘルプ) 国内情報
Search Consoleのリッチリザルト ステータスレポートなどの各種レポートでは、エラーや警告の原因を修正した完了した後は修正の検証をリクエストできる。
この「修正を検証」機能について、より詳細に説明するようにグーグルはヘルプ記事を更新した。
修正の検証リクエストは必ずしも実行する必要はない。ページが再クロールされれば修正が自動的に認識される。しかし、リクエストすることによるメリットがある。グーグルは次のように説明している。
Google によってすべての URL で修正済みであることが確認されたこと、または逆に、その問題のインスタンスが引き続き検出されたことを、メールで知ることができます。
Google による修正確認の進行状況をトラッキングでき、チェック待ちのキューに登録されたすべてのページのログや、各 URL の修正ステータスを表示できます。
修正の検証機能の使い方や仕組みをヘルプ記事で学べる。利用経験がない人はもちろんのこと、利用経験がある人も目を通しておくといい。
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