成果につなげる! コンテンツマーケティング最前線

本格SEO対策で流入6.8倍に! 検索意図とコンテンツUXを追究するコンテンツの磨き方

ユーザーの検索意図やニーズを分析し、新規コンテンツだけでなく、過去コンテンツのリライトで、流入が6.8倍アップ。現在は月間50万UUにまで成長したメディアの事例を紹介する。
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ネントリーズが運営する「トラック王国ジャーナル」は、中古トラックを売買したいドライバーのお悩みに応えたコンテンツを掲載し、月間50万UUにまで成長したオウンドメディア。ローンチ当初は流入が少なかったものの、SEOに本格的に取り組むことで、5ヶ月後には当初より流入が6.8倍にアップしました。

現在も、新規コンテンツへの工夫はもとより、過去記事を大切にリライトしながら新規ユーザーをつかみ、収益につなげています。そこで、成長を維持するための「コンテンツの磨き方」を、ネントリーズのICTソリューション部の皆さんに伺いました。

(後列左から)ネントリーズ株式会社 金富聡史様、手塚拓様、西田慎次様、蓑島健太様、株式会社Faber Company 中道祐弥。
(前列左から)ネントリーズ株式会社 西田彩夏様、諏訪勝成様、株式会社Faber Company 前田絵理。

担当者の熱意でオウンドメディアを立ち上げる!

中古トラックの販売を行う「トラック王国」を運営するネントリーズは、もともとWeb広告の会社。サイト露出を図るといえば、Web広告をとにかくたくさん打つことでした。ただ、それには莫大な広告費がかかり続ける上、潜在顧客を獲得しにくいという弱点もありました。

そこで広告以外のチャネルを開拓しようと、ICTソリューション部内にSEOチームを発足し、2016年8月にオウンドメディア 「トラック王国ジャーナル(以下、ジャーナル)」をローンチしました。当時のことを、部長の西田慎次さんはこう振り返ります。

中古トラックの知識コンテンツからユーザーを集客したい。でも成功するかわからないし、成果は出ても数カ月後――そんな不安もありました。日々CVに直結させるための広告運用をやってきた私たちにとって、人員を割いて新たにSEOに取り組むと決めることは、大きな決断だったんです。当時、編集長を務めたのは前田絵理さん。もう一人の前任者と一緒に、「コンテンツ制作をやりたい」という熱意とやる気で始め、モノにしてくれました。結果を出してくれたメンバーみんなに感謝ですね(西田さん)

ネントリーズ株式会社 ICTソリューション部 部長・西田慎次さん(中央)

「ジャーナル」の編集長を経て、Faber Companyにジョインした前田は、立場は変わったものの、その後も同メディアの運用をサポートしてきました。その前田は、「ローンチ当時は手探りで、3つの課題がありました」と語ります。

「ジャーナル」前編集長で、現在はFaber Companyでマーケティングチームに所属する前田絵理

[課題1]1カ月に1本…記事制作に時間がかかりすぎる

記事の制作・編集経験は豊富でしたが、SEOもトラック業界も初めてでのメディア新設でした。当初はSEOコンサルタントのアドバイスを受けつつ、キーワードプランナーなどを使って、構成案を設計。その案をもとに、社内の営業部やトラックの整備部署にインタビューして記事を制作するという流れで進めました。ただこれでは、調査から制作まで手作業のため、工数がかかり過ぎ、1カ月に1本の記事が公開できれば良いほうでした。

[課題2]外注先に明確な指示が出せず、かえって工数増大

制作スピードを改善するため、「トラックに詳しい」と評判の制作会社に依頼することに。しかし納品された原稿は、事業会社のコンテンツとして公開できるレベルではありませんでした。

「何か違うけど、改善指示を明確に示せない」。そんな状態のまま、結局は編集担当者が社内のトラック有識者に記事を確認してもらい、新たな工数をかけてリライトするという悪循環になっていました。

[課題3] SEO効果が出始めるも、どこが読まれているのかがわからない

そんな遅々とした歩みでもコンテンツ数が増えていき、徐々にSEO効果が出始めました。施策後半年ぐらいで初めてコンテンツからの「CV=見積り依頼」が出たのです。しかし、Googleアナリティクスだけでは、「ユーザーはどこに興味関心があるのか」を、作っている自分たちが把握できません。コンテンツ改善がしづらく、課題を感じていました。

ユーザー心理を深く掘り下げるツールを導入

「制作会社やSEOコンサルタントばかり頼っていてはダメだ」という結論に至り、編集部での内製化を進めるべく、ローンチから5ヶ月後に導入したのがFaber Companyの「MIERUCA(ミエルカ)」でした。

導入の決め手は、サジェストキーワードからユーザー心理を表す「検索ニーズ」の調査ができる点でした。編集部の2人がミエルカ大学で〝検索意図のグルーピング〟という概念を教わったことで、「このキーワードで検索するユーザーが本当に知りたいことは何か」「何本の記事をどんな構成で書けばいいか」への理解が深まりました。

サジェスト抽出機能をもとにした、当時の編集担当者のメモ(一部抜粋)

導入後は、具体的に2つのメリットを実感できたそうです。

[メリット1]ユーザーニーズ分析の時短

トラックの知識が十分ではない編集担当者も、次の図のようなユーザーニーズがカタマリで見える機能を見ればニーズをイメージでき、記事を1本完成させる時間の短縮に繋がりました。

「緑ナンバー」というキーワードで調べるユーザーニーズ分析図。トラックに詳しくなくても、近い意図のグループからニーズを連想できる

[メリット2]有識者との連携による質の改善

そして、この可視化された図を社内の有識者に見てもらうことで、「ココとココも、ニーズは同じだと思う」とアドバイスを受けられるようになり、他部署との連携もスムーズになりました。

ユーザーニーズの分析を自分たちでできるようになってから、投稿本数、質ともに安定していきました。その後も成長できたポイントは、メンバーが一丸となってユーザビリティを追求したこと。これに尽きますね(前田)

投稿後に順位がつかない!そんな時は「ユーザー行動」を分析

ローンチから8カ月経つ頃には月間50万UUを達成するようになった「ジャーナル」ですが、その成功のカギとしてはもう1つ、ヒートマップツールの活用があげられます。

中古トラック業界では、傾向として単一ワード(1語のキーワード)で検索されることが多いため、検索意図が多岐にわたります。すべてのニーズをカバーしようとすると、どうしても1記事5,000文字以上になることが多く、どこに興味関心が高いかがわかりづらかったといいます。

ではどうやって、ユーザーの興味関心を把握できるようになったのでしょう? その具体例をデザイナーの諏訪勝成さんにお聞きしたところ、転機になった「冷凍車」のコンテンツについて話してくれました。

ネントリーズ株式会社でイラスト、デザインを担当される諏訪勝成さん

最初は数字を気にせずお客様に楽しんでもらえたらと思って制作しましたが、投入後まったく検索順位がつかず…。そこで前田さんが「ミエルカヒートマップ」を使って、コンテンツの順番の入替えを提案してくれたんです。するとなんと「冷凍車」1語での検索順位が2016年当時2位になりました。それまでの48位からの急上昇。大きな成果にやりがいを感じましたね。以降は、熟読率などを気にしてWebデザインをするようになりました(諏訪さん)

改善前のヒートマップ結果。この結果を見て、熟読箇所を上部へ移した
ユーザーの興味がある順番に改善。その後は、全体熟読率が3%上昇した

内部リンクをこまめに設定することで少しずつPVがついてくるようになった段階で、ヒートマップを活用して「よく読まれている箇所」を調べたのです。その結果、私も予想していなかったページ下部分が読まれていたので、熟読されているトピックスをページ上部に移動しました。当初は、入れ替えただけでここまで成果が出ると思っていませんでした(前田)

ヒートマップ活用で検索順位が2位に。改善を続け、2020年8月現在も4位と、上位をキープ

こうした「冷凍車」の成功事例を踏まえて、熟読されているトピックスをページ上部へどんどん移すようになりました。「どんな画像でユーザーの手が止まるか?」「ここで誤タップされているな 」といったこともヒートマップからわかるので、コンテンツ改善もスピードアップ。セッション数も、2019年9月には、2016年9月の7倍にまで達しました。

移り行くユーザーニーズに合わせ、常に改善し続ける

外注頼みだった体制も、ローンチの半年後にはほぼ内製化に成功。オウンドメディアからECディレクトリへの送客は、ローンチ当初の6.8倍にまで上昇しました。メディアからの流入シェア率は16%から62%と過半数を占めるまでに成長。4年経った現在も、人気記事ランキングの更新履歴を見ると、丁寧な改善で流入を維持していることがわかります。

4年前のコンテンツも丁寧に改善し続けている

こうして単一ワードを狙うコンテンツ制作を行い、狙ったキーワードのほとんどが5位以上という成果をあげている「ジャーナル」。現在、サポートを行っている中道祐弥によれば、次に狙うのはロングテールだといいます。

単一ワードを狙って成果をあげてきていますが、細かい検索ニーズを取りこぼしている可能性も捨てきれません。ロングテール(2語以上を組み合わせた複合)キーワードにも対応できるようサポートしたいと思います(中道)

Faber Companyカスタマーサクセス担当の中道祐弥

認知拡大後のCV施策は「とにかくABテストを徹底」

また、今後はさらに収益化への貢献に一層力を入れていくと西田さんはいいます。メディア「ジャーナル」を通して「トラック王国」を知ってもらうことは、GAでは測れないブランド価値を生むのだと感じられているそうです。トラックは頻繁に買い替える商材ではありません。しかしSEOで認知を広げていけば、いざ買い替えや売却のときに、選んでいただけることにもつながるからです。

GA上でみると「ジャーナル」というメディアからの流入は存在感を増していますが、CVに関してはまだまだインパクトとして大きくありません。そこでメディアが軌道に乗った後、「収益化も加速したい」と考えて、現在はECへの送客導線強化とCVに注力しています(西田さん)

オウンドメディアの成功で、CVするキーワードが広がり(4tトラック、2tトラックなど)、省庁や法律事務所、一流重機・建機メーカーからもリンクをもらえるようになりました。各コンテンツから流入したユーザーをいかに「販売」「買取り」ページでCVに案内するかが、マネージャーの蓑島健太さんと、フロントエンジニアの手塚拓さんのミッションです。

(左から)ネントリーズ株式会社 マネージャ―の蓑島健太さん、フロントエンジニアの手塚拓さん

蓑島さん、手塚さんは、ABテストをとにかく徹底してUX改善をはかっているといいます。

たとえばファーストビュー周り。最初にフォームを置くのか、あるいは、PCだけでなく、スマホでスクロールしても、上部に電話番号を追随させるか、数字はボタンで置くか文字で置くかなど、いろんな関連サイトで試してきました。差が数パーセントの微々たるものでも「とにかくいい方」を採用。生き残ったUXデザインだけを、今サイトに載せています(蓑島さん)

買取りのページでは直近の買取り金額を自動表示した方が、滞在時間が増えると思いきや、逆に下がるページもあるので一概にはいえないことがわかりました。商材によって慎重に見極めています(手塚さん)

ABテストの結果、カテゴリごとに価格表示の方法も変えている

「常にユーザーニーズの変化を捉えたコンテンツ、読みやすいUXになるよう磨いていく」。ニッチな業界にあって月間50万UUの、トラックに関するあらゆるニーズに応えたメディアに成長していった理由は、基本の徹底にあると感じたインタビューでした。

「トラック王国ジャーナル」の事例を通して、成長を維持するための「コンテンツの磨き方」を語ってくださった皆さん
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