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2020年の年末商戦に役立つローカルSEOのヒント8選(前編)~「ヒュッゲ」なモードの顧客のために

ヒュッゲ(快適さや心地良く朗らかな気分)を体現しようと、多くの人が「自宅で安全かつ快適に楽しく過ごしたい」と願っている2020年のホリデーシーズンに、ローカル検索マーケティングで意識すべき8つのヒント
画像クレジット:DoSchu

2020年のショッピングシーズンがピークを迎えつつあるなか、ほとんどの人にはこれが口癖のようになるだろう。

ホリデーシーズンを過ごすのに、我が家に勝る場所はない

これを企業の観点に変えると、旅行を控えて自宅での祝い方を探そうとしている顧客とつながるために、ローカルビジネスが季節のマーケティング戦略を例年より早く計画して実装することがこれほど重要な年は、他に考えられない。

最近、複数の国で、古くからあるデンマークの精神「ヒュッゲ」を体現しようとする試みが流行している。オックスフォード英語辞典はヒュッゲを次のように定義している:

「ヒュッゲ(Hygge)」とは、満足感や幸福感を生み出す快適さや心地良く朗らかな気分の質。

時にとらえどころのないこの精神状態は、(当然のことながら)どこかの専門店で売っているものではない。買い物客の中にはヒュッゲという言葉をまだ聞いたことのない人もいるはずだが、多くの人は今年、自宅でそれを生み出そうとするだろう。

デンマークは他のどの国よりもキャンドルの購入量が多く、スカンジナビア諸国全域では、

  • 温かい食べ物
  • 心地良い飲み物
  • 大切な人と過ごす時間

を大切にしており、このことは、冬の最も暗い時期でさえ暮らしのなかにいくつもの小さな幸せを取り入れようとする姿勢をよく表している。

さて、買い物客は、こう願っている:

自宅で安全かつ快適に、楽しいホリデーシーズンを過ごしたい。

そうしたローカルの買い物客の気持ちを支援するために、ビジネスは何を提供できるだろうか。それが何であるにしても、非常に困難な状況が続いた2020年を締めくくるにあたって称賛すべきものとなるだろう。

ローカル検索マーケティングに関するこれら8つのヒントが、新年に向けて顧客(および君のビジネス)の役に立つ有益なつながりを築く助けになることを願っている。

2020年の年末商戦に役立つローカルSEOのヒント1
既存の顧客を調査して、求められているものを提供する

2020年は、手頃な価格の調査/アンケートツールが活躍して価値を生み出す年だ。

顧客のニーズがここ1年でどれほど変わったかを正確に理解するのに、ローカルビジネスでは次のようなことをアンケートなどで調査するのが良い。そのコストは、月額わずか20ドルほどだ。

  • 地域の人がなかなか見つけられないでいる商品
  • 地域の人がホリデーシーズンに最も欲しいと思う商品やサービス
  • 地域の人にとって最も便利な買い方や配送方法
  • 最も便利な営業時間
  • 地域の人にとって、ビジネスと取引する場合に必須の安全対策
  • 現時点で最も利用されている支払い方法

地域のニーズについて最も可能性の高い知見を集めるのに役立つこういった質問は、おそらくたくさん思いつくはずだ。顧客離れを防ぐため、メール/テキストデータベースで顧客にアンケートを取り、その結果を常に手元に置いておこう。

対象者は決まっていてもアンケートを取るのに必要なツールがないという人は、Zapierがまとめたオンライン調査作成アプリ10選(2020年版)をチェックして、顧客のニーズに関する知見を得るための簡潔な調査を作成しよう。

2020年の年末商戦に役立つローカルSEOのヒント2
会社として親しみを込めることに全力を注ぐ

2020年のホリデーショッピングシーズンだけでなく、2021年に入っても掲げることのできるモットー ―― そんな重要なものをすべてのローカルビジネスオーナーに伝授できるとしたら、それは次のようなものになるだろう:

顧客にブランドを見つけてもらうだけでは十分ではない。ブランドを好きになってもらう必要がある。

これの反対の状態である次のようなブランドを、あなたもいくつか思いつくのではないだろうか?

そのブランドをよく知っている。しかし、何らかの点で個人またはビジネスの基準を満たしていないために、決してそのブランドのものを買うことはない。

君はそれらのブランドを「発見はした」が「好きではない」わけだ。2020年には、何も言わずに、または公然と、そうしたブランドをボイコットさえしたかもしれない。

このシナリオの対極にあるのは、「自分が大変気に入っているローカルブランド」だ。私は、自分の地域にある独立系食料雑貨店の魅力について延々と語ることができる。この店は、地元の農家から仕入れたサステナブルな商品を棚に並べ、店の軒先にBlack Lives MatterやLGBTQ+の旗を誇らしげに掲げ、すべての顧客を大切な隣人のように扱う店だ。

SEO業界は何年にもわたり、消費者ジャーニーにおける発見段階に多大な労力をかけて重点的に取り組んできた。

しかし私の田舎町にある小さな食料雑貨店は、私の家族が重視していることへの親近感を示すことで、この段階を一足飛びに駆け抜けた。オーナーたちは、共感性や多様性、地域社会への思いやりという点で期待される以上の働きをすることにより、私たちを生涯忠実な顧客と見なせるようになる。

私は各ビジネスに対し、顧客とブランドの親近感をホリデー戦略の中心に据えることを強く推奨する。会社として前向きな社会変革の取り組みに貢献していくことを宣言する重要な変化をいかにして起こせるか、ブレインストーミングしてみよう。

2020年の年末商戦に役立つローカルSEOのヒント3
できる限りアクセスしやすく、コミュニケーションを取りやすくする

前述の2つの目標を達成したら、自身のブランドが提供するものや、運営手段のなかで人に優しい側面についてコミュニケーションする手段を、次のうち可能な限り多くの形で確保しよう:

  • ウェブサイト
  • ローカルビジネスのリスティング
  • 電子メール
  • ソーシャルチャネル
  • フォーム
  • テキスト/メッセージング
  • 電話の保留音マーケティング
  • 店頭や店内でのサイネージ(看板)
  • 地域のニュース、ラジオ、テレビメディア

17年にわたってローカルSEOを手がけてきた私だからこそ、自信を持って言える。2020年のホリデーシーズンほど、ローカルビジネスのリスティングが大きな潜在的資産になることはない

特にGoogleマイビジネスのリスティングは、ほぼすべての顧客のwho-what-where-when-why(誰、何、どこ、いつ、なぜ)に答えてくれるインターフェイスだ。

ただし、ビジネスとしてこれらの情報を適切に管理している場合に限られる(手作業かMoz Localなどのソフトウェアを利用しているかは関係ない)。

自分が提供するものを顧客が探していると思われる場所ならどこにでも、こちらの情報を正確かつ十分に用意して待っている必要がある。その情報とは、たとえば次のようなものだ:

  • 素性
  • 場所
  • 営業時間
  • 方針
  • 文化
  • サービス内容

こうした情報を「正確かつ十分に」というのは、たとえば次のような施策を含むという意味だ:

これ以外にもできることはあるはずだ。2020年はこれまで以上にコミュニケーションに力を入れよう。

それと同時に、グーグルのモバイル対応基準を満たし、ウェブサイトのアクセシビリティをADA(Americans with Disabilities Act:障害を持つ米国人法)に準拠させることで、取り残される顧客がいないようにすることも重要だ。顧客をエンゲージメントさせ続けるために、高速で直感的、かつインクルーシブな体験を提供しよう。

新型コロナウイルスのパンデミックでソーシャルディスタンスを確保するためにも、インターネットをフル活用して地域社会とできる限りつながり、商品やサービスを提供してほしい。

2020年の年末商戦に役立つローカルSEOのヒント4
地域のEコマースや商品のリスティングを利用する

世界最大級のEC専門メディアDigital Commerce 360は、主にパンデミックによって2020年上半期に米国でのオンライン小売販売額が前年同期比で30%超も増加したデータをグラフ化してくれている。

Digital Commerce 360より

同メディアの要約データによると、北米最大規模の小売各社へのトラフィックは全体で19%急増したという。

ローカルビジネスのレベルでは、実装しているEコマース機能が基本的なものだけだったとしても、ホリデーシーズンに先立って最も需要の高い配送方法がわかれば、大きな違いを生み出せる可能性がある。配送方法には、次のようなものが挙げられる:

  • オンラインで購入して、店舗で受け取る(Buy Online Pickup In Store:BOPIS)
  • オンラインで購入して、店舗の駐車場や路上で受け取る(カーブサイドピックアップ)
  • オンラインで購入して、郵送してもらう
  • オンラインで購入して、販売企業またはサードパーティのドライバーに直接自宅まで配送してもらう

無料トライアルがあるものを含め、よく利用されているEコマースソリューションを広範にわたって比較したサイトもある。また、MozブログのEコマース関連コラムは、デジタル販売の最適化について専門家のアドバイスが読める無料のライブラリだ。

自社の商品はできるだけ多くの場所に表示されるようにしよう。2020年4月、グーグルが商品リスティングを無料で掲載すると発表して多くの人を驚かせたことを思い出してほしい。同社は先ごろも、店舗のPOSシステムと連携して商品在庫をオンラインで公開できるデバイスを手がけるPointyを買収している。このデバイスを使ってバーコードをスキャンすると、オンライン上の在庫ページのように利用できる。

さらに、グーグルは2020年9月中旬、Googleショッピングに「Nearby」(近くの店舗)フィルタを追加して、商品に関する次の大きな一歩を踏み出した。これにより、私が数年前からこのコラムで予想していたように、検索エンジンからローカル在庫の情報をリアルタイムで確認できる日がよりいっそう近づいた。

GatherUpのレビュー調査で示された、消費者が求めている公共の安全手順を実装して、在庫をウェブで公開し、購入された商品を店頭から顧客に届けるのに最も便利な方法を明らかにすれば、そうした努力が実を結び、第4四半期での増益に向けた道が開ける可能性がある。

この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回は、残る4つのヒントを紹介する。→後編を読む

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