【レポート】Web担当者Forumミーティング 2016 Spring

顧客ステータス・タイミングに合わせた施策とマーケティングオートメーション

業界ごと、サイト特性ごとに異なるマーケティングオートメーション鉄板シナリオ
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デジタル化・デバイスの進化によって顧客側のタイミングで容易に情報収集が可能な時代になっており、顧客の可視化・顧客タイミングに合わせた事例とその仕組みを実現するマーケティングオートメーションが望まれるようになっている。

山田 賢治氏
株式会社アクティブコア
代表取締役社長
山田 賢治氏

アクティブコアは、プライベートDMPとレコメンドエンジン、Web解析、A/Bテスト、メールオートメーションなどを統合したワンプラットフォームのクラウドサービスを提供している。Webの情報だけでなく基幹システムの情報などとも統合することで実現する、顧客のステータスやタイミングに合わせたアプローチについて、社長の山田賢治氏が解説した。

顧客のタイミングに合わせたマーケティングとは?

購買行動に関する概念として、グーグルが提唱した「ZMOT(Zero Moment of Truth)」がある。デバイスが普及してインターネットが身近になったことで、消費者は実際に購入する前に、情報収集や下調べをして意思決定の大半を済ませていることが多い。ZMOTとは、この事前の下調べのことだ。

インターネットが登場するまでは、商品パッケージや店員による説明が購入の意思決定に影響を及ぼしていた。これを、FMOT(First Momemt of Truth)と呼ぶ。ZMOTは、購買のきっかけとなる出来事とFMOTの間、ファーストよりも前の段階だから、ゼロと呼んだものだ

ZMOT(Zero Moment OfTruth)  購買行動に関する概念「ZMOT」 きっかけ 消費者が購買行動を起こすきっかけとなる出来事。 最初の正念場購入 商品パッケージ、店員による説明、動画などの情報ソースを元に消費者は3~7秒で購入する商品を決定する 第2の正念場 体験 商品を購入した消費者が、実際にその商品を使用し体験すること。この体験がまずいものだった場合、次からは選んでもらえない 情報収集 買い物前の下調べ 評判・口コミを別の人へ
ZMOT(Zero Moment Of Truth)

B2B

これを裏付ける事例として、山田氏はあるグラフを見せた。あるB2Bの事例で、初回サイト訪問からコンバージョン(Webでの問い合わせや資料請求)までの時間をグラフ化したものだ。

商談にまでつながったケースで見ると、初回サイト訪問から60日以内にコンバージョンしているケースが約半数だ。これは、サイト訪問後、60日間が比較・検討期間だと予想できる。

一方で、商談につながったコンバージョンのうち三割程度は、初回サイト訪問当日に資料請求している。これは、それ以前に製品・サービスを聞いたことがあって、関心があり、すぐに資料請求していると思われる。初回訪問はすごく重要であることがわかる。

受注 B to B カスタマージャーニー 認知 営業 受注 追加注文 比較検討 Web 営業 メール フォロー 展示会 製品サイト閲覧 アタックリスト 追加受注 展示会参加 会社情報閲覧 お役立ち情報閲覧 イベントフォロー 定期メルマガ セミナー告知 お役立ち情報
B to B カスタマージャーニー

B2C/通販

次に紹介したのは、単品通販・ECサイトの事例だ。初回購入と2回目購入までの経過日数をグラフ化すると、大きく山になっているのは初回購入から14日後、30日後、60日後である。

単品通販ではリピート購入が重要で、これが売上を決める。このため、初回購入からリピート購入までの期間にアプローチすることが重要だ。この事例では、14~60日以内のアプローチが全てで、このタイミングを逃すと、2回目購入はほとんどないことを示している。

B to C カスタマージャーニー 認知 契約 比較検討 フォロー 営業店支店 Web モバイルアプリ メール コールセンター ネットで比較・検討 スマホ広告 資料請求 コールセンター 申し込み アフターフォロー サイト閲覧~資料請求・申し込みから成約
B to C カスタマージャーニー サイト閲覧~資料請求・申し込みから成約
通販カスタマージャーニー 認知 来店 購入 再購入 比較検討 店舗 Web モバイルアプリ メール コールセンター フォロー 広告媒体 TV/チラシで認知 ネットで比較・検討 店舗で購入 コールセンター リピート購入 アプリダウンロード フォローメールレコメンドメール EC・店舗オムニチャネル ネットで購入
通販カスタマージャーニー EC・店舗オムニチャネル

また、ECサイトの不満を女性向けサイトで聞いたところ、「情報が多すぎて欲しい物が見つけられない」という意見が半数以上だった。欲しい情報は、サイトに訪問したばかりの人か、一度購入した物を追加購入したいのかなど、人によって違う。

つまり、ステータスに合わせた情報提供が必要ということだ。現在はさらにデバイスの違いも考慮しなければならない。ちなみに、アクティブコアの調べでは、B2BかB2Cかを問わず購買の前の情報収集ではスマートフォンが多い。

人によってステータスが違う Dさん Iさん Cさん Aさん Bさん Eさん 購入 追加購入 認知 再訪問 サイト訪問 閲覧 新規 顧客 リピート Fさん Hさん Gさん
人によってステータスが違う

これらの事例が示す通り、顧客のステータス、タイミング、デバイスに合わせたアプローチが重要だ。タイミングに合わせたマーケティングということだが、そのためには顧客接点を可視化する必要がある

たとえばECサイトではリピート購入が重要だが、初回購入はメールやコールセンターで、リピート購入はWebからというケースも多くある。この場合、Cookieベースのアクセス解析では、リピートではなく初回購入に見える

つまり、メールやコールセンターの情報と統合して見なければ、そのユーザーが本当に必要としている情報や適したアプローチがわからないということだ。

また最近は、どの広告によってリピート購入に至ったのかわかるように、Webのデータと基幹系のデータを、請求番号や注文番号とひもづけて分析するというニーズが高まっている。分析してみると、サンプル購入した広告と、2回目以降の購入に至った広告では大きく違っていることが多い。

紹介された事例では、初回サンプル購入はインフィード広告、スマホ広告、FB広告が多く、2回目以降の引き上げ率が高いのは検索エンジン(指名検索)、エバンジェリストのブログや特定のアフィリエイトからだった。

効率よく重点的に訴求するには、初回購入につながる広告はどれで、売上が高い広告はどれか、どのような人がどの広告に反応するのかを知る必要がある。特に最近は、成約にひもづく顧客接点を可視化したいという要望が増えている

Webのアクセス解析だけでなく、どの広告やメールから来て、どのページを見ているのかまで広げてさかのぼる必要があるが、EC以外でも資料請求番号などがあればひもづけることができる

成約に紐づく顧客接点・行動を可視化  できるだけ利益につながる顧客接点・行動を紐づける 新規 どの広告に反応しているか? どのページを見ているか? どの商品(カテゴリ)を閲覧・購入したか? どのメールに反応するか? どこから訪問しているか? 顧客属性(性別・年代・・) WebCV 実際の成約売上 既存 リピート購入 会員番号Cookie → 資料請求→注文番号メールアドレス/氏名/企業名 可能な限り顧客単位で売上と紐づける
成約にひもづく顧客接点・行動を可視化

カスタマージャーニーに営業ステータスを含めたデータが必要だ

B2Bのカスタマージャーニーを考えてみよう。

あるユーザーが展示会に参加する。展示会に参加すれば、参加者リストや展示会での名刺収集などで個人データが得られるので、これをDMPに登録する。

展示会に参加したユーザーは、その後の比較検討のために、製品サイトを訪問する。サイトを訪問すれば、どのページをどのように遷移していったかというWeb解析データが取れる。

この閲覧履歴から見込み客を抽出し、名刺リストなどからアタックリストを作って営業担当に渡す。営業担当者は電話営業や訪問を行い、受注に至る。受注後はメールなどでフォローする。

営業担当がアプローチするために必要なのは、Webの行動情報だけでなくそれに営業ステータスを含めたデータだ。たとえば、最近製品ページを頻繁に見始めたユーザーのデータは、見込み客のデータとなる。また、商談中の相手がどのページを見ているかというデータがあれば、相手が何に興味を持っているかわかるので商談がスムーズに進む。

あるいは、受注でも失注でもない塩漬け状態の企業もあるかもしれない。再アプローチのために連絡先データが欲しいが、過去にセミナーに来たなら参加者リストがあるし、かつてお問い合わせやカタログダウンロードがあったならその企業名、部署、担当者名がわかるはずだ。

また、これまで成約した顧客の閲覧履歴とマッチングすることで、有望な顧客かどうかを判断することもできる。例えば、成約した顧客が見ていたページの上位が「サービスカタログ」「会社情報」「保守情報」なら、この3つを見ていれば成約の確率が高いということだ。これは、単にWebのPV数などで見るより、実際の売上に繋がるデータとなる。

リスト評価アプローチ振り分け サンプル請求 営業ステータス アカウントリスト 対応を振り分ける 直接コンタクト(重要顧客) メール アウトバウンドコール(請求数・金額が大きい) 3週間後に自動フォローアップEC利用履歴がある場合リンクを差し込む プライベートDMP
アプローチの振り分け

展示会来場者のフォローのシナリオでは、例えば朝の9時にメールを配信すると、お昼頃までにサイト訪問があるので、サイト閲覧者のリストをDMPで企業マスターなど突き合わせ、アタックリストを作ってアウトバウンドコールでフォローする。これでかなり効率が上がる。

B2Cの事例では、人材サイトを取り上げた。会員登録から応募、面接という流れである。顧客ステータスを分類すると、以下のようになる。これらのステータスに合わせたレコメンドが必要で、異なるステータスのレコメンドは効果がない

顧客ステータスに合わせる 人材サイト例 会員登録 登録条件(職種)に合致した新着求人/相関の高い求人掲載終了間際の求人取得資格・勤務時間帯居住地・給与 サイト閲覧 サイト閲覧ページから新着/お薦め 未応募 お気に入りリスト投入応募フォーム到達一定数以上閲覧したが応募していない求人 応募完了 応募と相関のある求人をお薦め 一定期間来訪がないユーザ 応募後、一定期間サイト訪問がないユーザに来訪を促す
顧客ステータスに合わせる

その他、不動産のサイトで、閲覧していくとレコメンドエリアがそれに最適化される事例や、オムニチャネルの事例などが紹介された。また、マルチデバイス対応のレコメンド事例では、平均購入金額が上がることが紹介された。

その他、広告に合わせてランディングページを最適化するだけではなく、その後のフォローも広告に合わせた文面にすると効果がある。化粧品メーカーの場合は、効能を訴求する広告に反応して購入した顧客には、その後のフォローメールには使い続けることで効果が持続することのメリットを訴求し、成分訴求の広告から購入した顧客には商品の成分の独自性・品質・安全性を伝える。

マーケティングオートメーションのシナリオはこれだ

これまで解説してきた施策を実行するためには顧客のタイミングに合わせて、適切なメッセージを届けなければならない。

これらの施策を顧客毎に自動実行するソリューションとしてマーケティングオートメーションがある。

マーケティングオートメーションのシナリオには大きく分けて3つのタイプがある。

  • 定期フォロー型: ユーザーに定期的に情報を配信・レコメンドする

    例えば、登録した全員に定期的にメールマガジンを送る。マーケティングオートメーションツールでは、人手によらずオートマチックに配信する。基本的なことだが、マーケティングオートメーションに取り組むにはまずここから始め、データを取ることが重要。

    定期フォローを自動化 会員登録 定期メルマガ 定期メルマガ(属性) イベント告知 資料請求 既存顧客 新着情報 キャンペーン情報 新製品情報 サイト閲覧レコメンド Webレコメンド リマインド 閲覧履歴レコメンド 訪問回数レコメンド 購入レコメンド セミナー情報
    定期フォローを自動化
  • イベント起点型: ユーザーの行動を起点に、ステップ方式で情報を配信する

    商品Aのページを閲覧したら商品Aに関する情報を配信するなど、企業側のタイミングではなく、ユーザーの行動でアプローチが決まる。

    イベント起点 顧客のタイミングに合わせてアプローチを自動化 展示会 3日後 セミナー告知 A社担当者 B社担当者 半年後 展示会セミナー誘導 長期フォロー 商品閲覧 製品資料ダウンロード コラム (1) C社担当者 7日後 3日後 14日後 コラム (2) コラム (3) 14日後 導入事例 営業サイクルへ ページ閲覧あり 開封あり 営業へ通知
    イベント起点
  • シナリオ型: カスタマージャーニーをシナリオに落とし込む

    フローチャートのように、人の行動によってその後のステップを変える。このシナリオ型をすぐにやろうとする場合も見受けられるが、いきなりこれに取り組むのは推奨しない。シンプルな定期フォロー型から順番に進めないと、うまくいかなかった場合にどこに問題があるかわかりにくくなる。

    サンプル 商品到着 利用開始1週間 「使いごこちはいかがですか?」 利用開始1ヶ月 「定期購入のご案内」 ウェブサイトで利用者の声をご案内 クリックあり (商品が気に入った方) ウェブサイトで肌悩みの 検索ページをご案内 クリックあり (商品が合わなかった方) 乾燥 くすみ・シワ サイト訪問の翌日に肌悩みに合わせた訴求を実施 1週間後に再度同じ内容を 送付する 開封なし 定期購入をご案内 開封あり 1週間後に再度リマインド メール 開封なし 開封あり 開封なし 以降は開封あり、なしで同じ3回シナリオを繰り返す メールの内容に、以下2つの案内を盛り込む ・商品が気にいった人用のご案内 ・商品が合わなかった人用のご案内 30 利用開始後 フォローシナリオ
    利用開始後フォローシナリオ
山田 賢治氏
業界ごと、サイト特性ごとの鉄板シナリオを用意

「アクティブコア マーケティングクラウド」は、分析機能、ターゲット抽出マイニングオートメーション機能、レコメンドやメール配信、他サービスとの連携といった機能を提供する。また、オートメーション機能のためのシナリオを自分たちで最初から作るのは難しいので、業界ごと、サイト特性ごとの鉄板シナリオを用意している。

用途 セグメント(対象者) メールオートメーション 定期メール(レコメンド) 毎月パーソナライズレコメンドメール カートドロップ 毎日配信 会員登録オファー 会員登録後ファー バースデイメール 月末、月初、当日、当日後に配信 フォローメール 購入フォロー配信 出荷後フォロー 出荷後フォロー配信 経過日メール 定期的にN日後に配信 B2Bメール 資料ダウンロード後オファー セミナー参加者フォローイベント参加者フォロー Web・アプリターゲティング(レコメンド) 定期引き上げオファー 引き上げ対象セグメントへレコメンド キャンペーンターゲティング キャンペーンページ閲覧セグメント バースデイターゲティング 当月誕生日の人にスペシャルバナー ポイント利用 ポイント利用促進オファー カートドロップ リマインド・レコメンド 特典バナー対象セグメント 特典付与対象者 クラスタ 価格帯クラスタ 価格帯による会員分類 閲覧ブランドクラスタ 閲覧商品による嗜好で分類 メール反応時間帯 メール反応時間でグループ分け

しかし、最も重要なのは、運用と継続であり、アクティブコアでは導入後のメンテナンスにも力を入れている。これにより、導入から運用まで一環して提供し、顧客のステータスやタイミングに合わせたサービスを可能にしているというわけだ。

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