360°パノラマを安価に誰でもデジタルマーケティングに活用
動画マーケティングが本格化してきている今日、Webを通じた顧客獲得や売上アップのために「新たなコンテンツ提供をしたい」「よりリアルな情報を提供していきたい」と考えるWeb担当者にとっては、「360°パノラマ動画・静止画」をはじめ、空間や情報を効果的に伝えることが可能なコンテンツは、大きな注目を集めるもののひとつだろう。
Web担当者Forum ミーティング 2016 春にエージェンテックの宮崎氏が登壇した。「コンテンツファーストでWeb革命 ~360°パノラマ / HTML5 / ePub3のビジネス活用~」と題し、360°パノラマをはじめとする、新たなコンテンツの活用とWebサイトのPDCAサイクル、そのためのツールについて、実際の活用例を交えながら解説した。
Web担当者が抱える悩みを解決する「コンテンツファースト」の考え方とは
Web担当者は、顧客をひきつける、魅力的なコンテンツを効率よく制作し、その効果を測定して改善アクションにつなげていくPDCAサイクルを確立することが求められている。
しかし、「情報発信」「顧客獲得」「売上アップ」に悩みを抱えるWeb担当者は多いのも事実だ。
宮崎氏は次のように指摘する。
Web担当者は、集客やコンテンツ制作、効果測定、セキュリティ、モバイル対応、システムと運用コストといった悩みを解決し、Webサイトをビジネスへ貢献させることが求められている
そこで宮崎氏が提唱するのが、エージェンテックの「コンテンツファースト」という考え方だ。たとえば、同社が提供する「ABook」は、コンテンツの制作/編集から配信、管理が統合されたMCM(モバイルコンテンツ管理)プラットフォームだ。
ABookは、動画や音声などを活かした分かりやすいコンテンツを簡単に編集、制作し、スマートフォンなど最新デバイスに安全に配信し、アクセス状況やログ収集などの配信管理も併せてトータルに提供する「コンテンツハブ」の役割を果たす
450社、20万端末の導入実績がある国内シェアナンバーワンのソリューションで、とくに、360°パノラマを用いたコンテンツや、HTML5、ePub3を活用した「動く」コンテンツの制作、配信、効果測定に強みを発揮する。
「360°パノラマ」のアキレス腱といわれる「制作後の編集、修正」にも簡単に対応
では、具体的な活用例を見ていこう。まずは、「360°パノラマ」の活用だ。これは、空間を上下左右360度で撮影し、動画や静止画でパノラマ化することのできるコンテンツだ。360°パノラマ映像を撮影できるカメラも普及してきており、Googleストリートビューをはじめ、コンシューマー向けサービスでも目にする機会が増えてきた。
宮崎氏は語る。
市場拡大はこれからの段階で、Web担当者がどうやってビジネスを展開するかを考える時期に差しかかっている
一方で、Webでの活用を考えたとき、たとえば、Googleストリートビューでは、「インドアビュー」で施設の内部の様子まで視覚的に伝えることができる。しかし、従来の360°パノラマには、たとえば施設内の「空間」に、施設の営業時間や取扱い品目といった「詳細情報」を付加することは難しいという課題があった。
そうした課題を解決し、360°パノラマの「空間」に「情報」を統合することができるのが、同社が提供する「Smart360」というツールだ。
これは、360°パノラマに様々な『情報』を付与することができるツールで、ショップに行かなくても、あたかも行ったかのようなリッチな体験が得られるコンテンツを作ることができる。当社では、これを『RV=Real Virtuality』と呼んでいる
たとえば、同社のWebサイトでは、360°パノラマ静止画に、さまざまなテキスト情報や、関連するコンテンツへのリンクを付与している。また、フレンチレストランの事例では、店内のパノラマ画像の左下に、施設マップを付与し、見ているユーザーが施設内のどの場所にいるのか、視覚的に把握できるような工夫をしている。
さらに、上述した「ABook」と組み合わせることで、360°パノラマコンテンツの制作、編集から配信、効果測定までワンストップで行うことも可能だ。
Smart360の最大の特長は、コンテンツの制作、更新性の高さにある。
360°パノラマコンテンツは、一度制作したあとに変更などを加えるのが難しい。たとえば、レストランの季節限定のメニューなど、ちょっとした編集、修正の必要性が生じたときに、制作会社に依頼すると時間も費用もかかってしまうが、Smart360であれば、導入先の担当者が自分で簡単に編集することが可能だ
画面を見ながら直感的な操作で、情報の修正、編集が可能で、360°パノラマ静止画に、別の動画を埋め込むといったことも自在にできる。
たとえば、とある酒造会社では、360°パノラマ静止画の中に、「クーポンが(画面の)どこかに隠れています」などというように、割引キャンペーンなどの情報を埋め込んでいる。また、酒蔵を紹介する静止画に「ガイドを聞く」というように、酒造工程を紹介する動画のナビゲーションを埋め込み、画面を見ながら酒造工程を体験できるようなコンテンツに仕立てている。
このほかにも、360°パノラマコンテンツは、様々なコンテンツに活用可能だ。たとえば、レストラン、ショップ、工場、学校、ゴルフ場、宿泊施設、不動産、セレモニー会場などの「施設案内」、商店街、観光地、お祭りなどの「エリア案内」。また、車の操作マニュアル、ショップの陳列マニュアル、教育マニュアルなどの「マニュアル」への活用や、「ECサイト」への活用も考えられる。
HTML5やePub3などへの「ワンソース、マルチデバイス」のコンテンツ展開も可能に
また、動画やアニメーション、電子書籍などのリッチコンテンツの活用についても、ABookをコンテンツハブに、「ABook Creative」というソリューションを組み合わせ、簡単に制作/編集、配信、効果測定が可能になる。
とくに、HTML5により、モバイル向けにFlashを用いずに動画を提供できる環境が整ってきた。しかし、コーディングが大変なことや、ログの収集が手作業になるなどの課題があった
この点について、ABook Creativeを用いれば、一つのコンテンツ素材を使い、HTML5、ePubに活用することで、動きのあるWebサイトを制作することができ、電子書籍、カタログ、マニュアルなどさまざまなフォーマットに簡単にパブリッシュしていくことが可能となる。もちろん、モバイルをはじめとする各デバイスにも対応している。
宮崎氏はさらに、「コンテンツファースト」の視点で、360°パノラマや、動く、インタラクティブなリッチコンテンツにより、「デジタルにおける新しい顧客体験を提供し、顧客とのエンゲージメント強化や売り上げアップにつなげて欲しい」と語り、締めくくった。
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