インハウスSEO担当者が直面する3つの問題とその解決策
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インハウスSEO担当者が直面する3つの問題とその解決策
米国在住の日本人SEOコンサルタントが指南 (The SEM Post)
インハウスSEOが社内で直面しがちな3つのタイプのやっかいな問題とその対策を、ハント肇子(はんと・もとこ)氏が説明した。ハント氏は、日本人で米国在住の優れたSEOコンサルタントだ(配偶者のビル・ハント氏もまた、特に大規模サイトに強い実績抜群のSEOコンサルタントである)。
問題点1理解不足
他部署の人が、その人たちのやることが良くも悪くもSEOにどう影響するかを明確に理解していないと、SEOチームに協力しようと思わないし、余計な仕事を増やすだけだと考えてしまいがち。
対策
初期の段階から他部署の業務に関わったり情報を共有したりしながら、彼らの業務とSEOとの関係性を教育することで、信頼・理解・協力を得ていく。
問題点2時代遅れの企業方針・企業標準
SEOは年々発展しているのに、インターネット黎明期に作られた施策や方針を多くの企業がいまだに利用している。
対策
SEO関連の適切な項目を含めてもらうように、他部署が使っている方針や標準を更新する方法を探す必要がある。
責任者と直接話し合ったり、更新のための会議に参加させてもらったりする。変わるまでには長い時間がかかるかもしれない。
問題点3意欲や動機がない
同じ会社だといえども各部署で閉じた組織になっている企業が多くある。こういった状況では、部署間での競争が発生し協力体制が生まれない。予算の話になると、競争はさらに激化する。
対策
部署単位で予算を設定するのではなく、レポート体制とマーケティング予算に基づくプロジェクトを作る。
また、SEOのKPI成果を他部署のレポートにも含めさせて結果を共有すれば、協力してもらいやすくなる。
こうした問題に苦しんでいるインハウスSEO担当者も少なからずいるはずだ。参考にしたい。もちろん一筋縄ではいかないだろうが、始めなければ改善は期待できないだろう。
display:noneで隠したコンテンツの評価をグーグルは低くする
モバイル向けサイトでは問題なし (Stack Overflow)
技術系フォーラムでのSEOに関する投稿で、CSSの「display:none」の使い方に関して、グーグルのゲイリー・イリーズが次のような注意を促した。
display:none でコンテンツを隠すことは裏目に出るかもしれない。ランキング付けにおいて、表示されていないコンテンツの重要度を我々は下げているからだ。
検索エンジンやユーザーをあざむく目的で display:none を使いコンテンツを非表示にしたら、それは隠しコンテンツとしてまず間違いなく品質ガイドライン違反になるだろう。
だがコンテンツが隠れていることをユーザーが認識でき自らの意思で表示できたとしても、隠れたコンテンツは価値を低くされるか、極端なケースでは無視されることもありうる。検索結果からやってきたユーザーが目的のコンテンツをすぐに見つけられないかもしれず、ユーザー体験を損ねるからだ(詳しくは安田編集長が書いた記事を参照)。
したがって検索エンジンとユーザーをだます意図がなくても、 display:none の使用には慎重になったほうがいいだろう(ただし、「display:noneを使ってはいけない」という意味ではない)。
なお、モバイル向けサイトにおいて初期設定でコンテンツを隠すことは、問題ない。たとえばプラスボタンやアコーディオン式でコンテンツを展開させる方法がモバイル向けサイトでよく使われるデザインであることを、グーグルは認識しているし、そもそもモバイル検索であってもPC向けページの評価が基本的には用いられる。
同じスレッドでも、イリーズ氏はモバイル向けサイトでなら、display:noneを使っても問題ないとコメントしている(ただし「今の時点では」と断っている)。
HTMLの文法が100点でも検索順位は上がらない
でもHTMLとして読み取れなければ正しい評価ができない (John Mueller on Google+)
HTMLの文法の正しさがグーグル検索にどう関わってくるかについて、グーグルのジョン・ミューラー氏がGoogle+で次のように説明した。
過去に何度も言っているように、HTMLの文法が正しいことは、グーグルのクロールやインデックス、ランキングに必要ではない。
しかしながら、metaタグや構造化データ、リンク要素(たとえばhreflang属性が適切に取得されない)に問題があるなら、HTMLをチェックするツールはHTMLのマークアップの問題点を指摘してくれることがある。
HTMLが文法的に100点だからといってグーグルが評価を高めることはない。逆に、文法ミスがあるからといって評価を下げることもない。このコーナーでも何度か説明したことがある。
だが当然のことながら、HTMLを正しく解釈できないような文法ミスは、クロールやインデックス、ランキングに影響することがある。そうした例として、ミューラー氏は次のようなものを挙げている。
バナー広告のコードを誤ってheadセクションに記述してしまったために、ブラウザでは普通にページが表示されるものの、検索エンジンにはバナー広告より後のHTMLが無視されてしまったというトラブル事例がある。
これは「文法ミスによって評価が下がった」のではなく、「文法ミスによって正しい評価ができなくなってしまった」と解釈するべき事例だ。
SEOにおいては、HTML文法で100点を取る必要はまったくない。しかし、検索エンジンのコンテンツ理解を阻害するような文法ミスはなくしておかなければならない。
hreflangを記述するサイトマップは、言語ごとに分けるべき? 1つにまとめるべき?
管理しやすいほうを選んでいい (Stack Overflow)
複数の言語・地域を対象にしたサイトを展開する場合に用いるhreflang属性は、linkタグとしてHTMLのheadセクションに記述するほかに、サイトマップでも設定できる。これに関係する疑問にグーグルのゲイリー・イリーズ氏がフォーラムで回答した。
質問3つの言語でサイトを運用していて、hreflangをサイトマップで指定している。次のどちらのやり方が適切だろうか?
- 言語ごとにサイトマップを分け、3つのサイトマップを送信する
- 1つのサイトマップにすべてまとめて、1つのサイトマップだけを送信する
回答技術的な観点からすれば、あなたにとってもグーグルにとっても1つのサイトマップのほうが、扱いが容易だ。というのも、あなたは1つだけファイルを作ればいいし、私たちは1つのファイルだけを処理すればいい。こうすると動作が速くなる。
分析的な観点からすれば、サイトマップを3つ別々に作ってSearch Console(以前のウェブマスターツール)から送信するほうがずっといい。なぜなら、それぞれのサイトマップについてレポートが手に入る。そのほうが、サイトマップの問題点をずっと簡単に診断できる。
rel="alternate" hreflang を追加するのであれば、実際のところ、あなたがどちらを選ぼうが私たちにとってはたいしたことではない。自分にとって管理しやすいほうを選んで構わない。
グーグルにとってはどちらでもいいということで、サイト管理者側の選択に完全に委ねられる。10言語ともなれば話は別だがこのケースでは3言語なので、別々に作成するほうを筆者なら選ぶと思う。
SEO Japanの
掲載記事からピックアップ
7月中旬に発生した順位変動の分析記事とグーグルの“フィーチャード・スニペット”の出し方を探った記事を今週はピックアップ。SEO Japan久しぶりの更新だ。
- 先週末の順位変動の原因は”ファントム・アップデート”によるものか?
グーグルが認めていない亡霊のようなアルゴリズム更新 - あなたのサイトを”フィーチャード・スニペット”の引用元にする方法。
狙って出せればアクセスアップ?
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