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ウザすぎた!? 全画面広告で69%のユーザーが離脱、こりゃダメだ などSEO記事まとめ10+4本

コンテンツを見ようとしたら割り込んでくる全画面の「インタースティシャル広告」が、いかにユーザー体験を妨げているか

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コンテンツを見ようとしたら割り込んでくる全画面の「インタースティシャル広告」が、いかにユーザー体験を妨げているかに関するグーグルの調査結果には注目。
ほかにも、ハッキングされるWebサイトの数が増えていること、クロスドメインcanonical、Ajaxレンダリング、パンダアップデート4.2、Microdata、リッチスニペットなどなど、SEOの情報を今週もまとめてお届けする。

今週のピックアップ

ウザすぎた!? 全画面広告で69%のユーザーが離脱、こりゃダメだ
★★★★★ グーグルが自ら検証 (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)

ページを見ようとしたときに全画面の広告が挟み込まれる「インタースティシャル広告」があると、ユーザーの69%はその先に進まず離脱してしまった。

グーグルが、こんな調査結果を報告した。

アプリのダウンロードを促したり、イベントやキャンペーンを告知したりといった広告ページを、ウェブサイトにアクセスしたときに差し込んでくるサイトがある。ページの上部や下部の一部のバナーならまだしも、スマートフォンのスクリーン全体を専有するようにして迫ってくるサイトも多い。

こうした、「コンテンツを表示する前に割り込ませる」タイプのものは、「インタースティシャル広告」と呼ばれる。

インタースティシャルは本当にアプリのダウンロードを促進させるのだろうか?

Google+のアプリのダウンロードを目的としたインタースティシャルで、グーグルが自ら検証した結果を公表した。

結果を先に言えば、インタースティシャルは広告としては効果が高いものの、離脱が多く、本来サイトでユーザーに提供するべき体験を大きく妨げる

具体的には次のような結果が出たそうだ。

  • Google のインタースティシャル ページにアクセスしたユーザーのうち 9% が「アプリを入手」ボタンを押していました(このユーザーのうち数パーセントは既にアプリをインストールしているか、アプリストアでのダウンロードを完了しませんでした。

  • Google のページから離れたユーザーは 69% でした。これらのユーザーはアプリストアを訪れることもなく、Google モバイル サイトの閲覧も中止しました。

強調は筆者による

9%というクリック率は、広告としては良い。しかし、7割弱が離脱してしまうのは大きな問題だ。

そこで、インタースティシャルをバナー式のパーツに変えた。すると次のような結果になったとのことだ。

  • モバイル サイトの 1 日のアクティブ ユーザーは 17% 増加しました。

  • Google+ の iOS ネイティブ アプリのインストール数には、ほとんど影響がありませんでした(-2%)(Android 搭載端末からのインストール数については、ほとんどのユーザーが Google+ をインストール済みなのでここでは扱いません)。

記事は最後に次のように締めくくっている。

この結果に基づき、このインタースティシャルを完全に廃止することにしました。Google サービスでユーザー数が増えたことはプラスの変化です。この結果を見て、ウェブマスターの皆様にはプロモーション インタースティシャルの使用を再考していただければと思います。邪魔なものを取り除いて、モバイル ウェブのユーザー エクスペリエンスを向上させましょう!

強調は筆者による

インタースティシャルが功を奏しているサイトも、なかにはあるかもしれない。しかし、広告効果とユーザー体験のバランスを考え、サービス全体として何を最重要視するのかは、改めて考えるべきだろう。

個人的には、有効性がきちんとしたデータとして実証されていなのであれば、ユーザーに嫌われるインタースティシャルは即刻廃止したいし、廃止してほしいと思っている。

日本語で読めるSEO/SEM情報

なんと、ハッキングされたサイトの数が過去1年間で1.8 倍に増加!
★★★★★ Webマスターは対策を万全に (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)

グーグルは、Webサイトのハッキング対策キャンペーン「#NoHacked」を開始することをアナウンスした。

同様のキャンペーンを1年少し前に実施していたが、ハッキングされたサイトの数は過去1年間で1.8倍に増加しているとのことで、改めて啓蒙する必要があるようだ。

グーグルは、ウェブサイトを保護する基本的な方法として、次の4項目を紹介した。

  • アカウントのセキュリティを強化する
  • サイトのソフトウェアを常に最新にする
  • ホスティング プロバイダのセキュリティ問題への対応を調べる
  • Google のツールを使用してサイトのコンテンツがハッキングされた兆候がないか監視する

ハッキングはサイト管理者にとってもユーザーにとっても有害以外の何者でもない。#NoHacked キャンペーンを通じてハッキング対策を万全にしよう。

グーグルのオートコンプリートを使っているキーワードツール、8/10以降は機能しなくなる
★★★☆☆ 非公開APIなのでアクセス制限へ (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)

グーグル検索には、キーワードのサジェスト機能「オートコンプリート」がある。

そして、このオートコンプリートの機能を利用できる「Autocomplete API」というものがあり、このAPIを利用したサービスを作っている開発者がいる。たとえばオートコンプリート機能を利用したSEO向けのキーワード調査ツールだ。

しかし、実はこのAPIはグーグルの検索サービスで使うための非公式のもので、グーグルは正式には公開していない。

このAPIの使用に関して、グーグルはこれまで特に対処はしてこなかったのだが、2015年8月10日以降はAPIへのアクセスを制限することをアナウンスした。

これにより、オートコンプリート機能を利用して作られているSEOツールは、8月10日以降は使えなくなるだろう

サポートされていない非公開の API の使用には、ある日突然 API が利用できなくなるというリスクが伴うこともあります。今回もそのような状況のひとつです。

オートコンプリートは Google 検索の補完機能のひとつとして構築されたもので、ユーザーの検索クエリの予測という目的から離れて使用されることは一切意図されていません。

なお、グーグルカスタム検索エンジンに備わっているオートコンプリート機能はグーグルの正規のプロダクトなので、引き続き利用可能だ。

異なるドメイン名のrel="canonical"はBingもサポートしているのか?
★★☆☆☆ 辻氏の調査によればOK (辻正浩 on Twitter)

異なるドメイン名のサイト間のrel="canonical"をグーグルはサポートしていることを、前回再確認した。ところでBingはどうなのだろうか?

辻正浩氏が確かめてくれた。

問題がないわけではないようだが、とりあえずBingもサポートできているようだ。

関連して、Bingのサイトマップ処理についてのTIPSも辻氏は教えてくれた。

あなたが、Bingからの検索トラフィックも大事にしている大規模サイトのウェブ担当者ならば、知っておいて損はないだろう。

GooglebotのJSレンダリング能力向上にご協力を
★★★★☆ グーグルに直接フィードバック (Kazushi Nagayama on Twitter)

AjaxやAngularJSのように比較的複雑なJavaScriptフレームワークを使ってコンテンツを生成していても、今のGooglebotはそのページをレンダリング処理してインデックスできる。検索エンジン向けに何か特殊な処理を実行する必要がなくなっているのだ。

しかし、もしJavaScriptを使っているページがうまくインデックスされていなければ、グーグルの長山氏にフィードバックするといい。担当チームに伝えて問題の改善に役立ててくれる。

それぞれツイッターでのやりとりが続いている。日付のリンクをクリックすると、一連のやりとりをすべて見ることができる。

長山氏のツイッターとGoogle+のアカウントは次のとおりだ。

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掲載記事からピックアップ

GoogleのJS処理の向上とJSON-LDのリッチスニペットサポートの記事を今週はピックアップ。

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