新規顧客をみつけるための10の方法――リードジェネレーション入門

#03 自社メディアでのリード獲得を加速させる方法 ~新規顧客をみつけるための10の方法

[特集]新規顧客をみつけるための10の方法 リードジェネレーション入門

新規顧客をみつけるための10の方法

ネットもネット以外も全部まとめてプランしよう

マス広告を使わなくても集客はできる!
見込み客獲得に有効なアクセス向上の手法とは

自社サイトに掲載しているのは企業情報だけという状態ならばともかく、営業に直接つながる役割をウェブサイトにもたせると、やはりその成果を高めていかねばならない。しかし、ただリードジェネレーションの仕組みをサイトにもたせるだけでは、得られるリードの数は限られてしまう。

ここでは、いかにして多くの人に自社サイトに来てもらい、効率良くリード化するかの手法を解説する。

リードジェネレーションにおける集客は、単にたくさんの人にメッセージを届けるのが目的ではない。大切なのは、自社のビジネスに関連する分野に興味をもっている人をうまくつかまえることだ。あまりコストをかけずに見込み客候補を集め、効率的にリードジェネレーションにつなげていく手法をいくつか紹介しよう。

  1. アクセス向上の基本は検索エンジン

    集客でまず考えるべきは、やはり検索エンジンからの誘導だろう。検索エンジン経由での集客が重要な理由は、自社の提供する商品やサービスに興味をもっている人に絞って誘導できるからだ。

    ただし、検索エンジンを利用する人は1日に何百万人といて、それぞれ何かについての情報を欲しがっている。そのため、ユーザーがどんな「キーワード」で検索したときに誘導したいのかを明確にしておく必要がある。たとえばあなたの会社が厨房機器を販売しているのならば、「厨房機器」「厨房用品」だけでなく、「調理台」「吊戸棚」「電気フライヤー」「ゆで麺機」、さらには各製品の商品名など、見込み客が検索に使いそうなキーワードを見つけ出すのだ。キーワード選びは検索エンジンマーケティング成功の肝の1つなのだ。

    検索エンジンマーケティングの具体的な施策は大きく表1の2種類に分かれる。誌面の都合でここでは各手法について詳しく解説できないが、Web担でもこれらのテーマに関してはたくさんの記事を掲載しているので参照してほしい。

    SEO

    検索エンジン最適化と呼ばれる。あるキーワードで検索されたときに、検索結果で自分のページが上位に表示されるようにするための施策。自サイトのコンテンツ、ページのHTML構造、サイト全体の構造などを調整したり、他サイトからリンクを張ってもらったりする。

    直接の費用はかからないが、専門知識が必要で、数多くのキーワードに対応しづらい。施策の効果が出るまでに時間がかかるが、成果は継続して続く。

    キーワード広告

    ヤフーのオーバーチュア スポンサードサーチや、グーグルのアドワーズ広告のこと。PPCや検索連動型広告と呼ばれる。指定したキーワードで検索されたときに、検索結果画面に広告を表示できる。

    広告が1回クリックされるたびに1円~数百円の広告料金が発生する。専門知識は必要なく、数千~数万キーワードでも対応できる。いつでもすぐに広告を掲載開始できる。出稿を停止すると集客も即座に止まる。

    表1 検索エンジンマーケティングの手法
  2. 自社ブログ

    会社のスタッフが記事を執筆する自社ブログを作れば、リードジェネレーションには強力な集客ツールとなる。なぜなら、ブログに書かれる内容は、来てほしいと思っている見込み客が知りたいだろう業界やテーマに関するものになるからだ。

    昔からある広告手法として、業界誌に出す広告があるが、その特徴は、その業界に興味をもった人にメッセージを伝えられること。それならばいっそ自社ブログを業界誌にしてしまえばいい。というと何を書けばいいのか困ってしまいそうだが、少し視点を変えればいい。自分たちにとっては当然のことを改めて書き留めたり、業界の基本的な情報や製品・サービス選びのコツなどを書いたりするのは非常に有効だ。社内でコンセンサスがとれれば、他社の新製品に言及するのもブログならば可能なはずだ。

    ブログでは自社の社名を明示しておくだけでなく、記事を書いた担当者の名前もわかるようにしておくほうがいい。そして最も大切なことは、資料請求や問い合わせページへのリンクを、はっきりと目立つ形で設置することだ。

  3. メディアへの寄稿や読者ブログ

    メディアをうまく活用するのも効果的だ。積極的なアクションで業界の有力メディアでの執筆の機会を得られれば、自社の強力なアピールになる。とは言うものの、メディアでの執筆は狭き門なのは確かだ。そこで、CNETやITMediaが設置しているような、読者ブログを活用することも考えよう。自社ブログほど強力なブランディングにはならないが、メディアから誘導してもらえるため宣伝しなくても意外と読者は集まるし、実は登録時の審査は非常に緩い。

    ただし、寄稿にせよ読者ブログにせよ、自社の広告に終始するのはNGだ。執筆においては、あくまでもそのメディアの読者にとって役に立つ情報を提供することを意識し、自社名や自社製品を挙げるのは筆者紹介の部分や記事の最後のほうに少しだけに留めるべきだ。

  4. ニュースリリース

    リードジェネレーションのためにはリリースも強い武器となる。もちろん、メディアの目に留まって記事になる可能性を高めるのは大きな役割ではあるが、それだけでない。自社サイトにリリースをHTMLとして掲載してサイトのコンテンツを増やせることのメリットは大きい。サイトへの訪問者が業務内容を理解する助けとなるし、リリースのページへ検索エンジンから直接人が来ることも多いからだ。そのため、リリース掲載ページからリードジェネレーションのコンテンツへの誘導リンクをしっかりと確保しておくのは非常に大切だ。また、リリースによって自社ブログに書くネタが増えることも見逃せない。

    リリースへの誘導の間口を広げたいならば、登録したリリースがネットの主要メディアにそのまま掲載されるサービス利用を考えるといいだろう(有料)。

  5. オリジナルのコンテンツ

    有益なコンテンツを自社サイトに掲載することは、リードジェネレーションに加えて、思わぬ集客や知名度アップにもつながる。製品情報や会社案内以外のコンテンツを企画するのは大変な作業だ。しかし、Web担当者として力を入れる出番だと考えて積極的に進めよう。

    • ニュースレター――既存顧客にニュースレターを配信しているならば、それをサイトに掲載してしまうといいだろう。
    • 導入事例(ケーススタディ)――単に事例を並べるだけでもないよりはマシだが、可能ならばフリーの編集者などプロの物書きに依頼して、クライアント企業に取材をしたうえで、見込み客となる人にとって魅力的なコンテンツを作るのもいいだろう。多少費用はかかるが、パンフレットなどでも使うことを考えると、意外と費用対効果は悪くない。
    • 調査データ――業界に関する独自調査を実施して、そのデータと分析の結果を掲載する。すでに調査データをリードジェネレーションのツールとして利用しているならば、そのサマリを公開するのは簡単だろう。
    • 業界レポート――電通は日本の広告費レポートを毎年、アイレップは検索エンジンとポータルサイトの相関図を毎月、それぞれ発表している。そういった業界全体に関するレポートを定期的に出していけば、非常に強い武器になるはずだ。
    • コラム――ブログで文章を作り慣れれば、少し固めのコラムも書きやすくなるはずだ。

    サイトに訪問者があっても、その人にとって有益な何かを提供しなければ、ただの「トラフィック」で終わってしまう。コンテンツを企画するにあたっては「役に立つか」を常に心がけたうえで、リードジェネレーションへのリンクを賢く配置していこう。

  6. アフィリエイト

    効果的な集客手法として、アフィリエイトも忘れてはいけない。アフィリエイトとは、主にASPと呼ばれるアフィリエイトサービス事業者を介して利用する成果報酬型のマーケティングサービスだ。

    ECサイトなどでの物販の販促というイメージが強いアフィリエイトだが、リードジェネレーションにも有効だ。実際に、金融や保険などの分野での資料請求や見積もりのアフィリエイト案件は非常に多く、サービスの会員登録をアフィリエイトで促進する手法も一般的だ。

    ASPに案件を登録しておくと、個人ホームページやメディアサイトの運営者(アフィリエイター)がサイト内にアフィリエイト用のリンクを設置してくれる。アフィリエイターのサイトに来た人がそのリンクをクリックしてあなたのサイトを訪れ、資料請求などの既定の行動をすると1件の成果となり、1件あたり数百円~数千円の報酬が支払われるといった具合だ。あなたは30%程度のマージンを乗せた成果報酬の費用をシステム利用料とともにASPに支払うだけでよく、各アフィリエイターに対する支払いはASPが行ってくれる。

    ただし、アフィリエイトでは、成果報酬を得るために不正をする人がいることに注意が必要だ。誌面の都合でここでは詳しくは触れられないが、アフィリエイトの不正に関しては、連載「ネットマーケティング業界の“闇”」に関連記事があるので参照してほしい。

アクセス解析によるPDCA

自社サイトでリードジェネレーションする場合はアクセス解析を忘れてはいけない。どういった経路でサイトに来て、どのコンテンツを見た人が資料請求してくれる率が高いのか、フォームの入力の途中であきらめている人はどれだけいるのかといった情報は貴重なデータだ。

こうした情報をもとに、見込み客獲得に効果が出るようにサイトを改善していくPDCAサイクルをしっかりと回すことが大切だ。現在はグーグルアナリティクスのような無料で利用できるアクセス解析ツールがあるので、まずはそこから始めるのがいいだろう。

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