#08 米国リードジェネレーションビジネス最新事情 ~新規顧客をみつけるための10の方法
[特集]新規顧客をみつけるための10の方法 リードジェネレーション入門
ネットもネット以外も全部まとめてプランしよう
リードは数より質がものをいう
大量リード獲得から質の確保へトレンドがシフト
見込み客(リード)を獲得するリードジェネレーションの手法は現在の形になるまで進化を繰り返している。また、日本では数少ないが、米国ではリードジェネレーション専業の企業も多く存在している。
ここでは、インターネット広告先進国、米国におけるリード獲得のトレンドを紹介する。
米国リードジェネレーションビジネスの課題と方向性
インターネット上で見込み客(リード)を獲得するオンラインリードジェネレーションサービスは、近年米国で注目を集めており、そこに特化したサービスを提供する企業も増えてきている。インターネット広告調査団体の米IAB(インターネット広告協議会)によると、リードジェネレーションは2007年に検索連動型広告、純広告、クラシファイド広告に次ぐ第4位の売上を上げ、米国における獲得系マーケティングを代表する広告モデルに成長した(ネット広告総支出額210憶ドルの8%にあたる17憶ドル)。2001年に全ネット広告支出の1%(6千万ドル)にしかすぎなかったことを考えると、いかに急成長しているかがわかる。
2007年に米ヤフーが、米国で第5位、英国で第2位の広告ネットワークを有するリードジェネレーション広告ネットワーク会社のブルーリチウムを買収した事からも、これからこの広告モデルがいかに重要性を帯びてくるかが伺える。リードジェネレーション企業とクライアント企業の実績に基づいた信頼関係はさらに強まっており、失速することなく成長していくであろうことは明白である。
リード情報売買の時代から専門メディアでのリード獲得へ
リードジェネレーションは現在の形になるまで進化を繰り返してきた。1990年代後半、各サイトは個人情報収集のための登録フォームを使い会員数の増加を競い合っていた。しかし、それらはユーザーに個人情報入力を要請するフォームを提供する単なるサイトといったイメージでしかなかった。その後、会員情報に経済的価値を生ませようと、各サイトは登録過程で各種条件を提案するようになり、同意した会員の個人情報を第三者企業に売るようになった。
このアイデアはうまくいき、広告主はよりターゲットされたリードを求め、メディア側は特定の業種や広告主のリードを限定するような質問事項をフォームに加えていった。MSNのhotmailはこの手法で売り上げを増加させた好例である。新聞社系サイトもこの手法を適用し、記事の無料閲覧と引き換えに取得した個人情報を販売し、購読売上の減少を補ってきた。
やがていくつかの企業が単なる登録だけのモデルを捨て、特定の広告主や業種のためにリードを獲得することを目的とした専用サイトを始めた。
この方法で成功した先駆者は、米国のLendingTreeやLowerMyBillsといった不動産ローン業界対象企業であった。これらのサイトにはユーザーの連絡先や財務情報を引き出すための工夫が凝らされていた。ユーザーが提供する情報と引き換えに、ユーザーは最もふさわしいと思われる金融業者を紹介してもらえる仕組みになっている。つまり、ビジネスとユーザーニーズの適切な合致を図ることで双方に価値を提供しているのだ。このようなリードジェネレーションは保険、教育、自動車といった幅広い業種で成功を納めている。
数より質の時代へ――リードの選別で費用対効果を改善
米国において今最も重要なトピックの1つは、リードの質と正当性の確保である。正当で質の高いリードを獲得することは思慮されたフォーム設計や、よく練られた品質管理プロセスが要求される。リードの正当性や質を確保するためには、フォームに入力した個人情報の利用目的をきちんとユーザーに明示すべきであり、決して見た目や技術によって本来の使用目的をごまかしてはならない。
また、リードの質向上と維持のための手法は数多く開発されている。たとえばリード価値を見極めるために信用調査機関で情報を追加する。登録確認メールによる最終承認で不正を減らすなどである。
このような手法は、リードジェネレーションの質の確保と引き換えに数を代償にしているように見えるかもしれない。また、品質管理を強化することはリード1件あたりの価格の高騰にもつながるが、実際にはクライアント企業が、より絞られた確度の高いリードへの営業に集中でき、結果として業務効率は向上している。また、質の高いリードの獲得数を業界全体で増やしてもいるのだ。
広告主がより高い費用対効果を要求していくに従い、米国ネット広告市場におけるリードジェネレーションの予算の割合は増え続けていくであろう。クライアント企業にとって信頼のおける価値あるオンライン広告パートナーとして、重要性は日々増している。
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