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INTERVIEW: [中編] DeGeyter氏の語るSEO、検索業界、そしてバイラルキャンペーンの仕掛け (と脅迫状)

このインタビューは上・中・下の3回に分けてお届けしている。

上編では、ドゥジェイテ氏のバックグラウンドとポール・ポジション・マーケティング社について、そして検索業界について聞いているので、まだ読んでいなければ参考にしてほしい。

有料リンク問題にSEO業界はどう対応するべきか

●検索エンジンのポリシーについて少し質問させてください。有料リンクに対するGoogleのスタンスをどう思いますか? SEO業界のブログはその話題で持ちきりですが、なぜなのでしょう? 有料リンクに対するGoogleのポリシーに戦いを挑んで割に合いますか? SEOの小集団が行動を起こして、Googleに実質的な影響を与えることができますか?

▼ドゥジェイテ氏 ふふふ、Search Engine Guideの僕の記事を読んでほしいのだけど、まとめると、ウェブサイトを検索エンジンではなくユーザーに向けて作るべきなのか、それとも、今やGoogleの利益に合うようにサイトを作るのもアリなのか、Googleははっきりさせるべきだと僕は思っている。

当然、Googleこういった(有料リンク排除の)動きをすると、コミュニティには波風が立つ。だって、これは僕らの問題だからね。でも、みんなの見解は健全な範囲に収まっていると思う。この件について、僕は多くの人の意見に賛同していないし、また僕に賛成しない人が多いことも承知している。でも、僕は意見を読んではそこから何かを受け取っていて、それによって物事を少し違う視座から見られるようにもなたんだ。

この問題で論争することが割に合うことなのかはわからない。Googleは業界の意見に耳を傾けていると思うけど、Googleのポリシーを変えるだけの力が僕らにあるのかはわからない。特にGoogleの利益に関係する問題だからね。ただ、僕が思うに、Googleがより耳を傾ける人というのは存在するんだよ。たとえばダニー・サリバン氏や君(Rand)なんかの話はマット・カッツ氏もよく聞くだろう。だから、少数だけどGoogleを変えられる人はいるんだ。問題の性質にもよるのだけど。

この問題がどうかというと、Googleが譲歩するとは思わない。Googleにとって、やり方を変えるにはあまりに掛け金が大きい。ただ、騒ぎが大きくなってGoogleの評判が悪くなれば、影響は与えられるかもしれない。すぐには無理かもしれないけど、長い期間をかければ可能なはずだ。だからさ、不平を言うのも利点があるんだよ。

ドメイン名重視の検索エンジンアルゴリズム

●SEO関係者がよくぶつかる検索エンジンの大きな問題がもう1つあります。アルゴリズムがドメイン名ばかりを重視するというものです。

この傾向はWikipediaで特に顕著ですが、大手ニュースサイトや、ニッチ分野の有力サイト(Zillow、Expedia、Findlawなど)にも広がっています。このやり方は、ユーザーにとってよいものだと思いますか? 検索エンジンにとってはどうでしょう? この傾向はさらに強まるのでしょうか?

▼ドゥジェイテ氏 鋭い質問で、うまく答えられるかわからない。ほかのドメイン名よりも信用されるドメイン名があるのは避けられないだろう。でも、検索エンジンは、ドメイン名の強さと個々のページの強さとのバランスを取るべきだと思う。

同じテーマを扱っているページがWikipediaとドメイン名の力では弱い他のサイトにあるとする。それぞれの「ページ」に対するリンクが後者のほうが多ければ、ドメイン名の強さ頼みで高いランクにあるWikipediaのページは、ランクで負けることがなきゃいけない。これはバランスの問題だけど、検索エンジンはバランスをとることにいつも努めてほしいと僕は思う。やっているのかもしれないけど。

●最近、MSN/LiveとYahoo!がアルゴリズムと機能をアップデートしましたね。この2つの中から、将来、Googleによる検索支配を大きく脅かすところが出てくると思いますか? Google以外の検索エンジンが検索シェアを著しく増大させるにはどうすればよいのでしょうか?

▼ドゥジェイテ氏 うーん、そうなればいいとは思う。でも、すぐにというのは無理だろうな。Google以外の検索エンジンの問題点は、Googleを追いかけていることなんだ。検索結果の妥当性でGoogleと対戦して、わずかに上回ることができても、Googleはすでにその文化の一部になってしまっているからね。

Yahoo!は何年もかけて、「Yahoo!する」というように社名を動詞に使ってもらおうとしてきた。でも「グーグる」の方は、同社の意向に反して動詞として使われるようになった。Googleの強さはここにある。

Googleに衝撃を与えるには、どの検索エンジンもGoogleをはるかに凌駕する必要がある。だってさ、Askの混合検索はGoogleのものよりずっと良いと僕は思うのだけど、市場シェアは全然取れていないよね。ただこれは表示の仕方が勝っているわけで、検索結果の関連度は必ずしも上回っていないのだけど。

Ask.com

Googleはポップカルチャーでつまずいて人気を落とすことになると思う。この可能性は確かにあって、僕らが考えるよりずっと早くそうなるかもしれない。ポップカルチャーは気まぐれなところがあるからね。

ページ上でキーワードを最適化する作業も大切だけど、サイト全体の構成、ナビゲーション、ユーザビリティ、管理システムといった面が見過ごされすぎている

SEOでは対局を見なければいけない

●SEOに関して一般的に最も失敗しがちのはどういった部分ですか? 現在やられているSEO業務であった例などは?

▼ドゥジェイテ氏 SEOにおける最大の過ちは大局を見ないことだと思う。

SEOはキーワードがあまりに重視される傾向がある。キーワードによる順位ばかりでなく、ページ上でキーワードを最適化する作業もここに入る。決して悪いことではないのだけど、サイト全体のことを考えなければならない。サイトの構成、ナビゲーション、バックエンドの管理システム、ユーザビリティといった面が見過ごされている

クライアントがキーワード、キーワードとキーワードにこだわり、もっと重要な問題にSEO業者が取り組む時間や予算を与えないことが少なくない。そうした問題が、最適化が本来あるべきパフォーマンスを発揮するのを妨げていることが多い。

最近、あるクライアントとの仕事でこれとは逆の出来事があった。ページとキーワード10個程度について最適化した末に、検索エンジンが目的のページを巡回していないことが判明したんだ。調べてみると、コンテンツ管理システムが複製ページを作っていて、サイトマップでそちらにリンクしていることがわかった。問題を発見してすぐにクライアントと話をしたとき、彼は僕に対して、「ここまで仕事をやってもらって、本当にうちのためを思って仕事をやってくれていると感じたのはこれが初めてだ」と言った。その言葉には参ってしまったね。これまで最適化にどれだけの時間と労力をかけてきたと思ってるんだよってね。

でも彼が言いたいことはわかった。僕らは本当の問題を発見したのさ。クライアントは通常、SEO業者に対し大局を見るのではなくキーワードに集中することを求めるので、こういった問題は見過ごされがちになる。

●ソーシャルメディアの手法で、活用がいちばん足りないと思うものを挙げてください。主流の人たちがあまり精通していない、またはスキルが不十分な分野というのはありますか?

▼ドゥジェイテ氏 その質問に答えるには僕は完全に不適格だと思う。次行こう。

●では、検索マーケティングの世界でどうやって名をあげたのでしょうか? 「ストニー氏のような象徴的存在になりたい」という新人にアドバイスをお願いします。

▼ドゥジェイテ氏 はっはっは(笑)、それはジェニファー・レイコック氏にお礼を言わなくちゃ。無名の僕を最初に引き上げてくれたのは彼女だよ。書いたものを発表する機会を彼女が初めて与えてくれた。僕はセルフプロモーションや人脈作りが生まれつき得意でなくて、何年もSEO業界の日陰でビジネスをしていた。

エピソードを話すと、僕は1993年からニュースレターを書いているのだけど(今はブログに書いている)、会社のブログE-Marketing Performance(EMP)には数百人しか登録者がいない。僕が自己充足していた状態から殻を破って、友達作りやコミュニティへの参加を始めたのはここ数年のことだ。遠回りをしたといえるかもね。

でも、友達を作り始めるというのはいちばんよいことだよ。他人が自分を宣伝してくれる方法を探すんじゃなくて、自分が他人にとって本当に貴重な存在になることを目指すんだ。僕は「何が自分の役に立つか」という姿勢で何かを始めることはめったにない。どうやったら自分が相手の役に立つか、という角度で物事にあたることにしている。偶然だけど、マーケティングでよく言われているアプローチと同じだね。人々の要求を満たせ、注目されるようになれ、などなど。

●検索マーケティングについて、どのようなものでもよいので、お気に入りの投稿やストーリーをいくつか挙げてもらえますか?

▼ドゥジェイテ氏 えっと、僕が書いたもの、または僕が書いたものを参照しているやつという答えになるかな(笑) 実をいうと、気に入ったものを覚えておくのが苦手なもので、答えに窮してしまう。

何かを教えてくれるもの、何かするのに役立つ情報を与えてくれるものを気に入る傾向はあるね。それが今まで聞いたこともないようなこと、ほかに類のないことだったりすると特にそうだな。僕はとにかく行動という人間だから、検討して行動を起こせるようなものが好きなんだ。

業界ニュースやゴシップはそれほど興味がない。最新のGoogle情報にも同じく興味がない。顧客に提供するサービスを改善するのに役立たないものは、いつも適当にあしらって終わりだ。声の届く範囲でだれかれとなく、求められてもいない自分の意見を率先して届けることが多い自分を考えると、皮肉なものだね。

このインタビューは上・中・下の3回に分けてお届けしている。

下編となる次回では、いよいよ、このインタビューのきっかけとなった、氏がSEOmozに仕掛けて大成功したバイラルキャンペーンの裏側を詳しく語ってもらう。

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