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Instagramの企業アカウント16業界1,335件を分析!フォロワー数の多い業界・エンゲージメントの高い業界は?

業界ごとのInstagram動向を独自分析。「エンゲージメント率の平均は?」「投稿頻度はどのくらい?」など、KPI設計・ベンチマークに役立つデータや、人気アカウントの投稿事例をご紹介。

Instagramの企業アカウント16業界1,335件を分析!フォロワー数の多い業界・エンゲージメントの高い業界は?

SNSマーケティングにおいて、もはや欠かせないコミュニケーション接点であるInstagram。この記事では、業界ごとのInstagram動向を独自に分析しました。「エンゲージメント率の平均は?」「投稿頻度はどのくらい?」など、Instagram運用に悩むSNS運用担当者へ、KPI設計・ベンチマークに役立つデータ、人気アカウントの投稿事例を紹介します。

調査概要

分析にあたり、コムニコが開発したツール「POST365(ポストサンロクゴ)」を使用しました。

  • 対象Instagramアカウント数:1,335件(※POST365に登録されているアカウント。調査時点で未登録のアカウントは含まない)
  • 調査期間:2020年3月1日~5月31日
  • 調査対象:業界別アカウント数、業界別平均フォロワー数、エンゲージメント率、投稿数
  • 除外対象:英語のみの投稿を行っている企業アカウント、対象期間中に投稿がないアカウント
  • エンゲージメント数・率の定義:
    本調査におけるエンゲージメント数・率は調査期間中の「1投稿あたり」の値を算出しています。

    エンゲージメント数=(いいね!合計 + コメント合計)÷ 投稿数
    エンゲージメント率=(いいね!合計 + コメント合計)÷ 投稿数 ÷ フォロワー数

1,335アカウントを16の業界・業種に分類

  • 食品・飲料
  • ファッション
  • 日用品
  • 住宅・建設・不動産
  • スポーツ・アウトドア
  • 美容・コスメ
  • 家具・インテリア
  • 家電・ハードウエア
  • 自動車・バイク
  • 小売
  • 官公庁・公社・自治体・団体
  • インフラ
  • エンターテイメント
  • サービス
  • マスコミ・メディア
  • 金融・保険

成長が続くInstagram。若年層だけのものではない

Instagramの成長が著しく、多くの人が利用する定番のSNSプラットフォームとして進化しました。2019年3月には、国内の月間アクティブユーザーは3,300万人に到達。2015年には約810万人でしたので、4年間で約4倍に増加したことがわかります。

総務省の情報通信白書によれば、1年前に比べて全ての年代において利用率が増加しました。Instagramはもはや、若年層が中心のSNSというよりも、40代以上も利用しているSNSとなっています。企業アカウントの数も増えており、新しい顧客接点として様々な業界、業種がInstagramマーケティングに取り組んでいます。

平成 30 年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

参考:
平成 30 年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

この記事では、企業/ブランドのInstagramアカウントを対象に、業界ごとの平均フォロワー数やエンゲージメント率の相関や、1ヵ月あたりの投稿本数の傾向を独自に分析しました。自社のInstagramアカウントのパフォーマンスの振り返りや今後のKPI設定などに活用していただければ幸いです。

ベンチマークに役立つ業界別平均フォロワー数・エンゲージメント率

はじめに、業界ごとの平均フォロワー数と平均エンゲージメント率の相関を見てみましょう。

ベンチマークに役立つ業界別平均フォロワー数・エンゲージメント率

この図では、縦軸に業界の平均フォロワー数、横軸に業界の平均エンゲージメント率をとり、業界のアカウント数を円の大きさで示しました。たとえば、ファッション業界の平均フォロワー数は約13万人、エンゲージメント率は2%強、アカウント数は184件ということが読み取れます。

一般的にSNSアカウントでは、フォロワー数が増えるほどエンゲージメント率は下がる傾向にあります。今回の調査では、右上(フォロワー数高、エンゲージメント高)に含まれる業界がなく、この傾向を顕著に表す結果となりました。

みなさんの運用するアカウントは、業界動向と比較していかがでしょうか? これからInstagramを始めようと思っている企業の方も目標設定や業界分析のベンチマークにしてみてください。

平均値と中央値から分析する各業界のInstagram動向

次の表は、フォロワー数とエンゲージメント率の平均値、中央値です。業界によっては、一部の上位アカウントが平均値を引き上げている場合もあるため、中央値も算出しています。業界内での自社アカウントの立ち位置を知る際の参考にしてください。
※( )内の数字はアカウント数

業界フォロワー数エンゲージメント率(1投稿あたり)
平均値中央値平均値中央値
メーカー・ブランド食品・飲料(126)21,21810,8279.82%4.78%
ファッション(184)127,10935,9442.14%1.16%
日用品(68)28,16013,3823.85%2.89%
住宅・建設・不動産(33)40,75712,5153.99%3.01%
スポーツ・アウトドア(26)39,52518,0394.02%3.47%
美容・コスメ(121)68,76823,6793.08%1.88%
家具・インテリア(18)393,603208,1322.50%1.18%
家電・ハードウエア(34)40,48625,7633.62%2.68%
自動車・バイク(19)74,45961,7643.65%3.03%
小売(153)78,1598,9273.39%2.41%
官公庁・公社・自治体・団体(81)20,7044,6478.72%8.66%
インフラ(11)12,05511,9087.77%6.83%
エンターテイメント(98)101,36826,0115.80%5.27%
サービス(254)23,1563,1525.49%4.27%
マスコミ・メディア(104)313,151112,5212.62%1.48%
金融・保険(7)10,85310,2313.84%2.16%

今回の調査で最もフォロワー数の平均が多い業界は「家具・インテリア」の393,603で、D2Cを展開する企業が多く含まれていました。次いで、「マスコミ・メディア」が313,151となりました。

エンゲージメント率の平均で見てみると、最も高いのは「食品・飲料」で9.82%となりました。馴染み深い飲料メーカー、お菓子メーカーなどが多く、アイデアあふれる写真などが高いエンゲージメントを獲得しています。

「Pocky Japan」は投稿の頻度は高くはありませんが、投稿にフォロワー数以上のいいねがつくことがあり、一つの投稿のエンゲージメントが148% になることもありました。「セブンティーンアイス」も同様に、フォロワー以上の反応があります。広告の配信をしたと考えられます。

また、キャンペーンの開催でエンゲージメント率を高めている例もありました。「ゼスプリキウイ公式」は、期間中に「フォロー&いいね」キャンペーンを実施したこともあり、平均のエンゲージメント率が9.91%となっています。

なお、特にエンゲージメント率の平均値と中央値に差が大きいのは、「食品・飲料」です。前述したように、広告やキャンペーンを定期的に開催し、エンゲージメント率を高める企業が多く、関係を強化していることがうかがえます。

業界別Instagramアカウントのフォロワー数トップ5

次の表は、業界別のフォロワー数上位5アカウントをピックアップしたものです。エンゲージメント数とエンゲージメント率もあわせて記載しています。

業界ランキングアカウント名フォロワー数エンゲージメント数(1投稿あたり)エンゲージメント率(1投稿あたり)
メーカー・ブランド食品・飲料1ハーゲンダッツ ジャパン@haagendazs_jp233,7484,9282.15%
2SUNTORY(サントリー)@suntory_jp166,1762,9981.82%
3コカ・コーラ@cocacola_japan160,3984,8133.00%
4GODIVA@godiva_japan122,7183,7053.01%
5ゼスプリキウイ公式@zespri_jp120,25510,5359.91%
ファッション1UNIQLO ユニクロ@uniqlo2,329,22610,5760.46%
2A BATHING APE® OFFICIAL@bape_japan2,231,58720,5050.92%
3GU(ジーユー)@gu_global1,170,0728,3540.73%
4MOUSSY@moussyofficial685,0772,2170.33%
5BEAMS@beams_official584,1792,5310.45%
日用品1ほぼ日(公式)/ Hobonichi(official)@hobonichi1101143,5241,6341.16%
2アプレレクールオフィシャル@apres__official125,5801,1670.97%
3アカチャンホンポ@akachanhonpo116,1441,8501.69%
4ティファール公式アカウント@tfal_japan84,2123,0693.67%
5トンボ鉛筆@tombowpencil82,9572,4683.08%
住宅・建設・不動産1無印良品の家 mujihouse@mujihouse470,6894,1450.89%
2グッドルーム インテリアが楽しくなる、おしゃれなお部屋探し@akachanhonpo146,6999950.69%
3tomio@tomio_official100,0491,0991.10%
4BESSの家@bess_slowlife97,0442,5772.70%
5積水ハウス株式会社@sekisuihouse66,3332,0563.42%
スポーツ・アウトドア1パタゴニア@patagoniajp154,7072,3491.60%
2コールマンジャパン公式@coleman_japan137,8724,2113.42%
3adidas Tokyo (at 🏡)@adidastokyo137,0967750.57%
4リーボック クラシック@reebokclassicjp117,9061,5361.30%
5Under Armour アンダーアーマー@underarmourjp87,9811,2381.44%
美容・コスメ1ジルスチュアートビューティ@jillstuartbeauty583,82210,9621.87%
2CANMAKE TOKYO(キャンメイク)@canmaketokyo528,4539,8011.88%
3shabon@shabon_official512,3876,4831.28%
4RMK official@rmkofficial398,2762,1920.55%
5THREE@threecosmetics378,6852,5720.68%
家具・インテリア1MUJI無印良品@muji_global2,279,17111,6880.54%
2「お、ねだん以上。」ニトリ公式アカウント@nitori_official972,61510,5141.17%
3IKEA JAPAN@ikeajapan915,3588,1980.94%
4unico(ウニコ)|家具・インテリア|ライフスタイル@unico_fan406,9153,2240.82%
5LOWYA(ロウヤ) | インテリア | 家具@lowya_official365,4382,8141.16%
家電・ハードウエア1Galaxy Mobile Japan@galaxymobilejp155,7605,0093.21%
2GoPro@goprojp137,6942,0531.49%
3LIFE with CAMERA@canon_eosm121,0541,5931.30%
4ニコンイメージングジャパン公式@nikonjp109,1633,7893.51%
5Panasonic Cooking(パナソニッククッキング)@panasonic_cooking92,0752,1382.30%
自動車・バイク1Toyota_jp@toyota_jp286,1144,3131.54%
2日産自動車株式会社@nissanjapan150,2134,3262.89%
3Honda 本田技研工業(株)@hondajp97,0292,8333.02%
4BMW Japan@bmwjapan86,9582,0582.50%
5メルセデスベンツ/Mercedes-Benz Japan@mercedesbenzjapan86,2242,4793.01%
小売1スターバックス公式@starbucks_j2,633,24955,1092.14%
2ダイソー公式アカウント@daiso_official1,448,53310,7280.78%
3北欧、暮らしの道具店@hokuoh_kurashi960,4264,5030.49%
4cando/キャンドゥ@cando_official693,3976,3640.94%
5ローソン Lawson Japan@akiko_lawson594,65513,2412.42%
官公庁・公社・自治体・団体1そうだ京都行こう@soudakyoto_official281,59811,1513.99%
2首相官邸@kantei274,6819,8473.70%
3伊勢神宮 / ISE-JINGU@isejingu.official229,59023,32511.16%
4音羽山 清水寺|Kiyomizu-dera temple@feel_kiyomizudera166,5555,0283.03%
5ハ ワ イ 州 観 光 局@gohawaii_jp128,0525,2164.38%
インフラ1関西電力株式会社@kanden.jp32,3592,1376.78%
2ソフトバンク(SoftBank)@softbank_official28,8536202.20%
3九電グループ@kyuden_official19,7031,5727.52%
4東京都交通局 Toei Transportation@toeitransportation_official18,0543241.80%
5東京電力グループ(TEPCO)@tepco.official12,8428696.85%
エンターテイメント1TokyoDisneyResort 東京ディズニーリゾート@tokyodisneyresort_official2,622,574151,8635.87%
2ウォルト・ディズニー・ジャパン@waltdisneyjp394,56717,3154.52%
3読売ジャイアンツ@yomiuri.giants359,82021,9206.62%
4日本サッカー協会(JFA)@japanfootballassociation348,7214,1611.21%
5ディズニー・スタジオ@disneystudiojp333,07011,5173.53%
サービス1ANA✈️@ana.japan511,35027,2795.43%
2ALBUM Official Instagram@album_hair488,1792,0540.42%
3Japan Airlines@japanairlines_jal445,68818,6224.25%
4痩せたい人必見!ダイエット情報発信中@247dieter429,8663,7970.92%
5RETRIP<リトリップ>国内@retrip_nippon395,2748,8152.26%
マスコミ・メディア1Tasty Japan@tastyjapan6,657,34138,4440.59%
2kurashiru [クラシル]@kurashiru2,988,36622,0570.81%
3デリッシュキッチン 料理・献立・レシピ@delishkitchen.tv2,954,04816,0650.61%
4Tastemade Japan テイストメイドジャパン@tastemade_japan2,104,37510,3480.49%
5つくおき@tsukuoki1,294,1069,0200.70%
金融・保険1三井住友銀行(SMBC)@smbc_official23,5322320.98%
2PayPay株式会社@paypay_official_17,1312011.32%
3日本生命@nissay_official12,2512742.17%
4住友生命「Vitality」@sumitomolife_vitality10,2314934.88%
5福井 グルメ スイーツ 観光 旅 魅力をお届け💛ふくジェンヌ@fukusienne8,3264415.46%

1ヵ月当たりの平均投稿数は?

1ヵ月当たりの平均投稿数


最も多かったのはマスコミ・メディアの平均38.5回でした。マスコミ・メディアには、料理系メディアも含まれており、「デリッシュキッチン 料理・献立・レシピ」が平均212回、1日平均で6回以上の投稿していることがわかります。ライフスタイル情報アプリ「キナリノ/キナリノモール」も平均154回と、マスコミ・メディア業界では、多く投稿している企業が複数ありました。

次いで「ファッション」「家具・インテリア」が同位で平均29.0回となりました。ファッションでは「BEAMS JAPAN」が平均337回で、今回の調査で最も投稿数が多いアカウントとなり、特にポップアップショップなどのイベントがあった3月の投稿回数が1ヵ月で513回と多くなっていました。

家具・インテリアでは、「Francfranc(フランフラン)」、「MUJI無印良品」が平均75回と投稿回数が多くなっていました。他にも、ECの「北欧、暮らしの道具店」が平均229回投稿するなど、人気アカウントで投稿頻度が高くなっている傾向がありました。

全体的に1日1回以上投稿している企業が増えており、1日複数回投稿することも珍しくありません。Instagramを通したコミュニケーションが活発になっていることがわかる結果となりました。

一方、1ヵ月当たりの平均投稿数が最も少ないのは、金融・保険業界の平均3.0回でした。自粛期間中のため、業界によっては普段どおりの投稿がしにくい期間であったことがわかります。

自粛期間中の投稿は?

調査期間は新型コロナウイルスの感染拡大により政府が特別措置法に基づく緊急事態宣言を全都道府県に発令された4月16日から解除になった5月25日が含まれます。

自粛期間中、SNSでの投稿について悩んだ方も多いのではないでしょうか。今回の調査結果の中から、エンゲージメントが高い企業は、どのような投稿をしていたのか、ピックアップして紹介します。


コールマンジャパン公式:「#おうちキャンプ」で自粛期間中の楽しみ方を提案

自粛期間中は、家の中での過ごし方を提案する投稿が多くありました。キャンプグッズを取り扱うコールマンでは、「#おうちキャンプ」のハッシュタグを使って、家でのキャンプの楽しみ方を紹介しています。


スターバックス公式:ユーザー投稿にバリスタからのメッセージを加えて

自粛のため休業する店舗も多くありました。スターバックスも休業する中、ユーザーに「#スターバックスATHOME」のハッシュタグでコーヒーの写真を依頼。
ピックアップしたユーザーの投稿写真に、バリスタがメッセージを加えて紹介していました。スターバックス店舗でのカップのメッセージを思い出させるような投稿で、自粛明け後の来店意欲を向上させる企画です。


そうだ京都行こう:お花見を家から楽しもう

新型コロナウイルスのため旅行、お花見などのイベントも今年は自粛要請がありました。そんな中、「そうだ京都行こう」ではお家からお花見を楽しむというコンセプトで、京都の桜の写真を投稿。
投稿内には、「外出自粛の中、京都の景色で少しでもこころを癒していただければ、との思いを込め、本アカウントでは情報発信を続けていきます。」「新型コロナウイルス感染防止のため、撮影は細心の注意を払って行いました。」という注意書きも載せており、見た人に投稿の意図を誤解されないような配慮も行っていました。

まとめ

フォロワーが多くなるほど、エンゲージメント率は下がる傾向にありますが、定期的にキャンペーンを開催してユーザーのアクションをうながしたり、広告を配信してリーチを伸ばすことで、エンゲージメントを上げる施策を行っている企業もありました。

調査期間中は、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言期間だったため、予定していた投稿内容を差し替えるなどの対応が必要だった企業も多いと思います。
しかし、投稿例で紹介したように、今この時求められるコンテンツを考え、メッセージを配信できている企業が多くありました。
どんなときでもInstagramで発信を続ける、柔軟な姿勢は今後も重要になるでしょう。

その他、SNS運用に役立つ調査データをまとめた資料を公開しています。
こちらからダウンロードできますので、ぜひご覧ください。

「We Love Social」掲載のオリジナル版はこちらInstagramの企業アカウント16業界1,335件を分析!フォロワー数の多い業界・エンゲージメントの高い業界は?

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