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スタートトゥデイの前澤社長、田端氏らが語るZOZOグループの「成長戦略」「将来像」 | 通販新聞ダイジェスト

7 years 6ヶ月 ago

スタートトゥデイはこれまで、ネットで服を買いやすくするためにさまざまなサービスや機能をファッション通販サイト「ゾゾタウン」で展開し、ファッションEC市場の拡大に大きく貢献してきた。5月21日には会社設立20周年を迎えたが、今も業界関係者や消費者を驚かすチャレンジを続けており、サイズ問題の解消を原点とした同社初のプライベートブランド(PB)「ゾゾ」と、採寸用ボディースーツ「ゾゾスーツ」の取り組みは業界の垣根を越えて注目されている。通販新聞ではスタートトゥデイの前澤友作社長をはじめ、今後の成長戦略で欠かせない役割を担うグループの4人(※ゾゾオールスターズと命名)に集まってもらいグローバル展開の“要”となるPBへの思いやグループの将来像などについて話を聞いた。

スタートトゥデイの前澤友作社長、田端信太郎氏、スタートトゥデイテクノロジーズの金山裕樹社長、アラタナの濵鍋伸次社長が対談

サイズ問題はグローバル

――M&Aでグループが大きくなっています。前澤社長はどんな狙いや思いでM&Aを実施されてきましたか。

前澤「これまでのM&Aの対象は、買収前から知っている経営者が多いです。それぞれの人柄や活躍、諸事情?(笑)も含めて、事前に知った上で買わせてもらっています。あまり、当社から積極的に『買収させろ』みたいな形で話をすることはありません。会社として、次のステージに向けて動き出そうとしている時期に『今度、こういうことを考えているのだけど、一緒にやりませんか』と、お互いが相思相愛でM&Aを実施することが多く、急に押しかけて買収することはないです」

スタートトゥデイ・前澤友作社長
スタートトゥデイ・前澤友作社長

――アラタナさんのケースではどうだったのでしょうか。

前澤「ちょっと忘れちゃいました(笑)」

濱渦「私はちゃんと覚えていますよ(笑)。スタートトゥデイは当時、子会社だったスタートトゥデイコンサルティングを通して取引先のメーカー自社ECの開設・運営を支援するBtoB事業を展開していました。当社も通販サイトの構築サービスをメインにしながら、『ハニカム』というウェブメディアを買収し、メディアコマースなどに挑戦していた頃でした」

「そんなときに、スタートトゥデイコンサルティングがメーカー自社EC支援のビジネスから身を引くという話が出まして、『やめるのはもったいない』と前澤に伝えに行ったのがきっかけです。結局、当社がうまい仕組みを作れるのであれば、スタートトゥデイグループとして事業を継続していこうということになりました」

前澤「そうでした。宮崎に行ってオフィスも見せてもらいました。濱渦は宮崎では有名人なんですよ」

――アラタナさんはグループに入って3年くらいですか。

濱渦「2015年5月にスタートトゥデイグループに入りましたので、ちょうど3年経ちました。通常、M&Aは社長のキーマンクローズと呼ばれる規定を盛り込みますが、そういったことを忘れてしまうくらい楽しく過ごせていますし、親会社に行って終わりという画一的なM&Aも多い中で、スタートトゥデイグループはそういうこともなく、今後の3カ年計画についてもワクワクしています。東京も楽しくて、けっこう東京にいる時間が多くなりました(笑)」

――旧VASILY(ヴァシリー)の金山さんともだいぶ前から面識があったようですね。

前澤「7年くらい前から知っています」

金山「私がヴァシリーでファッションメディア『IQON(アイコン)』を作って1~2年後にスタートトゥデイと取り引きを始め、スタートトゥデイの担当者から前澤と一緒に食事に行こうと誘われたのが最初です。そこから定期的に会って話をする中で、これは絶対一緒にやった方がいいなと思ったのは、前澤の自宅でゾゾスーツとPBの話を聞いたときです」

「朝5時くらいだったと思いますが、前澤から『こんなこと考えてるんだよね』と言われたときに、脳天をぶち抜かれた感じがあり、これは世界を変えると思いました。しかも、ゾゾスーツというテクノロジーとファッションを組み合わせた世界でも類を見ないような取り組みを始めると聞いたときに、スタートトゥデイは世界トップのファッションテック企業になると確信しました」

「ヴァシリーもファッションテックで世界を目指していたのですが、前澤からは7年くらい前に『うちを越えるのは無理だから早くやめなよ』みたいなことを言われていて、当時は『もうちょっと頑張ります』と答えていたのですが、早朝5時にゾゾスーツの話を聞いて、しかもプロトタイプまで見せてもらい、7年前は生意気なことを言って本当にすみませんでしたという気持ちになりました」

前澤「確かに、同じようなことを別々にやってもしょうがないので、7年前から『どうせなら一緒にやろうよ』と言っていましたね」

金山「7年前から前澤の方が正しかったと、今は思います。ゾゾスーツの構想とプロトタイプを目の当たりにしたときは、初めてiPhoneに触れたときぐらいの衝撃がありました」

前澤「ゾゾスーツの話はどんなタイミングで話したかな」

金山「社長会という、前澤とグループ会社の社長が定期的に集まって食事をする会に、なぜか私はM&Aの前から呼ばれていて、その場に居たんですよ」

濱渦「だいたい朝方まで続く会です」

前澤「そうでした。外部ゲストとして金山を呼んでいて、私と年齢も近いですし、いずれ(M&Aを)ということもあってですね」

金山「グループの社長たちもPBとスーツの構想を聞いたのは、そのときが初めてだったと思います。みんなで、ゾゾのPBはこうじゃないのと当てっこをしていて、5時くらいに前澤が『実はね』と話し出したんですね」

濱渦「あれは目がさめましたね」

金山「さめたどころか、このスケールできたかという感じで、目がギンギンになっちゃいましたよ。私たちはPBを始めるのであれば、どんなデザイナーを呼ぶとか、ユーザーがカスタマイズできるといった具合にデザインの話をしていたのですが、前澤は『そうじゃなくて、サイズの問題はグローバルだから。ゾゾスーツでファッションの問題を解決していく』と言っていて衝撃を受けました」

「あと、『われわれが作るPBは、ラグジュアリーなものではなく、カップラーメンみたいなもので、みんなが知っていて、みんなに愛され、みんなが手にとれて、みんなが幸せになれるものを目指す』と言ったのをよく覚えています。もう迷うことなく、一緒にやりたいと思いました」

――田端さんはいつ頃からお知り合いですか。

田端「私はLINEの広告営業をしていたときにスタートトゥデイと付き合いがあったのですが、そのときは前澤と接する機会はほとんどありませんでした。ただ、個人的に注目はしていて、同い年として男は前澤友作、女は神田うのという感じで勝手にベンチマークしていました(笑)」

「前澤の発言もウェブで見ていましたが、普通はこんなこと言わないと思うことをたくさん発信していて、それこそ、堀江さんがライブドアを離れて以降、良くも悪くも“おとな”なネット企業の創業者ばかりで、社員や世の中の空気を読んで安全運転な発言をする人が多い中で、この人は違うなと思っていました。前澤から話をもらったのが昨年9月で、私も発表前のゾゾスーツを見せてもらい、これだと思って一緒に仕事をさせてもらうことになりました」

スタートトゥデイの田端信太郎氏(コミュニケーションデザイン室 本部長)
スタートトゥデイの田端信太郎氏(コミュニケーションデザイン室 本部長)

――前澤社長はなぜ田端さんにアプローチしたのですか。

前澤「PBを展開するということは、その会社や私自身、スタッフのみんなが、どういう人で何を思っているのかを伝えていくことが大事だと感じています。なぜなら、ブランドというのは会社そのもの、人そのものだからです。どんなに繕っても素の姿は分かってしまいます。そういう意味で、自分たちが何者なのか、スタートトゥデイがどういう風に創業から20年間を歩んできたのかを世間に正しく、きれいに知ってもう必要があります」

「一方で、当社の広報グループはあまり前に前にというプロモーションをしてこなかったですし、私もこの数年はあまり取材を受けてきませんでした。そこで、PRの体制を整え直す必要があり、どういう人をPRの責任者に置くのがいいかを考えたときに、すぐに頭に浮かんだのが田端でした。いろいろ問題も起こす人ですが(笑)、基本的には真面目で信念を持って言いたいことを言うという意味では私と近く共感していて、一緒に仕事がしたいと思いました」

田端「個人と会社の関係性は私なりに思うところがあり、前澤という個人とスタートトゥデイという会社の関係性が重なる部分と重ならなくていい部分の境目みたいなところに悩んでいるという感じがあり、私も明確な解を持っているわけではないのですが、もしかしたら役に立てるかもしれないと思いました。個人と会社、個人とブランドの距離感みたいなことを熱弁させてもらいました」

「あとは、私自身もLINE以前からずっと広告ビジネス一筋の身ですので、広告費をかけてメディアの枠を買うこと自体を全否定するわけではないですが、広告枠がどうとか、クリック単価ばかりを気にしていても仕方ないと思っています。ゾゾスーツの原価は広告宣伝費に計上していて、ある意味、スーツ自体が最新型の広告スペースみたいなものです。広告は新しいお客さんとの接点を作り、買ってもらうためのきっかけ作りであることを考えると、ゾゾスーツもそうですし、支払いが最大2カ月後にできる『ツケ払い』もその決済手段自体がある種の広告かもしれません。そういう問題意識を抱えている中でゾゾスーツを見せられ、このチャンスに飛び込みたいと思いました」

旧スーツを3カ月で一新

――初めての中期経営計画と10年後ビジョン(※注①)の成功に欠かせないのがPB事業ですが、新型ゾゾスーツはスタートトゥデイ研究所が3億円で買い取ったアイデアがその原形ですか。

注釈①スタートトゥデイは21年3月期を最終年度とした3カ年の中期経営計画で商品取扱高7150億円、売上高3930億円、営業利益900億円を、長期ビジョンとしては10年後にPBを展開するオンラインSPAで世界ナンバーワン、グローバルアパレル企業トップ10入り、10年以内に時価総額5兆円を目標に掲げている

前澤「買い取ったアイデアをもとに開発しました。今年の1月末に買い取って、3カ月くらいで全部作りました。旧型スーツの改良を重ねていた裏で新型スーツの準備も進めていました」

濱渦「新型ゾゾスーツではスタートトゥデイのすごさを改めて見た気がします。1月に新しいアイデアを発見した奇跡と、そこから3カ月でそれまで作ってきた生産フローやアプリも全部作り直していて、なかなか普通の企業ではできないことだと思いました」

金山「設備投資したものも全部ですからね」

前澤「40億円減損しました」

――旧ゾゾスーツの未来感が失われた(※注②)という意見もありますが、本質的な部分、目的はブレていないですよね。

注釈②昨年11月に発表した伸縮センサー内蔵のゾゾスーツはスマホと通信接続することで人体のあらゆる箇所の寸法を瞬時に測定できることから「未来感がすごい」などと話題になった。ただ、生産面の課題を解消できず、全身に付いたドットマーカーをスマホカメラで撮影することで体型を測定できるマーカー読み取り方式を採用した新型ゾゾスーツに切り替えたことで、SNS上ではマーカーが水玉模様に見えるとして「未来感がなくなった」などの声が相次いだ

前澤「そうです。いまはもっと簡単で精度の高い測定が可能なスーツや、スーツに頼らない技術の研究もしています。今期、600万着~1000万着のスーツを無料配布すると発表していますが、さらに新型のスーツを配布するかもしれませんし、スーツなしでの計測の技術革新に成功すれば、何百万着もスーツを配らなくて済むかもしれません。いまのスーツも1着1000円はかかり、1000万着だと100億円ですからね」

――物流センターの拡充(※注③)を進めていますが、PB商品は工場直送にかなり近いイメージでしょうか。

注釈③商品取扱高の拡大に伴い、千葉県習志野市にある既存の物流センターに加え、昨年7月からは千葉県印西市でも倉庫を賃借しているが、今秋には茨城県つくば市内で大型の物流センターが稼働を始めるほか、来年秋完成で隣接地にも物流拠点を構える計画で、その時点で倉庫の延床面積は約32万平方メートルになる見込み

前澤「そうですね。物流センターでの保管期間は短く、基本的に作ったPBはすぐに届けますので、センターを経由するというくらいの感覚です。一部、アイテムによっては事前の作り置きもあります」

――金山さんは世間のPBやスーツへの反応をどう見ていますか。

金山「PB『ゾゾ』についてはSNS上の反応が主ですが、想像通りの反応だと思います。新しいゾゾスーツについても外見上の意見がでると思っていましたし、一方で、それを越えて計測してPB『ゾゾ』を買ってくれた方はほぼポジティブで、そこも想像通りです。いい流れはできつつあると思います」

「PB『ゾゾ』自体は前澤直轄で取り組んでいますが、私のタスクとしては、もう3歩先、5歩先をスタートトゥデイ研究所(※注④)としては見据えないといけません。新型ゾゾスーツを見ると分かりますが、顔や手足の先といった人の末端部分まではカバーしていません。そこには大きな課題があります。当然、展開アイテムもいまはデニムパンツとTシャツだけですが、アイテムを増やしていくときに、デザインは人が一からデザインするのかなどを検討しなければいけません。私としては、機械がデザインしてもいいと思っています」

注釈④スタートトゥデイ研究所はファッションを科学的に解明する目的で今年1月末に発足したプロジェクトチームで、グループが持つ大量のビッグデータとゾゾスーツで得られる体型データなどを活用して「服作り」や「サイズ」「似合う」をテーマに研究を行っており、金山氏がプロジェクトリーダーを務めている

――PBの今後のラインアップについてはいかがですか。

前澤「今後のラインアップとしては、ビジネススーツのセットアップを投入したいと考えています」

――PBのラインアップを増やすのに協力工場の開拓は欠かせませんが、どのような基準で工場を選んでいますか。

前澤「オンデマンド生産やメード・トゥ・メジャーの生産に前向きで、最新鋭の設備に投資意向の強い工場を選んでいます。グローバル企業を目指していますので、最終的には工場のローカライズまでを見越した体制を、最初から考慮しています」

――中計ではブランドの自社EC支援を行うBtoB事業の再強化を打ち出しました。

濱渦「スタートトゥデイが今後、5000億円、1兆円と成長を目指す中で、『ゾゾタウン』やPB『ゾゾ』も成長させていくのですが、ファッション市場にイノベーションを起こすことが私たちのミッションだと思っています。ブランドの自社ECは店頭も含めてまだまだ在庫運用に課題があり、半分くらいがセールになっていたりするわけですが、これは需要予測が十分に機能していなかったり、物流に問題があったりするからです。アラタナとしては、スタートトゥデイが持つデータと物流をファッションブランドに使ってもらうことで、課題解決を手助けしたいと思っています」

「これまでも物流機能は提供してきましたが、データは提供していませんでした。データの一部開放は結構思い切った判断だと思います。『ゾゾタウン』で何が買われているかというデータを使えば需要予測になりますし、自社ECの課題の集客面でも、『ゾゾタウン』のデータは活用できると思います」

アラタナの濵鍋伸次社長
アラタナの濵鍋伸次社長

――BtoB事業でも「ツケ払い」の提供を始めます。

濱渦「ツケ払いも単に新しい決済手段を提供しますというだけでなく、『ゾゾタウン』のデータを使うことで与信の精度がかなり上がっています。『ゾゾタウン』での実績があって、はじめてブランドさんに提供できるようになりました」

「BtoB事業の規模が縮小していた時期は、誰でもできるEC運営代行をやっていたのだと思います。今回、商品取扱高が2700億円まで拡大し、提供できるデータの質が上がってきましたし、BtoBとしても再度アクセルを踏むタイミングだと判断しました。BtoB事業は初年度100億円、2年目に200億円、3年目に300億円を目標にしていますが、個人的には300億円がスタートラインととらえていまして、『ゾゾタウン』と並ぶくらいのビジネスにしたいです」

――今期からスタートする広告事業はどなたが責任者を務めるのでしょうか。

金山「私が務めます。『アイコン』で広告メディアに取り組んできましたし、私は元々ヤフーにいて、ECというよりもメディアの運営にたずさわってきました。『ゾゾタウン』の出店ブランドはかつてない規模に増えていますので、どうしても埋もれてしまうブランドが出てきます」

「新たに始める広告を使ってブランドさんにも『ゾゾタウン』内で露出を増やす機会を提供させて頂くことで、売り上げアップにつなげてもらいたいと思っています。当然、スタートトゥデイが持っているデータを使って、最適な広告を表示します。濱渦が言ったように、われわれのデータをブランドさんのマーケティングに使ってもらえるという意味でも広告ビジネスは意義があると思いますし、今がそのタイミングなのかなと感じています。広告事業は3年後に100億円を目指していまして、グループの利益に貢献したいです」

――LINEで広告営業をされていた田端さんが舵取りをされるのかと思っていました。

田端「アドバイスをすることはあると思いますが、基本的には金山が責任者としてハンドリングします。私が広告営業を指揮するのでは、あまりにこれまでの業務の延長線過ぎてスタートトゥデイに入社した意味がないというか、今はPRやブランディングの再整備に力を注ぎたいと思っています」

最後発こそ最先端を導入できる

――中計では研究所も大事な役割を担うことになります。

金山「研究所発足の意義はいろいろあると思いますが、スタートトゥデイは初めてブランドを手がけるわけです。ある意味、最後発のブランドですよね。ただ、最後発だからこそ今一番新しい仕組みを取り入れやすいと思っています。すでにあるサプライチェーンや生産技術というものにあまりとらわれずに、最先端の技術を導入できる更地が広がっている状態です。研究所で開発したテクノロジーによってブランドを開発できれば、ほかのブランドと差別化できると思います」

「過去に何度か人工知能ブームがありましたが、今回はブームで終わらずに社会に浸透してくるタイミングだと感じていますので、技術を使った差別化をブランド作りに十二分に生かすには計画的に技術を生み出していく必要があります。旧型のゾゾスーツもその準備ができていたら、もっとスムーズに行った気がします。今はいろいろな技術が枝分かれしていて、どれが次に来るのか分かりませんので、研究所としては、すべての技術に対して『ゾゾタウン』やPB『ゾゾ』である程度使える形にしていくことが重要になります」

スタートトゥデイテクノロジーズの金山裕樹社長
スタートトゥデイテクノロジーズの金山裕樹社長

――さまざまな技術に対して均一に人や時間をかけていくことになりますか。

金山「そうですね。いろいろな技術に網を張っておきたいですね。ただ、始まったばかりで研究スタッフも足りませんので、人材を確保しながら研究所としてのプレゼンスを高めていきたいです」

――スタートトゥデイは「実店舗はやらない」と言っていますが、AIやデジタル活用がもっと進むと、アパレル企業はリアル店舗の価値をどこに求めていくのでしょうか。

濱渦「先ほど、ゾゾスーツの体験が広告になるという話が出ましたが、店舗も体験がメインになってきていると思います。ストライプインターナショナルさんがホテルの運営を始められたり、体験をブランディングに生かしている例もあります。そういったことから、体験というワードが店舗のあり方のひとつとして強まっていくと思います。これまでのように店舗のバックヤードにたくさんの在庫を積んで店頭の商品を補充する形で運営していると、体験の場がバックヤードで狭まってしまいます。ですので、例えば、『ゾゾタウン』の物流センターから実店舗に在庫を提供するなど、早いサイクルで商品を回せるサプライチェーンを作ることで、“体験”というブランドさんの店舗価値を生かせるようにサポートしていきたいです」

――今年2月に始めた「おまかせ定期便」(※注⑤)の狙いを教えてください。

注釈⑤今年2月に始めた「おまかせ定期便」は、注文履歴やアンケートの回答などを独自のアルゴリズムで解析して選定した最適な商品をもとに、スタッフが顧客に合ったコーディネートを作成して定期的に届けるサービスで、利用者は届いたコーディネートの中から欲しい商品だけを購入し、それ以外は無料で返品できる。届ける頻度は1カ月ごと、2カ月ごと、3カ月ごとの3種類から選択できる

前澤「服を選ぶのは難しかったり、面倒だったりしますよね。しかも、『ゾゾタウン』には何十万点という商品がある中で、ゾゾスーツを使うとこれまで以上にお薦めの精度が上がるよねという話の中で、単品アイテムをお薦めするだけではなく、コーディネートとして提案できるのではないかという発想でスタートしました。つまり、『おまかせ定期便』はゾゾスーツ起点ということです。スーツで体型を把握して、購入履歴やアンケートから趣味嗜好まで分かれば、今までのレコメンドから次元を超えたお薦めができますよね。しかも何も考えなくても定期的に届くサブスクリプション型ですから楽だと思います」

――定期便のスタッフ数や購入率などはいかがですか。

前澤「まだお伝えできません。手応えもこれからですね」

――「おまかせ定期便」もそうですが、データやAI活用が進む中で「人」の生かし方をどう考えますか。

前澤「人ができることはすべて機械もできるようになると言われていますが、私は半信半疑で、やりながら決めていく以外にはないと思います」

――エンジニアの採用にもかなり力を注いでいます。

前澤「当社がやりたいことを実行するためには数年以内に500人から1000人規模のエンジニアが必要になりますので、しっかりと人材を確保できるテクノロジー企業を目指します」

――ファッション産業が抱える課題をどのように見ていますか。

前澤「これまでもずっと言ってきたのですが、オーバーストックやセールの乱発、服の廃棄など、明らかに人や社会にとって良くないことを、見過ごしてきた感があります。そうした課題も変えていける力になりたいという思いでPB『ゾゾ』も展開していきます。大きなことは言えませんが、ファッション業界全体に伝播して、業界再興の機会にもなればいいと思っています」

海外で売れないと意味がない

――PB展開が成功すれば、じり貧状態にあるファッション市場全体にもインパクトを与えますよね。

前澤「じり貧と言っても、取扱高が鈍化しているとか、下がっているだけで、服の販売数量やファッションを楽しむ人が減っているわけではなく、販売数量はむしろ増えていて、商品単価が下がっているだけだと思います。今までより良い商品が従来よりも安い価格で流通しているということは、誰かが頑張っているからです。デフレというと言い過ぎかもしれませんが、マーケットが正常化に近づいているのではないでしょうか。取扱高は同じでも、例えば単価は半分で、販売数量は2倍になっていて、それでもマーケットが保たれているというのはユーザーにとって良い状態だと思います。今までより服を2倍楽しめるのに、使う額は変わらないわけですから」

スタートトゥデイ・前澤友作社長

――PBが始まり、「ゾゾタウン」の取引先ブランドとの関係性に変化はありますか。

前澤「競合として見られているイメージはまったくないです。むしろ、『突き抜けて面白いことをやってもらいたい』という応援コメントを頂くことの方が多いです。ただ、ブランドさんもプロですので、『そんなに服作りは簡単じゃないぞ』という声も当然頂いていますが、厳しいご意見もありがたく感じています」

――ブランドさんとの接点が多い濱渦さんはどう感じていますか。

濱渦「対ゾゾ、対PBという感じはありません。互いにやろうとしていることは一緒で、PB『ゾゾ』も大量消費の解決につながると思いますし、広告もブランドさんが売りたい商品をより売れるようにすることですので、ブランドさんにもスタートトゥデイグループがやろうとしているファッション革命に乗って頂きたいと思います」

金山「研究所視点になりますが、出せる範囲で論文だったり、学会の発表にこれまでも取り組んできましたし、これからも取り組んでいこうと思っています。研究所として発見した世の中の真理や科学みたいなものは、自分たちだけで囲い込むつもりはありません。公にしていきますので、論文で発表したものをブランドさんや繊維メーカーさんに使ってもらうことはウェルカムですので、ファッション産業の一員として業界を盛り上げていきたいですね」

――中長期ビジョンを達成する上での課題を教えてください。

前澤「中長期ではPB『ゾゾ』が海外で売れないと意味がありませんので、国内で胡座をかくつもりはありません。海外は本当にチャレンジになりますが、サイズの課題はグローバルですので、それを信じて突き抜けるしかないです。米国や欧州では何度もフィッティングテストをしていますが、『こんなぴったりの服は初めて』とたくさんの方に言ってもらっていますので、方向性は間違ってなかったという安堵感がありながらも、海外では『ゾゾタウン』はまったく無名ですから、いかに広げていくかというチャレンジに対してワクワク感もあります」

海外でもPBで問題提起を

――海外でのブランド発信も田端さんが担当するのでしょうか。

田端「海外は良くも悪くも当社が運営する既存ビジネスがほとんどありませんので、廃棄の問題だったり、生産の低賃金や児童労働などの問題も含めて、既存のファッション業界に対して問題提起しても、『ゾゾタウンも福袋や大型セールを開催しているだろ』というご意見が飛んでくることをそんなに心配しなくていいですし(笑)、世の中的にエシカルやフェアトレードといった流れもある中で問題提起することで、有料広告に頼らなくてもポジショニングを獲得できる余地があります」

「それこそ、トヨタのプリウスが出てきたときに、米国のセレブがプリウスに乗ったのは、ガソリンを大量に消費するリムジンよりも燃費のいいプリウスの方がクールという態度表明だったのと同じで、当社のPB『ゾゾ』もそうしたブランディングができないかということを少し考えています」

――5~10年後の服の買い方はどうなっていると思いますか。

金山「ネット販売のシェア拡大という今の流れが続いてネットで服を買う人が増え、リアルで買う人は減ると思います。ネットでの買い方は、欲しいもののイメージがあって、それをネットで探して買うという今の買い方に加えて、なんとなく服が欲しいけどイメージがないという状況にもネット上でインスピレーションを受けてそのまま購入するという流れや、ゼロから提案を受けて購入に至るという受動的な購買が増えると思います。リアルでの買い物はネットで完結しない部分を補う存在になると考えています」

――前澤社長はいかがですか。

前澤「自分の体に合うものをストレスなく選べることはもちろん、自分でデザインした一点ものが作れたり、頭の中で想像したものがそのまま製品化されて買えるようになると思います」(敬称略)

通販新聞

Google検索結果でクーポン配布や販売ページへの直リンクが可能に!?【海外&国内SEO情報ウォッチ】

7 years 6ヶ月 ago

Web担当者Forumの連載コーナー「海外&国内SEO情報ウォッチ」を更新。Google の検索結果画面に、自社のクーポンや、販売サイトや申し込みページへの CTA(行動喚起)ボタンを表示できるとしたら、どうだろうか――しかも広告ではなくオーガニックで。そんな夢のようなことが可能になった!

投稿 Google検索結果でクーポン配布や販売ページへの直リンクが可能に!?【海外&国内SEO情報ウォッチ】海外SEO情報ブログ に最初に表示されました。

Kenichi Suzuki

オプティマイズと AdWords の連携が生み出すさらに的確なエクスペリエンス

7 years 6ヶ月 ago

この記事は、Google アナリティクス ソリューション 英文ブログ記事「Deliver more relevant experiences with Optimize and AdWords」を元に構成しております。



マーケターが集客に使用できるさまざまなチャネルの中でも、検索は最も重要なツールのひとつと言えるでしょう。ですが、単に検索広告を最適化するだけでは十分ではありません。カスタマー ジャーニー全体に注意を払い、サイトに到達したユーザーのエンゲージメントを維持することが重要です。先日発表されたオプティマイズと AdWords の連携機能は、この点でマーケターの仕事をサポートすることを目的としたものであり、パーソナライズされたランディング ページを手軽に作成およびテストすることができます。




Spotify の事例: オプティマイズと AdWords を組み合わせてコンバージョン増加に成功








世界有数のオーディオ ストリーミング サービスを提供する Spotify も、オプティマイズと AdWords の連携を活かして、検索キャンペーンによるコンバージョンの増進に成功した企業のひとつです。Spotify は、ドイツで最も利用されているストリーミング コンテンツが、実は音楽ではなくオーディオブックであることに気付きました。このため国内のユーザーに対しては、オーディオブックの豊富な品揃え、そしてプレミアム会員になればさらに快適なエクスペリエンスでコンテンツを利用できる点をアピールすることが重要と考えられました。


Spotify は AdWords とオプティマイズ 360(オプティマイズの企業向けバージョン)の連携機能を使用し、Google で「オーディオブック」を検索して検索広告をクリックしたドイツのユーザーに対するテストを行いました。該当ユーザーの半分を通常のページに、もう半分をオーディオブックに特化した専用のランディング ページに誘導するというものです。その結果、専用ランディング ページでは通常のページと比べプレミアム会員の新規登録数が 24% 増加しました。


「従来、こういったテストの実施はそれなりの時間を要するプロセスでした。今はオプティマイズ 360 のおかげで、20 種類以上のテストを同時進行させることも可能です。重要なのはテストを頻繁に実施することです。個々のテストで成果が出ないことがあっても、実施を続けていれば問題ありません。」そう話すのは、Spotify でコンバージョン最適化責任者を務める Joost de Schepper 氏です。


<<Spotify の事例について詳しくは動画をご覧ください>>





やってみましょう



的確なランディング ページの作成とテスティングを手軽に実現する連携機能によって Spotify は大きな成果を上げましたが、本日お知らせする 3 件のアップデートにより、あらゆるマーケターが同様のメリットをさらに享受しやすくなります。




1. オプティマイズを AdWords リニューアル版とリンク




オプティマイズと AdWords のリンク設定はわずか数ステップで完了できます。こちらの手順に沿ってお試しください。


まだ AdWords リニューアル版をご利用でない方は、ぜひこの機会に移行をご検討ください。さらに豊富な行動につながりやすいインサイトから分析することができ、新機能にもすばやくアクセスできます。


2. 複数の AdWords アカウントを同時にリンク


クライアント センター(MCC)アカウントを使って多数の AdWords アカウントを管理している場合、個々の子アカウントをオプティマイズとリンクしていくのは時間のかかる作業でした。


今回のアップデートにより、MCC アカウントを直接オプティマイズとリンクできるようになりました。これによって管理下の AdWords アカウントがまとめて追加されるため、個々のキャンペーンや広告グループなどのデータを即座に接続できます。この機能を利用するには、まず AdWords リニューアル版に切り替えたうえで、MCC アカウントのリンク設定を行います。詳細


3. キーワードの扱いがさらに柔軟に


複数のキーワードをひとつのテストで扱えるようになりました。別々のキャンペーンや広告グループに分散しているキーワードも同時に使用できます。たとえば、広告グループ「デザート」にある「チョコレート チップ クッキー」というキーワードを検索したユーザーと、広告グループ「飲み物」にある「アイスコーヒー」というキーワードを検索したユーザーに対して、同じランディング ページのテストを実施できます。



オプティマイズと AdWords の連携を利用すれば、A/B テストによる成果促進もスピーディーかつシンプルです。無料で利用できるオプティマイズ アカウントを取得し、さっそく始めてみましょう。



ご利用を心よりお待ちしております。

投稿者: Rotimi Iziduh - Google オプティマイズ担当プロダクト マネージャー

noreply@blogger.com (Analytics team)

基礎化粧品のEC市場に本格参入する万田酵素、発酵技術を化粧品に応用

7 years 6ヶ月 ago

植物発酵食品「万田酵素」の製造販売を手がける万田発酵は基礎化粧品のECに本格参入する。

現在、スキンケア製品は洗顔料やハンドクリームなどを販売している。7月10日に発売するスキンケアライン「Mforte(エムフォルテ)」を通じて基礎化粧品に本格参入する。

「Mforte」は先行美容液、化粧水、乳液、クリーム」の4品目。価格帯は1個あたり5400~8640円。

4品目の小瓶が詰め合わせになった1週間分のトライアルキットも販売する。トライアルキットの価格は1620円。

万田発酵初の基礎化粧品「Mforte」

「Mforte」は、植物性原材料の発酵過程で得られるアミノ酸やポリフェノールなどを含む植物発酵エキスを配合しているのが特徴という。

万田発酵は1987年設立。主力商品の「万田酵素」を中心に、健康食品の通販・ECを展開しているほか、卸売やOEMも手がけている。

万田発酵は複数の原材料を段階的に発酵する独自の技術を持ち、植物発酵食品「万田酵素」を販売している。この発酵テクノロジーを基礎化粧品の開発に応用した。

売上高は公表していないが、大手求人サイト「マイナビ」の掲載情報によると2017年5月期の売上高は128億円。イングランドプロサッカーリーグに加盟するプロサッカークラブ「マンチャスター・ユナイテッド」の、日本国内における公式栄養サプリメントパートナーとなっている。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

サイバーエージェント、東南アジア向け広告の制作拠点「京都グローバルクリエイティブセンター」開設

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    ネットショップ担当者が読んでおくべき2018年6月4日〜6月10日のニュース

    2018/6/12
  6. 倉庫ロボット「Amazon Robotics」導入の物流拠点「アマゾン茨木FC」を9月開業

    国内で「Amazon Robotics」を導入するのは、「アマゾン川崎FC」に続く2拠点目

    2018/6/13
  7. 60万店が使う「Shopify」の日本版もInstagram連携をスタート

    「Shopify」を利用しているネットショップは、Instagramのオーガニック投稿からECサイトに集客できる

    2018/6/12
  8. 経産省がAIスピーカーによるネット通販について見解を公表

    消費者の言い間違えによる誤発注が発生した場合などを想定し、消費者保護に関する考え方を整理する

    2018/6/14
  9. アリババが天猫国際(Tmall Global)のリアル店舗をオープン。オフライン展開の狙いとは?

    中国・杭州に誕生した天猫国際(Tmall Global)の実店舗のレポート (vol.33)

    2018/6/11
  10. 宅配クライシス前後の配送会社利用率調査/楽天の独自配送ネットワーク構想【ネッ担アクセスランキング】

    2018年6月1日~7日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?

    2018/6/8

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

uchiya-m

モバイルファーストインデックスによくある誤解と混乱をGoogleがツイッターで解説

7 years 6ヶ月 ago

モバイル ファースト インデックスに関する誤解や混乱を解消するための解説を Google の Twitter 公式アカウントが投稿した。補足を加えて紹介する。

投稿 モバイルファーストインデックスによくある誤解と混乱をGoogleがツイッターで解説海外SEO情報ブログ に最初に表示されました。

Kenichi Suzuki

ヤマトが「クロネコメンバーズ」連携のID決済「クロネコペイ」を開始、導入方法は?

7 years 6ヶ月 ago

ヤマト運輸とヤマトフィナンシャルは6月18日、通販・EC事業者のECサイトにおいて「クロネコメンバーズ」の会員情報で決済ができるようになるID決済サービス「クロネコペイ」の提供を始める。

対象はヤマトフィナンシャルが提供するオンライン決済「クロネコwebコレクト」の契約者。

「クロネコペイ」はヤマト運輸の会員サービスで約2000万人が登録している「クロネコメンバーズ」と連携。購入者は「クロネコメンバーズ」で登録した情報を用いて、住所やクレジットカード情報を入力する手間なく、「クロネコペイ」導入サイトで決済ができるようになる。

商品購入時の情報入力といった手間が削減できるため、利便性や使い勝手が向上。ECサイトのコンバージョン率や顧客体験の向上などが期待できる。

ヤマト運輸とヤマトフィナンシャルは、通販・EC事業者のECサイトにおいて「クロネコメンバーズ」の会員情報で決済ができるようになるID決済サービス「クロネコペイ」の提供をスタート

「クロネコペイ」を使った場合の決済ステップの流れ

「クロネコペイ」の提供に合わせ、「クロネコメンバーズ」に新たにクレジットカード情報登録画面を加えた。消費者が登録したクレジットカード情報は、国際セキュリティ基準「PCI DSS」に準拠したヤマトグループの決済システムで管理する。

「クロネコペイ」を導入するには?

通販・EC事業者が利用するには、ヤマトフィナンシャルが提供するオンライン決済「クロネコwebコレクト」の契約が必要。「クロネコwebコレクト」は初期費用・固定費無料、決済手数料のみ(決済手数料は5%)で利用できる。月額固定費1万円で決済手数料3.9%のプランもある。

「クロネコペイ」ではAPIの提供をスタート。自社開発でECサイトを構築した通販・EC事業者も「クロネコペイ」を導入できるようにした。自社カートを利用している事業者には、専用ページから問い合わせを受け付けているこちらから

ヤマトグループのECサイト開業サービス「らくうるカート」を利用している事業者は、設定不要で自動的に「クロネコペイ」が利用できるようになるという。

ヤマトグループの「クロネコペイ」を導入した場合の仕組み

「クロネコペイ」利用イメージ

ショッピングカート、パッケージとの連携も拡大

ヤマトグループは今後、「クロネコペイ」の拡大をめざして各種ショッピングカートやECパッケージとの連携を進める。

また、宅急便の運賃支払い、店舗での買い物など多様なシーンで利用できるようにするとしている。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

アダストリアのファッションECサイト[.st]、24時間365日対応のチャットボット導入

7 years 6ヶ月 ago

「グローバルワーク」「ニコアンド」などのファッションブランドを展開するアダストリアは6月12日、自社ECサイト[.st](ドットエスティ)に人工知能(AI)を搭載したチャットボットを導入した。

従来の顧客対応手段であるメール、電話、FAQに加え、チャットポットを導入することで、セール時など問い合わせが集中する時期でも顧客を待たせることなく対応する。

コールセンター大手りらいあコミュニケーションズが開発した自動応対システムを採用。仮想エージェントの「コトヨさん」が、顧客からの問い合わせに24時間365日対応する。

アダストリアによると、1か月間に顧客から寄せられるメールでの問い合わせは1万件以上。質問の中には「配送料について」「ログインが出来なくなった」「ポイントの利用方法」など、AIで自動応対できるものも多いという。

アダストリアは、自社ECサイト[.st](ドットエスティ)に人工知能(AI)を搭載

チャットボットのイメージ(画像は編集部がキャプチャ)

チャットボットの導入にあたり、過去のメールのログデータやカスタマーサービス担当者の回答例、りらいあコミュニケーションズの顧客対応ノウハウなどを活用。「言葉のゆらぎ」にも対応する学習データを生成し、回答精度の向上を図っている。

今後、配送情報やポイント情報とのAPI連携を通じ、チャットボットで解決できる領域を拡大するとしている。

アダストリアは「グローバルワーク」「ニコアンド」「ローリーズファーム」など、グループで20を超えるブランドを持つ。国内外で約1500店舗を展開している。

2018年2月期のEC売上高は、前期比17.3%増の333億円。単体売上高に占めるEC売上高の比率は16.6%だった。[.st](ドットエスティ)の会員数は2月末時点で約700万人。

アダストリアのEC売上高とEC構成比の推移

アダストリアのEC構成比の推移(画像はIR資料を編集部がキャプチャ)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

7/6名古屋開催。自転車ECで急成長のエイチーム(cyma)、Google 検索最新情報など全7講演

7 years 6ヶ月 ago
本イベントのお申込受付は終了いたしました。
多数のお申込ありがとうございました。
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ファン作り、ブランディング戦略など顧客コミュニケーションを学ぶ1日

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ネットショップ担当者フォーラム、Web担当者Forumでは、地域におけるeコマース市場の現状と課題を把握し、その方策を導くため、「ネットショップ担当者フォーラム/Web担当者Forumミーティング2018 in 名古屋」を開催します。

オープニング基調講演
スタート4年で売上高20億円突破!実店舗やモールに頼らないEC戦略。
~難しい「自転車」のECで、店舗無し、モールなしで、成長を続ける戦略とは~
講師
株式会社エイチーム
執行役員 EC事業本部長
斉藤 洸貴
自転車通販「cyma -サイマ-」
クロージング基調講演
Google 検索最新情報 2018 ~MFI からスピード アップデートまで~
講師
グーグル合同会社
Search Quality Team
Senior Search Evangelist
金谷 武明
Google

今回の基調講演は、LINE@やLINEショッピングなど、LINEを使った顧客とのコミュニケーションをテーマにLINE藤井執行役員が登壇。

ゼネラルセッション、クロージング講演では、フェリシモのファン作り、Twitterビジネス活用、ヤッホーブルーイングのブランド戦略など顧客コミュニケーションについてさまざまな角度からお話いただきます。

そのほかにも、ECサイトの成功事例、CRM戦略、解析、決済、アプリについて講演など盛りだくさんの内容でお届けする1Dayセミナーです。

ネット通販、デジタルマーケティングに関わる全ての方にお役立ちの情報満載です。 あなたも、お知り合いをお誘い合わせのうえ、ぜひご参加ください。

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ご来場プレゼント

ご来場プレゼント

当日、主催者アンケートにお答えいただいた方に下記をお渡しします。

EC物流最前線 送料値上げ時代を勝ち抜くためのヒント20選

  • 発行:インプレス
  • 発売:2017年10月31日
  • 定価:本体1,350円+税
EC物流最前線 送料値上げ時代を勝ち抜くためのヒント20選
スポンサー
  • アマゾンジャパン合同会社
  • コンテンツマーケ・SEOツール-MIERUCA(ミエルカ) コンテンツマーケティング・オウンドメディア集客・SEO分析
  • 富士通株式会社
  • 株式会社ヤプリ
  • 株式会社ロックオン
協力
  • TEK 東海イービジネス研究会

開催概要

イベント名
ネットショップ担当者フォーラム&
Web 担当者 Forumミーティング2018 in 名古屋
日時

2018年7月6日(金)
セミナー:11:00~17:20(受付開始10:30)
懇親会 :18:00~19:30  ※有料

場所
愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番1号 KITTE名古屋 3階(地図
交通アクセス
西鉄福岡(天神)駅から徒歩2分
地下鉄空港線天神駅から徒歩5分
地下鉄七隈線天神南駅から徒歩5分
JR博多駅から天神まで地下鉄で5分
福岡空港から天神まで地下鉄で11分
天神バスセンターから徒歩3分
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参加費
  • セミナー:無料(事前登録制制)
  • 懇親会 :お一人様3,000円(税込)※当日会場でお預かりします。
主催
株式会社インプレス ネットショップ担当者フォーラム、Web担当者Forum
協賛企業
  • アマゾンジャパン合同会社
  • 株式会社Faber Company
  • 富士通株式会社
  • 株式会社ヤプリ
  • 株式会社ロックオン
協力
  • TEK 東海イービジネス研究会
特別協力
  • 一般社団法人ウェブ解析士協会
定員
100人
このページのURL https://netshop.impress.co.jp/event/201807nagoya
お問い合わせ
株式会社インプレス イベント事務局
TEL:050-3356-0787
受付時間 10:00~18:00(土・日・祝日を除く)

タイムテーブル※講師・講演内容は予告無く変更される場合があります。予めご了承ください。

11:00~12:00
オープニング基調講演
スタート4年で売上高20億円突破!実店舗やモールに頼らないEC戦略。
~難しい「自転車」のECで、店舗無し、モールなしで、成長を続ける戦略とは~
講師
株式会社エイチーム
執行役員 EC事業本部長
斉藤 洸貴
斉藤 洸貴
セッション概要

エイチームがEC事業に本格参入したのは2013年と遅い時期。これまで在庫を持たないWebサービスやアプリ運営に特化していた会社が、「自転車」という一風変わった商材でECに参入し、実店舗なし、モール出店なしで、年商20億円まで急成長した舞台裏を初めてお話しします。マーケットの選び方、プロモーションの選定、モールに頼らない集客や、組織づくりまで、成長段階の組織が直面する課題解決のヒントを提供します。

プロフィール

2010年株式会社エイチーム入社。ブライダル系Webサービスでのディレクター業務や、スマートフォンアプリゲームにおけるデータ解析・企画運営に携わる。2015年よりエイチームが新領域として取り組んでいるEC事業の責任者を務め、現在に至る。

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12:10~12:50
ランチセッション軽食をご用意しています。
成長するECサイトが続々とアプリを導入する理由とその効果
講師
株式会社ヤプリ
マーケティング
マネージャー
佐藤 裕子
佐藤 裕子
セッション概要

モバイルシフトによりスマートフォンがインフラ化した現在、モバイルサイトの次に取り組むべき手段としてアプリが注目されています。アプリ経由のEC売上は、ウェブ広告やメルマガ経由を上回り最も売れるチャネルになる事例が続出しています。「アプリ導入で売上は上がるのか?」こんな疑問をお持ちのEC担当者様向けに、導入実績250社以上のアプリ運営プラットフォーム「Yappli」が自社アプリの最新事例を紹介します。

プロフィール

新卒でEC事業会社へ入社。開店支援のコンサルタントとして約450店舗のネットショップ立ち上げに携わる。
その後、地方企業のモバイル活性化を目的に、全国各地にてセミナー講演を実施。
2015年にファストメディア株式会社(2017年4月に株式会社ヤプリへ社名変更)へ参画後は、スマホファースト時代におけるアプリ×マーケティングを軸としたセミナーの企画・講演を行っている。

内容レベル

大規模店舗向け、中規模向け、小規模店舗向け、モール店舗向け、その他

内容のレベル感への補足

初心者向け(これからアプリ導入を検討されている方向けの内容となります。)

参加対象者

マーケティング、EC、販促 ご担当者様

受講するメリット

アプリを導入することのメリットや想定される効果が分かります。

こんなニーズや悩みにこたえられる内容です

アプリを導入したいが、いまいち効果がわからない
モバイルマーケティングを強化したいと感がている方
におすすめの内容です。

続きを読む
13:00~13:40
講演1
Amazon Payが実現する買いやすいECサイトの事例とコネクテッドコマースの世界
講師
アマゾンジャパン合同会社
Amazon Pay事業本部
事業部長
井野川 拓也
井野川 拓也
セッション概要

「Amazon Pay」はAmazon以外のEコマースサイトでもお客様がAmazonアカウントで簡単にログインし、お支払いできるサービス。
導入ECサイトでは新規会員獲得やコンバージョン率の改善などにその効果が表れています。
本講演では「Amazon Pay」の導入メリットや最新の導入事例をご紹介します。
また、オンラインだけでなく実店舗やAlexaを使った音声での決済におけるAmazon Payのソリューション=コネクテッド・コマースの世界もご紹介します。

プロフィール

2007年11月アマゾンジャパン株式会社入社。セラーサービス事業本部にて、Amazonマーケットプレイスの事業者様へ向けたサポート業務を担当。
2016年よりAmazon Pay事業の営業責任者として、「Amazon Pay」の日本での拡大をリードし、現在に至る。

内容レベル

大規模店舗向け、中規模向け、小規模店舗向け

参加対象者

自社ECサイト運営責任者・運営担当者、ソリューションプロバイダー、ECサイト開発者

受講するメリット

最新の決済サービスに関する情報が得られる、EC売上向上のヒントが得られる

こんなニーズや悩みにこたえられる内容です

新規顧客獲得、コンバージョン率向上

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13:50~14:30
講演2
マーケティング×ITに潜むリスクの正体に挑む!
~富士通が広告配信まで手掛ける理由をお話しします~
講師
富士通株式会社
オファリング推進本部
デジタルマーケティングオファリング統括部
デジタルマーケティングソリューション部
シニアマネージャー
西本 伸一
西本 伸一
セッション概要

あらゆるものがデジタル化され、繋がる世の中となりその境界線は日々見えにくくなって来ています。このような時代だからこそ、企業はマーケティングに関わる全てのITを「手中に収め」リスクをマネージメントして行かなくてはなりません。本日は当社がこの春より新たに提供を開始したデジタル広告配信サービスをはじめ、富士通がご提案するデジタルマーケティングの狙いについてお話しをします。

プロフィール

デジタルマーケティングを中心としたソリューションの拡販を担当。エンタープライズ領域のシステムエンジニアとしての経験を活かし、デジタルマーケティングに関するソリューションの提案と新たなビジネスモデル創造に向けた協業など幅広い活動をしている。

内容レベル

大規模店舗向け、中規模向け、小規模店舗向け、モール店舗向け、 その他

参加対象者

デジタルマーケティング基盤の整備やレベルアップを図りたい方向け。
今回はマーケ部門、情報システム部門双方に聞いて頂きたい内容です。

こんなニーズや悩みにこたえられる内容です

デジタルマーケティングを強化していきたいが、進め方が判らない、きっかけがつかめない等、お悩みの方に富士通がお手伝いできる事をお話しします。

続きを読む
14:40~15:20
講演3
年間7,000件のリードを生み出すオウンドメディア運営術
講師
株式会社Faber Company
エグゼクティブ マーケティング ディレクター
月岡 克博
月岡 克博
プロフィール

大学卒業後、SFAベンダーにて導入コンサルタントに。次にCRMベンダーで営業マネージャーを経験した後、2014年 Faber Company参画。SEOやコンテンツマーケティングの営業・コンサルに従事した後に、マーケティングを担うIMC部を立ち上げ。SEOプラットフォーム「MIERUCA」を中心に、リードマネジメント、ミエルカブログ運営、セミナー登壇など自社マーケティング全般を担当。

講師
株式会社ジャストシステム
マーケティングリサーチキャンプ編集長
庄子 悟
庄子 悟
プロフィール

大学卒業後、大手通信会社に入社。事業企画担当としてBtoCサービスを中心にアライアンス構築業務に従事。その後、ジャストシステムに入社し、全社横断でのマーケティング業務を担う。特にリサーチ(調査)サービスの「Fastask」「Sprint」のマーケティングを中心に、コンテンツ制作、展示会、セミナー登壇などマーケ施策全般を行う。マーケッター向けオウンドメディア「マーケティングリサーチキャンプ」編集長。

セッション概要

年間で7,000件ものリードを獲得している、マーケッター向けオウンドメディア「マーケティングリサーチキャンプ」。編集長の庄子さまにコンテンツ制作から配信方法、分析手法などの運営ノウハウを、MIERUCAで同メディアを支援するFaber Company月岡がお聞きしていきます。明日からのオウンドメディア企画・運営のヒントを1つでも多くお持ち帰りください。

内容レベル

大規模店舗向け、中規模向け、小規模店舗向け、モール店舗向け、 その他

続きを読む
15:30~16:10
講演4
SEOアルゴリズム変更も乗り切った!
EC事業Webプロモーション設計 虎の巻
~EC事業担当者 400名の調査結果から読み解かれたリアル
講師
株式会社ロックオン
マーケティング部
部長
デ・スーザ リッキー
デ・スーザ リッキー
セッション概要

昨今のEC事業者を取り巻く環境は日々激変しており、中でもGoogleの「健康アップデート」に代表される施策により「アフィリエイトに頼るだけ」と言ったような展開を行ってきたEC事業者は壊滅的な打撃を受けています。その一方で、しっかりと「獲得の成果を戻している」事業者も増えいることもまた、事実です。この両社の違いを生み出しているものは何でしょうか? このセミナーではEC事業を営むマーケター400名への調査結果から見えた「差」と「リアル」について言及。今後行うべき、プロモーション設計について紹介いたします。

プロフィール

Web制作会社でディレクター/企画営業の経験を4年積んだあと、特定企業のブランディングを行うため大手通信企業に転職。通算10年以上のマーケティング実務経験を持ち、同社在籍時にはWeb経由獲得数を数倍に伸長させた。2017年3月より株式会社ロックオンに参画し、アドエビスのマーケティングに従事。複数の担当業務で前月比150~700%成長を記録。6月より現職。

内容レベル

大規模店舗向け、中規模向け、小規模店舗向け

続きを読む
16:20~17:20
クロージング基調講演
Google 検索最新情報 2018 ~MFI からスピード アップデートまで~
講師
グーグル合同会社
Search Quality Team
Senior Search Evangelist
金谷 武明
金谷 武明
セッション概要

本セッションでは、Google 検索最新情報 2018 として、モバイル ファースト インデックス(MFI) 、新 Seach Console、スピード アップデートを中心に、Google 検索の最新情報についてお話します。

プロフィール

2007年よりグーグル株式会社勤務。2009 年より現職。Google 検索のエヴァンジェリストとして技術的な内容からウェブマスター向けガイドラインまで、Google 検索の公式情報の啓蒙活動を担当。
Google 検索 Q&A #ウェブマスターオフィスアワー(Twitterにジャンプします)、毎月実施中。
前職ではゲーム会社のウェブディレクターとして EC サイトの制作やサイトのプロモーションなどを担当。

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高嶋 巌

経産省がAIスピーカーによるネット通販について見解を公表

7 years 6ヶ月 ago

経済産業省は、人工知能を使った音声認識スピーカー(AIスピーカー)の普及が進んでいることを受け、AIスピーカーを使ってネット通販を行なう場合のルールを明確化する。

消費者の言い間違えによる誤発注が発生した場合などを想定し、消費者保護に関する考え方を整理。今後、電子商取引(EC)に関する規則を定めた「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」を改定し、ルールを明文化する。

5月21日に準則の改定案を公表した。6月20日までパブリックコメントを募集しており、結果を受けて準則の改定を進める。

経産省が想定している課題は、①AIスピーカーが音声を誤認識した場合②AIスピーカーに対して発注者が「言い間違い」をした場合――の2点。

AIスピーカーが音声を誤認識した場合、消費者は救済されるか?

経産省は、AIスピーカーが音声を誤認識して発注した場合、消費者は「注文」の意思表示を行っていないと解釈されるため、注文は成立しないとの見解を示している。

AIスピーカーを提供している事業者が取るべき対策として、AIスピーカーが認識した注文内容をユーザーに通知し、ユーザーから確認が得られた場合に注文を確定することが有用としている。

AIスピーカーによる誤認識の例

  • AIスピーカーが、テレビドラマの中でのAIスピーカーを使った発注の場面の音を拾って注文してしまった
  • 幼児が母親にお菓子をねだっている音声を、お菓子の発注と誤認識して注文してしまった

消費者が言い間違いをした場合、注文は取り消せる?

発注者(消費者)が商品名を言い間違えて別の商品を注文してしまった場合、法律上(民法第95条本文)は注文が無効になるとしている。ただし、発注者に「重過失」がある場合には契約を取り消せない。

経産省の見解では、言い間違えは誰にでも生じ得ることから、一度の言い間違えでそのまま注文されてしまうシステムであれば、言い間違えに「重過失」があるとされる可能性は低いという。

AIスピーカーを提供する事業者の対策として、発注が完了する前に発注内容に誤りがないかを確認する機能などを想定している。

消費者の言い間違えによる誤発注の例

  • 「タイヤ」を注文しようとして「ダイヤ」と言ってしまった
  • 子供が好きなキャラクターのおもちゃを注文しようとしたら、記憶間違いで似たような名前の全く別のキャラクターのおもちゃを注文してしまった

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」は、ECなどにおける、さまざまな法的問題点について現行法をどう適用するか解釈を提示したもの。2002年に策定し、これまで14回改訂されている。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

訪日観光きっかけの越境EC規模は約8000億円、半数以上を中国が占める

7 years 6ヶ月 ago

観光庁がまとめた「平成30年版観光白書」によると、中国や米国など5つの国・地域からの訪日観光をきっかけとした2017年の越境ECの購入規模は、推計7800億円だった。購入者自身の訪日観光だけでなく、家族や知人の訪日観光をきっかけとした購買も含めた金額。

調査対象は中国、香港、台湾、韓国、米国。 越境ECによる購入金額全体の1兆5500億円のうち、約5割は訪日観光がきっかけとなっている。

訪日観光をきっかけとした7800億円のうち、約6割にあたる4700億円は中国からの購入金額。

訪日観光をきっかけとした越境ECによる購買規模推計

訪日観光をきっかけとした越境ECによる購買規模推計(観光庁の資料を編集部がキャプチャ)

中国では、都市部を中心に越境ECによる日本製品の購買経験者が増えている。

20~49歳のミドル・ハイエンド層に相当する月収5000元以上の社会人を対象に、北京市、上海市、広東省広州市および内陸部都市(湖北省武漢市、重慶市、四川省成都市)の居住者に対してインターネット調査を実施した結果、越境ECによる日本製品の購入経験者は2017年8月時点で67.7%だったという。

中国における越境ECでの日本輸入品の購買経験の有無

中国における越境ECでの日本輸入品の購買経験の有無(観光庁の資料を編集部がキャプチャ)

購入した商品ジャンルは上位から化粧品(48.5%)、食品(41.6%)、医薬品(35.5%)。

中国における越境ECで人気の商品

中国における越境ECで人気の商品(観光庁の資料を編集部がキャプチャ)

越境ECで購入した理由の1位は「中国内では店頭で販売されていない製品だから」(44.4%)、2位は「日本に旅行をしたときに購入して気に入った製品だから」(40.4%)となっている。

中国における越境ECを使った購買理由

中国における越境ECを使った購買理由(観光庁の資料を編集部がキャプチャ)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

モバイルECの高速表示・ユーザー体験向上のために知っておくべきPWAの導入メリット | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

7 years 6ヶ月 ago

プログレッシブWebアプリとは、モバイルサイトのローディングタイムを速くし、モバイルサイトでのコンバージョン率をアップさせるためのツールです。

現在大きな注目を浴びているプログレッシブWebアプリ(PWA)とは一体なんなのでしょうか? アプリなのか、それともWebサイトなのか? 名前を見ただけでは混乱するでしょう。モバイルからの流入は増えるのに、モバイルサイトでのコンバージョン率で苦戦しているなか、PWAが小売事業者に提供できるメリットが、次第に明らかになってきています。

今回の記事では、PWAがどんな課題を解決しようとしているのか、PWAとはなんなのか、日々変化するモバイルの世界で、この新しいモバイル技術が消費者と事業者両方にもたらす大きなメリットをお伝えしたいと思います。

オンライン通販事業者が抱える問題点

オンライン通販事業者は大きな問題を抱えています。それは、モバイルにおける低いコンバージョン率です。5年前にレスポンシブWebデザイン(RWD:Responsive Web Design)がEC業界を大きく変えたとき、小売事業者はデスクトップ用のサイトを小さいスクリーン用に変更しただけの、「誰にでも1つのサイトで」事足りるという事実に飛びつきました。ページのローディングに時間がかかるという欠点はありましたが、多くの小売事業者は、RWDのシンプルさと作業効率化を喜んで受け入れました。

モバイルからの流入が20~30%だった時は、モバイルサイトのためだけに労力を割くのは、あまり意味がなかったかもしれません。しかしながら、モバイルからの流入が50%、60%、70%まで上がり、業種によってはモバイルからの流入が80%にもなってくると、モバイルサイトとデスクトップサイトがRWDによって(1つのサイトとして)切っても切れない関係にあるという事実が、大きな問題になるのです。

RWDのモバイルサイトは、デスクトップ用に作られたWebサイトをリサイズしただけのものなのです。ですから、モバイルのコンバージョン率が悪いという問題すら、解決するべき問題として議論することができないのです。

モバイルサイトにまつわる耳の痛い数字の話

RWDサイトのモバイルページのローディングタイム(パフォーマンス)は、変わらず長いままで、コンバージョン率が悪くなる大きな原因になっています。ローディングタイムが長ければ長いほど、コンバージョンが下がることは、さまざまなレポートで明らかにされています。

ある調査では、ページのローディングタイムが1秒短くなるごとに、コンバージョン率が27%上がったという結果も出ています(編注:1秒の改善で27%向上した例もあるということ、毎秒ごとではない。詳細は図を参照)。

横軸のモバイルページの表示速度が1秒速くなると、コンバージョン率が27%向上(1.5%から1.9%)した例も(編注:IRONPAPER発表の資料を編集部がキャプチャし、追加)
https://www.ironpaper.com/webintel/articles/web-design-statistics-2017/
グーグルが2018年2月に発表したデータでは、モバイルサイトの表示速度が1秒から3秒になると直帰する確率が32%、10秒になると123%に増加するという(編注:グーグルの資料を編集部がキャプチャし、追加)
https://www.thinkwithgoogle.com/marketing-resources/data-measurement/mobile-page-speed-new-industry-benchmarks/

素晴らしいデスクトップ向けのサイトを制作することも重要ですが、デスクトップと同様のリッチな体験を、リサイズしてスマートフォンに詰め込むだけでは機能しないのです。

この事実を裏付ける調査として、Monerate社のレポートがあります。2016年第4四半期には1.65%だった全米のモバイルのコンバージョン率が、2017年第1四半期には1.54%に下がりました。より長期間にわたるレポートを見てみても、2013年から2017年の間、モバイルのコンバージョン率は1~2%の間を行ったり来たりしています。この数字は、5年以上にわたって停滞し、改善されていないのです。一方、モバイルからの流入は2013年の16%から2017年の50%にまで増えています。

アプリが隙間を埋められるのか

多くの小売事業者にとって、EC機能のあるアプリはコンバージョン問題の解決に寄与しています。アプリでのコンバージョン率は、モバイルのWebページよりも4~6倍高くなっているからです。

アプリの方がよりローディングが早く、常にオンの状態で消費者のスマートフォンのなかに存在します。アプリは消費者に見つけてもらい、ダウンロードしてもらわないといけませんが、エンゲージメントの高い利用者が多くの売り上げを作ってくれる、大変パワフルなツールです。

Criteo社が実施した2017年の調査では、2017年第4四半期のアプリでのコンバージョン率は18%でした。同調査によると、アプリとモバイルに最適化されたWebサイトを比較したところ、アプリがモバイルでの売り上げの66%を占めていたそうです。2018年第1四半期では、アプリのコンバージョン率は20%にアップしています。

Criteoが発表した米国EC事業者の調査によると、アプリのコンバージョン率は20%でモバイルサイトの約3倍、デスクトップのCVR10%を上回る(編注:Criteoの資料を編集部がキャプチャし、追加)
https://www.criteo.com/wp-content/uploads/2018/05/18_GCR_Q1_Report_US_ENG.pdf

グーグルの役割とソリューション

グーグルはアプリの台頭を好ましく思っていないでしょう。なぜなら、アップルの「閉じられた庭」であるApp Storeのなかでは、グーグルのインデックスがうまく効かないからです。ネイティブアプリのなかで流入やトランザクションが起こっても、グーグルには何が起こっているかわかりません。これは、Web上での行動データを元に広告を展開するグーグルに大きなインパクトを与えます。グーブルやアドワーズのボットにとって、iOSアプリ上で行われるビジネスは「盲点」なのです。

ですが、グーグルは賢い人材を抱える賢い企業です。2015年には、アプリのトレンドが来ることを予想し、モバイルWebサイトのコンバージョン問題を解決するため、プログレッシブWebアプリ(PWA)をスタートしました。

不思議な名前ですが、これはデバイスのキャッシュを最小限に抑えて、モバイルサイトのパフォーマンスを向上させるためのツールキットなのです(どうして“アプリ”という単語を名前に入れたのかはまったくわかりません。個人的にはこの名前には反対です)。

プログレッシブWebアプリは、アプリではない

名前に“アプリ”が入っていますが、PWAはアプリではないのです。方法論であり、ガイドラインであり、ツールキットなのです。ページのローディングタイムやパフォーマンスを劇的に向上させるために、デベロッパーが守るべきルール一覧です。グーグルはアプリが提供できる最高のもの(スピード)と、モバイルWebサイトが提供できる最高のもの(簡単なアクセス)を融合させています。

PWAの“シェル”※1はサイト内のコンテンツとは切り離されているため、ユーザーエクスペリエンス的にはまるでアプリを使っているような感覚です。スピードが速く、ページのローディングタイムを遅くする要素を取り除いてくれます。

※1 編集部注:シェル(App Shellとも呼ばれる)は、UIを機能させるための最小限のHTML、CSS、JavaScript。PWAを構築する手法の1つ。コンテンツと切り離してキャッシュしておくことで素早くページを表示できる。

スピードの重要性:キャッシュとサービスワーカー

グーグルはアンドロイドのオペレーティングシステムをトロイの木馬のような方法で利用しました。サービスワーカー※2と呼ばれるものを付け加えたのです。サービスワーカーとは、オペレーティングシステムに埋め込まれたコード(JavaScriptのファイル)で、API(この場合はECプラットフォーム)からのデータを処理し、他のAPI(キャッシュ)がデバイス上でデータを別々に保存することを容易にします。

※2 編集部注:Service Worker(サービスワーカー)は、Webページのバックグラウンドで実行するスクリプト。オフラインでWebページを表示したり、アプリを実行したりすることを可能にする。
参考記事:Service Workerの紹介(Google Developers)

どうしてこれがパフォーマンスに多大な影響を与えるかというと、モバイルコマースのデータを毎回呼び出す必要がないからです。スマートフォンのなかにすでにキャッシュされ、保存されているので、ページのローディングは瞬時に行われます。ローディングタイムが1秒短くなるごとに27%コンバージョン率が上がるというデータがあることを思い出してください。

Webベースのプッシュ通知

PWAのもう1つのメリットは、プッシュ通知という、アプリの最大の特徴をまねていることです。PWAという“シェル”が“ダウンロード”されていて、ネイティブアプリのように消費者のホームスクリーン上に存在します。

スマートフォン上にアイコンを追加することを選択した消費者には、ポップアップでメッセージを送ることが可能になります。特定の消費者に向けたメッセージになること多いため、コールトゥアクションが効果的に作用し、購入につながります。これも、コンバージョン率向上につながるのです。

コンプライアンスの測定と“SEOという人参”

グーグルはPWAのコンプライアンスを測定できるツールを作っています(Lighthouseと呼ばれるものです)。コンプライアンスのメリットを打ち出すことによって、デベロッパーコミュニティへの啓蒙を行い、大きな小売事業者を惹きつけているのです。

グーグルはPWA基準を採用しようとしている小売事業者向けに、非常に価値の高い人参をぶら下げています。それは、SEOのページランキングでの優遇です。グーグルのページランキングが改善されるだけでも、いくつかの事業者にとっては(ROIの観点から)PWAを採用する理由になるでしょう※3。

※3 編集部注:現状、PWA採用の有無が直接SEOで有利に働くことはないと考えていい。ただし、PWAと並行したページ表示速度やUI改善などのユーザー体験の向上が、間接的に影響する可能性はある。

アップルもついにWebワーカーのサポートに参加

しばらくの間、グーグルとアンドロイドOSだけがサービスワーカーをサポートしていました。しかし、デベロッパーがPWAを使い始め、結果が伴って来始めたため、アップルへの風当たりが強くなりました。そして、ついにアップルも最新版のiOSでサービスワーカーのサポートを開始したのです。つまり、PWA(とPWAの鍵となるサービスワーカー)は、現在はiPhone上で動きます。我々のクライアントの多くが、PWAをじっと静観していたのは、アップルの動きを見ていたからです。

グーグルがコンテンツを提供しているWebサイトをPWAで牽引しているのに対し、アメリカの小売事業者の動きはまだ緩やかです。アップルがサービスワーカーのサポートを始めたあとも、多くの小売事業者が今までの(モバイルでの動きが遅い)RWDサイトにこだわり、“バック・トゥ・ザ・フューチャー”のような考え方や、モバイルに特化した“m-dot”サイト(編注:PCページに対応した別URLのモバイルページを用意する手法)を立ち上げるのに難色を示しています。

現在、PWAを採用しているアメリカのモバイルサイトは少数ですが、その1つがランコムです。そのほかにも大きなPWAプロジェクトが進行していて、問い合わせも多く頂いています。PWAに関心がある方、もしくはご質問がある方は、いつでもご連絡ください。

まとめ

モバイルからの流入が増え続けるなか、低いコンバージョン率のままビジネスが停滞している小売事業者にとって、PWAは調査・検討すべきパワフルなソリューションです。

付け加えておきたいのは、PWAはモバイルのみならず、デスクトップのパフォーマンスも向上してくれるということです。ただ、小売事業者にとっては、モバイルこそが苦戦している領域なので、そこでPWAが最大限活躍してくれることでしょう。

モバイルで買い物する消費者にとっても、PWAは良いことしかありません。小売事業者のサイトを見ている時に、ほぼ瞬時にページがローディングされ、“ダウンロード”ができ、アプリ同様、ホームスクリーンにアイコンを張り付けて使用することが可能です。選択すれば、アプリのプッシュ通知のように、特別なプロモーションをポップアップで通知してもらうこともできます。しかし、大切なのは、App Storeに行ってアプリをダウンロードしなくて済むということです。

リピート客やロイヤルティの高い顧客が多い事業者にとって、PWAはアプリのスピードとグーグルのSEOランキングの両方を実現してくれるパワフルなツールです。仮にネイティブアプリを作る予定があったとしても、モバイルサイトからのトラフィックを個別に考え、長い間停滞していたコンバージョン率を改善するためにPWAを試す価値はあるでしょう。

Internet RETAILER

世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

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404と410とnoindex――Googleの検索結果からページを削除するにはどれがいちばん速い?

7 years 6ヶ月 ago

404 と 410、noindex はどれも Google の検索結果からページを削除することができる。どれがいちばん速く処理されるのだろうか?――410 と noindex は 404 よりも若干速いが、中長期的には違いはない。検索結果から非表示にするのが目的であればどれでも使える。

投稿 404と410とnoindex――Googleの検索結果からページを削除するにはどれがいちばん速い?海外SEO情報ブログ に最初に表示されました。

Kenichi Suzuki

【スマホユーザー調査】ネット通販する理由は? 表示内容はどこまで見る? タップした広告は?

7 years 6ヶ月 ago

スマートフォン(スマホ)を使う消費者は、なぜスマホでネット通販をを利用するのか? 表示内容はどこまで閲覧しているのか? また、企業の広告についてどのような認識を持ち、タップしているのか? 消費者庁は5月、スマホを使うユーザーの意識などを調査し、その結果を「スマートフォンにおける打消し表示に関する実態調査報告書」に盛り込み公表した。スマホEC時代のユーザー行動をまとめてみた。

消費者意識調査は、消費者庁がWebアンケートとグループインタビューを実施。1000人から回答を得た。詳しい調査内容はこちら

スマホを使うシーンは「自宅でくつろいでいるとき」が最多

「普段の生活のどのような場面で、スマートフォンで商品・サービスのWebページを見ることが多いか」と質問したところ、73.7%が「自宅で、くつろいでいるとき(他のことをしている時を除く)」と回答。

「外出先で、ちょっとした空き時間(休憩時間、待ち合わせ中など)」は44.6%、「電車やバス、車などで移動しながら」は36.3%、「家事の合間」が11.9%と続いた。

(図表 普段スマートフォンの表示に接する時間や場所)。自宅で、くつろいでいるとき(他のことをしている時を除く)73.7%、外出先で、ちょっとした空き時間(休憩時間、待ち合わせ中など)44.6%、電車やバス、車などで移動しながら36.3%、家事の合間11.9%、テレビの視聴中やPCを使っているとき、雑誌などを読んでいるとき11.6%、店頭で買い物しているとき7.4%、食事中6.9%、入浴中やトイレの中で6.2%、仕事中3.5%、その他0.1%、特になし14.2%
図表 普段スマートフォンの表示に接する時間や場所(画像は消費者庁の発表資料を編集部がキャプチャ)

スマホを使った消費行動について

スマホの閲覧頻度が高いユーザーほど商品を購入する

過去1年間にスマホで商品・サービスの購入・申し込みをした経験のある割合は55.1%(551人)。性別・年代別の特徴では、30代と40代の女性がスマホ経由で購入・申し込みする割合が高い(65.2%~65.9%)。

また、スマホでWebサイトなどを「ほぼ毎日」「週に1日以上」、閲覧時間は「2時間以上」「1時間以上~2時間未満」のユーザーは、スマホで商品の購入・申し込みをする割合が高かったという(62.3%~71.4%)。

【属性別】過去1年間のスマートフォンでの購入経験
図表 【属性別】過去1年間のスマートフォンでの購入経験(画像は消費者庁の発表資料を編集部がキャプチャ)

スマホ購入はポイントなどがお得に5割

スマホでの購入経験者(551人)に対して、スマホ経由での商品・サービスの購入・申し込み理由を聞いたところ、最も多かったのは「24時間いつでもどこでも購入・申し込みができる」(78.0%)。

「店頭に行ったり、他の媒体(PC、電話等)で購入・申し込みをするより、手間や時間がかからない」が69.9%。スマホ経由の購入についてはポイントをPCよりも多く付与するキャンペーンを実施している事業者も多く、「スマートフォンで購入・申し込みをすると、ポイントや割引があり、特になる」が55.2%だった。

また、30.1%が「スマートフォンを使っている時に、購入・申し込みをしたい商品・サービスが見つかる」と回答している。

(図表 スマートフォンでの購入経験者(551人)におけるスマートフォンでの購入・申込みの理由(複数回答))。24時間いつでもどこでも購入・申し込みができる、店頭に行ったり、他の媒体(PC、電話等)で購入・申し込みをするより、手間や時間がかからない、スマートフォンで購入・申し込みをすると、ポイントや割引があり、得になる、口コミやレビューなど、購入・申し込みをする前に参考となる情報を得やすい、購入・申し込みをする前に、他の商品・サービスとの比較がしやすい、スマートフォンを使っている時に、購入・申し込みをしたい商品・サービスが見つかる、特に理由はないが、スマートフォンで購入・申し込みをしている、その他
図表 スマートフォンでの購入経験者(551人)におけるスマートフォンでの購入・申込みの理由(複数回答、画像は消費者庁の発表資料を編集部がキャプチャ)

スマホ閲覧時に偶然、商品を見つけて購入は42.8%

スマホの商品・サービスの購入・申し込み経緯を質問したところ、50.6%が、「スマートフォン以外の媒体(PC、テレビ、雑誌等)で商品・サービスを知った上で、スマートフォンで購入・申し込みをしようとした」と回答。

「店頭で実物を見た上で、スマートフォンで購入・申し込みをしようとした」(44.6%)、「スマートフォンでキーワード検索などしている際に、偶然商品・サービスを見つけて購入・申し込みをしようとした」(42.8%)と続いた。

広告を閲覧したことによる消費行動については、24.1%が「スマートフォンで目に留まった広告がきっかけで購入・申し込みをしようした」と回答した。消費者庁はこうした消費行動について次のように解説している。

30.1%が「スマートフォンを使っている時に、購入・申し込みをしたい商品・サービスが見つかる」と回答していることも踏まえると、あらかじめ商品・サービスのことを知らない状態でスマートフォンを使用している際に、スマートフォンからの情報を基に偶然購入・申し込みをする場合があると考えられる。グループインタビュー調査では、スマートフォンでセール商品を見つけるとすぐに買ってしまうといった意見が聞かれた。

(図表 スマートフォンでの購入・申込みの経緯(複数回答))スマートフォン以外の媒体(PC、テレビ、雑誌等)で商品・サービスを知った上で、スマートフォンで購入・申し込みをしようとした。店頭で実物を見た上で、スマートフォンで購入・申し込みをしようとした。スマートフォンでキーワード検索などしている際に、偶然商品・サービスを見つけて購入・申し込みをしようとした。スマートフォンで目に留まった広告がきっかけで購入・申し込みをしようとした。友人や知人のSNSの投稿ややり取りがきっかけで、購入・申し込みをしようとした。その他
図表 スマートフォンでの購入・申込みの経緯(複数回答、画像は消費者庁の発表資料を編集部がキャプチャ)

スマートフォンの画面上の表示に対する接し方

スマホでは「目に留まった情報だけを拾い読みする」

スマホでWebサイトやアプリを閲覧するユーザーは、表示された画面内容はどの程度、閲覧しているのだろうか。

スマホでの画面上の表示について、「目に留まった情報だけを拾い読みする(「目に留まった情報だけを拾い読みする」「どちらかというと目に留まった情報だけを拾い読みする」)と答えた割合は66.5%。じっくり画面内容を閲覧しているユーザーはそれほど多くない状況が浮かび上がった。

グループインタビューでの意見
  • 普段から大きな文字や図表だけを見て、関心のあるところは細かい表示も見る
  • とりあえず全体を把握しようとして下にスクロールしながら見るため、大きな文字や画像しか目に入ってこない
  • 小さくて目立たない文字は見ない
(図表 スマートフォンの画面上の表示に対する接し方)、目に留まった情報だけを拾い読みする 23.4%、どちらかというと目に留まった情報だけを拾い読みする 43.1%、どちらともいえない・わからない 23.2%。どちらかというと画面に表示されている情報は全て目を通す 9.3%、画面に表示されている情報は全て目を通す 1.0%、目に留まった情報だけを拾い読みする 66.5%
図表 スマートフォンの画面上の表示に対する接し方(画像は消費者庁の発表資料を編集部がキャプチャ)

「スクロールして下まで読まない」は4割

スクロールに関し、「表示された画面の下に内容が続いていても、スクロールして下まで読まない」「どちらかというと表示された画面の下に内容が続いていても、下までは読まない」に40.4%が回答した。

グループインタビューでの意見
  • 上の方にある表示は比較的目を通すが、下にスクロールするにつれて飛ばし読みをする
  • 下の方にあまり関心がないことが書かれていると見ない
  • (注意書きなどが)下にあると思って読んでいない
  • 途中でスクロールするのをやめてしまうことがある
(図表 スクロールが必要な場所にある表示に対する接し方)。表示された画面の下に内容が続いていても、下までは読まない 12.7%。どちらかというと表示された画面の下に内容が続いていても、下までは読まない 27.7%。どちらともいえない・わからない 35.9%。どちらかというと表示された画面の下に内容が続く場合は、スクロールして下まで読む 18.5%。表示された画面の下に内容が続く場合は、スクロールして下まで読む 5.2%。画面の下に内容が続いていても、スクロールして下まで読まない 40.4%
図表 スクロールが必要な場所にある表示に対する接し方(画像は消費者庁の発表資料を編集部がキャプチャ)

関心のある情報のリンクは「すぐにタップ」するが約4割

関心のある情報を見つけた場合、Webページ上の表示内容を確認することなく、「すぐにハイパーリンクの文字列をタップする」「どちらかというと気になる情報を見つけると、すぐに画像や文字のリンクをタップする」と38.2%が回答した。

グループインタビューでの意見
  • 通販サイトにおいて、ページの下部や別ページ等にある注文画面や申込画面に移動するボタンがページの途中に表示されている際、値段等の情報を見た時点で、他に関心のある情報がなければ、ページの下まで読む必要がないので、すぐにボタンを押す
(図表 ハイパーリンクに対する接し方)。気になる情報を見つけると、すぐに画像や文字のリンクをタップする 8.8%。どちらかというと気になる情報を見つけると、すぐに画像や文字のリンクをタップする 29.4%。どちらともいえない・わからない 39.9%、どちらかというと情報を全て読み終わるまでは、画像や文字のリンクをタップすることはない 16.2%、情報を全て読み終わるまでは、画像や文字のリンクをタップすることはない 5.7%、関心のある情報を見つけると、すぐにハイパーリンクの文字列をタップする 38.2%
図表 ハイパーリンクに対する接し方(画像は消費者庁の発表資料を編集部がキャプチャ)

スマートフォンの広告の閲覧経験、閲覧対象

広告だと思ってタップしたことがある人は約4割

過去1年間に広告をタップしたか質問したところ、「広告だとわかってタップ(クリック)したことがある」と41.3%が回答。

「広告とは意識せずに、気になったフレーズ(文字)や画像などをタップ(クリック)したら、後から広告であることに気づいたことがある」が27.7%で続いた。この2つの選択肢のいずれかを回答した人は、全体の60.8%(608人)。

スマートフォン広告の閲覧経験
図表 スマートフォンの広告の閲覧経験(複数回答、画像は消費者庁の発表資料を編集部がキャプチャ)

スマートフォンの広告の閲覧対象

広告をタップしたことがある回答者(608人)に対し、「どのような種類の広告をタップしたか」を質問したところ、33.1%が「自分が閲覧している検索結果や記事、SNSの投稿などと、見た目が似ている広告」をタップしたと回答。39.0%が「自分が閲覧している検索結果や記事、SNSの投稿などと、テーマや内容が近い広告」をタップしたという。

「検索サイトで検索した結果とともに表示される文字の広告」をタップしたが23.2%で、これらの広告のいずれかをタップした人は68.1%にのぼった。

また、「過去に自分が閲覧・検索した商品・サービス等に関連のある広告」をタップしたユーザーは44.4%だった。

自分が閲覧している検索結果や記事、SNSの投稿などと、見た目が似ている広告68.1%、自分が閲覧している検索結果や記事、SNSの投稿などと、テーマや内容が近い広告33.1%、検索サイトで検索した結果とともに表示される文字の広告39.0%、過去に自分が閲覧・検索した商品・サービス等に関連のある広告23.2%、ポータルサイトなどに表示される画像や映像を用いた広告(バナー広告)44.4%、その他の広告30.1%
検索結果や記事等に紛れるような形態の広告1.0%
図表 スマートフォンで表示される広告の種類(複数回答、画像は消費者庁の発表資料を編集部がキャプチャ)
調査方法
  • 調査期間:2017年10月2日~2018年2月28日
  • 調査方法:普段スマートフォンを利用している一般消費者を対象として意識調査を実施。Webアンケート調査
  • 回答者数:1000人(有効回答ベース)
  • 対象者:普段スマートフォンを利用している全国の消費者(スマートフォン利用率を考慮した地域別・年代別の人口構成比)
  • 実施時期:2018年2月5日~7日
    ※グループインタビュー調査の対象人数は12人(6人1グループ)。男女別に1グループずつで、普段スマートフォンを利用している20~40歳代の消費者。実施日は2018年1月31日。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

Google アナリティクス 360 の「分析」ツールのご紹介

7 years 6ヶ月 ago

この記事は、Google アナリティクス ソリューション 英文ブログ記事「Introducing Advanced Analysis in Google Analytics 360」を元に構成しております。



マーケターの皆様と対話する中で常に耳にするのが、カスタマー ジャーニーについてもっと踏み込んだインサイトを得たい、そしてインサイトをカスタマー エクスペリエンスの改善につなげたいという声です。

本日は、Google アナリティクス 360 でベータ版として提供される新ツール「分析」のリリースについてお伝えします。「分析」では、より詳しい分析の手法やより深いデータの探索機能を活用することで、ユーザーがサイトをどのように利用しているかを理解し、そのインサイトをもとにエクスペリエンスを改善してビジネスの目標達成に役立てることができます。



また、ユーザーのプライバシーを最大限尊重しながらビジネス インサイトの把握をサポートすることが重要であるため、アナリティクスの他の機能と同様、「分析」で利用するデータも機密性と安全性に配慮して取り扱われます。




分析を支える 3 つの手法



「分析」では、サイトの利用状況に関する実用的なインサイトを得るため、3 つの新しく有効な手法を利用することができます。「データ探索」「目標到達プロセスの分析」そして「セグメントの重なり」です。いずれの手法もオーディエンスの作成に利用できるため、分析によって得られたインサイトをシームレスにアクションへとつなげることができます。



「データ探索」では、わずか数クリックで、踏み込んだ技術的な分析を行うことができます。分析用のキャンバスに複数の変数(セグメント、ディメンション、指標)をドラッグ&ドロップするだけで、すぐにデータが視覚的に表現されます。また、分析に用いた複数のタブをひとつのビューで比較できるため、テストと調整をすばやく繰り返すことができます。






複数のタブを作成して結果を一か所で比較できます



「目標到達プロセスの分析」は、ユーザーがサイトでアクションを完了するまでにたどるステップを理解するために役立ちます。たとえばユーザーが商品購入プロセスをどのように進んだか、またどの段階に改善の余地があったか、すばやく調べることができます。アナリティクス 360 の既存機能であるカスタム ファネルの場合、追加できるステップの数は最大 5 個(例: サイトの訪問、カートへの商品追加、購入手続き開始、支払い処理開始、購入完了)ですが、「分析」では最大 10 ステップまで追加できます。追加できるステップの数が増え、またセグメントやディメンションの内訳を複数追加できるようになったことで、さまざまなタイプのユーザーがサイトをどのように利用しているのか、さらに深く理解することができます。



「セグメントの重なり」を使用すると、アナリティクス 360 で作成したセグメントが互いにどのように重なり合っているかを調べることができます。たとえば、前月に大規模なディスプレイ キャンペーンを実施して得られた初回購入者が、リピーターになっているかどうか調べたいとしましょう。「セグメントの重なり」を利用すれば、前月の大規模キャンペーンで獲得したユーザーのセグメントと、過去 1 か月に商品を購入したセグメント、そしてサイトに引き続きアクセスしているセグメントがどのように重なり合っているかを確認することができます。






オーディエンス セグメントの重なりを確認できます






「分析」の実用例



どのようにすればこうした手法を組み合わせて新しく有益なインサイトを見出し、アクションにつなげることができるか、具体例で見てみましょう。顧客が世界中にわたる EC サイトで、収益を増やすためユーザー エクスペリエンス改善のヒントを探しているとします。特に国外のユーザーにとって、どうすればサイトがさらに使いやすいものになるでしょうか。



「分析」ツールを使えば、こういった疑問への対応策を簡単に見つけることができます。まずは「データ探索」を行います。アナリティクス 360 のデータを整理して、ユーザー数と収益を国別に表示します。すると、インドのユーザー数が多いものの、収益が生まれていないことがわかります。そちらの購入プロセスを改善することで、コンバージョン数を増やすことができるかもしれません。









データを国別に整理してトラフィックの多い国を確認する



続いて「目標到達プロセスの分析」です。購入プロセスの各フェーズにおけるコンバージョン率を、アメリカとインドで比較してみましょう。すると、インドでは購入手続きで大多数のユーザーが離れていることが分かります。予想どおり、インドのユーザーの購入手続きに改善の余地があるようです。



そこで、商品をカートに追加したものの購入には至らなかったインドのユーザーで構成されるオーディエンスを作成します(わずか 2 クリックで作成できます)。オプティマイズ 360 を使えば、作成したオーディエンスに対して新しい購入プロセスをテストすることができます。その後、同じオーディエンスを AdWords や DoubleClick Bid Manager に共有すれば(こちらもアナリティクス 360 で数クリックで終了します)、新しい購入プロセスを活かしてリマーケティング キャンペーンを実施することができます。




コンバージョン率が落ちているフェーズを特定し、そのセグメントをもとにカスタム オーディエンスを作成する



「分析」ツールを使えば、簡単に潜在的なインサイトを見出して具体的なアクションにつなげることができるため、カスタマー ジャーニーの理解を深める方法を探している企業にとって大きく役立ちます。

本ツールは、アナリティクス 360 の全ユーザーを対象とするベータ版機能として、今後数週間かけて順次提供されます。



ご利用をお待ちしております。





投稿者: Dan Stone(Google アナリティクス 360 担当プロダクト マネージャー)

noreply@blogger.com (Analytics team)

メール配信システム「Cuenote FC」が大幅機能強化。ターゲットに応じたメールマーケティングが容易に

7 years 6ヶ月 ago

ユミルリンクは6月13日、メール配信システム「Cuenote FC」に、RFM分析などさまざまなデータを分析できる機能を追加した。

新たに追加したのは「購買データ」「顧客データ」「メールの行動データ」など、さまざまなデータをGUI上で集計・分析するツール。ユーザーはターゲットに応じたメールマーケティングを容易に実行できるようになる。

分析ツールは100万件規模のデータを数秒以内に集計でき(同社ベンチマーク値)、リアルタイムなデータ分析が可能。活用例は次のとおり。

  • RFM分析で、見込み顧客に優良顧客へ引き上げるメール施策の実行
  • 商品カテゴリごとに購入金額や購入回数を集計・分析
  • 休眠顧客をアクティブにするメール施策の実行
  • 過去のキャンペーンでメールを開封していない顧客に対する販売促進
  • 特定の商品を購入した顧客に対するアップセル、クロスセル施策
データ連携→分析・セグメント→ メール配信
分析ツール…RMF分析、商品カテゴリ別集計、開封・クリックの横断分析
システムイメージ

機能強化の内容

1. RFM分析……最新購買日(Recency)、購買頻度(Frequency)、購買金額(Monetary)の3要素を使い、優良顧客や見込み顧客、休眠顧客などに分類し、顧客分類などに応じたメールマーケティング施策を行える。RFM分析に必要な購買データは、自動または手動で「Cuenote FC」に蓄積可能。

購入頻度 最新購買日 優良顧客 一般顧客 休眠顧客 離反顧客

2. メールの行動分析……複数のキャンペーンを横断して、メールの行動データ(開封、クリック、コンバージョン)、顧客データ(性別、居住地などの属性情報)や購買データを組み合わせ、分析からターゲットの抽出までをGUI上で簡単に行える。特定のターゲットに対してシナリオ形式のメールを送り、メールマーケティング施策の効果を高めたり、アップセル施策を実行したりなど、さまざまなメールマーケティング施策が可能。

「Cuenote FC」は、数千万規模の一斉メール配信が高速・確実に実行できる。現在約1,300社以上が導入しており、月間メール配信数は約42億通。提供形態と販売価格は下記のとおり。

  • クラウドサービス(ASP・SaaS)
    初期費用:30,000円~(税別) 月額費用:5,000円~(税別)
  • オンプレミス型(ライセンス)
    初期費用:2,250,000円~(税別) 月額費用:46,000円~(税別)
uchiya-m

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