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「人生の成功」vs「幸せな人生」

7 years 5ヶ月 ago

あえてタイトルを「vs」にしてみましたよ。

そりゃね「どっちか」じゃないですよ。
「どっちが良い」という話は乱暴かもしれないし、「どっちも」かもしれない。

でも、あえて「vs」。
じゃないと論点が曖昧になるからです。

さて、まず「人生の成功」から。

Amazonで「人生 成功」と検索すると、こんなにたくさんの本が出てきます。

僕もいままでたくさん読んできました。特に20代のとき。
これ系はセミナーも情報商材も本当にたくさんある。

「成功の定義」はいろいろあれど、まとめると「仕事上の地位」「名誉」「お金」ですよね。

他の人と比べて勝ったぞ!

と。

相対的な価値観。

一方の「幸せな人生」

Amazonで「人生 幸せ」「人生 幸福」と検索すると、「人生の成功」よりも少ない。

「幸福な人生」もいろいろあれど、まとめると「バランス(地位や名誉やお金だけじゃない)」、「家族」「友人」「趣味」「自分らしさ」などが多い気がします。

私は幸せだ!

と。

絶対的な価値観や解釈。

あなたの人生の目的はなんですか?

という問いがあったとき、あなたは「成功すること!」と答えるでしょうか。それとも「幸せになること!」と答えるでしょうか。

もちろん、「成功して幸せになること」が一番良いわけですが、ここで取り上げたいのは、下記の左上か右下だったらどっち?ということ。

あなたの周りに、「確かに世の中的には成功をおさめているけど、決して幸せそうには思えない」という人、いますか? 

余計なお世話だし、幸せというのは他人が測るものじゃなく自分が感じることだから、本当のところ、そんなことはわからないんだけど、飲むと本人が漏らすこともありますよね。「不幸だ」「辛い」「ぜんぜん幸せじゃないよ」など。

一方、世の中的な成功度(地位や名誉やお金)は普通でも、とっても幸せそうな人がたくさんいます。勤めている企業のブランドや規模、お給料、持ち家の有無、自家用車の有無などにかかわらず、幸せそう。家族や友人に囲まれ、仕事も趣味も全力もしくは等身大で楽しんでいる人。

そんな人たちを見ていると、いよいよ、いままでの生き方や価値観は大きな転換期にきているなぁと。

良い大学入って、大きな会社に入って、死ぬほど仕事して、できる限り昇進して、お給料上げて、できる限り高級なモノを所有し、消費する。それが人生の目的であり、成功であり、勝利。そんな人生に「幸福さ」を感じなくなってきている人が多くなってきているし、たぶんこれからそちらの人がマジョリティになるんだろうなと。

成功するために頑張る。でも、幸せじゃなかったらもともこもない。

成功は、幸せな人生の手段であって目的じゃない。

目的は幸せになることだから、仮にどちらか選べと言われたら、迷うことなく幸せを選ぶ。でも、地位も名誉もお金も大事だから、幸せが担保された上で、できる限りの成功も目指す。

そんな

SuccessよりもHappyがいい。

派の出現と隆盛を感じながら、さて仕事、仕事。

池田紀行

拡大が見込まれるシニア消費をECで開拓、メーカーと小売りが合弁会社設立

7 years 5ヶ月 ago

介護用品や福祉用具の製造販売を手がける幸和製作所は、EC事業を行う子会社を7月1日付で設立する。新会社を通じて自社の介護用品をオンラインで販売する。

新会社は介護用品のECサイトを運営しているネクストと共同出資で設立。メーカー・流通・小売りが連携する新たな販売チャネルの構築を目的としているという。

幸和製作所はEC子会社を設立する理由として、団塊世代の高齢化に伴い、高齢者のインターネットを活用した消費の拡大が見込まれることをあげている。

幸和製作所は介護用品のECサイトを運営しているネクストと共同出資でECの新会社を設立

幸和製作所はECでシニア需要を開拓する(画像は編集部が幸和製作所のHPをキャプチャ)

新会社の名称は6月15日時点で未定。資本金は4950万円で、出資比率は幸和製作所が56%、ネクストが44%。代表取締役社長にはネクストの渡部雅孝社長が就任する。幸和製作所の取締役1人と執行役員1人が取締役に就任する予定。 

幸和製作所の2018年2月期における売上高は、前期比11.5%増の50億9300万円。通販ルートへの販売金額は同9.2%増の1億3800万円だった。

ネクストは2004年設立。介護用品専門のECサイト「介護用品卸センター」などを運営している。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

【大阪府北部地震】EC企業の被害状況から見る教訓と課題

7 years 5ヶ月 ago

一般社団法人イーコマース事業協会(EBS)が会員に対して行った大阪府北部地震の被害状況についての緊急アンケートによると、「交通マヒによるスタッフ確保」に苦慮した企業が回答企業の半数にのぼった。

緊急アンケートに協力した事業所は40社(大阪府25社、京都府4社、兵庫県7社、奈良県2社、滋賀県1社、和歌山県1社)。

被害状況は50%の事業所が「交通マヒによるスタッフ確保」と回答。「運送会社の遅延・停止」に遇った事業所数は13社だった一方、「影響なし」も同数だった。

大阪府北部地震の被害状況(一般社団法人イーコマース事業協調査)

被害状況について

被害内容では、「楽天スーパーSALE期間中の休日明けで注文と問合せが殺到する中、電車通勤の受注系業務スタッフが出勤できず、対応が後手に回った」などスタッフ不在による対応に関するコメントが目立ったという。

地震当日の運営について(一般社団法人イーコマース事業協会の調査)

地震当日の運営について

サイト内での被害状況告知について(一般社団法人イーコマース事業協会の調査)

ECサイト内での被害状況告知について

顧客対応について(一般社団法人イーコマース事業協会の調査)

顧客対応について

こうしたアンケート結果や被害状況を踏まえ、事業所を大阪府内に構える一般社団法人イーコマース事業協会の吉村正裕理事長は、天災時の対応ポイントについて次の5つをあげている。

一般社団法人イーコマース事業協会の吉村正裕理事長
吉村正裕理事長
  1. 都市部の通勤時間帯に発生したため、都市機能の脆弱(ぜいじゃく)性が再認識された。電話は不通になるケースがあったものの、SNSでスタッフの安否確認や連絡を実施した人が多く、普段から連絡手段や連絡内容などを決めておく必要性を感じた。
     
  2. 阪神淡路大震災の時は巨大地震にも関わらず出勤しようとする人が続出、被害者を増やしたという教訓があった。今回はその教訓が生かされ、自宅待機などの措置をとる事業者が多かった。阪神淡路や東日本大震災の教訓から人命や家族第一という道義的責任を中小零細企業も認識したと言えるのではないか。
     
  3. ビジネス面に目をむけると、ECは商圏が全国であり、顧客対応をいかにするかが大命題である事は否めない。大企業のようにバックアップ体制や代替機能となる複数の拠点を保有しない中小零細のEC事業者は、当日の運営に多くの支障をきたした。

    今回は大阪北部に被害が集中したが、大阪の他の地域にも全国から問い合わせが寄せられた。ECサイトでの告知(地震の影響の有無、受注処理や発送の状況)などが必須となるが、今回の地震におけるその対応は迅速であったと言える。
     
  4. 今後の課題としては、勤務時間中に天災が発生した場合の対策を考えるべきであろう。職場の安全対策や避難物資の備蓄、スタッフの帰宅困難時の対応、スタッフと家族の安否確認の連絡手段を事前決定する――などである。被害状況や 職場及びスタッフの自宅の震度にあわせて休業や自宅待機をする判断基準を決めておくとともに、受注処理や発送処理の人員確保や流通状況に応じて、ECサイトでどんなメッセージを記載すべきかを決めておく必要がある。
     
  5. 天災はいつ発生するかわからない。備えておき、いざという時の被害や混乱を最小限にとどめる事こそ危機管理の要諦である。

イーコマース事業協会会員の事務所の被害

 

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

JD.com半端ないって。あいつ半端ない。ザリガニ3373万匹も売るもん。そんなんできひんやん、普通。【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

7 years 5ヶ月 ago

中国ECは取扱高だけが注目されがちですが、配送力と対応力も半端ないです。2兆円以上の売上分を当日か翌日配送して、1600万件のチャットボットへの問い合わせに対して、87%をAIが回答しています。日本との差は開くばかり……。

取扱高を支える配送網とAIがポイント

中国直販EC最大手JD.comの創立セール取扱高は2.7兆円! ザリガニは3373万匹も売った | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5546

まとめると、

  • JD.comが行った大規模セールイベント「京東618」で、6/1~6/18までの取引額は前年比32.8%増の1592億元(約2.7兆円)
  • 2017年の「独身の日」では、アリババグループの取扱高は1682億元(1元17円換算で約2兆8594億円)、JD.comの「独身の日」の取扱高は1271億元(日本円で2兆1607億円)
  • チャットボットへの問い合わせが約1600万件。そのうち87%をAIサポートサービスが解決

商品を顧客に届ける「ラストワンマイル」を自社で手がけるJD.comによると、キャンペーン期間中の注文当日もしくは翌日に配送が完了したのは注文全体の9割超にのぼったという。

膨大な注文や問い合わせへの対応については、本格導入した人工知能(人工知能)搭載のAIサポートサービスが24時間対応。チャットボットでの問い合わせ約1600万件の内、87%をAIサポートサービスが解決したという

取扱高もすごいですが、発送とサポートのレベルが半端ないですね。2.7兆円分のほとんどを当日か翌日に配送とか、AIサポートサービスが87%を解決している実情を見ると、日本はまだまだ遅れているというか、どんどん差が広がっている感じがします。

日本型デフレの原因はネット通販だった!?

日銀が分析するECビジネス――物価への影響は? 実店舗との関係は? Amazonをどう見ている? | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5553

インターネット通販の拡大が物価に与える影響 | 日銀レビュー
http://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2018/data/rev18j05.pdf

まとめると、

  • 日本を含む10か国の多くでECの販売価格の方が実店舗よりも割安である
  • ネット通販の支出額が増えている日用品や衣類の物価は、食料品などに比べて弱めに推移している
  • 物流コストの増加は、ネット通販企業のコスト面での競争力を弱めることになる

インターネット購買比率の上昇は、既存の小売企業との競合関係が強まっている財を中心に物価を下押す効果を持つことが確認された。実際にインターネット購買比率が近年顕著に上昇してきたことを踏まえると、インターネット通販の拡大はわが国の物価に対して一定の押し下げ圧力をかけてきたものとみられる。もっとも、こうした物価下押しは、一般物価の下押しというよりは、小売セクター固有の部門ショックに起因するものであると解釈するのが妥当とみられる。

インターネット通販の拡大が物価に与える影響 | 日銀レビュー

日銀は物価上昇率の目標を2%としていますが、それが上がらない理由の1つにネット通販の拡大があるようです。確かにネットで買う理由として安さをあげるユーザーは多いですし、メルカリに代表されるCtoCも広がっているので物価に影響はしていそうですね。オンライン価格と実店舗価格の調査が4社だけなので注意してください。

無理にECをとは言いませんが、ユーザーが困っていたらやるべき

ECで買わない人はいても、リアルで買わない人はいない――オムニチャネルの誤解を解く | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/5776

まとめると、

  • 「電子商取引に関する市場調査」によるとEC化率は5.79%。つまり約95%はいまだにリアル店舗でを利用している
  • マスマーケティングが対応するような「多くの人」はいなくなり、スマートフォンなどテクノロジーの進化によって「たくさんの個人」が出現している
  • オムニチャネル施策は、リアル店舗とECがどのような関係があるのかを意識することが重要

小売業は今、変革を求められています。商品を並べていれば消費者が喜ぶ時代は終わりを告げ、次の時代へと突入してきています。リアル店舗はオンラインに顧客を奪われていると思いがちですが、伝統的な小売業こそ、その自社の強みを活かしてテクノロジーへの食わず嫌いをやめ、利用することによって顧客に最高の買い物体験を提供するべきです。

ネット通販が主語になってしまうとアレルギー反応を起こす人はいると思いますが、買いたくても買えない不便な思いをしている人のためのサービスだと考えれば導入しやすいのでは? とはいってもネットやめたら儲かった事例もあるので、どこまでどう広げるはよく考えて。

EC全般

「希望する決済方法がない」ECサイトで7割のユーザーは離脱 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5538

これはわかりますよね~。住所まで入れたのに代引きしかなったら暴れたくなります(笑)。

ヤフー、「ヤフオク!」の盗品流通対策を強化 | ASCII.jp
http://ascii.jp/elem/000/001/697/1697482/?rss

「Yahoo!ショッピング」の地震対応に出店者から称賛の声があがった理由 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5539

ヤフーさんの対応についての2記事。出店(品)者あってこその通販ですよね。

店頭の“かご落ち”要因をつぶそう -- ES一体の利便提供が不可欠 | 商業界オンライン
http://shogyokai.jp/articles/-/830

店舗とネットで同じ考え方をすれば、お互いの施策を活かせるはずです。

シリーズ:AMS運用最前線 第2回 - AMS運用の流れ、管理画面機能 | Unyoo.jp
http://unyoo.jp/2018/06/amazon-marketing-service-vol2/

AMSの詳しい記事って見かけないのでとっても助かります。Amazonが主戦場の人は必読。

Instagram、MAUが10億人突破 新アプリ「IGTV」発表 | ITmedia NEWS
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1806/21/news051.html

YouTubeに対抗できるのかどうか……。ここに広告が出てくると面白そうですね。

WEB×DMで成果4倍、通販業界で紙のDMに再注目 | 通販通信
https://www.tsuhannews.jp/53313

毎回送っても飽きられる可能性があるので、ここぞという時に出すのが良さそう。

景表法違反で2229万円の課徴金、サプリメントのEC会社が違法表示。アフィリエイトサイトにも波及 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5531

「消費者に違反事実を周知する際は、ECサイトにリンクしているアフィリエイトサイトも含める」ここがポイント。

今週の名言

・300人を超えて何が起きたか
かいつまんだ伝聞の情報で会社やサービスを批判をするコメンテータータイプのメンバーが出てくる
コメンテーターでなく問題があれば変革の実行者になれ コメントしてる暇があれば行動しろ というメッセージを何度も発信する
他者がパッと思いつきのアイディアで批判しても、大体は長時間考えたメンバーの方がいい答えだから向き合っているメンバーをリスペクトすべきという概念を伝えつづける

メルカリの小泉さんと組織の課題について話したら恐ろしい程勉強になった話 | tsukuruba Medium
https://medium.com/tsukuruba/...

ちょっと長めの引用です。行動しないけどコメントする人っていますよね。で、上手くいったあとに「オレもそう思ってた」とか言ってしまう。経営者から何が正しいかを伝えるのって大切ですね。

森野 誠之

運営堂

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

森野 誠之

阪急百貨店のECサイト&実店舗の顧客体験を変えた「Amazon Pay」の導入効果とは

7 years 5ヶ月 ago

EC専業会社や流通企業がECサイトの売上拡大を目指すうえで重要なことの1つに、満足度の高い「顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)」の提供があげられる。商品戦略や組織作り、システム構築、物流など取り組むべき業務は多岐にわたるが、決済の簡素化も顧客体験においては大きな役割を果たす。

ECサイトと実店舗の融合を推進するエイチ・ツー・オー リテイリング傘下の阪急百貨店は、Amazonの決済サービス「Amazon Pay」の導入により、商圏外である関東圏の顧客増加を実現したうえ、実店舗を利用する消費者の利便性向上なども図ることができたという。「Amazon Pay」というひとつの決済手段の導入がECサイトと実店舗にもたらした効果とは? オムニチャネル推進室の野田雄三シニアマネージャーと西脇裕之マネージャーに話を聞いた。写真◎打田浩一(打田写真事務所)

ECの本格化と同時に浮かび上がった「カゴ落ち」の課題

関西を中心に11店舗を展開する阪急百貨店。2016年に「オムニチャネル推進室」を立ち上げ、以降、店舗と店舗情報サイト、およびECサイト の3チャネルの関係を再構築するとともに、オムニチャネルにも本格的に取り組んでいるという。

阪急百貨店は、店舗の販売力が圧倒的に大きく、ECサイトの売り上げは店舗と比べてまだまだ小さい。そのため、まずはECの規模拡大をめざしています。ECがある程度の規模まで拡大すれば、店舗とのバランスが取れてオムニチャネルが本格的に機能すると考えています。(野田氏)

阪急阪神百貨店オムニチャネル推進室 シニアマネージャー 兼 エイチ・ツー・オー スタイル代表取締役社長の野田雄三氏
阪急阪神百貨店オムニチャネル推進室 シニアマネージャー 兼 エイチ・ツー・オー スタイル代表取締役社長の野田雄三氏

ECの規模拡大を図るため、2016年3月にECの基盤となるプラットフォームを刷新。商品カテゴリーごとに専門店としてECサイトを順次開設していった。1つのサイトで総合的に商品を扱うのではなく、カテゴリー特化型の専門サイトをいくつも展開していく戦略である。

現在は化粧品を扱う「HANKYU BEAUTY」、女性用ファッションの「HANKYU FASHION」、男性用ファッションの「阪急MEN’S ONLINE STORE」、食料品の「HANKYU FOOD」の計4サイトを運営している。

従来のバラエティー型のECサイトから、カテゴリーごとに商品を絞った専門店型のECサイトに変更し、それらECサイトの集合体として「HANKYU E-STORES」を運営しています。出店ブランドとも連携しながら、ビジュアルやクリエイティブにもこだわっています。(野田氏)

阪急百貨店のオンラインショップ「HANKYU E-ST」
阪急百貨店のオンラインショップは化粧品、女性用ファッション、男性用ファッション、食料品の4つのカテゴリーに分けて運営している

ECサイトの商品戦略や組織作り、システム構築、集客など、EC事業の成長に必要な施策を着実に進めてきた。だが、昨今の消費者がECサイトに多様化したニーズを求める現状を目の当たりし、さまざまな課題が浮かび上がってきた。その1つが、決済手段の多様化への対応である。

ECサイトの利便性を高めるには、決済手段の選択肢を増やすことが欠かせません。同時に、信頼性や安全性を担保するために、クレジットカードの不正利用や不正アクセスといった問題に対処する必要もあります。不正利用を防ぐためにセキュリティコードや3Dセキュアなどを導入すると、会員登録時の入力項目が増え買い物途中での離脱率が高まります。決済の利便性とセキュリティ対策を両立することが課題でした。(野田氏)

阪急百貨店が特にこだわったのは、会員登録画面でユーザーが離脱する「カゴ落ち」への対応だ。「HANKYU E-STORES」の利用者全体でクレジットカード決済の割合は7割を超えている一方で、せっかく商品をカートに入れても会員登録やカード情報の入力画面で離脱するユーザーは少なくなかったという。

「カゴ落ち」は阪急百貨店に限らず、多くのEC事業者が抱える課題。特にスマートフォン(スマホ)ではパソコン以上に「カゴ落ち」が発生しやすいとされ、スマホユーザーが増加するにつれ、「カゴ落ち」の問題はより深刻になる。

決済の利便性とセキュリティ対策を両立するため「Amazon Pay」を導入

こうした課題の解決策の1つとして、阪急百貨店は2017年11月に「Amazon Pay」を導入した。

「Amazon Pay」とは、Amazon.co.jpのアカウントに登録したユーザー情報やクレジットカード情報を使い、Amazon以外のECサイトでログインや決済を行える決済サービス。

決済時にAmazon Payを選択したユーザーは、ECサイトにクレジットカード情報や住所などをあらためて入力する必要がないため、事業者は会員登録時におけるユーザーの離脱を抑制する効果が期待できる。決済の利便性の高さから「Amazon Pay」を選択するユーザーが多いことは以下の調査結果からもうかがえる。

ECで商品を購入する際に「Amazon Pay」を選ぶ理由
初めてのサイトでお買い物するとき、新たに情報入力しなくてもいいから 47.3%
ID・パスワードを覚えているから 35.7%
ECで商品を購入する際に「Amazon Pay」を選ぶ理由
(Amazonが2018年4月に実施したインターネット調査より)

また、EC事業者のECサイトにクレジットカード情報が保存されないため、事業者は情報漏えいのリスクを回避できるというメリットを享受できる。Amazonの堅牢なセキュリティシステムによってカード情報が守られるため、ECサイトを初めて利用する消費者にとって安心感がある。

ちなみに、事業規模の大きい企業ほど自社でシステムを作り上げていく「自前主義」の傾向があり、阪急百貨店も例外ではなかった。だが、「Amazon Pay」の導入はすんなり承認が下りたという。

Amazonは多くの消費者が利用しているECサイト。安全性や信頼度が高く、そして決済しやすい。多くの消費者がAmazonのID・パスワードを持っており、「Amazon Pay」はそれを活用した決済サービスなので、経営陣は導入メリットをすんなり理解できたと感じています。(野田氏)

半年で新規会員7,000人増、EC全体の売上高は1億円の純増

「HANKYU E-STORES」に「Amazon Pay」を導入したことで、新規会員の獲得や売上高の純増といった成果が早々に表れた。

「Amazon Pay」導入後、半年間で約7,000人の新規会員を「Amazon Pay」経由で獲得注文全体における「Amazon Pay」による決済比率は約16%にまで増え、Amazon Payでの売上高は半年間で1億円近いという。しかも、「クレジットカード決済や代引きなど、他の決済手段による売り上げは、ほとんど落ちなかった」(西脇氏)。

「Amazon Pay」を利用している顧客層は、クレジットカードや代引きなど既存の決済手段のユーザーと重複が少ないと感じます。「Amazon Pay」の導入により、半年で新規会員数が7,000人以上増え、Amazon Payでの1億円近い売り上げが純増となったと評価しています。(西脇氏)

阪急阪神百貨店オムニチャネル推進室 マネージャー ECシステム開発担当の西脇裕之氏 
阪急阪神百貨店オムニチャネル推進室 マネージャー ECシステム開発担当の西脇裕之氏

新規顧客と売り上げの増加に伴い、「HANKYU E-STORES」の会員も増えた。また、「Amazon Pay」を使った消費者の情報は、お客さまの同意など一定の条件を満たせば自社ECサイトの顧客情報として活用できるのも特長。つまり、「Amazon Pay」を利用して会員登録や決済をした会員情報および購入情報を、一定の条件の下、自社ECサイトが自ら管理できるわけだ。

「Amazon Pay」を利用した新規顧客はそのままECサイトの会員になるため、「Amazon Pay」の導入前後で比べると15%ほど会員が増えたという。

関東圏の顧客獲得にも成功

「Amazon Pay」を導入したことで、今まで開拓しきれなかった関東圏の顧客も増えている。阪急百貨店は関西に7店舗、福岡に1店舗、都内2店舗、そして神奈川に1店舗を展開。実店舗の利用者は関西圏が最も多く、おおむねそれに比例してECサイトの利用者も関西在住者が多い。

しかし、「Amazon Pay」で買い物をする利用者の所在地は、これとは大きく異なる分布だという。

「Amazon Pay」の利用者で最も多いのは東京在住のお客さまです。2位以下は大阪、兵庫、神奈川、埼玉、千葉となっています。他の決済手段では関東圏の顧客が上位に来ることはありません。「Amazon Pay」を導入したことで、関東のお客さまのシェアが高まりました。(西脇氏)

「HANKYU E-STORES」において「Amazon Pay」経由で購入された商品の内訳は、約7割が化粧品、約3割はファッションだという。化粧品は以前から顧客が全国に点在していたが、「Amazon Pay」を導入したことで顧客基盤がさらに広がったことになる。

阪急百貨店は関西では知名度が高いですが、地域によっては阪急百貨店のことをよくご存じない消費者もいるでしょう。そうした知名度が低い地域において、Amazonのブランド力、信用力によって新規会員登録を促す効果が出ていると思います。決済手段に「Amazon Pay」があると、初めてのECサイトでも安心して買い物ができると感じています。(野田氏)

販売事業者様のメリット① 新規顧客の獲得 ゲスト購入のうちAmazon Pay決済の場合40%から50% そのうち会員となった購入者の割合は、Amazon Payが60%~80%、その他の決済方法は20%~25%
「Amazon Pay」と連携しているASPカート「FutureShop2」やECパッケージ「ecbeing」などのデータによると、ゲスト購入者が選んだ決済手段の40~50%が「Amazon Pay」であり、「Amazon Pay」を利用した購入者の60~80%が会員登録をしている

20~30代の顧客獲得に期待

阪急百貨店のECサイトの主な顧客層の年代は、化粧品やファッションが30~40代、食品は40~50代となっています。「Amazon Pay」の利用者には20代も多いと聞いており、導入したことで従来よりも若い顧客層の開拓につながっていると感じています。また、ECサイトをきっかけに若い世代の顧客が百貨店に来店することにも期待を寄せています。

若い消費者の中には、百貨店は敷居が高いと感じている方もいらっしゃると思います。そういった方が「Amazon Pay」でECを利用してくだされば、その体験が実店舗で買い物をするきっかけになるかもしれません。(西脇氏)

「HANKYU E-STORES」において「Amazon Pay」の利用者が使うデバイスの内訳は、スマホが70%を超えているという。一方、すべての決済手段で見ると、スマホ比率は60%強。つまり、「Amazon Pay」はスマホでより多く使われていることになる。

ECを利用する際に使うデバイス タブレット スマートフォン
ECを利用する際に使うデバイス
(Amazonが2018年4月に実施したインターネット調査より)

店舗での買い物体験を向上させた「Amazon Pay」

「Amazon Pay」の導入によって、実店舗での買い物方法にも変化が起きている。

通勤中などの隙間時間に、スマホで購入しているユーザーが多いように感じます。(西脇氏)

Amazonが実施したインターネット調査でも、「Amazon Pay」が移動中やちょっとした隙間時間にスマホで利用されている比率が高いことが判明している。

ECを利用するシーン すきま時間、空き時間
Amazon Pay 利用者…53%
Amazon Pay 非利用者…42.5%
ECを利用するシーン(Amazonが2018年4月に実施したインターネット調査より)

移動時間や昼休みに「HANKYU E-STORES」で買い物をしたユーザーは、午後1時までの注文で当日夕方5時以降、阪急百貨店の店舗で商品を受け取ることができる。「Amazon Pay」の導入によって、この店舗受取サービスを使うユーザーが増加しているという(一部商品)。

有り難いことに阪急百貨店の化粧品売場は、仕事帰りのOLなどで5時以降は客足が途絶えない状況です。そのため、一方では、店舗での買い物に30分以上待つことが多く、お客さまにとってはとても不便な状況も発生しています。(西脇氏)

「Amazon Pay」の導入によって、隙間時間で買い物をするユーザーが増え、アフター5に店舗受取サービスを活用するOLなどの増加につながっているようだ。

阪急百貨店が展開している店舗受取サービス13時まで当日17時から
阪急百貨店が展開している店舗受取サービス

店舗の化粧品売り場などは、夕方の時間帯になると混雑し、待ち時間が30分ほどになることもあります。お客さまが待たずに買い物ができるように、店舗受け取りサービスを開始しました。今後、通勤中や昼休みにスマホで注文し、帰宅途中に店舗で商品を受け取る消費者は増えていくと思います。店舗受取サービスに加え、コンビニ受取など、外部と連携したインフラ整備も急務だと思っています。(野田氏)

野田氏は今後のオムニチャネルの展望を次のように語り、インタビューを締めくくった。

阪急百貨店のオムニチャネル戦略は道半ばです。今後、ウェブルーミングやショールーミングをシームレスに行えるようにしたいですし、ECサイトと実店舗のデータ統合やCRMも強化しなくてはいけません。そういうことを1つ1つ積み上げて、お客さまのお買い物体験の向上を図っていきたいと考えます。

阪急阪神百貨店オムニチャネル推進室 マネージャー ECシステム開発担当の西脇裕之氏(左)、阪急阪神百貨店オムニチャネル推進室 シニアマネージャー 兼 エイチ・ツー・オー スタイル代表取締役社長の野田雄三氏(右)
「Amazon Pay」の導入効果を踏まえ、実店舗でも簡単に注文できるようにしていきたいと野田氏は抱負を語っている

【関連リンク】

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

新Search Consoleに「URL検査ツール」が追加、Googleのインデックス状況を詳細にレポート

7 years 5ヶ月 ago

「URL 検査ツール (URL Inspection Tool)」 という機能を、ベータ版が公開されている新しい Search Console に Google は追加した。URL の詳細なインデックス登録状況を URL 検索ツールはレポートしてくれる。

投稿 新Search Consoleに「URL検査ツール」が追加、Googleのインデックス状況を詳細にレポート海外SEO情報ブログ に最初に表示されました。

Kenichi Suzuki

ペイパルがクレカ不要の銀行口座経由の決済サービス、カード未保有者らのニーズに対応

7 years 5ヶ月 ago

PayPal Pte. Ltd.(ペイパル)は7月から、銀行口座とペイパル口座をひも付けることで、銀行口座経由でペイパルを利用できるようにする機能の提供を始める。

ペイパル決済の新たな機能は、銀行口座の振替機能を使用する仕組み。導入企業は、クレジットカードを持たないユーザーのネット通販、カードを利用したくないといった消費者ニーズに対応できるようになる。

従来、銀行口座からの振り込みには手数料がかかり、買い手側が負担するケースが多い。銀行口座経由でペイパルを利用できるようにする機能では、振込手数料はかからない。

企業側が負担する決済手数料は、クレジットカード決済の手数料と同率。月間のペイパル経由の売上高が1000万円の場合、売り上げに対して2.9%、1件あたり40円が決済手数料となる。

PayPal Pte. Ltd.(ペイパル)は、銀行口座とペイパル口座をひも付けることで、銀行口座経由でペイパルを利用できるようにする機能の提供を始める

EC企業が銀行口座機能を活用するメリット

対応銀行は、みずほ銀行、りそな銀行、三菱UFJ銀行、埼玉りそな銀行、三井住友銀行、三井住友銀行、ゆうちょ銀行。銀行口座からペイパル口座へのチャージはできない。

ペイパルの銀行口座決済はリアルタイム入金に対応。売り手保証制度も設け、未承認取引や商品・サービス未受領に基づくクレームなど、適用条件を満たした場合に損害を補償する。

また、継続課金や分割決済などにも対応する。ネット通販であれば主な利用シーンが定期購入ビジネス。クレジットカードを使いたくないために銀行振込で定期購入を申し込んでいた消費者場合、ペイパルの銀行口座経由を利用すれば、手数料の削減が期待できる。

「Peatix」を運営するPeatix Japanの共同創始者で代表取締役の岩井直文氏が会見に登壇。銀行口座振替の魅力について「ユーザーにとって大きなメリットだ」などと語った。

Peatix Japanの岩井氏が語ったペイパル銀行口座振替の魅力

Peatix Japanの岩井氏が語った銀行口座振替の魅力

7~8月にかけて順次、ペイパルユーザーのアカウントに銀行口座登録機能を対応していく。

ペイパルの銀行口座登録機能

銀行口座登録機能画面のイメージ

企業から個人への支払いを簡単に行う「受け取り」機能も

企業がペイパル口座へ簡単に支払いができるようにする機能も追加する。

個人ユーザーのペイパル口座(メールアドレス)と金額を指定するだけで、個人ユーザーに1回あたり10万円までの支払いができるようにする。

対応する銀行口座とオンライン連携することで本人確認を行い、1回あたり100万円までの支払いの受け取りや銀行口座への引き出しが可能になるという。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

「売れるネット広告つくーる」がIT導入補助金対象サービスに2年連続で認定

7 years 5ヶ月 ago

売れるネット広告社は6月25日、単品通販・EC向けのASPツール「売れるネット広告つくーる」がIT導入補助金対象サービスに2年連続で認定されたと発表した。

「売れるネット広告つくーる」を新規導入した場合、年間最大50万円分の補助を受けることができる。

「IT導入補助金」とは、経済産業省が推進する「サービス等生産性向上IT導入支援事業」により支給される補助金。ITツールの導入を支援することで、中小企業・小規模事業者等の生産性の向上を目的としている。

本補助金事業の対象サービスを導入した場合、費用の2分の1以内で下限15万円、上限50万円の補助金を受け取ることが可能。所定の条件に合致する中小企業・小規模事業者等が対象(一部例外条件もあり)。

現在実施中の二次公募の交付申請期間は、2018年6月20日(水)~8月3日(金)まで。

「売れるネット広告つくーる」は、Fusicと共同開発した単品リピート系商材向けのASPサービス。200社以上の通販・EC会社が利用している。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

4年でEC売上20億円超の「cyma-サイマ-」、スポーツサイクルの商品を拡充

7 years 5ヶ月 ago

自転車のECサイト「cyma-サイマ-」を運営するエイチームは6月22日、スポーツサイクル専門店「Y’s Road」を全国で38店舗展開しているワイ・インターナショナルと提携したと発表した。

「Y’s Road」で扱っているイタリアの自転車ブランド「Bianchi」「GIOS」を、「cyma-サイマ-」の取扱商品に追加。スポーツサイクルの品ぞろえを強化した。

「cyma-サイマ-」で注文した「Bianchi」「GIOS」の自転車は、「Y’s Road」の店頭で受け渡す。「Y’s Road」の店舗スタッフがスポーツサイクルの乗り方などを説明するという。

「cyma-サイマ-」を運営するエイチームはスポーツサイクル専門店「Y’s Road」を全国で38店舗展開しているワイ・インターナショナルと提携

「cyma-サイマ-」は取扱自転車を拡充する(画像は編集部がキャプチャ)

エイチームはワイ・インターナショナルと提携した理由について次のように説明している。

「cyma-サイマ-」はシティサイクル、いわゆるマチャリの販売に強みがあります。ワイ・インターナショナルと提携することで、スポーツサイクルのカテゴリーを強化できると考えています。(エイチーム広報)

エイチームは2013年12月に「cyma-サイマ-」を開設。国内外から仕入れた200種類以上の自転車を販売している。東海と関東、関西の3か所に物流倉庫を構え、整備士によって整備された完全組立自転車を顧客の自宅に届けている。2017年7月期のEC売上高は前期比64.7%増の20億100万円。

2018年7月期も売り上げを伸ばしており、2018年2~4月期(第3四半期)の売上高は四半期ベースで過去最高となる8億1200万円。通期のEC売上高は前期比24.9%増の25億円を見込んでいる。

国内における自転車の通販・ECは成長分野。自転車販売ショップ「サイクルベースあさひ」を展開する、あさひの2018年3月期のEC売上高は前期比43.9%増の37億2300万円(店頭受取を含む)だった。

【名古屋】ECスタート4年で売上20億円! エイチームの成長秘話など全7講演のセミナーイベント 7/6開催

ネットショップ担当者フォーラム/Web担当者Forumミーティング2018 in 名古屋

2018年7月6日(金)に「ネットショップ担当者フォーラム/Web担当者Forumミーティング2018 in 名古屋」を開催します。EC事業者さん、EC支援事業さんなどEC業界に携わる皆さんが抱えている課題や悩みを参加者で共有し、解決するための場です。

時間は11:00~17:20(受付開始10:30)で、名古屋駅からすぐ近くのJPタワー名古屋ホール&カンファレンスで開催します。

基調講演はエイチームさん。ラジオを使った新規顧客の獲得施策など、4年間の成長秘話を初めて明かします。ほかにも、Googleさんによる「検索最新情報 2018 ~MFI からスピード アップデートまで~」など、セミナー全体は全7講演になります。

最新の事例からECサイト運営のノウハウまで、成長のためのヒントが1日で得られる貴重な場です。ぜひ、この場でしか聞けない情報を、名古屋で聞いてみませんか?

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

注文方法の9割が「1:1トーク」! 野球ユニフォーム専門店のLINE@活用事例 | ある日突然、上司に「LINE@やって」と言われました。

7 years 5ヶ月 ago

消費者の好みのデザインで、オーダーメイドのシャツやパンツ、キャップを製作しているオリジナル野球ユニフォーム専門店「ファンゴ」。LINE@の「1:1トーク」機能を活用し、オーダーメイド商品の受注からデザイン決定などの業務工程を効率化・簡素化することに成功しています。代表の山田哲子さんにLINE@の活用方法についてお話を伺いました。

この記事のポイント
  • 野球チームだからこそLINEグループで共有しやすい
  • 注文方法の9割が「1:1トーク」経由
  • 「1:1トーク」でお客さまとの信頼関係を深められる

LINE@のやり取りが消費者との信頼構築に貢献

――「1:1トーク」を始めたきっかけを教えてください

プライベートでLINEを利用していたので、便利なことは知っていました。そんな時、競合他社さんがホームページに「LINE@はじめました」と掲載しているのを見て、乗り遅れてはいけないと思いスタートしたんです。

当初は、使い方も全く知らなかったんです。それまでは、電話やメールでのオーダーを実施していましたが、電話は詳細なデザインは伝わらないし、メールはやり取りに時間がかかっていました。お客さまから電話でメールアドレスを聞かれても、アドレスが間違ってしまうため、伝えるのも手間でした。

そこで、LINE@アカウントのプレミアムIDを取得(@fungo.jp)したところ、ビジネスに活用しても便利なことに気付いていきました。お客さまに伝えるとすぐに友だち登録してくれる、デザインを決めたり修正したりするやり取りも返事が早いんです。さらに、画像を送付したり、リンクを貼ったり、と便利なことだらけ。そして、積極的に「LINEでも注文ができます」とアピールしていくようになりました。

野球をプレーしている人たちは普段からメンバー同士でLINEグループを作り、LINEを使ったやり取りに慣れているため、「友だち登録をしてください」という声かけにも気軽に応えていただけます。新規の問い合せの入口は電話/メール/フォームですが、二次的に「もしLINEをやっていたら、友だち登録を先にしてくださいね」って伝えています。

実店舗がないため対面でやり取りができない分、LINE@を使って信頼関係を築くことができました。お客さまもストレートに要望を伝えてくれるし、やり取りもスムーズ。また、商材の特性上、相見積もりのためだけの問い合わせ(デザインと見積り)もありますが、「1:1」で即時のやり取りをすることで、コンバージョンにつながりやすくなったと感じています

オリジナル野球ユニフォーム FUNGOの代表・山田哲子さん
代表の山田哲子さん

――LINE@の運用の体制について教えてください

朝の8時半くらいから夜の8時半頃まで、私1人で運用しています。野球の試合や練習が土日にあるため翌日の月曜日、もしくはお客さまの仕事が終わる平日の夕方頃のお問い合わせが多いです。

当店は、実店舗がないオンラインショップです。「1:1トーク」なら電車に乗っていたとしても、お客さまと会話ができるのでとても便利。そのため、レスポンスは早くすると心がけているので、お客さまからの信頼感の獲得にもつながっています

――「1:1トーク」をどのように活用していますか?

「1:1トーク」でお客さまとのやり取りは、イメージカラーやデザインなどをヒアリングするところから始まります。最終デザインの決定後に送る見積書も「1:1トーク」です。野球チームの多くは、LINEでグループを作成しているので、代表者の方は当店とやり取りしたデザインの詳細や見積りなどをそのまま「コピー&ペースト」してチームのメンバーに共有しています。購入する側もとても便利なんですよね。

LINE@の「1:1トーク」機能
「1:1トーク」を活用したやり取り

注文方法の9割が「1:1トーク」経由

――利用前と利用後を比較していかがですか?

従来から電話やメールも併用していますが、今では最終的な注文方法の9割が「1:1トーク」です。デザインの細かなリクエストは、電話の話し言葉では伝わりません。そんな時は「いたずら書き程度で結構ですので、紙に描いて説明していただけますか?」とお願いすると、気軽に描いて写真を「1:1トーク」で送付してもらえます。このスピード感はメールにはありません。よって、初回のお問合せから、ご注文までの時間が短くなりました

以前は、メールで約1か月かかっていたものが、LINE@を利用したら3日で完了したこともありました。今は平均1~2週間でやり取りが完了できています。

また、デザインは何度も修正されることが多いのですが、修正を重ねていくうちに、前のデザインに戻されることもあります。「1:1トーク」なら、少しスクロールするだけで、前のデザインと今のデザインを比較できますので、お客さま側は、デザイン比較が簡単にできているかと思います。

私どもは、決定したデザインの見返しや、初回時から発注までの流れの再確認が、画面のスクロールだけでわかるところが、すごく便利で気に入っているところです。

――運用面で工夫していることや気をつけていることはありますか?

頻繁に寄せられる質問を簡潔なテンプレートにまとめて、「こちらは大事なことなので必ずお読みください」と伝えるようにしています。また、メールの文章のような長い文章にならないように気を付けていますね。ユニフォームのデザインはテキストだけでなく、画像を送付してわかりやすく伝えするようにもしています。

LINE@の「1:1トーク」がオリジナルユニフォームの販売を効率化している

「1:1トーク」でお客さまとの信頼関係を深められる

――これから「1:1トーク」をはじめる方へアドバイスをお願いします

ファンを獲得するためにさまざまなアイデアを絞っていると思いますが、「1:1トーク」の活用は、お客さまとの信頼関係を深めることにつながると思っています。上手にコミュニケーションを取ることで、お客さまの信頼を勝ち取り、本当の意味でのファンの獲得につながると考えています。

当店は、先にお金をいただいてから商品をお作りする受注製作のため、お客さまから信頼いただかないと商売が成り立ちません。「1:1トーク」は、顔を突き合わせることはできませんが、ちゃんとリアルの場で向き合ったのと同じくらいの信頼関係を築くことができると実感しています。

ショップ概要

LINE@運営チーム

LINE Business Partners株式会社

LINE@は、日本国内で月間7100万人が利用(LINE調べ、LINEアプリ月間アクティブユーザー 2017年9月末時点)するLINEのユーザー基盤と高い利用率を生かした、ユーザーへのダイレクトな情報発信やビジネス活用が可能な店舗・企業向けLINEアカウントです。

LINE@運営チーム

アリババが推進する「ニューリテール」時代の顧客体験とは? テクノロジー&データが牽引する小売の未来

7 years 5ヶ月 ago

新しいテクノロジーがニューリテールを牽引する。IT部門の価値は、ビジネスを徹底的に理解したうえで、イノベーションを提案すること。アリババクラウドのミッションは、テクノロジーを活用してリテールビジネスに変革を起こすことにある。そして、小売事業者と顧客Win-Winの関係をもたらす。我々は、そのためのテクノロジーとメソッドを提供できる(アリババクラウド ユニーク・ソング氏)。

Interop Tokyo 2018の最終日である6月15日、中国アリババグループでクラウド事業を展開するアリババクラウドのジャパンゼネラルマネージャー ユニーク・ソング氏が基調講演に登壇。アリババグループが推進し、すでに中国で広がりつつある「ニューリテール」の戦略と同社のミッションを語った。

ニューリテールの基盤はオンライン・オフライン・物流の融合

「ニューリテール」とは、2016年10月にアリババのジャック・マー会長が提唱した10年~20年先の未来に訪れるだろうリテールのコンセプト。簡単に言えば、テクノロジーとデータを駆使し、オフラインとオンラインが融合したリテールビジネスによって、より優れた顧客体験を届けること。同時に小売事業者のビジネス課題も解決する。

アリババグループが考えるニューリテールのモデルでは、オンラインとオフライン、物流、データ、テクノロジーなどのすべてを統合して小売りに活用する。消費者体験が中心にあり、「顧客」「商品」「店舗」間のビジネスモデルを再構築し、事業を成長に導く。

ニューリテールの基盤について語るユニーク・ソング氏。

消費者はネット通販の登場でいつでも買い物ができるようになったが、実際に商品を手にとって試せないなど、オンラインのUXは限られている。一方、実店舗を運営するには、常に一定の在庫やスタッフを確保しなくてはならなず、事業者にとってはコストが課題になる。アリババが描くニューリテールの未来では、テクノロジーによってこれらの課題を解決する。

2016年に発表されたニューリテールのコンセプトはすでに実現し始めている。

たとえば、タオバオが展開するブランド体験ストアでは、顧客はタオバオアプリでQRコード認証して入店する。店内にはセンサーが設置されており、商品を選んでゲートを通過するとアリペイで自動的に決済される。自動化されているため従来と比べて運営コストを抑えることができる。

また、店舗展開では出店計画が重要になるが、アリババにはどの地域でどんな商品がどれだけ売れたのか、データが蓄積されている。こうしたデータを使えば、通販事業者は適切な出店計画を立てることが容易になる。

アリババグループの生鮮食品スーパー、「盒馬鮮生(ファーマーションシェン)」もニューリテール戦略を象徴する店舗として注目されている事例だ。

盒馬鮮生のすべての商品は、バーコードをアプリでスキャンすると詳細を調べることができて、オンラインで配送注文することもできる(5km圏内なら最短30分で配送)。店舗で買った商品はレストランで調理してもらうことも可能。支払いはアプリと連携させたアリペイで行う(現金レジも少数ある)。

アリババのミッションはデータの商用化を助けること

続けてソング氏は、データドリブンなニューリテールのモデルについて、いくつかの例を紹介する。

今、旅行慣れした中国の訪日客は、銀座を訪れることはないという。なぜなら、多くの中国訪日客は友人やネットのクチコミを参考に集中して銀座を訪れるため、欲しいモノが手に入らないからだ。

中国の友人から日本で買い物をするのは大変だと聞く。欲しいモノがあっても売り切れているから、プロのツーリストは銀座にいくことはない。これは小売事業者(店舗)にとって損失です。しかし、業務・データ中枢を一元的につなぐことができれば、どこで何がどれだけ売れているのかを把握し、物流をダイナミックに変更して顧客に商品を届けることができる。

オンライン・オフライン・物流の融合がなければ、こうした課題を解決することは難しいだろう。

この他にも、「何千とあるドン・キホーテ店内の商品をアプリで確認できたらどうか」「スーパーに欲しい商品があるかアプリで音声検索できたらどうか」など、ニューリテール時代の顧客体験の例を示す。わざわざ個人情報を取らなくても、こうした問い合わせデータの蓄積から購買パターンを分析することも可能だという。

テクノロジーもニューリテールに重要な要素。「Tモール(天猫)」アプリでは、化粧品の試用イメージをAR技術で事前に確認できる。

アリババクラウドのミッションは、前述のように「テクノロジーを活用して、リテールビジネスに変革を起こすこと」であり、顧客のデータに直接触れることはないとソング氏は強調する。アリババグループは、2015年に「データは顧客の資産である」というデータ保護方針を発表。多くの企業に受け入れられており、GDPRにもいち早く備えるなど、世界標準のコンプライアンスニーズに対応している。

日本においても、国内データセンターを整備して顧客データを日本に格納するなど、以前から準備を進めてきている。顧客企業の資産であるデータの活用を支援していきたい、ソング氏は最後に語った。

我々は、これまで多くのプラクティスをつくってきた。ニューリテールについて、事業者自身が何を課題としているか理解しなくてはならないが、もしわからないのであれば、我々が最適なビジネスアプローチを定義して提言することもできる。クラウドベンダーとしてだけでなく、中立的なパートナーとしてみていただきたい。ビジネス革新の先には消費者体験の向上がある、ともに協力していきたい。

厳しいコンプライアンス基準について信頼性をアピールする。

池田真也

ネットショップ担当者フォーラム編集部

家電量販店の法人通販から、Web担当者Forumの前身である『インターネットマガジン』(2006年5月号で休刊)の編集部へ。休刊までの半年ほど雑誌編集を経験し、Web坦の立ち上げを機にネットマーケティングにかかわりはじめ現在へ。編集兼Web担当者。2017年末からネットショップ担当者フォーラムと兼任。

池田真也

新しい切り口で絞り込めるホテル検索をGoogleがテスト中、ホテル検索サイトを脅かす存在になるか?

7 years 5ヶ月 ago

新しいフィルタを利用できるホテル検索を Google はテストしているようだ。今までとは異なる切り口でホテルを絞り込むことができるる。ホテル検索のポータルサイトの驚異になる可能性がある。

投稿 新しい切り口で絞り込めるホテル検索をGoogleがテスト中、ホテル検索サイトを脅かす存在になるか?海外SEO情報ブログ に最初に表示されました。

Kenichi Suzuki

メルカリの流通総額は直近12か月で3200億円、”レディース以外”を戦略的に強化

7 years 5ヶ月 ago

フリマアプリ「mercari」を展開するメリカリの2017年4月~2018年3月における国内流通総額(GMV)は、前年同期比58.3%増の3202億円だった。

GMVは「mercari」、ブランド品に特化したフリマアプリ「MAISONS(メゾンズ)」、本やCD・DVDなどに特化したフリマアプリ「カウル」を合計した金額。

主要なECマーケットプレイスの流通総額(GMV)

主要なECマーケットプレイスの流通総額(画像はメルカリの公表資料をキャプチャ)

2018年3月度の国内月間流通額は324億円。当月の月間アクティブユーザー(MAU)は1050万人だった。

2017年7月~2018年3月期累計(第3四半期累計)の国内GMVは2507億円で、米国を含めたGMVは約2676億円。現在の成長率を踏まえると、2018年6月期のGMVは3000億円の大台を突破する見通し。

メルカリの流通総額(GMV)推移

メルカリの流通額推移(画像はメルカリの公表資料をキャプチャ)

さらなる成長に向け、「mercari」は女性関連以外のカテゴリーを戦略的に強化している。

2018年1~3月期(第3四半期)の国内GMVは938億円で、カテゴリ別のGMVは次の通り。

  • 女性関連カテゴリー(アパレル、アクセサリー、その他レディース商品を含む) → 357億円
  • メンズ(アパレル、アクセサリー、その他メンズ商品を含む)→ 158億円
  • エンタメ→ 168億円
  • 家電・スマホ・カメラ→ 72億円
  • スポーツ・レジャー→ 53億円
  • その他→ 126億円

メルカリは女性関連以外のカテゴリーの戦略的な強化を進めている

カテゴリーごとの流通額(画像はメルカリの公表資料をキャプチャ)

2016年1~3月期からの年間平均成長率は、女性関連カテゴリーが45%だったのに対し、女性カテゴリー以外の成長率は65%。

「メルカリ」は2013年にサービスをスタートし、GMVは2015年6月期が630億円、2016年6月期は1420億円、2017年6月期は2480億円と急成長している。

流通総額、利用者ともに右肩上がりを続ける(画像はメルカリの公表資料をキャプチャ)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

CSS Nite in Fukuoka, vol.12が終了しました

7 years 5ヶ月 ago

2018年6月11日(月)デジタルハリウッド STUDIO福岡でCSS Nite in Fukuoka, vol.12を開催し、36名の方に参加いただきました。

次の3セッションで構成。

  • Adobe XD関連/林 航平(アイドットデザイン)
  • ECサイトでの決済/佐藤 毅(ジーティーアイ)
  • 英語(発音、練習方法)/鷹野 雅弘(スイッチ)

!importantとの共催、また、特別協賛としてデジタルハリウッド STUDIO福岡に会場提供いただきました。

2018年9月8日[土]には、vol.13として、XDにフォーカスして開催予定です。

CSS Nite実行委員会

Web担当者は7月の危機に備えよ! 「サイトを開くとChromeが“保護されていない”と警告する」の問い合わせが殺到!?【海外&国内SEO情報ウォッチ】

7 years 5ヶ月 ago

Web担当者Forumの連載コーナー「海外&国内SEO情報ウォッチ」を更新。「世界HTTPS化計画」をグーグルが強力に推進している。今週は、ChromeでのHTTPS/HTTPS表示に関する重要な変更の情報を2つお届けする。HTTPS化がまだのサイトも済んでいるサイトも、どちらも把握しておくべき情報だ。

投稿 Web担当者は7月の危機に備えよ! 「サイトを開くとChromeが“保護されていない”と警告する」の問い合わせが殺到!?【海外&国内SEO情報ウォッチ】海外SEO情報ブログ に最初に表示されました。

Kenichi Suzuki

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