SEOで成果を出しやすい3つの戦略とは? まずは検索結果上位のページクリック率を高めよう(前編)
「SEOで成功する可能性を最大化したい」誰もがそう思っているのは、言うまでもない。そのためには、より少ない労力でより大きなインパクトを与えるタスクを優先する必要がある。とは言うものの、SEOの監査プロセスではそれが何かわからなくなることもある。
今回のホワイトボード・フライデーでは、通常のSEOプロセスと並行して「成果を出しやすい分析」を行う方法について、アレイダ・ソリス氏が解説する。
成果を出しやすいSEO戦略とは?
ホワイトボード・フライデーにようこそ。私の名前はアレイダ・ソリス。SEOコンサルタントで、Oraintiの創設者だ。今回は、「LHF※ SEO」、つまり「成果を出しやすいSEO」について紹介したい。
言うまでもなく、私たちはSEOで成功する機会やチャンスを最大化したいと思っている。そのための取り組みとして一般的なのは、より良いアウトプット・より大きなインパクトを、より少ない労力で実現するタスクやアクティビティを優先することだ。
こうしたLHFは、次の要素などに左右されるのが普通だ:
- SEOのプロセス
- プロジェクトの状況
- 制約
- 機会
- リソース
- 柔軟性
だが実際には、戦略的で環境に依存しないものである傾向があり、前述のような要素に左右されず活用できるものが多いだろう。
よくあるSEOのプロセス
SEOのプロセスでよくあるプロセスは、次のようなものだ:
- 監査をする
- キーワードの競合調査をする
- テクニカルSEO
- コンテンツ監査
- 競合分析
- 被リンク分析など
これには少し時間がかかることが多く、具体的には4週間ほどかかるだろう。
その後、すべてのデータなどを分析して、実行可能で優先すべきSEOの推奨事項を作成する。最後にこれらの推奨事項をSEOのクライアントやステークホルダーと共有して実行する。
このように、このプロセスは全体として少し時間がかかることが多い。残念ながら、ここでの問題は、これ以降にステークホルダーやプロジェクトのオーナーの焦燥感といった課題に直面する傾向があることだ。これは当然のことである。
並行して進める「成果を出しやすいSEO」
しかし、すでに述べたように、通常のSEOプロセス監査と並行して、「成果を出しやすいSEO」を行うことは可能である。
具体的な手法はこの後で詳しく解説するが、現時点であ直感に反するように思えるかもしれない。こんな風に考える人もいるだろう:
えー、通常のSEO監査プロセスのほかに仕事が増えてしまう!
しかし、心配しなくていい。
「成果を出しやすいSEO」でも何らかのフレームワークやレポートが必要だが、そこで使うデータは通常のSEO監査プロセスですでに整理したものが多いからだ。
なにより、通常のSEO監査を実施しつつ「成果を出しやすいSEO」に取り組むことには大きなメリットがある。それは、クライアントやステークホルダーの焦燥感を和らげられることだ。
成果を出しやすいSEO 3つの戦略
では、その「成果を出しやすいSEO」の具体的な解説に進む。
大きな工数を使わずに結果を出すことが目的なので、「より簡単に、よりシンプルに調整できるようなアクション」から始めることになる。
この記事では、次の3つの戦略について解説する:
- 検索結果の上位に表示されたページのクリック率を高める
- もう少しで検索上位に表示されそうなページのサイト内リンクを最適化する
- 検索結果の変化とコンテンツの順位低下を見つける
それぞれ詳しく見ていこう。
戦略1検索結果の上位に表示されたページのクリック率を高める
成果を出しやすい1つ目のSEO戦略は、検索結果の上位に表示されたページのクリック率を高めることだ。
手順としては、次のようにする:
まずGoogle Search Consoleを使って現在の順位を見てみる(それ以外でも慣れている分析ツールを使っていい)。
次に、上位に表示されているページのなかで、次のようなページがないか探す:
- 関連するクエリで、すでに表示されているページ
- 君にとって本当に重要で意味のあるページ
- クリック率を改善できそうなページ
- ページの順位に対してクリック率が低すぎるページ
そうしたページを確認しながら、クリック率が低すぎる理由を探っていく。問題点は次のどこかにあることが多いだろう:
- スニペット
- title要素
- meta description
あるいは、構造化データが実装されていないために、ページのビジビリティが最大化されていないということもあるだろう。その場合、ページでリッチスニペットが生成されないために、非常に重要で意味がある関連性を示せていないことになる。
クリック率が低すぎる理由を確認できたら、すぐに改善しよう。
SERPに表示するページタイトルをグーグルが勝手に書き換えている場合もある。この挙動はかなり多くなっていて、今ではふつうに発生していることだ。そうした書き換えの状況は、スニペットについても同じだ。
グーグルによる書き換えは「意味のある、関連性のある方法」なのかもしれない。それでも、そのページの核となる重要な情報が削がれてしまうこともある。
あるいは、重要なページが表示されていたとしても、上位の競合他社、つまり同じSERPに表示されている他のページと比較すると不利な場合もある。競合他社のスニペットには魅力的なデータやインサイトが表示されているが、君のページには表示されていない場合だ。これはタイトルやスニペットから情報を省略されているためで、それが君にとって機会の損失であることは明らかだ。
とはいえ、心配はない。通常のSEO監査のために集めたデータとして、「うまく活用できていないスニペットや検索機能」の情報は分析済みのはずだ。そのデータを使って、優先順位を付けよう。
それから、重要なクエリで関連性のないページが表示されていないかも見てみよう。
そうしたクエリの意図に対してより合致するページが過去にサイト上にあったが、今はなくなってしまっているのかもしれない。
あるいは、過去のある時点で意味のあった類似のクエリをターゲットにページを作っていたが、今はないのかもしれない。
コンテンツがカニバリゼーションを起こしている問題や、コンテンツが欠落している問題が見つかるかもしれない。
その場合、私が特に強く推奨したいのは、重要なクエリで、1つのSERPに自分のサイトから複数のページが表示されているものがないかを調べることだ。あった場合にはそれが悪い影響をもたらしていないかを評価する。
それが理由でクリックする人が減っていたり、そもそもクリックする対象が表示されなかったりする場合は、対処する。具体的には、これらのページを統合し、1つのページに価値を引き渡し、すべての指標を1つのページに統合するのだ。
複数のページが表示されている重要クエリは、必ずチェックしてみることを強く勧める。
「ページを統合」するやり方には、次の2つがある:
どちらか1つのURLに301リダイレクトする
メインとするページ以外のほうは、内容を少し調整したり最適化したりして、同じように関連性の高い別のクエリで上位に表示させる
この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。今回は、成果の出しやすいSEO戦略の概要と、3つの戦略のうち最初の1つ「検索結果の上位にあるページのクリック率を高める」を紹介した。後編となる次回は、残る2つの戦略について説明する。
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