note #等身大の企業広報レポート

島根県海士町の取り組みから紐解く「noteとLINEでつくるファンコミュニティ」 #等身大の企業広報

島根県海士町(あまちょう)でnoteとLINEを担当されている寺田理弘さんに、自治体ならではの情報発信の取り組みや事例について聞きました。

インターネットやSNSの普及により、企業だけでなく、自治体もさまざまな情報発信に取り組む時代に突入しています。

そこで、今回は等身大の企業広報の自治体編として、島根県海士町あまちょうでnoteやLINEを担当されている寺田理弘さんをゲストにお招きし、自治体ならではの情報発信の取り組みや事例についてお聞きしました。

また、自治体のnote活用を支援しているnoteディレクターの青柳望美さんからは、100件を超える自治体のnote利用の事例を元に、最新の情報発信事例をお話しいただきました。

noteの許諾を得て、Web担で掲載しています。オリジナル記事はこちら →https://note.com/notemag_business/n/n1a493b9885ea

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使いやすさと記事の見やすさが
noteを選んだ理由の1つ

━━まずはじめに、海士町さんがnoteをはじめた経緯についてお聞かせください。

寺田さん 海士町の公式LINEをはじめることになり、その配信コンテンツの掲載場所を検討するなかで、noteを使わせていただくことになりました。

決め手は大きく3つありました。1つめは、海士町内の団体の方や個人の方で、すでにnoteを使っている方がいらっしゃったこと。2つめは、海士町の公式スマホアプリとの連携性があったこと。3つめは、使いやすさと記事の見やすさです。LINEから届いたコンテンツのお知らせをタップして記事を見たときに、ストーリーに集中できる見やすさがあると思いました。

寺田理弘さん
海士町役場総務課 情報政策係 主任主事

━━具体的にどのような取り組みをされていますか?

寺田さん 2021年1月に「ないものはない 海士町公式 note」を開設しました。現在は職員以外にも、20名以上の地域の方がnoteの記事を書いてくれています。

隠岐島前高校の地域国際交流部のみなさんと連携して海士町らしい記事を書いていただき、それをLINEで配信するなどしました。ほかにも、高校生個人が友達と開催したプロジェクトを紹介してほしいという連絡が直接来て、記事を公開したこともありました。ほかの自治体さんに比べて規模が小さい分、みなさんと顔見知りな部分もあるので、比較的声をかけやすい環境にあるのかなと思います。

 

現在、「海士町みんなのnote」と「今月の海士町」の2つのマガジンをつくっています。「海士町みんなのnote」は、海士町のみなさんが更新したnoteや、海士町に関するnoteをまとめているマガジンです。738本の記事のうち500本以上は、海士町note以外の記事です。

 

「今月の海士町」は、島の雰囲気やニュースなど、その月の出来事がわかるような記事を毎月つくっています。おすすめのnote記事、プレスリリースの情報、ふるさと納税の情報、写真やSNSなどのさまざまな内容を、ざっくりとメルマガのような形で1本の記事にまとめて、毎月クリエイターページに固定してみなさんに見ていただけるようにしています。

 

「海士町のことを好きになってほしい」
という想いでLINEを運用

━━海士町さんの特徴は、LINEとnoteの組み合わせです。海士町LINE公式アカウントは人口登録者比率が全国1位になりました。LINEはどのように運用していますか?

モデレーター:noteプロデューサー 徳力基彦さん

寺田さん 海士町LINEは、島外にお住まいの方とつながり続けたいという気持ちからはじめました。2020年12月から運用を開始し、友だち数は3,383人(2022年9月16日時点)。海士町の住民数が2,250人なので、人口登録者比率は123%です。

来島したひとの目につくようにチラシやポスターにLINEの友だち追加のQRコードを貼っています。また、観光協会さんと連携して宿泊先やアクティビティの予約の際に、LINEで友だち追加してもらうという流れもつくっています。リアルもデジタルも含めてできるだけ接点を増やし、友だち登録をしてもらう仕掛けを用意しています。

LINEで友だちになるのは、「便利だから」か「好きだから」だと思うんです。海士町を好きになって友だちになってくれたひとには、「いろいろな情報を得られて便利」だと感じてほしいなと。逆に、観光の情報を得るためにまず友だちになったというひとには、さまざまな情報が届くことで海士町のことを好きになってもらえたら、という気持ちで運用しています。

LINEでは、海士町の取り組みや観光情報の発信だけでなく、観光の予約機能も実装しています。また、ふるさと納税に関するところでは、簡単な質問に答えるとそのひとにぴったりな特産品を診断してくれるという機能もあります。

 

━━LINEとnoteの組み合わせにトライされていますが、手応えを感じた投稿や企画について教えてください。

寺田さん noteの記事は見出し画像やタイトルに気を遣っているので、LINEで紹介する際には記事の内容が一目で伝わるよう、見出し画像とタイトルをバナーに入れています。文字とリンクだけのケースよりも画像も見せたほうが記事をタップするモチベーションが上がるのではないかと。

また、記事の紹介だけでなく、季節を感じられるような写真に一言添えて配信することもあります。

 
 

LINEのバナーは私が1人でつくっているため、なるべく手間をかけずに効果を上げるためにいろいろ試行錯誤しています。最初はnoteの記事のお知らせの際、見出し画像だけをバナーに入れていたんです。しかし画像だけだとリンクだと思われないため、画像の上に文字を載せるようにしました。いまは見出し画像とタイトルを強調するスタイルになっています。

 

LINEと海士町公式アプリの活用で
島内と島外の両方から導線を強化

━━効果測定はどのようにされていますか?

寺田さん LINEで友だちになってくれた方の流入経路をモニタリングしています。観光経由やふるさと納税経由などさまざまですが、なかでもnote記事からは平均で14%もの方が海士町LINEに流入しています。

 

LINEと海士町公式アプリの活用により、島内と島外の両方から導線を強化しています。島外の方に対しては、LINEで観光やふるさと納税などの情報や、note記事のお知らせを配信しています。島内にお住まいの方には、公式アプリから海士町noteに飛んで記事を見ていただくようになっています。島内の方にも島外の方にも同じ情報を見ていただくことで、より等身大の海士町の姿を見せることにつながっていると思います。

 

定性的な効果では、ふるさと納税で海士町のイカを注文された方が商品と一緒に届いたチラシからLINE友だち登録していただき、LINEの配信によって海士町のことが好きになり、隠岐諸島に6泊されたという事例がありました。その方はわざわざ海士町の役場に挨拶に来てくださったんです。

━━ふるさと納税がお得だから注文するという行為から入り、最終的には海士町が好きになって来島してくれたというカスタマージャーニー的な話ですね。これはふるさと納税という仕組みがデジタルのLINEと組み合わさっていることによって、生まれた出会いだと思います。人口2,000人の自治体だからこそ、役場まで来てくれたというストーリーがちゃんと伝わってくるんですね。

「走った距離は裏切らない」
走り続けることが大事

━━青柳さんのほうから、ほかの自治体の事例もご紹介いただけますか?

青柳さん はい。事例を2つ紹介します。1つめは、山口県周南市さんです。市民ライターが書いた市内の暮らしや風景などの取材記事をまとめた「みんなで作る周南市ガイドブック」というマガジンをつくっています。おもしろいのは、この市民ライターを募集するところから事業になっていることです。応募してきた方のためのライティング講座もあり、さまざまな世代の方が参加しています。

2つめは、新潟県三条市さんです。移住者向けに空き家・空き地バンクを運営していて、noteでは空き家の情報をアップして「三条市空き家・空き地バンク」というマガジンにまとめています。ほかにも40名の地域おこし協力隊の方が持ち回りで記事を書いています。

青柳望美さん
note株式会社 noteディレクター(公共・教育)

━━ありがとうございます。最後に視聴者の方に向けて、今日からはじめられる取り組みについてアドバイスをいただければと思います。

青柳さん すでにやってらっしゃる方からしたら当たり前かもしれませんが、まず自分が参加してみるのは大事です。たとえばnoteの記事にしても、最初から法人や自治体の公式のアカウントで書くのはハードルが高いけれど、匿名のアカウントで書くことはすぐにできると思います。あとは、コミュニティを運営してみたいと思うなら、まず自分から外部のコミュニティに入ってみることですね。小さくはじめるということが大切だと思います。

寺田さん 私はマラソンが趣味で、「走った距離は裏切らない」という言葉が好きなんです。海士町がnoteをはじめてから約1年半経ちますが、やっぱり走り続けることが一番大切だと思っていて。遅い速いではなく、自分たちなりのスピードで実施していくことが重要だと思います。今後もたのしく走っていきたいし、noteを通じていろいろな方が走っている姿を見られたらいいなと思いますね。

━━確かに、やった分だけ何らかの経験にはなりますからね。ぜひみなさんも意識して何かしら新しいことに取り組んでいただければと思います。

おふたりとも、本日はありがとうございました。

▼イベントのアーカイブ動画はこちらからご覧いただけます。

text by 渡邊敏恵

 

「note」掲載のオリジナル版はこちら 【イベントレポート】島根県海士町の取り組みから紐解く「noteとLINEでつくるファンコミュニティ」 #等身大の企業広報

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