note #等身大の企業広報レポート

企業はTikTokをどう活用するべきか? 繋がる力が生み出す新しいトレンド

「TikTok売れ」という言葉が、日経トレンディの2021年ヒット商品ベスト30の1位に輝くなど、TikTokは我々の生活に浸透しています。TikTokを企業活用するときのポイントを聞いた。

 「TikTok売れ」という言葉が、日経トレンディの2021年ヒット商品ベスト30の1位に輝くなど、TikTokは我々の生活に浸透しています。

そこで今回は「TikTokとnoteでつくる新しい企業コミュニケーション」をテーマに、TikTok for Business Japanの松本幸貴さんをお招きしてイベントを行いました。

高い拡散力と、新しいトレンドを生み出す力を持つTikTokですが、企業はどのように活用していけばいいのでしょうか。その独自の仕組みやTikTok広告の基本的な使い方、最新トレンドや活用事例について、松本さんに教えていただきました。

noteの許諾を得て、Web担で掲載しています。オリジナル記事はこちら →https://note.com/notemag_business/n/n69062c830477

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サラリーマンも電車で見ているTikTokとは?

松本 弊社はミッションとして「創造性を刺激し、喜びをもたらす」を掲げています。前提として、TikTokはエンターテインメントが集まっている動画プラットフォームです。エンターテインメントといってもコンテンツの幅は多様化してきていて、教育系、ニュース系のコンテンツも増えてきています。

TikTok for Business Japan Associate Creative Director 松本 幸貴さん

松本 そういう意味では、利用者層も多様化してきています。僕も今日、電車でこちらに来たんですが、前に座っている50代くらいのサラリーマンがTikTokを使っているのを見かけました。今や学生だけではなく、全世代にわたって利用されています。

廣瀬 私も隙間時間に利用しますけれど、最近は調べものをするのにTikTokを使うこともあるんですよね。

松本 そういう動機の方も増えていますね。TikTokで見つけたものを、さらにTikTok内で探したり検索したりする、というユーザーも多いようです。

数ある動画サービスの中でTikTokユーザーが増えている理由

松本 まず、動画の尺が短いから隙間時間に利用しやすいんですよね。レンジでチンしている間に楽しめてしまう。基本的に縦型全画面で、音声がオンの動画が多いので、目と耳からの情報が入って動画に対する没入度が高くなっていると思います。

徳力 スマホの音声ってほとんどオンにしたことがなかったけれど、TikTokを使うようになってからオンにするようになりました。

松本 またアプリを開くと「おすすめ」と「フォロー中」という二つのフィードが大きく表示されるんですが、多くのユーザーは「おすすめ」を見ています。すすめられたものを見続ける、という体験も大きなポイントだと思います。投稿されたコンテンツで発生するエンゲージメントに対して、「おすすめ」されるユーザーが決まっていき、バイラル(情報が口コミで拡散すること)が発生していきます。それがトレンドになっていき、見る側としても次にどんなコンテンツがでるのか、わくわく感に繋がります。

徳力 個人的に企業のTikTok活用におすすめしたいのが、この仕組みなんですね。普通の動画サービスでがんばってコンテンツを作って投稿しても、再生数1、2回にしかならないんですよ。でもTikTokは少なくとも数百回の再生が起きることが多いです。

モデレーター:noteプロデューサー 徳力基彦さん

松本 そうですね。レコメンド機能でさまざまな人に見てもらえる仕組みになっています。

ユーザーがつながっていくTikTokの仕組み

松本 あとは「おすすめ」で出会った動画に対して、ユーザーがアクションしやすいという強みもあります。すぐに「いいね」や、コメントができる。このアクションは、見たものを家族や友人といった自分が属しているコミュニティにシェアするような、次のアクションにも繋がりやすいです。

徳力 おすすめに入るとコメントもたくさん付くんですよね。それだけでユーザーが楽しんでいることがわかる。企業からすると、全く接点のないユーザーと出会えるというメリットになりえますね。

松本 ユーザーがアクションを起こしやすい、そして次に繋がりやすいというのは、すごくメリットになると思います。この場合の「次に繋がりやすい」というのは、「新しいファンに繋がる」、「コミュニティに繋がる」、そして「次のトレンドに繋がる」という三つ
の要素があります。TikTokが起点となって、新しいトレンドを起こすという特徴があるので、自分たちの商品が次のトレンドになるかもしれない、という期待を持てます。

三つの「繋がる」という要素

松本 一つ目の「新しいファンに繋がる」は、「フォロー機能」のことです。ユーザーにフォローしてもらうことで、繋がることができます。また「おすすめ」されることでも、その商品や企業を身近に感じることができる。おすすめされた商品に興味を持つことは、企業のアカウントやサイトを見にいく動機にもなります。

二つ目の「コミュニティに繋がる」は、「いいね」やシェア機能で、家族や友人と繋がっていくという意味です。「あの動画みた?」という、コミュニケーションも生まれます。

三つ目の「次のトレンドに繋がる」というのが、TikTokならではだと思います。次の流行りがわかったり、トレンドを生み出す力があります。

徳力 先日広瀬香美さんとイベントをしたんですけど、20年前の曲が、TikTokから今のトレンドになるというのは面白いですよね。

松本 さらにマーケティング的な観点で、TikTokのアカウント運用がどういう人たちに有効かというと、「おすすめ」フィードで楽しんでいる層だと思います。新しい発見をしてもらうことで、まだ自分たちのお客さんになっていない潜在層にアプローチすることができます。

徳力 従来のSNSってフォロー型で、興味がある人の投稿ばかりを見てしまうので、顕在層へのアプローチになっていることが多いですよね。その点TikTokは「おすすめ」で広がる強さがありますね。

松本 クリエイターさんに話を伺うと、「TikTokってスーパーの試食コーナーですね」とおっしゃっていました。最初の一口で、そこから先に入っていくための場所になっているかもしれません。

具体的なTikTokの使い方

note株式会社 メディアチーム 廣瀬藍里さん

松本 まず操作方法ですが、アプリの下にある真ん中の[+]ボタンを押すと、すぐに撮影することができます。さまざまな機能があって、曲を選んだり、エフェクトを選んだり。インカメラとアウトカメラでも撮れるので、コンテンツの作り方もいろいろ試すことができると思います。スローや倍速も可能です。

徳力 この辺の機能が充実していて、本当にすごい。

松本 音楽の音色やリズムに合わせてカットを変えるなど、音を含めた映像が簡単にできます。

徳力 我々の世代からすると、「音楽をネットで使っていいんだ」、という感動があるんですよね。自分の撮ったつまらない旅の動画でも、音楽をつけるだけで全く別物に変わる。

松本 企業が使用する場合は商用利用可能な楽曲のライブラリがあるので、そこから選択することができます。もちろんその場で撮影しなくても、カメラロールからアップすることも可能です。他にもライブ配信ができたり、スライドショーも簡単に作れたり、スマホ一台でさまざまなことができると思います。

TikTokでどのようなコンテンツを作っていくべきか?

松本 コンテンツを作るにあたっては、次の四つの柱を押さえておくといいのではないかと思います。一つ目が「乗っかる」、これはいわゆるトレンドですね。二つ目が「繋がる」、これは先ほど話した「ファン」や「コミュニティ」に繋げていくことです。そして、三つ目が「活用する」、四つ目が「教える」です。

松本 最近伸びてる「♯tiktok教室」というハッシュタグがあるんですけど、学べるコンテンツが増えています。企業の方にとっては、この「活用する」「教える」はトライしやすいんじゃないでしょうか。「実はこの商品はこういう背景で生まれた」というのを音楽を乗せて動画にすると感動的になったり、また新しい発見に繋がったりすると思います。
そしてその動画をそのまま広告に使えるのもTikTokの魅力かなと思っています。弊社ではspark adsと呼んでいるんですが、自分たちの作ったコンテンツを「おすすめ」フィードに掲載する広告で、このあたりがトライしやすいのではないかと思っています。

徳力 動画って見てもらわないと広がらないし、広がらないと見てもらえないというジレンマがありますよね。最初は広告を使ってブーストさせるのは、すごくいいんじゃないかと思います。

まずはTikTokを楽しんでみる

松本 まずはTikTokを見てほしいと思います。多様化するコンテンツの中で、どういったものが見られているのか、どういうものが作れるのかを分析して、ヒントを得ていくのがいいんじゃないでしょうか。

徳力 最近は日経トレンディで「TikTok売れ」という言葉がフォーカスされていましたけど、その時に売れた商品が本だったんですよね。TikTokで本を売る、というのもびっくりしたんですけど、もっと驚いたのが、その動画は本の表紙しか素材を使っていなかったんです。もちろんキャッチコピーや音楽も絶妙だったんですが、決して難しい動画編集をしていたわけじゃない。工夫次第で受け入れてくれる層がTikTokにいるってことなんだと思ったんです。

松本 実際バズっている動画も、そこらへんで撮っただけのものや、何か月もかけたものもある。作りこみの度合いはいろいろですね。気合を入れてやるというより、まずは楽しんでほしいです。「とりあえずやってみる」というのが、実は近道なんじゃないかと思っています。

登壇者プロフィール

松本 幸貴さん
TikTok for Business Japan
Associate Creative Director

 

イベント制作会社にてキャリアをスタートし、2019年4月よりTikTok for Business Japan へ参画。 化粧品業界を中心に幅広い業種のTikTokを活用した広告キャンペーンに携わり、様々なマーケティング事例を創出。

text by 大熊信

 

「note」掲載のオリジナル版はこちら 企業はTikTokをどう活用するべきか? 繋がる力が生み出す新しいトレンド

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SNS / キャリア / キャンペーン / ダウンロード / バイラル / ヒット / フィード / レコメンド
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