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B2Bのリード獲得をSEOで伸ばすには? 成果174%増の事例を4ステップで解説(前編)

コンテンツの最適化により、リード数が174%増加した英国の法律事務所を例にとりあげる。実施した4つのステップを知っていこう。
この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

オンラインマーケティング戦略において不可欠なのは、コンテンツの最適化だ

コンテンツがなければ、君が何者で何を提供してくれるのか、ターゲットオーディエンスはどうやって知ることができるだろう。またコンテンツを最適化しなければ、そもそも君の存在をどうやって気づいてもらえるだろうか。

今回はコンテンツの最適化により、リード数が174%増加した英国の法律事務所を例に、私たちが実施してきた4つのステップを紹介していく:

適切なタイミングでコンテンツの最適化に集中して取り組むことで、良い結果が得られた。君にもできるはずだ。

SEOの目的: リードを増やして売り上げを生み出すこと

SEOに関するどのような取り組みでも、結局のところ目的は変わらない。それは、次のことだ:

  • SEOの目的 リードを増やして売り上げを生み出すこと

私たちTao Digital Marketingは、B2B検索マーケティングの専門家集団で、英国を拠点としている。クライアントである法律事務所AFG Lawとの仕事において、私たちの役割は「適切なオーディエンスのために適切なコンテンツを作成すること」だった。そして、次の成果をあげた:

  • リード数が306件から840件に増加(174%増)
  • インプレッション数が144万件から357万件に増加(148%増)
  • クリック数が1万7500件から5万5500件に増加(217%増)
  • トップページにおけるクリック数が8549件から3万419件に増加(255%増)

この成果を挙げた全体の戦略や、具体的な4つの戦術について、この記事で解説していく。

私たちの戦略

まず、私たちは「リーチ」から「エンゲージメント」に至るまでのセールスファネル全体のカスタマージャーニーを改善したいと考えていた。

ファネルの上から
「リーチ(Reach)」
「行動(Act)」
「コンバージョン(Convert)」
「エンゲージメント(Engage)」​​​

しかしクライアントであるAFGと初めて話したところ、B2Bマーケティング的な観点での動きが足りていないことがわかった。というのも、リード(見込み客)を追跡するのに、彼らは「『AFGをどこで知ったか』を顧客に口頭で尋ね、それをCRM(顧客関係管理)システムに入力する」だけしかしていないことが判明したからだ。

この状態から理想のB2Bマーケティングに近づけていくには、まず次の2つを正確に把握する必要があると考えた:

  • 顧客がどこからアクセスしたのか
  • サイト内でどのような経路をたどったのか

2021年の目標や重要業績評価指標(KPI)は、次のようなものだった。

  • リード数を306件から650件へ、2倍以上にする
  • クリック数を1万7500件から4万件へ、2倍以上にする
  • サイトを技術的に最適化する
  • カスタマージャーニーを明確に示せるようにする

ターゲットオーディエンスは「事務弁護士のサービスや法的支援をすぐに必要としている人たち」だったため、次のことをしたいと考えた:

  • 検索しそうな質問への回答をブログに載せる
  • サービスページを表示させる

法律は理解しにくい複雑な分野でもあるため、選んだトピックを非常に細かく分類することが重要だった。私たちの戦略では、コンテンツの作成と併せて、コンテンツのパフォーマンスをサポートする技術的な変更に重点を置いた

私たちは、次の4つのステップで施策を進めた:

  • コンテンツデータの相互分析
  • コンテンツの作成
  • コンテンツの分析と見直し
  • テクニカルSEOの実施

それぞれ詳しく紹介していこう。

私たちが実施した4つのステップ

ステップ1 コンテンツデータの相互分析

最初のステップとして、次の3つの分析を実施した:

  • コンテンツの監査
  • コンテンツギャップ分析
  • 競合の監査

分析1 コンテンツの監査

これにはScreaming Frog SEO SpiderのGoogle Search Console連携を利用した。サイトで公開済みのコンテンツを確認して、削除またはnoindexを指定してもよさそうな内容の薄いコンテンツや関連性の低いコンテンツを特定できる。そのうえで、次の項目も確認できる:

  • 完全なURL
  • 単語数
  • クリック数
  • 全体のクリック率

次に、クライアントから見た有用性に応じて、当社の技術チームがトピックを整理する。たとえば、次のようなキーワードやデータからヒントを得た:

  • SEOで狙うキーワードや検索ボリューム
  • クライアントとの関連性
  • 季節によって変動するデータやその要因となる情報
  • ロングテールまたはショートテールのキーワード

これらは、アイディエーション(アイデア出し)のプロセスを速めてくれる。

「URL」や「クリック数」などを一覧にまとめたスプレッドシートを作成

分析2 コンテンツギャップ分析

これにはMoz ProのTrue Competitorなどのツールを利用できる。また、競合のサイトを手作業で検索し、自社でカバーしていないトピック分野を探す方法もある。

そうした分析によって、コンテンツを作成するべき新たな分野が見つかる。

分析3 競合の監査

上に挙げた2つの監査を実施した場合でも、アイディエーションに役立つ小さな宝石であるデータを見逃してしまうことがある。

私たちは、さらに競合の監査も行い、コンテンツのアイデアを補足した。

具体的には、コンテンツ監査とギャップ分析を入念に行った結果をもとに、コンテンツライターが、AFGに強力なコンテンツが欠けているトピックがないかどうかを確認した。そして、AFGで扱っていないトピックを競合各社が話題にしているかをチェックしたのだ(話題にしていない場合でも、クライアントやトピックによってはその方が望ましいこともある)。

技術的な観点から検索結果にうまく表示されていなかった可能性のあるコンテンツは、当社のテクニカルSEO専門家が引き取ったが、これについては戦略のステップ4(後編)で詳しく説明する。

ステップ2 コンテンツの作成

そこから、コンテンツライターは次の2つをまとめた:

  • 新しいブログ記事やページなどのコンテンツに関するアイデア
  • 既存のコンテンツを最適化するためのアイデア
    (たとえば、私たちが重点を置くべきとしたキーワードについて、AFGが十分に言及していない場合など)

その後、通常のチェックを実施した:

  • キーワードの難易度と検索ボリュームを調べて、優先すべきキーワードやトピックを把握した後、他にどこが上位に表示されているかを調べて、それらの記事を参考にした。

  • Google Search Consoleで、既存のページが特定のキーワードで上位に表示されているかどうかを調べた。

  • 更新予定のページについては、そのページが当初どのようなキーワードに対して上位に表示されていたか、どの要素を維持して何を追加する必要があるかを確認した。また、どのようなクエリが上位に表示されるかも調べた。

チェック後は、スケルトンドキュメント(概要)を作成。次の項目など詳細を記載した:

  • URL
  • meta description
  • キーワード
  • FAQ(よくある質問)など

これらの情報は、「Moz」「SERP」「Google Search Console」「AnswerThePublic」などで確認できる。

記事の「タイトル」「meta description」など概要を記載したスケルトンドキュメントを作成

ステップ1・2を実施した結果

2020年11月には、調査を通じて見つかった多岐にわたる質問への回答集「Guide to Common Assault, ABH and GBH」(暴行事件、傷害事件、凶悪傷害事件に関するガイド)をアップロードした。このコンテンツは人気が急上昇してクリック数が2万8000件に達し、1か月あたりの平均クリック数は2200件となった。

「Guide to Common Assault, ABH and GBH」(暴行事件、傷害事件、凶悪傷害事件に関するガイド)のクリック数など

このコンテンツは、次の成果もあげた:

  • 691件の検索キーワードで検索結果に表示
  • 「common assault charge uk」(暴行罪 英国)で1番目に表示される
  • ページにFAQスキーマを追加したため、このキーワードで強調スニペットも表示されるようになった
  • 「common assault」(暴行)というキーワードでの検索訪問の過半数(56%)がこのページ
「common assault charge uk」(暴行罪 英国)で検索1位に表示される

このコンテンツの成功は、多くの質問(正確には24件の質問)に答えたことに帰する部分が大きい

前述したように法律は複雑なテーマだ。そのため、「潜在的顧客がAFGのサイトで答えを得た後、サイト中に配置されたCTAをたどってさらなる支援を得られるようにすること」が不可欠だ。

記事を締めくくるだけでなく、読者にAFGのサービスを利用してみるよう促すためにも、明確で自然なCTAが大変重要だった。

具体的には、記事では「Where to get help for an assault change(暴行罪に関する支援を得るには)」といった見出しで、問い合わせを促すCTAを配置している。要は、よくある質問と関連付ける形でCTAを配置したのだ。

よくある質問文を見出しにおいて目線を引き、それに続く文章のなかにCTAとなるリンクを配置している:

暴行罪に関する支援を得るには

AFG LAWは経験豊富な刑事事件の専門家チームを擁しており、暴行罪で訴えられている人を支援できます。複雑な罪状の意味を理解できるよう支援し、証拠を検証し、助言できます。刑事専門の事務弁護士があなたの訴訟をサポートし、一貫して専門的な法的助言を行い、代理人を務めます。暴行罪についてさらに詳しい情報が必要な方は、暴行罪に関する私たちのサービスについて説明しているサービスページをご覧いただくか、今すぐお問い合わせください。AFG LAWの刑事事件の専門家がどのように支援できるかご説明します。

問い合わせのプロセスをできるだけスムーズにするために、次の場所にも問い合わせフォームを追加した:

  • よく見られているコンテンツ
  • 新しく追加したコンテンツ

次のThriveのグラフでわかるように、8か月前にこのプロセスを導入して以降、これは大きな成功を収めている。

リード獲得を表したグラフ

注:2021年10月、AFGは刑事部門における新規依頼への対応終了に伴い、暴行罪に関するガイドを含め、刑法に関するすべてのページを削除してリダイレクトすることを決定した。

大成功を収めたもう1つのトピックが「遺言の検認」だ。私たちは、次の2つの検索が多いことに気づいた:

  • 「probate meaning uk」(検認 意味 英国)
  • 「what does probate mean uk」(検認とは何か 英国)

これは、このトピックに関する英国のリソースが不足していることを示唆しているように思われた。 そこで、英国の検認法に関する詳細なガイドを作成。この法律は非常に複雑な分野なので、ガイドを作成することで、詳しい説明やユーザーが探していた答えを提供する機会が得られた。

このガイドは、AFGで(暴行罪に関するガイドに続いて)2番目に閲覧数の多いページとなり、次の成果もあげた:

  • 「probate meaning uk」などの関連するキーワードで1位に表示
  • 278件の検索キーワードで検索結果に表示
  • 月間のクリック数は約800件
  • 「probate meaning uk」というキーワードでの検索訪問の51%がこのページ
「英国の検認法に関する詳細なガイド」のクリック数など

この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。

後編となる次回は、筆者の会社が実施したコンテンツ最適化の残る2つ、

  • コンテンツの分析と見直し
  • テクニカルSEOの実施

のステップを紹介したうえで、

  • 掲げた目標に対してどれだけの成果を上げられたか

を見ていく。

→後編を読む

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