【レポート】Web担当者Forumミーティング 2018 Spring

検索流入を295%に増やした元・紙メディア編集者が語るWebコンテンツ制作のポイントとライター管理

紙とWebの編集ノウハウで成果を出したコンテンツマーケティング事例
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オウンドメディアにおけるWebコンテンツ制作、中でも外部ライター・編集者など制作スタッフのマネジメントは、メディアの専門家ではないWeb担当者にとって悩みの種だ。そのノウハウを紙メディア出身の現役Web編集者が語る。

近年のWebの発達は、マスコミ・出版業界のみならず、あらゆる企業に「メディア運営」の道を開いた。B2Bメーカーが自社製品PRを兼ねた「オウンドメディア」を展開するといった例は決して珍しくない。

しかし、多くの企業が取り組むオウンドメディア運営にも課題は山積み。特にコンテンツを制作するライター・編集者をどうマネジメントしていくかは、メディア運営が専門ではないWeb担当者にとって悩みの種だ。

「Web担当者Forumミーティング 2018 春」では、紙メディア・Webメディア双方に精通する編集者である日宣の武蔵(むさし)氏が登壇。Faber Company(ファベルカンパニー)の月岡氏が聞き手となり、「検索流入を295%にした『Web Pacoma』のノウハウとは? 紙メディア出身編集者の編集&ライター採用テク教えます」と題し、自身の経験を元に、Webにおけるコンテンツ制作の実態を解説した。

武蔵英介氏月岡克博氏
日宣 メディアプロデュース部 Web Pacoma編集長 武蔵英介氏(左)と
Faber Company エグゼクティブ・マーケティング・ディレクター 月岡克博氏(右)

PV激増中! 武蔵英介氏が編集長を務めるライフスタイル系メディア「Web Pacoma」

武蔵氏は、出版社の主婦と生活社で女性向けインテリア雑誌の編集、つまり“紙”のメディアに7年間携わった経験を持つ。その後、Webメディアへの興味が募って転職。2017年4月から日宣で「Web Pacoma(パコマ)」の記事広告とSEOに携わることとなった。そして今年3月からは同誌の編集長に就任した。

Pacomaは元々、ホームセンターなどで配布されるフリーペーパーマガジンとして誕生した。20年以上の歴史があり、現在も発行部数月間30万部を誇る。掲載テーマはDIY・家事・収納・ガーデニングなど。2016年からはWeb展開を本格化させた。武蔵氏はこのWeb Pacomaの編集長を務める。

Web Pacomaの専任スタッフは日宣社内で武蔵氏ただ1人。編集・ライター・カメラマンはすべて外部スタッフだ。紙媒体出身の編集・ライターも少なくないという。

運営体制。武蔵氏以外はすべて外部スタッフ

講演タイトルにもなっている「検索流入295%」は、武蔵氏がWeb Pacoma編集に関わり始めた2017年4月の月間PVを起点に、同年12月の実績値を比較したもの。8カ月で検索エンジンから得るPVが約3倍になった計算になる。さらに検索流入は伸び続け、直近の3月末時点だと655%。継続して取り組んできた成果だ。

2017年6月から月5本ほどの記事を公開したが、7月頃からライターと協力して徐々に記事を増やし、最も多かった月は25~30本ほどアップしていました(武蔵氏)

検索流入が大幅に伸びた

コンテンツ作り3つのポイント

これだけのPV増加の背景には、果たしてどんな工夫があるのだろうか? 月岡氏は武蔵氏からのヒアリングを通じ、コンテンツ作りには以下の3つのポイントがあると説明する。

<コンテンツ制作&編集のポイント>
  1. “情報収集”をケチらない
  2. いきなり“お手本”を見ない
  3. 検索意図を把握した“ラフコンテ”

ポイント①“情報収集”をケチらない

Webのコンテンツを作るための情報収集をWebだけで済ませるのは得策ではない。武蔵氏はコンテンツのテーマを考えるのに最初から競合Webメディアの記事は見ないという。

Web Pacomaはライフスタイル系のメディアなので、スーパーや薬局に足を運んで、たとえば「どんな掃除用の洗剤が流行っているのか」を観察したり、家族や友人に「掃除や収納で困ってることはない?」と2~3分のヒアリングをしたりしたほうが、競合Webメディアとのネタのかぶりは減ると思う(武蔵氏)

月岡氏は、Webへの集客に悩むクライアントから「キーワードが見つからない」「何を書いていいかわからない」などの声をよく聞くという。その解消には、武蔵氏のようにネタを“足で稼ぐ”べきだと月岡氏も同調した。

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ネタはWeb以外でも沢山見つかる

実際、検索エンジンで「服 たたみ方」と検索したときに最上位に表示されるWeb Pacomaの記事は、武蔵氏が奥様にヒアリングし、「クローゼットの収納で困っている」「服の綺麗なたたみ方を知りたい」といった声を聞いたことから執筆に至った。

ポイント②いきなり“お手本”を見ない

武蔵氏が雑誌編集者時代、先輩から「いきなり書店へ行くな」とアドバイスされた。この真意は、競合誌が作った完成本を書店で見てしまうと、ネタ作りがそれに“引っぱられて”しまうということ。独自性が失われてしまう恐れがあるという指摘だ。

Web Pacomaが主に扱うテーマでは、すでに先行するネタに後出しジャンケンで勝つのは難しい。「パンツのたたみ方」というテーマなら、そこから連想ゲームのように「パンツといっても女性用なのか?男性用か?」「男性用ならば、トランクス、ボクサーなど種類別にたたみ方を知りたいのでは?」と考えていく。

とはいえ、最終的には、競合を意識したネタの微調整などは行う。この際にはQ&Aサイトの情報なども役立つとした。

ポイント③検索意図を把握した“ラフコンテ”

このように考え出したテーマを、武蔵氏はFaber CompanyのSEOプラットフォーム「MIERUCA(ミエルカ)」を使って検索ユーザーのニーズを分析し、網羅すべき重要テーマやトピック、関連しそうなキーワードを洗い出す。そこから得られたユーザーニーズを記事のおおまかな章立てなどに反映させて「ラフコンテ」を作り、それを元にライターへ執筆を依頼する。

こうすることで、検索ユーザーのニーズを満たした記事を効率的に生み出せる。このラフコンテの段階で、タイトルやコンテンツ全体の流れ、H2タグ内に盛り込むべきテーマやトピックは決めておくという。

「いいライターに出会えない」という方のお話をよくよく聞いていくと、ライターさんへの発注の仕方がかなり曖昧。それでは、こちらの意図が伝わらないし、よって良い原稿は上がってこない(月岡氏)

ライターへ執筆を依頼する段階で「ラフコンテ」をしっかり作り込む

SEOツールとの付き合い方

武蔵氏と月岡氏は、検索の意図を理解する事もまた重要だと口を揃える。たとえば検索キーワードが「クローゼット 収納」「クローゼット 収納術」とわずかに違うだけでも、ユーザーの検索意図は異なる。

MIERUCAでの分析によれば、前者のキーワードでは、ユーザーが「収納に必要なグッズを知りたい」という意図が強く出ている。対して後者のキーワードの意図は「収納に関する考え方を知りたい」ということであり、服の捨て方に関するテーマなども求められている可能性がある。

また、一般論として、検索でeコマースサイトが上位表示されるようなキーワードは、「買いたい」意図が強い。コンテンツページを作成する際に、どのようなテーマ・キーワードを対象にすべきか考えるときは、MIERUCAを活用して、eコマースサイトが上位表示していない(=コンテンツが求められている)キーワードを探すのも1つの技だと月岡氏は述べた。

ただし、SEOだけをことさら意識したコンテンツは本末転倒だ。まずは「伝えたいこと」を明確にし、その上でMIERUCAのようなツールを使うべきだという。

MIERUCAの分析機能は、考えたネタの最終チューニングで使うぐらいのほうがいい。
例えば、いま自分に知識のない法律系メディアを立ち上げ、いきなりMIERUCAを使って記事を作ったら、キーワードを羅列した意味不明な記事ができあがると思います。新しいメディアをつくるなら、そのジャンルの周辺知識をインプットし、キーワードの持つ意味を理解してからMIERUCAを使う、という手順じゃないといけません(武蔵氏)

MIERUCAで記事作りにSEO視点を盛り込める

ライターをどう探す?

講演後半の大きなテーマがライターのマネジメントだ。Web Pacomaのみならず社内スタッフが少ないWebサイト・Webメディアの場合、掲載テーマに適した外部ライターを見つけるのは大きな課題である。武蔵氏の場合は人脈をたどってライターをみつけることが多いそうだが、一時期メディア上でライターの募集もかけていた。セミナーでは、その採用フローにも注目が集まった。

オウンドメディアも一般メディアも、ライター採用でまず重要なのは「メディアコンセプト」。「何を書くメディアなのか」がハッキリすれば、募集をかけたときに人は集まりやすい。採用媒体などを使うことなく、自社サイトだけでライター候補が集まる可能性も高くなる。

また、そのライターの過去執筆記事を読んでライティングスキルを判断すべきではないという。一般的にライターが書いた文章は、編集者が校正する中で磨き上げられる。つまりライターではなく、編集者が優秀なため良記事に仕上がることもあるので、過去の執筆記事から判断するのは危険だ。このため武蔵氏は、採用過程でテストライティングを依頼し、原稿の出来はもちろん、お題に対するネタの選び方、構成の組み立てスキル、メールのやりとりの適切さなども考慮し、採用を判定する。

武蔵氏が挙げたテストライティングのお題例

ライターとの付き合い方

フリーランスのライターは、メディアからみてあくまで外部の関係者。メディア内部の事情に精通していない。よって、コミュニケーション手法にも意識を向けなければならない。

武蔵氏は普段から、原稿に対する赤字修正や赤字に対する解説を極度に入れすぎないようにしているという。あまりに赤字に対する解説が多いと、編集側の意図が見えづらくなるからだ。また、優秀なライターには執筆だけでなく、構成案の作成方法までレクチャーし、企画の組み立てから作業をお願いすることもあるそう。ライターがステップアップし、仕事の範囲が広がれば、武蔵氏の作業工数も減ることにつながる。

この背景には「編集者とライターは、発注側と受注側というビジネスライクな関係ではなく、あくまでパートナー」という考えがあるようだ。

最後に、武蔵氏は「メディア運営で一番重要なのは“アンテナ”をはること。たとえば、PCの前でいくら集中しても欲しい企画のネタや人材は見つからない。普段からネタを追い、人を探し続けなければ」とアドバイス。また月岡氏は、MIERUCAはツールとしてだけではなく、メディア運営・コンテンツ作成のための各種サポートを提供し、伴走していく事をアピールし、講演を締めくくった。

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