結婚・出産に負けない!?加藤流デジタルマーケッターのキャリアプランとは?
この連載では、キリンのデジタルマーケティング部の仕事内容や、各ブランドの施策についてご紹介してきました。今回は、そもそもどうして私がデジタルマーケティングという仕事をするようになったのか、私自身のこれまでのキャリアについてご紹介しながら、デジタルマーケッターのキャリアプランについて考えてみたいと思います。
デジタルマーケッターはどういうスキルを積んでいくべきか?
デジタルマーケッターが専門職としてキャリアアップしていくには、どのようなスキルが必要なのか……。
じつは私も教えてほしいぐらいですが、個人的には、
- オンライン/オフラインを効果的に組み合わせながら、お客様に適した文脈・消費者行動の中で、施策を提案できるようになること
- コミュニケーションプランニングができるようになること
だと考えています。デジタルの専門知識はもちろんですが、まずはマーケティングのスキルを身につけることが重要だと思います(私自身もまだまだ勉強していかなければ……!)。
スタートからデジタルマーケッターでなくても大丈夫
そもそも、どうすればデジタルマーケッターになれるのか。デジタルマーケッターの求人というのは、まだまだ一般的ではありませんし、会社にデジタルマーケティング部という部署や職種がないことも多いかと思います。
私自身、最初からデジタルマーケッターだったわけではありません。就職活動時は、自分が惚れ込んだ製品を生産から販売まで責任を持つことができるメーカーを志望していて、新卒で食品メーカーに入社しました。念願がかなって、希望の会社に入社できましたが、日本のメーカーに多い総合職採用で、どの職種にも就く可能性があり、全国転勤ありという条件でした。
入社して4年間は情報システム部にてシステム開発に従事しました。ド文系だった私ですが、ここでWeb関係の知識がついたおかげで、その後5年間、Web担当者の道を歩むことになりました。
2015年にキリン株式会社へ、デジタルマーケッターとして転職しました。なぜ転職したのか、よく聞かれますが理由は、デジタルマーケティング業務を続けたかったから、というシンプルなものです。日本企業では多くあることですが、同一企業内で定期的に職場の異動・業務内容の変更を行う「ジョブローテーション」があるためずっとデジタルマーケティングの業務に就くことは難しいのが現状です。私は、違う商材を扱うことによる新たな顧客視点から、継続的にデジタルマーケティングを続けたかったので転職、という道を選びました。
このジョブローテーションについては、「Webのコト、教えてホシイの!」で取材していただいていますので、くわしくはそちらをお読みください。
デジタルマーケティングは、マーケティング活動の中で、専門性が必要な領域をカバーする存在として必要とされています。そのため、デジタル領域に関する専門知識を持っていることは必要な能力で、専門職の色がかなり強いです。それにもかかわらず、3~4年ほどでまったく別の職種に就くというのは、終身雇用の時代ではないので、今の時代とはそぐわない場合もあると思っています。スペシャリスト志向の人材が育つ環境があってもよいのではないでしょうか。
また、メーカーからメーカーへの転職したのは、とにかく幅広い製品やサービスのマーケティングが行いたい、というよりも、自分が惚れ込んだ製品のマーケティング活動全般に関わりたかったからです。市場調査からプロモーションまで関わることができ、また事業の全体像や経営までを俯瞰して考えることができるのは、ユーザーサイドでマーケティングに携わっているからこそ、だと考えたのです。
結婚・出産とキャリアアップをどう両立させるか?
そして、働く女性にとってどうしても考える必要があるのが結婚・出産のタイミング。キャリアが中断することになるので多くの女性が悩むのではないでしょうか。
私自身は正直、20代にはまったく結婚・出産については考えたことがありませんでした。仕事を1年以上休むほど結婚・出産に興味がなかったというのもありますが、1年以上仕事を休むことが「怖い」という気持ちも少なからずありました。移り変わりが早い業界です。休んだらついていけなくなり、自分なんか必要ない存在になってしまう……という怖さがありました。
しかし、30代になって転職もし、任せてもらえる仕事も増え、キャリアを積んできた中で、自信もつき、休むことへの怖さが以前ほどなくなり、そこまで浦島太郎状態にならず仕事に戻れる気もしています。
あくまでも個人的な経験からの意見ではありますが、20代で結婚・出産のブランクを空けることに怖さを感じている女性は、
- 自信がつくまでしっかり仕事をする
- 自分の専門性を高められる次のキャリアプランを検討してみる
ということは、選択肢として考えてみるのも良いかと思います。もちろん一方で、キャリアや環境によっては、20代で産休・育休を取り年齢が若いうちに復職する、という方がよい場合もあると思います。
キリンでは女性活躍を推進しているため、出産・育児などのライフイベントを考慮し、女性社員のキャリア形成をこれまでよりも前倒しで実現するためのキャリア支援を行ったり、男女ともに育児や介護に参画したりできる柔軟な働き方の実現に向けた取り組みも実施しています。そういう環境を求めて会社に働きかけたり転職したりするということも選択肢の1つです。
そんなわけで私事ですが、4月より産休・育休をいただくことになりました! こちらの連載も今回で一度休載となります。短い間でしたがお読みいただきありがとうございました!!
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