キリン加藤美侑のデジタルマーケティングなう

公式アカウントは無理してバズらなくてもいい⁉ キリンビール公式SNS「中の人」になって考えた

キリンビール公式SNSアカウントの裏側をお見せしつつ企業アカウントの目的と運営について考えてみました。
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キリン株式会社デジタルマーケティング部 加藤美侑

2018年10月、私はキリンビール公式TwitterをはじめとしたSNSを担当することになりました。

SNS担当、いわゆる「中の人」というと、シャープさんやタニタさん、キングジムさんなどが有名ですが、誰もがまねしようと思ってできるわけではありません。超有名アカウントを引き合いに出されて、

「早くフォロワーを増やして」
「バズってよ」

と言われて、困っている企業SNS担当者の方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。実をいうと、私も、Twitterの運営は少し苦手でした。

独特のハイコンテクスト、ローカルルールで展開される世界の中で、お客様にどのように情報を伝えるか。「共感」や「ストーリー」はどのようにすれば生み出せるのか。今回は、私なりの工夫や、キリンがどうやって運営しているのかを、

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> キリンビールSNS運営の裏側 <

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としてご紹介したいと思います(Twitterっぽく言ってみました)。

キリンの公式アカウントは全部で46

キリンにおける公式アカウントは全部で46アカウント(2019年2月時点)。そのうち、デジタルマーケティング部専任で運用しているのはFacebook、Twitter、Instagram、Youtube、LINEを合わせて、以下の9アカウントです(私が外部の協力会社と一緒に担当しているものにはマーカーで黄色に塗っています)。

キリンビール公式アカウント
キリンビバレッジ公式アカウント
キリン公式アカウント
  • LINE

この9つの「企業公式アカウント」の他に「商品ブランド公式アカウント」というものもあります。こちらは、各事業会社で個別に展開しているもので、お互いの投稿をシェア、リツイートし合うなどして、連携しています。

ソーシャルメディアごとに役割が異なる

溢れるほどの情報が量産され、マス広告が効きにくくなった今、SNSなら何でもできると思っている人もいると思います。アカウント開設するだけで何万人にも届くと思っている人、Twitterで売り込みのような投稿ばかりしたいという人、……。

気持ちはわかりますが、SNSは「魔法の杖」ではありません。そもそも、SNSとひとくくりにすること自体が難しいと思います。

SNSはそれぞれに特徴が、もっと言うなら「文脈」「雰囲気」「世界観」が異なります。それぞれのSNSにいるユーザーは、同一ではなく、それぞれに異なったトレンドや嗜好性を持っており、それを踏まえた運用が大切です。キリンでは、各メディアの役割を以下のように使い分けています。

【Facebook】
  • 情報を的確かつ、丁寧に伝える
【Twitter】
  • 「今」の情報をライトに伝え、会話する
【Instagram】
  • ヴィジュアルでトレンドやシズルを伝える
【LINE】
  • 個人(顧客)に対し、一方的に情報を伝える

そのためには、SNSで発信する「目的」を明確に設定することが重要になります。

バズることは目的ではない

おもしろいツイート、バズるツイートってどうやって作るの? という質問をいただくこともあります。ですが、今一度考えてみてください。そもそも、バズるツイートはみなさんの企業アカウントに必要でしょうか? お客様のためになりますか? 原点はそこだと思います。

まずはSNSの目的を設定して、それに沿った投稿内容を考える、という運用をすべきですよね。

キリンの場合、SNSの運用の最終目的は、若い人たちがキリンという会社のことを好きになってほしいということです。一日の疲れをおいしいビールで癒してほしいし、ちょっとブレイクしたいとき、お茶や紅茶で一息入れてほしい。そのときに、お客様の頭の中に最初に思い浮かぶ存在でありたいし、そうなるために、日々SNSでコミュニケーションしています。

今までにキリンの公式Twitterでもバズったツイートはありました。しかし、バズるツイートを狙って作るのは、はっきり言って無理ですし、そればっかりを考えてネタ出ししていると疲弊します。

そもそも、キリンが扱う商品は、日常に寄り添うものばかりです。毎日きちんとお客様に知っていただきたい情報を丁寧に発信し続けて、その積み重ねでエンゲージメントを取れるアカウントになることを目指すべきだと考えます。人間だって、毎日顔を合わせる人には、なんとなく好感を持つでしょう。そういった存在になれるようイメージして、日々発信しています。

ユーザーを飽きさせない工夫いろいろ

ただ、毎日情報を発信し続ける、というのは大変ですよね。毎日商品案内ばっかりでは、お客様も飽きてしまいますし。なので、困ったときは世の中ゴトである、”モーメント”に乗る投稿をしています。

たとえば、以下のようなツイートです。ポイントは、ユーザーの意見を引き出したり、共感を生み出したりするような投稿にしていること。

成人の日
鏡開き
年末

成人の日は誰もが経験するイベントですし、お正月が明けてお餅が余ってるけどもう飽きた~、という気持ちも誰しもが思ったことがあるはず。こういった、多くの人がわかる~! と感じたり、自分はこうだ! と意見を言ったりしたくなるような話題を投稿し、フォロワーさんとコミュニケーションするようにしています。

わざわざ公式アカウントの投稿にコメントするのはハードルが高いと感じるお客様でも、アンケートやクイズなら気軽に参加できると思うので、コミュニケーションできる手段として効果的です。そういった「会話したくなる仕掛け」の繰り返しがフォロワーさんとのエンゲージメントを強め、ひいてはキリン全体のLTV(顧客生涯価値)に寄与できると考えています。

また、その日・そのタイミングで話題になっているハッシュタグを活用した投稿(デイリーモーメントを捉えた投稿)も行っています。その日、そのとき、リアルタイムでトレンドになっているハッシュタグを使って投稿するので、企業アカウントはなかなか難しいのですが、フォロワー以外のお客様にも、キリンのアカウントを知っていただく機会になるので、可能な限り実施しています。

話題のドラマに乗っかったり(#けもなれ、#獣になれない私たち)
リアルタイムのトレンドに乗っかったり(#あなたを褒めるあいうえお)

ただ、あくまでも企業の公式アカウントなので、皆さんが盛り上がっている場に乱入して、場違いな投稿にならないようには、注意しています。

最後に、私が考える「中の人 心得」

著名な「中の人」がたくさんいる中で新参者の私が言うのも恐縮ですが、私自身が気を付けていることが2つあります。

SNSごとの楽しさと雰囲気、ローカルルールを理解する

私は、担当になる前、Twitterが少し苦手でした。ローカルルールが多かったり、独特の言い回しがあったり。

特にTwitterでは、アニメや漫画ネタは重要要素なのですが、アニメやマンガの知識は詳しいほうではないので、Twitterに長けているまわりの方に協力してもらいつつ、積極的に情報収集しています。

逆に、私は、Instagramは普段から活用していて見るのが大好きなので、『好きは伸ばす!』 ということでキリンビールでも積極的に投稿していきたいと目論んでいます。

ストーリーズの活用やお客様の投稿を活用した投稿など、トライしたいことはたくさん!

ぜひキリンビールのInstagramも見てみてくださいね♪↓

世の中にはいろいろな立場や考えを持つ人がいることを常にイメージする

コントロールできないのがSNS。

時には思わぬ反応があったり、戸惑うこともあるかも知れません。

価値感や嗜好が多様化している世の中だ、ということを常に意識したコミュニケーションを心がけるようにしています。

SNSは1人ひとりのお客様(ファン)とのコミュニケーションツールです。「画面の向こう側にいる人」を想像し、一緒に楽しみましょう!

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