99%のサイトに関係するSEOのアプローチまとめ(サイト規模別) などSEO記事まとめ10+4本
SEOで本当にしなければいけない、小手先テクニック以外のこととは何だろうか。サイトの規模別に考えるべきSEOのアプローチを、辻氏がわかりやすく整理してくれた。
ほかにも、グーグルのInstant Apps、Webサイトの表示高速化、ソーシャルメディアの検索順位への影響(グーグル公式)、HTTPS化やドメイン名変更、AMPとHTTPSの関係などなど、SEOの情報をまとめてお届けする。
99%のサイトに関係するSEOのアプローチまとめ(サイト規模別)
大多数のサイトのSEOはコンテンツ的アプローチ中心で (辻正浩 on ツイッター)
これは、辻正浩氏がしばしば言っていることだ。
「テクニカルなSEO」が不要なのであれば、99%のサイトが考えるべきSEOとはどんなものだろうか。
それはサイトの規模によって異なるとして、「SEOのアプローチの種類とサイトによる必要な割合」をわかりやすく図式化したものを、辻氏がツイッターで共有してくれた。
「テクニカルなSEOは99%のサイトで不要」とか最近申してますが、こういう感じと思っているからです。
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2016年6月9日
※ページ数によるサイト規模の分類は私見。人により違うはずです。
※スパム系の技術的なSEOの視点はどんどん減っている所なので除外。 pic.twitter.com/cxZIpYWD5p
世の中の大多数のサイトは、マーケティング的な観点をもったうえで、コンテンツ中心でSEOに取り組んでいけば十分だということだろう。膨大な量の経験から辻氏は確信を持っているのだと推測する。
ここで言う「マーケティング的アプローチ」は、どのようなキーワードグループを売上につなげるためにどう取っていくかの策定などを指す。
また、「技術的アプローチ」にはcanonicalの設定などがあるが、巨大なサイトならばクローラビリティの確保も対象となるという。
「世の中の99%のサイトは、SEOなんて考えなくてもいい」と、辻氏はさらに極端な発言をすることさえある。この言葉が本当に何を意図しているのかは、先々週に紹介した辻氏のインタビュー記事を読むといい。
日本語で読めるSEO/SEM情報
はてな、グーグルのガイドラインに違反したサイトに厳しく対処
スパムに対処するのはグーグルだけではない (ニートが社長になれる情報)
グーグルの品質ガイドラインに違反しているサイトに対して、はてなのブログサービスが厳しい処置を強制的に実施しているという情報があった。
具体的には、はてなダイアリーで公開されている「価値のない質の低いコンテンツ」に対して、 noindex と nofollow のrobots metaタグをシステム側で挿入するようになっているのだ。念のために説明すると、noindex は検索結果から非表示にするmeta タグで、nofollow はそのページにあるリンクをGooglebotがたどらないようにする(ランキングの評価対象から除外する)ものだ。
対処されたそのサイトのページ自体は存続するし、リンクをたどるなどすればほかからも参照されるが、グーグルの検索結果からは完全に消滅する。
はてなやアメブロ、pixivなどの大手のホスティングサービス企業は、グーグルの協力のもと団結してスパム防止に取り組み始めている。ひょっとしたらその一環なのだろうか?
このコーナーが対象にしているウェブ担当者が、はてなダイアリーなどのホスティングサービスをビジネス用途で利用する機会は多くはないだろうし、そこでスパム行為をしていることはないだろう。しかし、スパムに厳しく対処するのはグーグルだけとは限らないということを、ぜひ知っておいてほしい。
グーグルの新しいスピードテストツールは厳密なものではない?
お手軽ツールとしては利用価値あり? (Webサイトパフォーマンスについて)
グーグルは、Mobile Website Speed Testing Tool(モバイル ウェブサイト スピード テスト ツール)というツールを公開した。指定したウェブページに対して、次の3つを検証できる。
- モバイルフレンドリーかどうか
- モバイルでのスピード
- PCでのスピード
詳細はSEO Japanのピックアップを参照していただくとして、「このツールのスピード判定には問題があるのではないか」「ツールが評価するのは高速化のいくつかの手法であって、本質ではない」と指摘しているのが、ここで取り上げる記事だ。
ツールのスピード判定が、実際の計測データと許容できないほど乖離しているというのだ。
元記事では、ヤフーやgoo、MSNなど日本における5つの大手ポータルサイトをサンプルにしてツールと実データを比較している。その結果、どのサイトもグーグルの評価は点数が高くはないが、実際に計測すると、決して遅くはないどころか、かなり優秀だった。
ツールの判定と計測データに乖離が発生する理由として、元記事の筆者は次の2つを疑っている。
- 計測はしているが、海外からの計測なので、日本のサーバーは正しく評価できない
- 実際には計測しておらず、高速化のためのベストプラクティスに準拠しているかどうかだけをチェックしているだけ
おそらく後者なのだと思うが、それはさておき、元記事の著者が訴えている次のような点には、非常に納得できる。
現在のWebサイトパフォーマンス高速化のためのベストプラクティスとは、様々な事象に対する解決策の集大成でしかありません
「こうすれば良いって聞いたから、こうしよう」では、高品質なソフトウェアやWebサイトを作り上げることはできません。
計測して、データを分析して、原因を突き止める。
面倒かもしれませんが、地道な調査が、確実な結果を齎します。
Mobile Website Speed Testing Toolはスピードを手軽にチェックできるツールとしては、利用価値がある。しかし本当に高速化に着手するには、それだけでは不十分なのかもしれない。
元記事の筆者が言う、次のことが現実を正しく表しているのだろう。
このGoogleの「Mobile Website Speed Testing Tool」は、「お手軽なマーケット教育用ツール」程度に捉えておいた方が良いと思います。
ダウンロードしなくてもアプリを使えるInstant Apps
ユーザー体験を改善する取り組みの1つ (Google Developers Japan)
Android Instant Apps(アンドロイド インスタント アップス)というアプリの新しい機能を、グーグルが発表した。
この機能は、アプリをインストールすることなしに、あなたのスマホでそのアプリを実行できるものだ。具体的には、モバイル端末で、
- メールやメッセージで送られたリンク
- モバイル検索結果に表示されたリンク
などがアプリに対応しているURLの場合、そのアプリがその端末にインストールされていなくても、そのままアプリを実行できるというものだ。
アプリの実行に必要なコンポーネントだけをネットワーク経由でダウンロードして実行する仕組みで、決済なども利用できる。利用が終わればそれでおしまいで、アプリのファイルやデータが端末に残ることもない。
必ずしも検索に限った仕組みではないが、ウェブサイトとともにアプリも提供しているサービスも増えているはずだ。「ダウンロード」というアプリ利用の障壁を取り払ってくれるInstant Appsは注目だ。詳しい内容は元記事を参照してほしい。
なお、Instant Appsは、App StreamingやApp Indexingとは無関係だ。Instant Appsを実装したからといって検索結果にアプリコンテンツが表示されることはない。Instant Appsの実装にApp Indexingが要求されるということもない(App Streamingは、App Indexing版のInstant Appsという位置づけだ)。
【続編】hreflang="x-default" の正しい使い方
x-defaultは常に必要なのか? (Kazushi Nagayama on ツイッター)
グーグルの長山氏が公式ヘルプフォーラムで説明した hreflang="x-default"
の正しい使い方を前回取り上げた。
その際、長山氏は次のように付け加えていた。
さらに厳密にいえば、x-default は「指定していないすべての言語及び地域に対して利用する頁」を指定する機能があります。
ツイッターは x-default
を設定しているが、設定していないグローバル向けサイトも多い。たとえば、トリップアドバイザーは設定していない。
グローバル向けサイトといっても、ありとあらゆる言語・地域に向けたページを公開しているとは限らない。むしろ、そうではないサイトが大多数のはずだ。そうしたサイトでは、ツイッターのように x-default
が本当なら必要なのだろうか? それともトリップアドバイザーのように設定しなくても問題ないのだろうか?
長山氏に直接確認したところ、次のような回答を得ることができた。
x-default を指定しない場合、指定されていない地域/言語に向けてどの URL を出すべきかは Google の側で判断します。その判断に問題が発生している場合などには指定する意味がある
基本的に、x-default
の設定は必要ではない。hreflang
で指定していない言語・地域のユーザーが検索した場合は、グーグルが適切だと判断したページを返す。グーグルの対処に問題がないのであれば、そのままでかまわない。
しかし望んでいないページが返されてしまっていたとしたら、適切なページがどれであるかのシグナルをサイト側から x-default
で送ることができるというわけだ。
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