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コンテンツマーケティングでロングテールを活用するキーワード調査法①ロングテールは拡大している

昨今リーチが拡大しているロングテールを活用するためのノウハウを解説
この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

コンテンツマーケティングで効果的に潜在顧客のニーズを拾うコンテンツを作るために、ヘッドタームに頼らず、昨今リーチが拡大しているロングテールを活用するためのノウハウを解説する。

代理店を運営していると、顧客のサイトが検索でどういった動きをするのか大量のデータを直接確認できたり、特にそうした動きが日や月ごとにどう変化するのかも確認できたり、多くの有利な点がある。

ニッチな分野ではそれぞれ状況が異なるうえ、筋金入りのSEO担当者やデータアナリストでさえイライラさせられる微妙な違いを見せることもあるが、調査を深めるに値するトレンドがはっきり現れることがしょっちゅうあるのも確かだ。

筆者が経営するZazzle Mediaチームはこの1年間、1つのトレンドを観察してきた。今回の記事では、このトレンドに光を当てることで、より幅広い議論が起きることを願っている。

そのトレンドとは何か。簡単に言うと、これは検索結果の表示方法における大きな変化と考えられるもので、その結果として、ロングテールのトラフィックが増加している。

2014年におけるトラフィックの増加

これは、過去1年を通じて多くの顧客がトラフィックの増加を経験しているという事実に裏付けられた結論だ。これらの顧客が大きく成長したのは、いずれの場合も、ヘッドターム(検索ボリュームの多い検索語)のおかげではなく、オーガニック検索からトラフィックを獲得するURLが増えたことによる。

Searchmetricsが公開した、ある金融ブランドのビジビリティを示す以下のグラフは、この現象の直接的な恩恵をうけて前年比でトラフィックが大きく増加した企業のほんの一例だ。この企業は、一部のヘッドタームからのトラフィックがいささか減少しているにもかかわらず、全体としては成長を続けている。

なぜこうした状況が起きているのかを理解するために、ここ2年でグーグルがどのように進化したのかを駆け足で見ていこう。

キーワードのマッチング

グーグルは、高性能なシステムを礎として帝国を築いた。当初の仕組みは、キーワードの出現回数に基づいて「ドキュメント」(ウェブページ)をスキャンし整理することで、両者をマッチングさせるシステムだった。

しかし「ビッグデータ」の世界になって、このアプローチでは単純すぎるようになってきた。

これに対する答えは、クエリの背後にあるユーザーの意図をより重視し、検索ユーザーが本当に探しているものを正確に把握することにあると思われる。

ハミングバード

この課題への解決策がハミングバードだ。このグーグルの新「エンジン」は、検索時に表示される検索結果をソートしてくれる。

グーグルの以前の検索アーキテクチャである「カフェイン」では、検索結果が頻繁に更新され、(パンダ・アップデートやペンギン・アップデートなどの)アルゴリズムの変更を迅速に全世界でリリースできるようになった。ハミングバードは、パーソナライズされた検索結果でも同じことができるように設計されている。

この過程はまだ始まったばかりだが、ここ1年のデータを見ると、深い階層のページにおけるトラフィック増加に繋がっているように思われる。

この動きはなぜ起きているのだろうか? それに答えるには、グーグルが実現しようとしているものを、さらに分析する必要がある。

暗黙的なものと明示的なもの

変化をうまく説明するため、「コーヒーショップ」のようなわかりやすいキーワードで検索に及ぼす影響を見ることにしよう。

2年ほど前なら、「コーヒーショップ」で検索すると、誰でも知っているチェーン店とその企業情報ページへのリンクが10件、青い文字で表示されたことだろう。

しかしユーザーにとって、これは便利ではない。それはグーグルもわかっている。グーグルは、トム・アンソニー氏が以前の記事で説明したように、クエリの裏にあるユーザーの意図、すなわち「暗黙的クエリ」を理解したいと考えている。

検索においてこれが意味するところは、「コーヒーショップ」という言葉を検索する場合、そこに「コンテキスト」(背景)があるということである。グーグルがユーザーにGoogleアカウントにログインさせたい理由の1つは、ユーザーからもっと多くのシグナルを収集して、クエリを詳しく理解できるようにしたいからだ。つまり、ユーザーの位置情報や、おそらくはブランドの好みといったような情報までも知りたいと思っている。

そうした情報を把握すれば、ユーザーの正確なニーズに合わせて検索をパーソナライズし、たとえばユーザーの好きな店がスターバックスであるとすれば、現在地に最も近いスターバックスの詳細を表示できる。

そうして、この流れが膨大な数の他の検索に広がれば、より深い階層のページ、さらには記事によって、より優れて厳選された選択肢をグーグルが把握できるようになる。

こうなれば、グーグルがユーザーの現在地や職業、ひいては可処分所得のタイプを把握している場合に、「ホテル」のような語の検索結果がどう変わっていくかわかってくる。

たとえば、検索ユーザーが次のような人物であるということをグーグルが把握しているとしよう。

会社のCEOで、泊まるのは高級ホテル、翌日に大きな会議を控えていてしっかり眠れる静かな部屋を必要としている

こうした情報を把握していれば、たとえば「best hotels in London」(ロンドンのおすすめホテル)と検索した場合、通常表示される結果ではなく、はるかにパーソナライズされ、しかもきわめて重要なことに、はるかに有益な結果が表示されることになる。

新たなロングテール曲線

その結果として、だれもがよく知っている従来のロングテール曲線の形に変化が起きているようだ。以下のグラフの線のように、形が変わりつつある。

ヘッドターム
ロングテール
新しい曲線
従来の曲線

これは注目すべき変化だ。僕たちの顧客の中には、検索からトラフィックを獲得したページの数が135%増加し、それによって全体のオーガニック検索トラフィックが98%増加した例もある。

この増加をもたらした主な要因は、こうした変化を活かす「適切」なコンテンツの作成にある。これを正しく行うには、ウェブがまだ存在していない時代から何十年にもわたって営まれてきた従来型のマーケティングのやり方と同様のアプローチが求められる。

それはつまり、獲得したいオーディエンスを理解するということであり、そうすることで、彼らが日々問いかけている大切な質問の輪郭を描くことを意味する。

こうしたオーディエンス重視のマーケティング手法について、僕は以前にもこのMozブログや他の場所で書いたことがある。キーワードの「コンテキスト」や、顧客や取引相手が本当に探しているものを理解する上で不可欠だからだ。

ではどうすればいいのか。データを深く分析するとともに、製品やサービスを購入してくれる顧客や、ともに仕事をする相手となるような人たちと話をしよう。

この記事は、3回に分けてお届けする。第1回となる今回は、ハミングバードに伴うロングテール曲線の変化について紹介した。次回は、オーディエンスを理解するための調査について説明する。→「②ペルソナで考えるユーザーの意図」を読む

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