グーグルの順位決定要因2014年版――全50の要因を重要度とトレンドで一覧(後編)
検索順位決定要因を解説するこの記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる今回は、「コンテンツ文章の長さ」「テキストの読みやすさ」などの指標の順位との相関をみたうえで、ハミングバード以降の「キーワード」ではなく「トピック」でとらえる検索エンジンの方向性と、50の要因を重要度順に並べた決定版データもお見せする。→まず前編を読んでおく
検索上位に台頭してきたコンテンツの特徴
ちなみに、コンテンツの長さも増え続けている。さらに、検索順位の上位にあるコンテンツは、誰でも読みやすいように書かれており、画像や動画などのメディアを使ってリッチにしている場合も多い。これは以下のグラフに示されている。
ここで示しているのは、順位ごとの平均文字数を、2014年と2013年で比較したものだ。2014年のデータを見ると、トップ30のすべての順位でコンテンツがはるかに長くなっている(平均値)のがわかる(ここでも、1位の「ブランド要因」には注意してほしい)。
次の画像は、テキストの平均的読みやすさを順位ごとに示したものだ。ここでは、英文の読みやすさを「0(非常に読みにくい)」から「100(非常に読みやすい)」までのスコアで判定するフレッシュ・リーディング・イーズ・フォーミュラ(Fleschスコア)(参考日本語情報)を指標として利用している。
Y軸がFleschスコアだ。検索順位上位にあるURLとの正の相関関係がかなり強く、平均的に読みやすいテキストであることがわかる。
ただし、コンテンツを長く(または読みやすく)するだけで検索順位を上がるわけではない。重要なのは、1つのトピックに一面的な見方だけをしているわけではないユーザーに対して、関連性が高く、包括的なコンテンツを提供することだ。
今回の調査結果が裏付けている見方がある。それは、検索エンジンがキーワードだけを重視するのをやめて、キーワードやさまざまな関連用語を中心とした個々のテーマやトピックエリア、いわゆる「コンテンツ群」を分析するようになってきたというものだ。
「SEOチェックリスト」をやめる
だから、今でも市場で過剰に使われている観のある「SEOチェックリスト」という時代遅れの習慣は、すぐにやめてほしい。重要なのは検索エンジンのためにキーワードを最適化することではない。ユーザーのために検索体験を最適化することだ。これを、別の画像で説明しよう。
左側の「古いSEOの枠組み」は、キーワード(場合によりキーワードのバリエーション)ごとに1つのランディングページを作る、いわゆるチェックリストSEOだ。そのため、過去には多くのWebサイトが特定のキーワードごとにランディングページを1ページ用意していた(しかもどのページも、ほぼ同じコンテンツである場合がほとんどだった)。
1つの自動車に関するWebサイトで、「XXエンジン」「XX座席」「XXフロントシールド」「XXヘッドランプ」など、すべての車両部品それぞれに1ページずつランディングページがあるサイトを想像してみてほしい。こんなやり方に意味などほとんどない。
だが、以前のSEOはそういうものだったのだ――しかも、認めざるを得ないが、こうしたページが検索順位の上位に入っていた!
しかし、長期的な成功を収めるために重要なのは、1つのキーワードではなく、コンテンツ(あるいは、トピックであればさらに良い)だ。そのため、ランディングページでは広範なトピックに重点を置いて、1ランディングページ=1トピックとしなければならない。先ほどの例で言うと、車両部品の説明はすべて1ページにまとめよう。
ハミングバードアップデート以降、SERPの食い違いが減少
こうした展開が検索結果ページ(SERP)に実際にどう反映されているかは、グーグルの「ハミングバード」アルゴリズムによる影響に見てとれる。
このアルゴリズムの改善は、検索の意図や意味合いについてグーグルがより深く理解するようになったことを意味するものだ。これによって、検索結果で関連性の高いコンテンツを表示できる能力が向上する。つまり、検索エンジン最適化はますます総合的な観点から行わなければならなくなっているということだ。
関連性の高いキーワード1つを最適化して順位をあげようと努めるだけでは十分ではない。コンテンツは今や、トピックとの関連性を高め、複数の関連用語を含める必要がある。こうすることで、ページが複数の用語で上位の検索順位を得られるようになるとともに、ユーザー体験の向上にも役立つ。
ハミングバードに関する最近の分析では、実際に検索結果の“食い違い”が少なくなっていることが明らかになった。どういうことかと言うと、語義的に似通っている(ほとんど同じ)だが単語としては異なるキーワードで検索した場合、SERPに表示されるURLの顔ぶれが似てきたということだ。
例を示そう。以前は(つい最近までだが)、意味としてはかなり近いしている「bang haircuts」(前髪 ヘアカット)と「hairstyles with bangs」(前髪を垂らしたヘアスタイル)のような2種類の検索キーワードに対して、グーグルはそれぞれまったく異なる検索結果を表示することが多かった。しかし現在では、こういうキーワードのSERPはどんどん同じようなものになってきている。
以下に示した2つのSERPは、1つは「rice dish」(米 料理)を検索した場合で、もう1つは「rice recipe」(米 レシピ)を検索した場合だ。どちらも、例としてハミングバードの実施前と実施後を示した。
まず、ハミングバード実施前のSERP(左が「rice dish」、右が「rice recipe」)だ。左右でかなり違う。
次に、ハミングバード実施後のSERPを見てもらおう。左右で項目がかなり合致している。
ひと目で分かる最も重要な検索順位決定要因
さらに重要な検索順位決定要因にはどんなものがあるかを理解するため、僕たちは、よく知られている相関関係の棒グラフにバブル(吹き出し)の形で(平均値と解釈に基づく)評価を追加したインフォグラフィックを作成した。
ここでも、コンテンツ要因(青色で表示)が突出している(画像をクリックまたはタップすると拡大表示される)。
このインフォグラフィックの見方をいくつか解説しておこう。
重要性の高い決定要因が左側に示されている。
矢印(バブルと棒の両方に示されている)は、2013年の分析結果と比較した傾向を示す(上に向いていれば以前よりも強くなっていることを示す)。
左側のバブルの大きさは、個々の要因についてどれほど重要かを推論した結果に基づいて図示している。
このグラフで示した平均値は、トップ10のみを基にしていることに注意してほしい。僕たちは、検索結果の第1ページに表示されたURLに的を絞り、このデータが検索結果の11~30位のURLによる影響を受けることのないようにして、1ページ目に表示されるための秘密を調査した。
優れたコンテンツは優れたユーザーシグナルを生む
この図を眺めると、ひときわ目を引くのが紫色で示された決定要因だ。2014年版では、(キーワードレベルにおける)直帰率などのユーザー特性を追加したほか、ユーザーシグナルを検索順位と関連付けた。
膨大なGoogle Web Toolkit(GWT)アカウントを解析して、偏ったバージョンのデータを回避することができた。大規模なデータセットにアクセスしたことで、大きな変化がいつ起こっているのかも確認できた。
おわかりのように、今回の調査ではクリックスルー率が0.67%となり、最大の決定要因の1つであることが明らかになった。トップ10のサイト滞在時間は平均で101秒、直帰率はわずか37%だ。
結論:何に取り組めばいいのか?
SEOへのアプローチ自体は、成熟しつつある。しかし、最大の決定要因は依然として、関連性の高いページコンテンツだ。これは大企業にも小さな会社にも当てはまる。コンテンツは必ずユーザーのために設計し、あなたにふさわしい分野で関連性の高いものにすることだ。
SEOの発展の経緯や、常に競合の先を行く方法に興味がある人は、調査結果をダウンロードしてみよう。この中では、この記事で取り上げた検索順位を決定する可能性のある諸要因について、さらに多くの側面を紹介している。
結論を言えば、次のようになる。
キーワードごとにランディングページを作るのはやめよう。
検索エンジンのためにランディングページを作るのもやめよう。
あなたのウェブサイトやコンテンツ、ニッチ、製品に関連するトピックに集中して、これらのトピックやサブトピックに最適なコンテンツを書くように努めよう。
メイントピックについて相互に関連した複数の視点をカバーするランディングページを作り、意味的に大いに関連のある用語を使って包括的な文章を書いてほしい。
そうすれば、ユーザー体験を最適化できるだけでなく、同時に(メインのキーワード以外でも)検索結果を最適化できるのだ!
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