上司を説得できる企画資料の作り方講座

基本的な企画書を紹介した理由

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基本的な企画書を紹介した理由

さて、いつもは「ダメな企画書の例」と「良い企画書の例」を説明しているが、今回は、まず「基本的な企画書の例」を紹介した(前出の図1)。この「基本的な企画書の例」は決してダメな例ではない。いつも言っている目的、背景、課題、ROIなど必要な要素は網羅されており、これで上司を説得させられる場合も多いと思う。私が部下からこうした企画書を受け取った場合、7か月で初期費用が回収され運用で効率化が図れるのであれば、この企画書を通す可能性は高い。ではなぜ「基本的な企画書」としたのか。それはWeb担当者の方に、企画書の精度をさらに高めるためにプラスαの発想を持ってほしいからだ。

こんな例がある。

Webサイトのリニューアルを会社的に計画していて予算もついていた。Web担当者はこのリニューアルを機にCMSを導入することでブランディングだけではなく、今後のコスト削減までを可能にする企画書を提案しそれが承認された。

しかし、この不況のなか、業績が若干悪化してリニューアル自体がペンディングとなってしまう。Web担当者がHTMLなどの基本的な技術を持っていたため、会社的にWebサイトの更新をアウトソースではなく社内で実施することで大幅なコスト削減を図ることに決定。Web担当者の業務負担はかなり増えたが、結果的にアウトソースコストが削減されたため、この体制をそのまま維持することが最良の方法だという認識が社内に広まってしまった。

こうした例は決して珍しくない。会社は業績が伸び悩んだり、悪い方向に向かっている場合、当たり前だがコストに対して敏感に反応して削減を図る場合が多い。コスト削減自体は悪いことではないのだが、会社がWebサイトの役割もしくはその担当部署を単なるコスト部門だと考えている場合、事態はかなり深刻だ。

Webサイトの運用を単純にコストと見るか、それとも収益を生み出すもしくは収益につながるツールと見るかは、どうにでもできる。Webサイトをあずかる部門が自社サイトをどのように活用していくかの戦略次第である。

私が考えるにWebサイト運用部署は単純なコスト部門ではない。ネットショップは当然収益をもたらすことが可能だし、コーポレートサイトやサービスサイトも間接的に収益につなげていくとは可能だ。現に多くの会社がそうした戦略のもとでWebサイトを運用している。なので、Web担当者は自社サイトを活用してどうやって会社全体の利益につなげていくか常に考えていくことが必要だ。利益・収益につながる企画は必ず上司を説得できる企画書となり得るはずだ。

CMS導入についての話に戻そう。

CMS導入が結果的にコスト削減につながったり、社内運用により即時情報公開が可能になったりするのはWeb担当者であればある程度理解しているはずだし、それを企画書にすることはさほど難しくない。しかし、CMS導入を別の視点で会社にプラスのメリットのある企画にすることによって、単なるコスト削減ではない前向きな企画になる。今回は基本的な企画書の例にプラスαの提案を加えてみよう。

プラスαの提案を目指そう ~CMS導入における戦略的提案

プラスαの提案として今回は「CMS導入によるSEO効果での集客」をテーマとする。CMSを導入することでSEO効果を高めることができるのはWeb担の記事CMS導入でSEO効果を引き出す10のポイントにもある。私の経験からしてもきちんとSEO内部施策の要素を入れていくことで確実に効果があると考えている。ここでは、CMS導入でのコスト削減や即時情報公開以外に、集客を実施するプラスαの戦略的企画書を紹介する。

CMS導入における戦略的企画書の例
図3  CMS導入における戦略的企画書の例

CMSを導入する際、システム的に下記の開発を実施することでSEO対策が可能なことをまず書く。

CMS導入時に実施するSEOのための開発内容
  • titleやmetaタグの自動生成
  • パンくずリストの自動生成
  • 見出し/強調タグの自動配置
  • サイト内リンクの自動的な適正配置
  • 適正なURL自動生成
  • サイトマップの自動生成

コンテンツを増やしていく際に上記の要素を自動的にCMSが行うことで、更新するスタッフにSEOの知識がなくてもSEO効果を期待できる。

もちろん、SEO効果を伴うCMS開発を行う際にはコストが余分にかかるのでそのコストと回収時期を明記する。

そしてSEOの現状を調べる。会計関連ソフトのメーカーとして、SEO対策をほとんどやっていないため「会計ソフト」「給与計算ソフト」「販売管理ソフト」「顧客管理ソフト」などのメインのキーワードで順位がほとんど上がっていない。また、導入事例やFAQが充実していないためWebサイト上に販促を行いたいターゲット業種のキーワード自体が存在せず「業種 + ○○○ソフト」などのミドルワードでも順位が上がっていない。

今回のCMSを導入することで、導入事例やFAQなどのコンテンツをいつでも担当者が増やすことが可能となるため、こうしたコンテンツを充実させることでWebサイト上にミドルワード系のキーワードを出現させることが可能となり、SEO的に最適化されたWebサイト構築が十分に可能となる。

そしてここからが重要ポイントだ。戦略的CMS導入を行うことで何が起こるかを数値で上司に示さなければならない。ターゲットキーワードの現状、目標にする検索結果の順位、集客シミュレーションを想定する。このシミュレーションについては、SEO対策の予算をゲットできる企画書/上司を説得できる企画資料の作り方講座#2を参考にしてほしい。30位~10位になった場合のユーザーのクリック率がわからないため0.3%と想定しているが、CMSを導入することで、検索エンジンからの集客率を現状よりも3倍程度アップすることは十分可能である。これがプラスαの提案だ。

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