CMS導入でSEO効果をあげるための企画書/上司を説得できる企画資料の作り方講座#6
上司を説得できる企画資料の作り方講座
新入社員が覚えておくと仕事がうまくいく“通る企画書”の作り方
CMS導入にあたって
最近特にCMS(コンテンツ管理システム)を導入したいという企業が増えている。トピックス情報やIR情報などWebサイトの一部のコンテンツをCMS化したいという要望から、Webサイト全体のコンテンツ管理を行いたい企業まで、その要望はさまざまだ。また、CMS自体もオープンソースの無料版から数百万円以上の大規模CMSまで、多くの種類が存在する。一種の流行のような状況になってきているのも事実で、Webサイトリニューアルに関する打ち合わせには、一度は必ず「CMS」という言葉がでてくる。
ただ、CMSについては、若干誤解されている感がある。CMSを「HTMLなどの知識がない担当者でも管理画面から難しい操作なしでコンテンツを更新できる“更新システム”」だと考えている方もいるようだが、実は違う。CMSは、Webサイトを構成するテキストや画像、レイアウト情報などを一元的に管理して、Webサイトの構築や更新などを管理しやすくするシステムのこと。つまり、CMS導入によって、更新がしやすくなるだけではなく、レイアウトやデザインの保持や、更新スピードの向上などさまざまなメリットが生まれてくる。
CMSの導入を考える場合、こうしたことをまず理解しておくことが重要となる。
CMS導入とROI(費用対効果)
ROIを追求して明確に説明できる企画書であればあるほど上司を説得しやすい。これは、このコーナーでずっと強調していることだが、CMS導入に関する企画書には比較的ROI効果を記述しやすい。
たとえば、現在、Webサイトの更新費用としてアウトソース先に月々いくらかのコストがかかっている場合、CMS導入によって社内で作業できるためその月額コストがかからなくなる。もちろん、構築に際しての初期導入費用やシステムのメインテナンス費用などがかかってくることが多いが、中長期的に見た場合、そのコストが回収される可能性が高い。
また、成功するかどうか見極めることが難しいプロモーションなどとは違い、CMSの導入だけを考えると、失敗する可能性が少ないと考えられるため、導入した場合のROIさえ明確にしておけば上司を説得させる確率は高くなる(本当は導入前の製品検討は重要だし、導入時後の失敗例はたくさんあるのだが)。
基本的な企画書の構成要素
では、今回、ダメな企画書の例ではなく、企画書に必要な基本的構成要素を見てみよう。
今回は、ROIを企画書に記述しやすいため、基本的な企画書の構成要素を出してみる。
まずは課題の抽出。課題については、具体的な更新部分などを出す方が上司に現状が伝わりやすいので、できるだけ具体的にピックアップしてそれに対してどのような課題があるかを箇条書きにする。それができると自然と目的が浮かび上がってくるので、その課題克服を目的として書く。
次に、導入にかかるコストと導入した場合のメリットだが、ここが、ROIを明確に打ち出すポイントだ。導入コストがどれくらいかかるか、そのコストはどのくらいの期間で回収できるのか、加えて導入によって改善される他のメリットも明確にする。当然、メリットは前述した課題がクリアになっていることが前提となる。
最後が、このプロジェクトを成功させるためのポイントだ。これは結構重要である。CMS導入においてある程度理解している上司ならなおさらここは手を抜かない。CMSは導入しただけでは意味がなく、それを効率よく運用させることで、プロジェクトの成功につながる。そのため、プロジェクトを成功させるためのポイントを具体的に記述することで企画書のクオリティも高くなる。
以上のことをまとめると必要な構成要素は下記のようになる。
- 具体的な現状のコンテンツ内容とそれに対する課題
- 目的
- 導入コスト
- 導入メリット(ROI記述)
- 失敗しないためのポイント(運用や体制)
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