BOOK REVIEW Web担当者なら読んでおきたいこの1冊

教科書の名に相応しいSEOのバイブル/書評『検索にガンガンヒットさせるSEOの教科書』

ブックレビュー

BOOK REVIEW Web担当者なら読んでおきたいこの1冊

『検索にガンガンヒットさせるSEOの教科書』

評者:森野 真理(ライター)

SEOのプロが丁寧に最新情報をガイド
初心者でも明日から「洗練されたサイト構築」が可能に

検索にガンガンヒットさせるSEOの教科書
  • 渡辺 隆広 著
  • ISBN:978-4-7981-1407-1
  • 定価:1,680円+税
  • 翔泳社

インターネットの中でウェブサイトを構築することの究極の目的の1つに、ページに書かれている情報を必要としている人に正しく探し当ててもらうことがある。ではどうやって? 著者はまず「検索エンジンの上位にヒット」させることが必須であることを明示し、そのためにウェブサイト構築時にすべきことや、してはいけないことをSEOの観点から体系的に網羅する。「SEOって必要なの?」という疑問を持つ人間でも、15分間で最初の2章を読めば(最初の2章は40ページほどで楽に読める)納得する歯切れの良さ。しかも3章以降は、技術的な知識ひとつひとつを、基礎的な考え方から実地の利用方法、応用まで実に丁寧に押さえている。

筆者は2003年に『検索にガンガンヒットするホームページの作り方』を上梓。当時はまだあまり重要視されていなかったSEOについてわかりやすく解説し、大ヒットとなった。本書は、2008年春の段階の最新SEOテクニックを、SEOの基本的な考え方から検索エンジンの仕組み、SEOの具体的なテクニック、知っていると役に立つ実用Tips、さらには最近の検索技術の動向まで、初歩から丁寧に説き起こしてくれる。

その丁寧さは、もしかすると中級者にはやや冗長に感じられるかもしれない。なにしろ第3章の「検索エンジン最適化とは」には、TITLEタグの使い方やサイト内リンクの整理の仕方など、知っていれば当たり前の技術をはじめ、なんと47節に渡って具体的なSEOテクニックが書き込まれているからだ。しかし、初心者にとっては、「具体的にどうすればSEOを取り入れることができるのか」という視点がクリアに示されていることこそが重要なポイントだ。中級者も、技術そのものではなく、論理の背景を整理するつもりで読めば、これまで惰性でやってきた(かも知れない)SEOの合理的意味を改めて理解できるだろう。

5章で示される「検索エンジンスパム」の具体例も、初心者には目からウロコの情報が、また中級者にとっても重要な事例が詰め込まれている。リンクスパムの判定やツール埋め込み型リンクスパムの存在などについての解説はわかりやすく、SEOを外注している担当者は注意深く読んでおく必要がありそうだ。6章の最新技術動向も、現時点での注目すべき流行を網羅してあり勉強になる。

本書は、まさにタイトル通りの「教科書」であり、難をいえばそれ以上でも以下でもない。しかし近頃は「教科書」を名乗る書籍でも、網羅的とはとてもいえない、著者の思いつきメモのような内容のものが増えていることを考えると、この書籍は実に誠意のある一冊だといえるだろう。初心者は1章からじっくりと赤ペン片手に読み込み、中級者は3章を拾い読みしつつ、5章を熟読するのが「教科書」としての本書の正しい使い方と見た。出所が明示されていない統計数字がアイキャッチに使われていたり、コラム内に若干の誤植があるなど、書籍として残念な部分も見受けられるが、実用書として読みこなすのに問題はない。最新情報も筆者のウェブサイトで随時追加されていくという。SEOに関わるWeb担当者は一読の価値あり。

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