無理矢理クチコミを生もうとしてはダメ/徳力基彦さんのブログ論(第5回)
マスメディア的な情報発信をしようとすると失敗する
いしたに このインタビューは、主に企業のWeb担当者が読むことを想定していますが、今回はまさにそのWeb担当者へサービスを提供しているブロガーの登場です。
徳力 アジャイルメディア・ネットワーク(AMN)という会社で働いている、徳力です。もともとは趣味でブログを始めたのですが、いつの間にか趣味が仕事になってしまいました。現在は、主にブログやインターネットを活用した企業のマーケティングを支援するような仕事をしています。
いしたに そもそもブログを始めたのはいつからでしたっけ?
徳力 「tokuriki.com」を始めたのは、2004年5月1日です。今見ると文章が非常に硬いですね(笑)
いしたに ホントだ。硬い(笑)
ブログ名 | tokuriki.com |
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URL | http://blog.tokuriki.com/ |
一言で言うとどんなブログ? | アルファブロガー投票企画やジャパンブロガーカンファレンスを主催した徳力基彦さんが、ネットコミュニケーションやソーシャルメディア、ライフスタイルに関する考えをつづっているブログ |
運営者略歴 | 1972年生まれ。NTT、IT系コンサルティングファーム、アリエル・ネットワークを経て、2006年から、ブログネットワークのアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画し、2007年7月に取締役に就任。最新のネットマーケティングに関する複数の執筆・講演活動も行っている。 |
開始年 | 2004年5月 |
1日のアクセス数 | 平日およそ1000PV |
RSS登録数 | 2512フィード(livedoor reader調べ) |
徳力 このブログを始めるまでにも、ブログは何度か挑戦してたんですけど、章立ての本を書くような感じでやってしまって、まったく長続きしませんでした。そのうちCNETの「梅田望夫・英語で読むITトレンド」を中心としたIT系のテーマを議論するコミュニティができてきて、そこに参加したくて今のブログを始めたんです。
いしたに 徳力さんでも失敗しているというのは、これから始める人には勇気が出ますね。失敗したブログはどのぐらいで終わったんですか?
徳力 1回目は「Blogger」で始めて4ポスト、2回目は1〜2ヶ月ぐらいです。1回目と2回目はかなり間が空いてます。1回目は、何個か記事を書いた後に再構築をしたら全部記事が文字化けして、「こんなもの二度とやるか!」とか思ったぐらいです(笑)。2回目はNTTデータが「Doblog」を始めたときで、そこで章立てをして、NTTとITコンサルティングとベンチャーの違いをそれぞれ並べて書こうとしてましたね。
いしたに すごいやる気だ(笑)
徳力 それぐらいしか、自分の提供できる「コンテンツ」がないと思ってたんですよ。「情報発信」をするには、何か他の人が知らないことを書かなきゃいけない、と。
いしたに 自分でできることを勝手に設定しちゃうんですよね、気負っているから(笑)
徳力 そうですね。一般人が世の中に情報発信するというのが、それはそれは敷居が高いイメージがあったんですよ。まだブログがコミュニケーションだと理解していなかったんですね。
いしたに その敷居ってなんですかね。
徳力 「情報発信」=「マスメディア的な情報発信」という思い込みだと思います。情報発信をするからには、誰も知らないことや誰かに役立つことを、間違いないように書かなきゃという思い込みです。
いしたに まさに気負いですね。
徳力 実際に長くブログを続けてみると、どちらかというと友達とメールをやり取りしている感覚に近いと思うんですが、インターネット上に自分の文章を記したことのない人間からすると、やっぱり「情報発信」ってそういう権限のある人しかやってはいけない行為という印象だったんですよね。
いしたに ネットのいいところって、参加障壁のなさだと思うんですよね。
ソーシャルもやってます!