尊敬できるブログを探せ
尊敬できるブログを探せ
石谷 いつも読んでいるブログの中から「これは外せない!」ブログを3つ挙げていただけますか?
田口 「Life is beautiful」(中島 聡氏)、「On Off and beyond」(渡辺 千賀氏)、「404 Blog Not Found」(小飼 弾氏)。定番すぎますか?
いしたに なるほどお、いやいやそんなことないです、コグレさんなんかもっとひどい(笑)
田口 理由は、彼らにしか言えないことを誰にでもわかるように書いているからに尽きますね。特に千賀さんの文才は異常。僕もそうありたいですね……といいつつ、海外ブログで見つけた猫写真とかついアップしちゃいますが(笑)
いしたに 伝わらないと意味ないんですよねえ。
田口 そうですね。論壇系ブログって、人生の時期的にちょっと読めない時期ってありますが……。
いしたに いつ読んでもおもしろいって、ホントすごいと思う。
田口 中島さんのブログもそうですね。彼自身を尊敬している、というのがあるので多少バイアスがかかっていますが。
いしたに 地力が違うんだろうなあとか思います。スポーツ選手にたとえれば、肩が強いとか、脚が速いとか(笑)
田口 小飼さんは最後は自慢話になっているとか言われていますが(笑)、やっぱり自分の意見をサクッと書くところがいいですね。dan kogai伝説、ガッツポーズで1エントリーです。
いしたに ということで、無理やりまとめると「尊敬できるブログを探せ」と(笑)。中島さんや小飼さんや千賀の話はブログなかったら聞けませんからね。
田口 まとめたー(笑)
ブログといっても、いろいろなブログがある
いしたに さて、この連載を読んでいる企業のWeb担当者に向けてアドバイスをお願いします。
田口 ブログの一言で片付けないことが大事だと思います。「ブログ」とか「ブロガー」ってひと括りで片付けないで、個々のブログやブロガーをちゃんと「区別」できるようになりましょう、かな。「マーケティングにブログやブロガーを活用しよう」という漠然とした感じの表面的な議論では、効果的な連携やマーケティングはできません。個々のブロガーにであれ、代理店にであれ、ブロガーを巻き込んだマーケティングをやってみようとするのなら、どのブログを対象に、どのブロガーと、どうアクションをしたいのか、具体例や具体名を挙げて言えるように、もっと興味をもって知ろうと思うことが大事なのではないでしょうか。
いしたに 前回は「書いてみる」だったんですが、今回は「まず読め! 区別しろ!」ですね。
田口 そんなに強い口調でもないですが(笑)。「ブログ」を理解するには場合分けして考えてみるのが手助けになります。「わかる」ためには、まず「分ける」です。十把一絡げではなくて、個々の物事の細かな違いが見えてきて、区別して見られるようになって初めて理解ができるのではないか、と思っています。
いしたに 前回のコグレさんと対象的なので、とてもいい感じです。
田口 それはよかった(笑)。ブログをよく知らない人は「ブログ」「ブロガー」を、ある1つの共通特性を持っていると考えがちなのですが、実はブログって、趣味嗜好によって細かく細分化されているんですね。雑誌みたいなものですよね。届くメッセージも読んでいる人もまったく違います。たとえば、女性向けファッション雑誌に釣具の広告を出しても無意味だというのはスグにわかると思いますが、ブログでも同じです。数打てば当たるとばかりに数を頼みにたくさんのブログに同じような仕掛けをしても意味がありません。個々の雑誌を理解してこそ効果的なマーケティングができるように、個々のブログの違いを認識し、さらにその影響力を冷静に分析して初めて、仕掛けるべきことが見えてくるのではないか、と。
いしたに そのためにはまずは読みましょう、ということですね。
田口 ですね。「ブログマーケティングしましょう!」だけでは、「野菜で料理つくりましょう!」ぐらいざっくりしていると思いますね。何の野菜だよ!って感じで(笑)
いしたに 田口さんは野菜にたとえると何ですか? 白菜か(笑)
田口 白菜好きですね。なんだかわからなくなってきたな(笑)
次のゲストは……
いしたに それじゃそろそろお友達を……。次の指名をお願いします。コグレさん→田口さんと来て、さて次に誰が来るとおもしろいでしょうか?
田口 個人的には「この人の話を聞いてみたい!」という人はたくさんいるのですが、場所柄、あまり個人的な趣味に突っ走りすぎるのはよくないですよね(笑)。そこらへんも考えたうえで考えます。
いしたに よろしくお願いします。ありがとうございました。
まとめ:「ブログがわかる」には、まず「ブログを分ける」こと
もし、ブロガーとなにか企画をやってみたいと思ったときには、まずは自分たちはどういったブロガーにコンタクトしたいのかを考えてみるといいでしょう。
まずは、単純に普段自分が読んでいるブログをRSSリーダーで分類してみるというところから始めてもいいと思います。前回のコグレさんのブログ論とは、また違う切り口が田口さんのブログ論にはあります。たった2人のブロガーでも、これだけ違うわけです。とても対照的な2人ですが、どちらかが正解という話ではありません。それだけブログとブロガーは豊かなコンテンツがあるということです。
実際、ブログを分類するにはいろいろな方法がありますが、田口さんからは、「企業で何かやるなら、ブログのグループマップを描いてみるといいと思います」とアドバイスを受けました。一口に分類するといっても、なかなかアクションにするのは難しい部分もあるかもしれません。田口さんからは「最近は区別している企業さんも一部ですが出始めている」というコメントをもらっています。これからなにか始めようとする前に、まず「ブログを分ける」ことから始めることは、いい結果につながるのではないでしょうか。
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