なるほど!アクセス解析ケーススタディ

ツールの運用からアクセス解析結果の分析までPDCA全体を頼める/IT innovation+PowerROI

アクセス解析事例

ザ・プロジェクトマネジャーズ/株式会社アイ・ティ・イノベーション
Powered by PowerROI(株式会社パワー・インタラクティブ)

アクセス解析結果の分析までをフルサポートで依頼
マーケティングパートナーとしてPDCAサイクルの運用まで任せられる

アイ・ティ・イノベーションは、ITシステム構築の工程を管理するプロジェクトマネジメントに特化した会社だ。同社では、コーポレートサイトとプロジェクトマネージャに向けたポータルサイトである「ザ・プロジェクトマネジャーズ」を運営しており、これらのサイトの分析にパワー・インタラクティブの「PowerROI」を利用している。アイ・ティ・イノベーションでは、どのようにツールを活用してサイト運営に役立てているのか、経営企画室室長の渡辺善夫氏に伺った。

野本 幹彦(フリーライター)

アイ・ティ・イノベーションの運営サイト「ザ・プロジェクトマネジャーズ」の概要や今回導入したアクセス解析ツール「PowerROI」の概要は記事の末尾を参照。

顧客が求めるものを探るためアクセス解析ツールを導入

株式会社アイ・ティ・イノベーション
経営企画室室長
渡辺 善夫氏

アイ・ティ・イノベーションは、ITシステムを構築する企業とシステム会社との間を取り持ち、企業をサポートしながらプロジェクトを管理する会社だ。最終的には、クライアントとする企業自身がプロジェクト管理のノウハウを吸収することを支援している。

「ITシステムが大規模かつ複雑になっている中で、プロジェクトマネジメントが重要視されています。我々は、システムの工程を管理し、マネジメントを行うためのコンサルティング、教育、方法論などのノウハウの提供を行っている会社です」と渡辺氏は言う。

同社では、ITプロジェクトの現場で活躍するプロジェクトマネージャや、プロジェクトマネージャを目指す人のためのメールマガジン「ザ・プロジェクトマネジャーズ」を2003年10月から発行している。2004年4月には同名のポータルサイトを自社のコーポレートサイトとは別に立ち上げ、現場のプロジェクトマネージャの生の声を伝える場として活用している。

渡辺氏によれば、コーポレートサイトやポータルサイトでは、以前から市販されているログファイル型のアクセス解析ツールを利用してサイトの分析を行っていたという。

「マーケットを意識したサイト作りを目指し始めたときに、やはり気になるのは、お客様が当社のサービスや製品のどこに興味を抱いているかということになります。サービスの提供側は、お客様が望んでいることを把握せずに自己中心的になってしまいがちです。最初は、我々のホームページの全体のページビュー(PV)数はどのくらいあるのか、その中でどのページに興味が注がれているのか、といったことを中心に見ていました。また、イベントやセミナーなどを行ったときに、どの程度反応があったのかを確かめるためにも利用していました」

しかし、当時利用していたツールでは、解析結果は月に1度しか集計できないなど不便な点が多々あったようだ。

アクセス解析ベンダーをパートナーとして選択

2006年から「PowerROI」を利用しているアイ・ティ・イノベーションだが、どのようなきっかけでアクセス解析ツールを乗り換えることになったのかに話を向けると、渡辺氏は「ツールありきで乗り換えたわけではない」と答える。「当社の場合は、サイトを運用することが目的ではなく、マーケットに活かすためにサイトがあると考えています。そのため、サイトの運用から制作、改修までをマーケティングに強い会社にお任せしてみようと考え、5社くらいを候補としてピックアップしていきました」

アクセス解析ツールとしてPowerROIを選んだわけではなく、ウェブサイトを運用するパートナーとしてパワー・インタラクティブを選択し、その会社がPowerROIを提供していたということのようだ。マーケティングがわかる会社という条件で協力会社を探し始めたアイ・ティ・イノベーションは、取引先などから情報を集め、評判などを聞きながら信頼できる会社を選んでいったという。

「ウェブサイトを分析してマーケティングに活かすためには、その会社と長く付き合っていかなければなりません。パワー・インタラクティブの担当の方は、真摯に話を聞いてくれて、人間性の面でも一緒に仕事をしたいと思える方でした。候補にあがった他の会社の中には、何でもできますという会社もありました。しかし、パワー・インタラクティブの人は、質問の回答が丁寧なだけでなく、できない部分はできないと正直に答えてくれて、その対案まで示してくれました。実際にパワー・インタラクティブと付き合いのあるお客様ともお話して、信用できる会社だと判断しました」

しかし、サイトの分析やマーケティングのコンサルティングまでを他社に任せるとなるとこれまでに比べて大きなコストがかかることが予想される。どのような考えの下で予算を捻出していったかを聞いてみると、「コスト的にはほとんど変わっていない」と渡辺氏は答えてくれた。

「これまで制作会社にかけていたコストに少し上乗せした程度しか増えていません。PowerROI自体も非常に安価ですし、費用対効果を考えれば非常に得をしていると思っています。前述のように、5社くらいが候補に上がっていたのですが、ほとんどの会社はパワー・インタラクティブの倍以上の金額を出してきました。当然ながら、パワー・インタラクティブを選択した理由の1つにはコストが安いということもありました」

もう1つ気になるのはセキュリティの問題だ。協力会社としてともにウェブサイトを運営し、マーケティングを行っていくためには、会社や利用者の情報をきちんと管理していかなければならない。「初期の選定段階でPマークを取得している会社という条件を付けていた」という渡辺氏だが、パワー・インタラクティブの対応には満足しているという。

「セキュリティに関しては、どこまで厳しくやるかという問題があるので、Pマーク取得という条件以外は、実際にお付き合いを始めてから万が一振舞いに問題があるのなら考えていこう、というスタンスでした。しかし、パワー・インタラクティブは、私自身が驚くほど個人情報の管理に厳しく、結果的にセキュリティ面でも良かったと思っています」

渡辺氏は、メールマガジンのアドレス管理や配信も含め、ウェブサイトとトータルでパワー・インタラクティブに運営を任せているという。さらに、オプションサービスによりPowerROIを使った分析も任せ、月1回のミーティングで営業担当と分析結果をもとに今後の戦略などの方針を話し合っているという。

成果連動メールによって営業活動が効果的に行える

サイトの運営や分析レポートまでフルサポートを依頼してパワー・インタラクティブに任せているアイ・ティ・イノベーションでは、PowerROIの利便性や効果を大きく実感しているようだ。

「PowerROIを導入してからは、これまでとまったく違う観点からウェブを見られるようになったと感じています。まず、以前は月に1回しか確認できなかったアクセス解析結果も時間単位で追っていくことができます。特に便利なのは、我々の目的であるお客様からの資料請求や問い合わせなどが発生した場合に送られてくる成果連動メールですね」

「成果連動メール」とは、PowerROIの機能の1つで、設定した任意の成果、たとえば資料請求などが行われたときに、そのアクセスがどこからやってきて、どのようなページ遷移で資料請求にたどり着いたかがわかるメールが1時間以内に送られてくるものだ。これによって成果を出したユーザーの情報が把握できるようになったと渡辺氏は言うのだ。「こういった情報がわかると、営業に役立てることができます。営業担当者にもこれらのメールが送られるようにしているので、わざわざ管理画面を開いて営業自身が調べなくても情報が伝わるというのもいいですね。資料請求などの行動を起したユーザーの方がどのようなことを求めているかを分析することによって、実際の受注につながることもあったので非常に役立っています」

また、渡辺氏自身もPowerROIのレポートを細かくチェックしていくことがあるという。「全体のPV数や各ページのPV数は、現在でも細かくチェックしたい項目です。PowerROIはこれらの画面が見やすく、サイトマップも作ってくれているので、ディレクトリ単位でチェックできて便利ですね。メールマガジンから飛んできたアクセスも識別できるので、メールマガジンやセミナーの反応を把握することができます」

図1 「成果連動メール」は、資料請求のサンキューページなど、設定した成果に至った訪問者の導線を自動配信メールで知らせてくれので、見込み客がどのような経路で資料請求したのかをすばやく把握できる。(図はクリックで拡大)

ユーザーや顧客の求めるものや動向を常に把握しておきたいと考えているアイ・ティ・イノベーションでは、キーワードを追っていくことによって、プロジェクトマネジメントの傾向も見出しているようだ。「我々のページを見に来る方が使っている検索キーワードを見ていると、プロジェクトマネジメントに求められているトレンドが見えてきます。たとえば、最近は“人材育成”といった言葉で来られる方が多く、お客様が人材育成に非常に高い関心を持っていることがわかりますね。これらを参考に、“ザ・プロジェクトマネジャーズ”のコンテンツを充実させていくことにも役立てています」

サイトの運営をパワー・インタラクティブに任せて1年以上が経つが、「運営を任せてからは、アクセス数やメールマガジンの登録数が伸びてきています」と渡辺氏が言うように大きな手ごたえを感じているようだ。

「以前は、SEOばかりに目を向けていてやっていなかったのですが、アドバイスを受けて検索連動型広告なども出すようにしました。これらの広告に使うキーワードのチューニングなども行ってもらっているので、その効果が出てきていると思いますね」

反応をすぐにチェックできるのがウェブマーケティングの利点

渡辺氏自身は、前職ではインターネットとは関係のない業界でコンサルティング職に就いており、インターネットやウェブを扱うようになったのはアイ・ティ・イノベーションに来てからだという。

「当社はIT系のコンサルティング会社なので、他の社員はITに精通しているのですが、私自身はインターネットに詳しい人間ではありませんでした。アクセス解析などで使われる言葉もあまり知らなくて、パワー・インタラクティブとのミーティングの際などにレクチャーを受けたりして、次第に覚えてきました」

では、別の分野からマーケティングを見てきた渡辺氏にとって、ウェブマーケティングはどのように映っているのだろうか。

「ウェブマーケティングは、セミナーやメールマガジンなどのこちらが起したアクションの反応をすぐに見ることができるという点がおもしろいと思います。もちろん、リアルでの営業ならば、顔を見ながらお客様の反応を伺うことができますが、お客様が本当はどのように感じているかを把握することは非常に難しいことです。ウェブサイトは数値で結果が出てくるので、正直な反応を把握することができます」

このように渡辺氏が感じるようになったのも、パワー・インタラクティブとPowerROIによってウェブマーケティングの効果が出て来ていることの証だろう。メールマガジンと連動したポータルサイトを運営している同社にとって、アクセス解析ツールであるPowerROIと連動したメールマーケティングシステム「PowerContact」の存在も見逃せず、これら2つを活用しながら的確な手法でマーケティングを行えるように導くパワー・インタラクティブの存在は非常に大きなものとなっているようだ。渡辺氏は、「今後もパワー・インタラクティブとのパートナーシップの中で、サイトをどのように有効に活用できるかを考えていきたいです」と、マーケティングパートナーとしての同社を評価している。

今後は、ウェブサイトからの情報をもとに、さらに事業を拡大していこうと考えているようだ。

「我々としては、コーポレートサイトもポータルサイトもマーケティングツールの1つだと考えています。代表の林は今度、実業之日本社から『情のプロジェクト力学』という本を出版するのですが(3月下旬発行予定)、これらの書籍からもサイトにお客様を呼び込んで、実際に受注につなげていきたいと思っています。パワー・インタラクティブの協力でサイトのデザインなどは良くなって来ているので、今後はお客様にいかにわかりやすくメッセージを伝えることができるかが課題ですね。

また、グローバル化も目指し、日本の技術者をインドで教育する事業も進めています。さらに、企業情報システムのプロジェクトマネジメントだけでなく、組み込み系の分野や医療分野の治験などの他の分野のプロジェクトマネジメントにも領域を広げていきたいですね」

図2 PowerROIの「ROI分析機能」では、検索連動型広告、バナー広告、メルマガ広告、アフィリエイト広告などの広告効果について、アクセス数から成果に至った件数までを正確に測定。広告媒体ごとの費用対効果を詳細に分析できる。(図はクリックで拡大)

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ザ・プロジェクトマネジャーズ サイト概要

プロジェクトマネージャおよびその候補を対象としたポータルサイトで、コラムや対談などの読み物を中心に構成されている。ニュースやセミナーなどのイベント情報、書籍情報なども盛り込まれており、無料メールマガジンも発刊する。スケジュール表やチェックリストなど、プロジェクト管理にすぐに使えるテンプレートのダウンロードコーナーも設けている。


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株式会社アイ・ティ・イノベーションの選んだアクセス解析

見込み客の動向を的確かつすばやく分析してマーケティング成果をアップ

PowerROI(株式会社パワー・インタラクティブ)
http://www.power-roi.jp/

PowerROIの最大の特徴は、名前にも示されているように「ROI分析機能」が提供されていることだろう。SEO対策やリスティング広告が一般的に行われるようになっているなか、広告の費用対効果やSEOとの組み合わせを測ることは非常に重要だ。PowerROIでは、広告ごとにIDを振り分け、広告誘導後の訪問者の動きを把握できるようになっているほか、メールマガジンから来た訪問者をクリックカウントで数えるだけでなく、その後の行動や成果に至った数などの間接広告効果も把握できるようになる。

もちろん、「アクセス分析機能」や「経路分析機能」なども搭載されている。PowerROIでは、アクセス数表示画面から直感的にクリックしていくことによって、訪問者ごとに詳しく経路を分析できる。経路のボトルネックを探したり、成果に至った経路に絞り込んで分析したりすることでサイトの最適化を測ることも可能だ。

また、毎週月曜日朝に先週のウェブサイトの動向を報告する「ウィークリーメール」や、成果が発生したときに送られる「成果連動メール」も提供。本業などで忙しく、アクセス解析ツールの管理画面を見落としがちな場合も、これらのメールが届くように設定しておけば、定期的にサイトの動向をチェックしておくことができるはずだ。

PowerROIでは、オプションとしてマーケティングの専門家による「Webマーケティングコンサルティング」というサービスも行っている。定期的なレポートとミーティングによって、専門家による総合的なアクセス分析に基づいた具体的な改善策が提案されるサービスなので、専門の管理者を置けない会社や本業に集中したい会社などが利用できるだろう。

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※社名、所属部署、利用サービス、価格など、この記事内に記載の内容は、取材時点または記事初出時点のものです。

用語集
PDCA / PowerROI / SEO / アクセス解析 / アフィリエイト / ダウンロード / ディレクトリ / ページビュー / リスティング広告 / 導入事例 / 検索連動型広告 / 訪問者 / 間接広告効果
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