なるほど!アクセス解析ケーススタディ

アクセス解析と広告効果測定ツールを使い分けて分析/富士通WEB MART+Site Tracker+アドエビス

富士通WEB MART(富士通株式会社)
Powered by SiteTracker(株式会社アスキーソリューションズ)/
アドエビス(株式会社ロックオン)

富士通では、2000年から同社の個人向けPC製品を扱う直販サイトとして「富士通WEB MART」を開設し、運営している。同サイトでは、2003年からアクセス解析ツール「SiteTracker」を利用してきたが、2007年からは広告効果測定システムである「アドエビス」を併用することでより詳細なマーケティングを行っているという。2つのツールをどのように使い分けて活用しているのかを直販サイトを運営しているパーソナルビジネス本部の谷口氏と風越氏にうかがった。

富士通WEB MARTのサイト概要や今回導入したアクセス解析ツールの概要は記事末尾を参照

取材・文:野本 幹彦(フリーライター)

高機能ツールと広告効果測定ツールを組み合わせて
詳細なユーザーの分析と広告効果の効率化を実施

富士通初のB2Cサイトとして直販サイトをオープン

富士通株式会社
パーソナルビジネス本部
WEB販売統括部
谷口 みゆき氏

富士通のパーソナルビジネス本部が運営する「富士通WEB MART」は、同社のPC製品ブランド「FMV」を中心に、個人向け製品を販売するサイトとして2000年4月に開設した。パーソナルビジネス本部WEB販売統括部の谷口氏は、WEB MARTの特徴を次のように話す。

「直販サイトでは、店頭販売とは異なり、BTO(Built To Order)やカラーバリエーションによるカスタムメイドモデル、アウトレット商品などの販売も行っています。他社製品の周辺機器やソフトウェアなども提供し、ワンストップでほしい商品が揃えられるようにしていることも特徴的だと思います」

では、直販サイトの利用者は店舗販売と比べて違いはあるのだろうか。

「スペックなどのPCのことをよく知っていて、スペックと価格のバランスを見て買ってくださるお客様が多いですね。とはいえ、初心者の方も安心してお買い求められるようにセットアップサービスも用意しています。また、既存のFMVユーザーの方が買い替えのために訪れていただけることも多いと思います。下取りサービスなども行っていますし」と谷口氏が言うように、初心者層ではなく、ある程度パソコンのことがわかった2台目以降の購入者が多いようだ。

独自分析に限界を感じ
ツールの導入を決断する

ウェブサイトの開発を担当している、システム開発統括部の風越氏は直販サイトの立ち上げからサイトに関わってきたメンバーの1人だが、「最初からアクセス解析は重要だと思っていた」という。しかし、当時はとりあえずPV(ページビュー)を調べようと考えるに留まっていたようだ。

「富士通としては、コーポレートサイトや商品情報サイト、サポートサイトなどのサイトは持っていても、本格的なB2Cとしての直販サイトが初めてだったので、どの程度の売上げが見込めるかもまったく予想がついていなかった状態です。したがって、最初はとにかくPVだけでも調べておかなければと考えていました。最初は市販のツールを使わずに、PVを見たいページをいくつか設定して、自分でPerlのスクリプトを書いて計測していました」

しかし、サイトを運営していく上でPVだけでは不十分になり、詳細な分析を行う必要性が考えられるようになってきた。

「最初は広告なども出さずに運営していたのですが、次第に予算も付いてきて広告も出せるようになってきました。こうなってくると、単純なアクセス数だけでなく、費用対効果なども考えていかなければなりません。しかし、PVだけでは、何人のお客様が来られているかという、ユニークユーザー数を特定できない状態でした。ホストを確認してある程度の人数を絞り込むことはできましたが、同じ会社から複数の人がアクセスしてくることもあります。何人の人が来て、それぞれ何ページ見ていったのかを把握してページを改善しなければならないということになり、アクセス解析ツールの必要性を感じてきました」(風越氏)

富士通株式会社
パーソナルビジネス本部
システム開発統括部
風越 直紀氏

新たなアクセス解析ツールを導入することを検討し始めたのと同じタイミングであった2004年、同部で運営している商品情報サイトとサポートサイトでも新しいアクセス解析ツールを導入することになったため、WEB MARTもそれに合わせてアクセス解析ツールを導入することになり、富士通全社で選択したのがアスキーソリューションズの「SiteTracker」だ。選択の理由は、高機能でさまざまな分析が行えることだったと風越氏は言う。

「当時のツールの中では高機能であったし、ページの導線や遷移、強力なフィルタリング機能などが備わっていたのでSiteTrackerを選択したと記憶しています。プロモーションのグループ単位でフィルタリングしてその人がどのページを見ていったかを把握できるので便利だと思いました。我々が最も求めていた“どの人がどのような動きをするか”を一番把握できるツールだと思いました」

フィルタリング機能を活用して
デザインの改善や広告効果を測定

それまでPVしか測定していなかったWEB MARTでは、SiteTrackerを使うことによってさまざまな測定と分析を行えるようになり、より良いサイトを作るために大いに役立ててきた。特に、SiteTrackerのフィルタリング機能は非常に便利だと谷口氏は言う。

「SiteTrackerでは、フィルタリングで絞り込んでいって特定の人のサイト内での行動をチェックできたので、どこで離脱していったかなどを調べてデザインなどを改善していくのに役立ちました。一番見てほしいリンクをどこにどの程度の大きさに置けばよいかなどもわかるようになってきました」

デザインに関しては、それまでの経験の中からある程度のノウハウが蓄積されていたが、これらのノウハウをデータで裏付けできた効果は見逃せない。

「どの場所に何をどのようにデザインすればよいかといったことは、これまでも感覚的には理解していたのですが、実際にクリック数などの数値で効果を示すことができるようになったことが大きいです。自分だけの感覚だけでなく、それを裏付けることができ、制作などの他の人に伝える場合にもわかりやすくなったと思います」(谷口氏)

またWEB MARTでは、広告効果の測定にもSiteTrackerを役立ててきた。フィルタリング機能で広告の媒体ごとにユーザーを分類し、どの媒体からどんな訪問者が来て、何ページ見ていってどこで離脱したかなどを測ることで、効果の薄い広告を洗い出すことも行えるようになったという。

「しかし、SiteTrackerで広告効果を細かく見ていけるようになってくると、よりタイムリーに効果を測りたいという欲求が生まれるようになりました。新たにバナーを貼った場合には、いち早くその効果を知って改善を加えたいし、広告経由で訪れたユーザーがいったん離脱してから再度訪問して購入に至るようなケースもチェックしておきたいと考えるようになったのです」(谷口氏)

広告効果測定に特化した
アドエビスを導入する

すでに導入しているSiteTrackerとは別に、広告効果測定に特化した解析ツールの導入を検討していたWEB MARTでは、いくつかの候補の中からロックオンの「アドエビス」を選択する。その選択理由はどこにあったのだろうか。

「検討していた候補のすべてが、最も知りたかったバナー広告やテキスト広告の効果を測定できたのですが、“短期間で導入”でき、“比較的コストが安価”なアドエビスを利用することに決めました。機能の高さよりも導入と操作のしやすさを重視していたので、細かなシナリオや設定を行わなければ測定できないツールや操作性の悪いツールは選択肢から外れていきました」(谷口氏)

2007年からアドエビスを導入したWEB MARTでは、バナー広告やテキスト広告の効果を測定にアドエビスで行い、自然検索を含めた全体の訪問者数やサイト内行動のチェックは従来どおりSiteTrackerを利用するというように使い分けている。SiteTrackerでもバナー広告やテキスト広告の効果を測定することは可能だが、このような体制にした理由を風越氏は次のように語る。

「アクセスログを解析するSiteTrackerのほうが詳細な情報を取れるので、アクセス解析のメインはSiteTrackerです。しかし、SiteTrackerは多機能であるがゆえに、細かな解析を行おうとすると、そのぶん設定も細かくしていかなければならず、現場の人間には少しハードルが高い部分もあります。この点アドエビスであれば広告効果測定に特化しているため、特別な前提知識がなくても使い始められるというメリットがありました。たとえば、ある特定の広告に多くのキーワードを登録した場合、その広告からどれだけの人が来ているかを調べる場合はSiteTrackerを使いますが、それぞれのキーワードでどれだけの人が来ているかを調べる場合はアドエビスを使うといった感じですね。どの広告媒体に効果があるかということも重要ですが、効果に見合った価格のキーワードを利用しているかどうかを調べることも重要ですから」

簡単に導入でき、操作性も高いアドエビスを導入することによって、広告効果をすばやく把握することができ、マーケティングのためのさまざまなデータを取れるようになってきたことが大きな効果として表れてきているようだ。

「最も便利だと思ったのは“間接コンバージョン”を測定できるという点でした。バナー広告をクリックした訪問者がその場で購入しなくても、何度目かの訪問で最終的に購入してくれることはよくあります。その場合に、最初にバナー広告をクリックしてから何度目の訪問で購入に至ったのかや、どのようなリンクをたどって再訪問してきたのか、複数の別の広告を利用していたかどうかを調べることができるのは非常に便利です。それによって、そのユーザーがどのような情報を得ようとして我々の製品を購入してくれたかを知ることができますから。また、クリック数が多くてもコンバージョン率の低いキーワードや、クリック数が少なくても高いコンバージョン率があるキーワードなども細かくチェックできるようになってきています」(谷口氏)

アドエビスはASPであるため、JavaScriptによってアクセスの情報をロックオンのサーバーに送らなければならない。運用はどのように行っているのだろうか。

「運営に集中できるように、情報に関しては秘密保持契約(NDA)を結び、アドエビスの運用は外部の広告代理店に任せ、密に連絡を取り合いながら、どのような広告を出していくかを話し合い、より高い効果を得られるようにしています」(谷口氏)

お客様の目線や立場に立った
サイト作りを目指していきたい

販売担当の谷口氏と開発担当の風越氏は、それぞれ別の部署に所属していたが、WEB MARTを運営するパーソナルビジネス本部に移動してからWeb担当者となった経歴をもっている。Web担当者となってから、どのような考えを持つようになったのかをそれぞれうかがった。

「私はソフトウェアの開発部門にいてプロモーションなどを担当していたので、製品情報などをウェブサイトに掲載するなどの作業から勉強をしてきました。WEB販売統括部に移ってから、富士通としても初めて個人向けにネット直販を始めるようになったので、従来の基幹システムとの連携や販売方法などを試行錯誤しながらやってきました」(谷口氏)

直販サイトを運営する上で、実際の店舗でのFMVシリーズの売れ行きなどもチェックしてきた谷口氏だが、実際の店舗と直販サイトの大きな違いを埋める努力は欠かせないようだ。

「やはり店舗では、Face to Faceで顔を見ながら販売できることが大きな強みだと感じますね。特に、途中で購入を止めてしまったお客様の止めた理由などは、ネット直販ではわからない部分があります。店舗では、こういった意見をお客様のニーズとして次に活かしたり、改善を行ったりなどの対応ができますが、ネット直販ではお客様の声を拾い上げる作業が難しいと感じています。社会のトレンドや他社の動向をチェックしながらサイトの改善を行っていますが、やはり一番重要なのはお客様の声です。そのため、直販モデルであるBTO製品の受付やカラーバリエーションの展示などを一部の店舗では期間限定で行うなどして、なるべくお客様の生の声を聞けるようにしています」

一方、入社10年目で最初の2~3年はサポート部門に所属してコールセンターのとりまとめを行っていたという風越氏は、なし崩し的にWEB MARTのキックオフメンバーとなってしまったと笑いながら話してくれた。

「直販サイトオープン前に、サポートの代表として打ち合わせなどに参加していたのですが、いつの間にか直販サイトの担当となってしまいました。まだ若かったし、ウェブやプログラミングの知識も多少あったのでちょうどいいと思われたのではないでしょうか」

その上でB2Cサイトの開発と自分の役割について次のように話す。

「ユーザーの方の立場に立って開発を行っていかないといけないとは思うのですが、作り出すとどうしても独りよがりな考え方になってしまいがちです。極力、ユーザー目線ということを意識して今後も開発は行っていきたいですね。私自身としては上流のほうの開発を担当しているので、開発部隊とマーケティング部門の橋渡しをうまくやっていくことが重要だと考えています。もちろん、開発とマーケティングのそれぞれに厳しいことも言わなければならない場合もあるのですが、アクセス解析で数値化されたデータがあれば、説得の材料となるので助かっています。開発としても、コストをかけて開発した物の効果を測らなければならないので、不要な開発を行わないためにもアクセス解析は役立っていると思います」

では、今後はサイトをどのように開発して行こうと考えているのだろうか。

「今後は、法人向けの販売により力を入れていくため、PCサーバーの販売サイトもWEB MARTに統合されていくことになります。当面はこのプロジェクトを成功させることが目標となりますね。SOHOから中小規模の事業所までをターゲットを広げていきたいと思っています。また、アクセス解析ツールを考慮せずに構築したままの仕組みがまだまだ残っているので、機会があればサイトをリニューアルして動的なコンテンツも増やし、よりアクセス解析がしやすく、効果を生み出しやすいサイトに作り変えていきたいですね」(風越氏)

また、最後に販売の目線から今後のWEB MARTの展開を谷口氏にうかがった。

「直販サイトなので新たな取り組みを行っていけると思っているのですが、現状ではまだまだ挑戦し切れていないという部分があります。単にBTOが行えるだけでなく、WEB限定の商品も増やしてオリジナリティを出していかなければなりません。また、直販サイトならではの付加価値を付けていくためにも、ユーザービリティやサービスも強化していくつもりです。

1月16日に新たなモバイルノートであるFMV-BIBLO LOOX Rシリーズが発売されていますが、WEB MARTでは独自のカラーバリエーションを取り揃えてキャンペーン価格で販売しています。また、スタイリッシュなLOOX専用ケースも各種揃えているほか、さまざまなキャンペーンも行っているので、ぜひWEB MARTにアクセスしてみてください」

富士通WEB MART サイト概要

http://www.fujitsu-webmart.com/

富士通のFMVを中心としたPC製品の直販サイト。他社製品の周辺機器やソフトウェアなども販売されており、ポイントサービスも行われている。スペックなどの条件検索が行えるほか、各種モデルの比較表なども用意され、直販サイトならではのサービスやキャンペーンも行われている。


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富士通株式会社の選んだアクセス解析

ウェブマーケティングに欠かせない
多種多様な機能を搭載した高機能ツール

SiteTracker(株式会社アスキーソリューションズ)
http://www.sitetracker.jp/

SiteTrackerは、特にレポーティング機能やフィルタリング機能が充実したアクセス解析ツールとして、柔軟で効果的なウェブマーケティングを行えるツールとして高い評価を得ている製品だ。訪問者のアクセス経路や時間などのさまざまな情報を取り出すことができ、35種類の基本項目をカスタム化して分析結果を作成できる。また、解析された数値を直感的に掘り下げて分析できるドリルダウン機能を持ち、特定の条件に絞り込んで解析結果を出せることも大きな特徴。ストリーミングメディアの配信状況の分析、社内から社員がどのようなウェブサイトを閲覧しているかの調査、FTPのダウンロード状況の分析などにも応用できる。

最新バージョンのSiteTracker 8ではサイトの規模や目的に合わせた4つのグレードが用意され、ドリルダウン機能や経路分析などの視覚面でのインターフェイスや比較レポートなどの機能向上などが行われている。また、教育セミナーやサポートも充実しており、定期的なトレーニングやセミナー、支援サービスを受けることも可能となっている。



費用対効果の正確な分析を可能にする
広告効果測定の専用システム

アドエビス(株式会社ロックオン)
http://www.ebis.ne.jp/

広告効果測定の専用ASPサービスとして、簡単で直感的に行えるインターフェイスと月額1万500円からの低価格で人気の高いツール。価格帯もさることながら、信頼性、機能面でも評価を受けており、事例紹介を見てもわかるように多くの大規模B2Cサイトで採用されていることからも使いやすさと機能の高さがうかがえる。

広告効果測定専用システムとして、広告経由で訪問したユーザーの効果を調べる直接広告効果測定や、以前広告経由で訪問したユーザーが再訪問してきた場合の効果を調べる間接広告効果測定などの機能を持ち、コンバージョンへと導ける的確な広告を選べるようになっている。また、訪問者が最初に訪れるページを最適化するLPO(Landing Page Optimization)や他のアクセス解析ツールとの連携、経路分析やSEO効果測定、モバイル対応などの多彩なオプションも用意されている。30日間無料キャンペーンも行われているので、興味のある場合は一度試してみるとよいだろう。

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※社名、所属部署、利用サービス、価格など、この記事内に記載の内容は、取材時点または記事初出時点のものです。

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