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5年後の世界を想像できるか? マーケターが押さえておくべき5つのトレンド

江端氏が語る「これからのマーケターが認識しておく必要がある5つのトレンドと4つの要素」HeartCoreDAY2018セミナーレポート

2025年がどのような世界になっているだろうか?

AIやIoT、5Gなどの新たなテクノロジーが話題となっているが、これらによって社会がどう変わっていくかをマーケターは意識しておかなければならない。また、最先端テクノロジーだけでなく、今後の世の中のトレンドをしっかりと認識し、それに合わせた施策を考えていくことは、マーケターにとって非常に重要なことだ。

2018年11月に開催されたハートコア主催「HeartCoreDAY2018」オープニングキーノートでは、江端浩人事務所代表の江端 浩人氏が登壇。今後のトレンドをどのようにマーケティングに活かすかや、今後のマーケティングに便利なツール、必要な要素などが紹介された。

江端浩人事務所 代表 江端浩人氏

マーケターが押さえておくべき5つのトレンド

「2025年がどのような世界になっているかを考えてみてほしい」と登壇した江端氏は会場に問いかけた。2025年の日常はたとえば、「朝起きてちょうどよいタイミングで淹れたてのコーヒーが出てくる世界が実現できているだろう」と江端氏は予想する。

しかし、これを実現するには、「IoTコーヒーメーカー」「コーヒー豆の自動発注」「起床を検知するデバイス」「起床してから家を出るまでのスケジュールの検知」「行動予測するためのAI学習」などが必要で、テクノロジー単体で実現できるものではない。今後は、ベネフィット提供のために多くの技術とサービスを組み合わせる時代となっていくのだ。

このような時代を迎えるにあたって、マーケターは次の5つのトレンドを押さえておかなければならないと、江端氏は言及する。

  1. 海外比率の増加
  2. 社会課題の重要性
  3. 働き方/学び方の多様化
  4. スポーツの重要性
  5. AIや5G、IoTなどの技術革新

トレンド① 海外比率の増加

インバウンド需要が拡大し、2015年の約2倍にあたる4,000万人が2020年に来日するといわれており、人々の活動が増加するため大きなチャンスとなっている。チャンスを得るためには、グローバルサービスやユニバーサルサービスが重要となる。また、B2Cではグローバルブランドしか残らない可能性も出てくるため、観光大国のフランスに学んで、ブランド力を付けていく必要がある。

トレンド② 社会課題の重要性

米国や欧州を中心に、社会的な意義を持たない会社やブランドは支持されなくなっている。単純なCSR活動だけでは不十分になってきており、国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)が広がっている。ブランドが社会問題や政治のスタンスを取り(ブランドアクティビズム)、社会課題をマーケティングにどう活かすかを考える必要がある。

コトラー教授が提唱するブランドアクティビズムの6分類

トレンド③ 働き方/学び方の多様化

働き方改革関連法案が2019年4月から施行され、少子高齢化や育児・介護の両立が必要となり、一億総活躍社会で定年も延長されていく。これまでの副業ではなく、多様な業務を行う複業が求められるようになる。また、教育に対するニーズも多様化し、専門職大学院や専門職大学などの新しい制度も出てきている。

トレンド④ スポーツの重要性

少子高齢化で可処分時間が拡大する中、健康や健康寿命に注目が集まる。また、スポーツ産業が拡大し、スポーツ観戦需要も拡大していく。E-Sportsは、誰でも平等に参加できることがベースに拡大することが予想される。IoTやAIが進み、より可処分所得が増える中、人間にしかできないスポーツなどの産業がこれから伸びていく。

また、江端氏は人間にしかできない新しい価値提供の例としてグラフィックレコーディングをあげる。実際に、沖縄国際大学でマーケティングを専攻している上園まりんさんがホワイトボードに、グラフィックレコーディングで江端氏の講演を記録していた。

グラフィックレコーディングをする上園まりんさん

 

グラフィックレコーディングでまとめた江端氏の講演内容

トレンド⑤ AIや5G、IoTなどの技術革新

IoTによって、これまで見えなかったことが可視化され、データとして蓄積・活用できるようになる。AIは、人間を単純な知的作業から解放し、人間にしかできない仕事の時間を増やしてくれると期待されている。

AR/VRによって、距離や時間の壁をなくすことができるようになる。音声認識は、最もホットなトピックで、音声によるモノのコントロールやモニタリングができるようになってくる。5Gは、自動運転やIoTの普及のために必要なインフラとなり、5G普及のための動画プロモーションが今後活況となってくるという。

普及のために動画プロモーションが活況になる

AIや5G、IoTなどの技術革新をうまく取り入れていくために、必要なホットトピックとして、次の3つを挙げた。

オンラインの体験×リアルの体験

江端氏は、自身が副社長を務めるファッション情報サービス「MERY」で2018年9月に行ったイベントを例にあげた。イベントの拡散効果でDAUが約20%向上したことを示し、バーチャルなアプリでの体験だけでなく、リアルな体験も重要であると説明する。

動画プロモーション

オープンエイトのAIによる自動動画制作ツール「VIDEO BRAIN」も紹介し、HPの画像やテキストを使って簡単に動画プロモーションができることを示す。

さらに、動画の効果測定もAIで行えるようになった例として、動画コンテンツ評価ツールの「アンルーリー」を紹介。アンルーリーEQでは、動画を見ている人の顔の表情をスマートフォンのインカメラなどで捉えてAIで分析できるという。

このように、動画を軸としたデジタルトランスフォーメーションが構築可能なCMSやDMPを選択してくことも重要なポイントになっていくだろうと江端氏は指摘した。

コトラー教授が提唱する「マーケティング4.0」とは?

続いて、江端氏はフィリップ・コトラー教授の「マーケティング4.0」を示し、自己実現欲求を満たすようなマーケティングが重要であると説明し、SNSやクラウドファウンディングなどによって消費者を巻き込んで価値競争と自分ごと化を行えるようになってきていると話す。

普及のために動画プロモーションが活況になる

デジタルトランスフォーメーションが企業の生死を分ける

さらに江端氏は、「Digitalize or Die(デジタル化か死か)」という言葉を使い、最初に、うまく早く変革したものが生き残ると説明する。たとえば、同じフィルム会社であっても、コダックは2012年に米国で破産法申請を行ったのに対し、富士フイルムはフィルム技術を応用して他の分野に進出して成功している。

また、アメリカの小売業界大手のsears(シアーズ)は、2018年に米国で破産申請を行ったのに対して、Walmart(ウォルマート)はデジタルトランスフォーメーションによって大きな成長を遂げている。

デジタルトランスフォーメーションが生死を分ける

マーケティングはサブスクリプション型へ

今後マーケティングはサブスクリプション型に向かうと、江端氏は話を続ける。サブスクリプションはさまざまなサービスで広がっているが、普及の背景には技術的に実現できる環境がそろってきたこと、事業者側と利用者側の心理的な意識が変わってきたことが挙げられるという。また、サブスクリプション型は、LTVが高く、獲得や継続の施策にコストをかけることができることもメリットとしている。

マーケターに必要な4つスキルセット

このようなことを踏まえて最後に江端氏は、今後のマーケターに必要な4つの要素を示した。

第一に「新技術やサービスをいち早く使ってみる」ことを挙げ、半歩先の施策を模索し、他社に先駆けて導入することで二番手よりもROIを上げることができると説明する。

第二は「実験用の予算を持つ」ことを挙げた。急に到来したチャンスに対して大きく投資する前に実験用の小さな予算があれば間違いが少なく、やらないと実証できないケースもある、そういった場合に備えて効果検証用の費用を持つことも重要だとした。

第三は「正解に導くシナリオを作って迷ったら両方やる」」ことを挙げた。データやツールを利用すれば、正解にに導くシナリオをある程度作ることができる。シナリオを作る過程で迷ったら、両方試すということも重要だ。

第四は「経営者の視点を持つ」」ことを挙げた。マーケティングとビジネスモデルは直結しており、マーケターの経営への影響範囲が大きくなってきている中、業界によってはディスラプション(破壊的創造)をマーケターが仕掛ける必要もあり、顧客と市場が変わりつつあることを企業内部に伝える役割もマーケターにある、と述べ講演を締めくくった。

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