価格とコールバック予約機能が決め手/実践! ウェブ電話ケーススタディ:SKYWEB
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[特集]ウェブ電話のすべて――ネットマーケティング最前線
“よし、買おう”への最後のひと押し!
SEO/SEM/LPOでは勝負がつかない! ネット営業の最終兵器「ウェブ電話」を活用しよう
オンライン旅行会社の
問い合わせ窓口としてウェブ電話が活躍
SKYWEB 株式会社テンプ
http://www.skyweb.co.jp/
- 設立:1990年8月
- 事業内容:旅行業務
無料問い合わせ窓口で同業他社との差別化を図る
国内格安航空券オンラインチケット予約センターなど、旅行業務を展開するSKYWEB。7月の繁忙期ともなると、午前10時の業務開始から18時30分までの間、注文や問い合わせの電話が鳴り止むことはないほどの忙しさだという。約10人のオペレーターで日時や行き先、宿泊施設の確認を正確に取り次ぐ。
「オンラインの旅行業務を扱う場合、お客さまご自身がパソコンを操作してチケットを予約することも珍しくなくなりましたが、ツアー予約などは価格構成や旅行行程の組み合わせが複雑で、ホームページを見るだけで内容を理解するのは簡単ではありません。やはり、電話による問い合わせ窓口は不可欠です。当社に限らず業界全体が、オンライン店舗にも電話による問い合わせ窓口を設けています」(営業本部長 福地益己氏、以下同)
確かにツアー参加のプロならばホームページに目を通すだけで自分が参加するツアーの日程や価格、ホテルのアップグレード費用もひと目でわかるかもしれないが、ビギナーの場合、なかなかひと目では理解できまい。航空券を予約するにしても、便を間違えれば旅行は台無しだ。正直なところ、「旅のプロ」にガイダンスしてほしい……と、多くの利用者が感じているはずだ。仮にサイト内にメールによる問い合わせフォームがあったとしても入力事項が多く、面倒くさい。電話による問い合わせですませたくなる。
- ツアーの予約など、価格や旅行日程の組み合わせは複雑
- ホームページの情報を見るだけでは理解が難しい
- 入力フォームは、不慣れなユーザーにはハードルが高い
そういった業界事情もあり、SKYWEBではNTTの一般回線の問い合わせ窓口を設置。ウェブ上に電話番号を表示して、顧客のニーズに対応していた。ところが、ここで1つ疑問が。なぜ「0120」から始まるフリーダイヤルを使わないのだろうか。
「旅行代理店業界でフリーダイヤルを採用しているのは、一部の大手のみなんです。旅行予約は一件あたりの通話時間が長く、フリーダイヤルを使うと事業者の負担が大きくなりすぎるんです」
ところがテンプでは、こういった業界の常識から差別化を目指したのだ。
「旅行価格を見直すことはもちろんですが、さらにお客さまにとって利便性の高いサービスを提供できないかと考えたとき、電話問い合わせ窓口の無料化に辿り着いたのです。当初はNTTのフリーダイヤルの設置も考えましたが、ほかのサービスを探しているうちにウェブ電話を知り、比較検討した結果、まずはトライアルで使ってみようかと。それが今年の3月です」
ミスが起こる
(事業者には大きな負担)
ウェブ電話を採用した決め手は「コールバック予約機能」
SKYWEBがウェブ電話を採用した理由は、設置コストや通話料負担の低さも挙げられるが、実は決め手は「コールバック予約機能」だった。
「当社の電話問い合わせ窓口の営業時間は10時から18時30分までです。ところが、営業時間外の問い合わせも決して少なくはなく、こういった機会損失を防ぐのに、コールバック予約機能が有効だと思ったのです」
確かにサラリーマンの日常生活を考えると、レジャーについて調べるのは仕事が終わってから、夜間のほうが圧倒的だ。ところがほとんどの旅行会社の問い合わせ時間は過ぎてしまっている。「明日電話すればいい」とは思うも、日中は仕事に追われ問い合わせについて忘れている、もしくは電話をかける時間がないというのが現実だろう。
ところが、あらかじめコールバック予約を入れておけば、指定の時間に電話がかかってくるとわかっているので、昼休みや休憩時間に設定することで忘れることなくコンタクトがとれる。何より自分から電話をかけるという作業から解放されるので、とてもラクだ。お客の側からすれば利便性の高いサービスで、旅行会社からすれば顧客獲得の増加につながる。両者にとってメリットがあるのだ。
「ウェブ電話の導入後2か月目くらいから1日あたり5件近くのコールバック予約が入るようになりました。やはり夜間から深夜に予約が入っているケースが多く、いかにこの時間帯のニーズが高いかがわかりました。最近は平日に休みのサラリーマンも珍しくないので、出かける前の午前中にダイレクトコールによる問い合わせも徐々に増えていますね」
コールバック予約が入ると、日時などの情報がメールで知らされる。あらかじめどの日時に問い合わせをすべきかスケジュールを把握できるのも嬉しい点だそう(ちなみにウェブ電話には、コールバックの時間が重ならないようにできる機能も付いている)。
旅行代理店の営業時間外
昼休みや休憩時間を指定して電話を受けられる
SKYWEBでは4か月間のトライアルを経て、7月からウェブ電話を本格導入。全12回線のうち、4回線をウェブ電話に割いている。現在は1日平均10件以上のコールバック予約、30件以上のダイレクトコールがあるという。問い合わせ件数自体も、全体で2割増。これに伴い、成約数も同じような割合で伸びている。
- 4ヶ月間のトライアル後、2007年7月から本格導入
- 全12回線のうち、4回線をウェブ電話に
- 1日平均10件以上のコールバック予約
- ダイレクトコールも30件以上
- 問い合わせ件数も全体で2割増
「現在はまだ一般回線を使った問い合わせのほうが多いですが、サイト上でウェブ電話のバナーが目立つように設置するなど、より使いやすい環境を提供することは大事だと思います。今後、インターネットユーザーにウェブ電話が浸透するにつれ、その利便性からも利用者は増えるのではないでしょうか。それに応じて、回線も増やしていこうと考えています」
無料通話になることでミスの軽減も
ウェブ電話の導入で変わったのは、オペレーターとお客の間のやり取りに余裕が出て、予約内容のミスが減ったことも挙げられるという。
「最終的には書面で確認するので、ミスがあった場合はわかるのですが、事前のお問い合わせのとき、携帯電話だと通話料が高いということもあり、お客さまは早口でポイントだけをしゃべるなど、通話時間をなるべく短くしようと意識します。大体、旅行予約をするのに通話時間は10分から15分ほどかかるので、確かに通話料金は安くありません」
急いでいれば当然、言い間違いや聞き間違いなどが原因で、予約の内容にミスが起きる可能性も否定できない。
「しかしウェブ電話だと、お客さまの通話料負担はゼロ。落ち着いてやり取りができるようになり、結果的にミスが減るようになりました」
なるほど、無料通話には、思わぬ効果があったようだ。
最近は若年層を中心に自宅に固定電話を置かずに、携帯電話オンリーという人も少なくない。だが、通話料の高さからか長時間の会話は控える傾向にある。友人同士ならメールでもよいが、問い合わせとなるとこうはいかない。ウェブ電話で可能になる無料通話は、こういった時代背景にもマッチしているといえるだろう。
モバイル向けウェブ電話もスタート。幅広いシーンで活用へ
また、SKYWEBでは6月よりモバイル向けサイト「得するトラベル」に広告を出稿。ここにもウェブ電話のシステムを導入して、携帯電話から直接ウェブ電話を使った問い合わせが可能になっている。
最近はデスクトップPCだけではなく、携帯電話などのモバイル端末で旅行情報を調べることも珍しくない。そのまま電話で、引き続いて問い合わせられれば、これほど便利なことはない。もちろんデスクトップPC向けのウェブサイトと同じく、一般回線を使った問い合わせ窓口も案内しているが、無料で利用できるウェブ電話だと、よりユーザーメリットは高い。モバイルサイトに実装することで、ウェブ電話の特性をさらに活かせるに違いない。
他社への差別化ツールとしてウェブ電話を導入したSKYWEB。パソコンだけではなくモバイルサイトにも採用することで、さらなる差別化をも実現しているのではないだろうか。電話による問い合わせ窓口が不可欠な業種だけに、その効果はてきめんといえる。また、コールバック予約機能で、機会損失をカバーしている点も注目だ。SKYWEBでは今後も、一般回線と並行してウェブ電話も使用する予定。問い合わせ方法の間口を広げることで、顧客の拡大を視野に入れている。
この記事は、書籍『ウェブ電話のすべて ~ネットマーケティング最前線』の内容をWeb担向けに特別にオンラインで公開しているものです。
ウェブ電話のすべて ~ネットマーケティング最前線
ウェブサイトからボタンをクリックするだけで電話がつながる
ネット営業の最終兵器を活用しよう
ウェブ電話は、企業や店舗とサイト閲覧者をダイレクトにつなぐ「ネット営業の最終兵器」となり得る技術として関心が高まりつつある新しいコミュニケーションツールだ。ウェブ電話のサービスを使えば、お客様はウェブサイトに設置したボタンをクリックするだけであなたの会社に電話をかけられる。ユーザ側には通話料がかからない無料ダイヤルなので、サイト運営者側には、お客様からの問い合わせが増える、直接話せることにより成約率がアップするなどのメリットがある。
本書は、すぐにでも応用できる導入事例を満載しつつ、ウェブコミュニケーションの仕上げとなるであろう最新ツールとその利用の実際を解説する。ネットでより多くの顧客を獲得したいすべての人たちにとって、ネット戦国時代を生き抜くための具体的な指南書となるだろう。
ウェブ電話 → http://web-denwa.jp/
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