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[特集]ウェブ電話のすべて――ネットマーケティング最前線
“よし、買おう”への最後のひと押し!
SEO/SEM/LPOでは勝負がつかない! ネット営業の最終兵器「ウェブ電話」を活用しよう
ここでは、開発元であるリンクが自ら取り組む、ウェブ電話の技術を応用した新サービスを紹介する。コールバック機能を応用した音声メッセージ付きメールフォームなどからなる「ウェブ電話メール」だ。
従来のシステムに音声機能を追加した新サービス
本書ではこれまで、ウェブ電話を自社のサイトに活用する、もしくはウェブ電話のOEM供給を受けて販売するという事例を紹介してきた。中には、メンバーズの「フォンバナー」やメディアフラッツの「ナンバーアフィリエイト」ように、ウェブ電話の技術を応用して新たなサービスを創出する企業もあった。
紹介した各社は、「肉声による会話」という機能を付け加えることで、訪問者の利便性を向上させたり、これまでにないビジネスモデルを確立したりと、付加価値を生み出すことに成功している。ウェブサイトと電話という、これまでは切り離された存在であった2つが、IP電話の技術により結び付けられたのだ。
たとえば、ウェブサイトで当たり前とされている入力フォームだが、その作業は楽ではない。保険の資料請求や申し込みともなると入力情報は多岐に渡り、慣れていないと苦労することは、アドバンスクリエイトなどの例でも触れた。
しかし、ウェブサイトで当たり前とされている作業に「音声」という機能を付け加えることで、これまでの問題や課題は一気に払拭される。
ここではそんな、従来のシステムに音声機能をプラスしたサービスについて考えてみたい。紹介するのは、ウェブ電話の開発元、リンクによってすでに実用化されている「ウェブ電話メール」というサービスだ。
「メール」+「コールバック機能」で、音声によるアピールが可能に
メールは、テキストデータの送受信に使われるのが一般的だ。添付ファイルもエクセル、パワーポイント、画像データであることがほとんど。しかしこれに、音声ファイルも手軽に添付できたら……というアイデアのもとに作られたのが「ウェブ電話メール」だ。
「これはウェブ電話の技術を使って、メールフォームなどにコールバック機能を簡単に組み込み、音声メッセージ付きのメールフォームなどが構築できるサービスです。就職サイトのエントリーフォームに使えば、テキストだけではなく音声によるアピールもできるようになります」(株式会社リンク システムソリューション ディレクター坂元剛氏、以下同)
たとえば、ある企業サイトの問い合わせフォーム。これまでは、問い合わせ内容をいくつかある項目から選んで、それに具体的な質問などを入力して送信して、回答を待つのが一般的だった。ところが「ウェブ電話メール」の場合、補足の問い合わせが音声で残せる。
また、アパレルサイトだと、服の生地のイメージなど、テキストだけではカバーできない内容についてくわしく問い合わせられるだろう。音声を残すことで、担当者に微妙なニュアンスを伝えることもできる。
そう、実はこのサービスは、すでに先の実例で紹介している。モバイルファクトリーのセカンドライフ参入支援事業「Second Buzz!!」で、転職情報サイト「パソナユース」に提供している問い合わせ窓口で使われているものだ。エンドユーザーはパソナユースに問い合わせる際、フォームに自分の連絡先を入力すると、パソナユース側からコールバックし、相談内容を録音する。「ウェブ電話メール」のしくみもこれと同様で、その流れは次のようになる。
- メールフォームに氏名などの情報とともに携帯電話などの連絡先も入力
- 送信が完了すると、入力した番号に電話がかかってくる
- メッセージを録音する
- フォームから送信されるメール + 音声メッセージの添付ファイルが事業者に届く
サービスの利用者としては、留守番電話にメッセージを残すような感覚で手軽に利用でき、事業者としても今までメールフォームではわからない、利用者のさまざまなメッセージを捉えることができる。
「『ウェブ電話メール』の最大の特長は、今までのテキスト情報だけのやり取りではない、音声メッセージとテキストによる新しいコミュニケーションが実現できることです。テキストだけの問い合わせでは聞きづらい、表現しづらい内容が、音声なら的確に伝えられることもありますし、問い合わせ内容の入力が面倒な場合でも利用者は手軽に質問を投げかけられるので、機会損失の防止にもつながります」
入力が面倒な場合に便利
音声による自己PRを選考内容に加えることで
審査の精度が上がる
新しいコミュニケーションを実現
電話のデメリットも解消できる
より深いコミュニケーションが実現できるだけではない。サイト運営者にとっては、「ウェブ電話メール」を使うことでより的確な対応ができるようになるのもメリットだ。
例えば電話の場合、顧客から電話がかかってくると普通はそのまま電話に出るが、担当者が不在だと的確な回答ができず、問い合わせ者をがっかりさせたりもする。担当者があらためて連絡をするとしても手間がかかり、効率的とはいえない。一般電話だと、細かいニュアンスやニーズを確認できるのはメリットだが、時間など受け手の都合が考慮されないのがデメリットだ。多くの企業がメールフォームを用意している理由はここにもある。
しかし「ウェブ電話メール」は、同様のことを音声でも可能にする。いうなれば利用者の問い合わせと企業の回答のタイミングを意識的にずらすことで、能動的に対処できるようにしているのだ。
「メールが持つ、受け手が一時的に対応を保留できるメリットと、音声によるメッセージやニュアンスの伝達、これらのメリットを両立させたのが『ウェブ電話メール』です。これを使うことで、利用者と受け手の両者が満足できるサービスが実現できるのではないでしょうか」
就職サイトエントリーフォーム | アピールポイントが声で送れる、就職・転職サイトの新しいビジネスモデル。企業は登録情報だけでなく、音声による自己PRを選考基準にすることができる |
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問い合わせフォーム | 入力した内容以外に声のメッセージでも問い合わせができる、問い合わせフォームの新しい形態。問い合わせ内容を音声で補足することができる。ユーザの年齢層が高めのサイトや、コンサルビジネス・相談サイトなどに |
ブログプロフィールページ | 自分のプロフィール内に音声メッセージを登録できる。より集客力のある身近なプロフィールページに |
音声メール作成ASP | 相手に音声データ付きのメールを送るASPサービス。テキスト以外に音声でもメッセージを伝えたいときに利用する。グリーティングカードサービスなどにも応用できる |
初期費用 | 10,500円 |
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月間利用料 | 6,300円 |
国内通話料 | 9.45円/3分 |
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携帯・PHS通話料金 | 18.9円/1分 |
具体的な活用例
それではこの「ウェブ電話メール」だが、具体的にはどのような形で活用できるだろうか。ここでいくつか紹介しよう。
- 就職サイトのエントリーフォーム
現在、多くの就職、転職サイトのエントリーフォームでは、学歴や職歴といった履歴情報や自己PRをテキスト入力で行なっている。違いといえば、利用者の画像を載せるかどうかくらいだ。
ここにウェブ電話メールにより、アピールポイントを声で登録できるようにしたらどうだろう。利用者にとっては、他の登録者との違いを大いにプレゼンテーションできるに違いない。声による快活さだって伝えられるかもしれない。なにより、文字では表せなかった個性が表現できるようになるのだ(中には、審査の精度が上がることを素直に喜べない利用者もいるかもしれないが……)。
一方、企業にとっても、単に登録情報だけではなく音声による自己PRを選考基準に加えることができるようになる。これまでの、個人情報の収集・蓄積・選別といった機械的ともいえる作業から、利用者の個性をつかむという、一歩踏み込んだ選考が可能になるのではないだろうか。
- 問い合わせフォーム
前出のパソナユースの例がこれに該当する。入力した情報以外にも音声メッセージによる問い合わせができる。より詳細な問い合わせが可能になるのと同時に、キーボード入力が面倒な利用者に対しても対応できるようになる。服のサイズ・色・生地など細かい問い合わせニーズのあるアパレルサイトや高齢者の利用が多いサイト、コンサル・相談サービスのサイトなどに適している。
- ブログプロフィール
ブログのプロフィールページに「ウェブ電話メール」の機能を組み合わせれば、プロフィール内で音声による自己紹介もできるようになる。ブログといえばテキストと画像表示が一般的だが、「ウェブ電話メール」を使うことで、より閲覧者に身近なプロフィールページが作れるだろう。
- 音声メール作成ASP
音声データ付きのメールを送るASPサービス。テキスト以外に音声でもメッセージを伝えたいときに利用できる。夜間に電話をかけづらいが音声は残したいというケースにも使える。グリーティングカードサービスなどにも応用できるだろう。
このように、さまざまなシーンに応用できる「ウェブ電話メール」。導入も簡単で、既存のメールフォームの送信先メールアドレスをウェブ電話メールのアドレスに変更するだけで設定は完了だ。ウェブと音声を組み合わせた新たなサービスとして、今後のさらなる展開が期待される。
この記事は、書籍『ウェブ電話のすべて ~ネットマーケティング最前線』の内容をWeb担向けに特別にオンラインで公開しているものです。
ウェブ電話のすべて ~ネットマーケティング最前線
ウェブサイトからボタンをクリックするだけで電話がつながる
ネット営業の最終兵器を活用しよう
ウェブ電話は、企業や店舗とサイト閲覧者をダイレクトにつなぐ「ネット営業の最終兵器」となり得る技術として関心が高まりつつある新しいコミュニケーションツールだ。ウェブ電話のサービスを使えば、お客様はウェブサイトに設置したボタンをクリックするだけであなたの会社に電話をかけられる。ユーザ側には通話料がかからない無料ダイヤルなので、サイト運営者側には、お客様からの問い合わせが増える、直接話せることにより成約率がアップするなどのメリットがある。
本書は、すぐにでも応用できる導入事例を満載しつつ、ウェブコミュニケーションの仕上げとなるであろう最新ツールとその利用の実際を解説する。ネットでより多くの顧客を獲得したいすべての人たちにとって、ネット戦国時代を生き抜くための具体的な指南書となるだろう。
ウェブ電話 → http://web-denwa.jp/
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