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リンクベイトとは――アテンションとリンクを集めるリンクベイトの手法と実例

今日は、私がSMX Londonで使ったスライドを示しながら、どんなことを話したのかを説明していくことにするわ。ちなみに同じくSMX Londonでリンクベイトとバイラルマーケティングに関するプレゼンテーションを行ったCiaránの真似ね(何と言えばいいのかな。真似をするのは敬意の証)。Ciaránのスタイルなら、私がそれぞれのスライドについてどんなことを言ったか伝わるし、それに邪魔くさいパワーポイントの資料をダウンロードしなくて済むから、いいアイデアだと思ったの。

リンクベイトと現実世界

まずは、オープニングのスライド。すばらしい。我ながら良い出だしだわ。そう思わない?

バイラルコンテンツとリンクベイトは、誤解によって損をしている。

会場にいた人の大半が、リンクベイトの基本的な定義について知っていることは承知していたわ。リンクベイトとバイラルマーケティングのセッションに参加するからには、多分その方面の記事を少なくとも1つは読んだことがあるということよね。でも今回は万一に備え、簡単にその概念を定義するとともに、リンクベイトに関して耳にする可能性のあるさまざまな誤解をなくすことにしたの。

リンクベイトとは、アテンションとリンクの獲得を目的に作られるウェブコンテンツのこと。テキスト、ビデオ、画像、バッジなどさまざまな形式があるが、その目的はどれも同じだといえる。
リンクベイトは、必ずしも、場に似つかわしくないもの、スキャンダルなもの、非倫理的なものだとは限らない。

リンクベイトって、その呼び名で世間体が悪くなっていると思うのよ。だって、リンクベイト(リンクを呼び込む餌)っていうと、他人の意志を操作しているイメージがあるでしょ。でも、良質なものにリンクを張って、質の低いコンテンツを避けるのは人の常。そうした良質なコンテンツを作ることができて、しかも自分の仕事にとって旨みがあるなら、遠慮することはないわ。

ソーシャルネットワークはバイラルコンテンツを広める。
MySpaceには掲示システムが、Beboはウィジェットが、Facebookはリンクの投稿/共有システムがある。

実際のリンクベイト用コンテンツに触れる前に、リンクベイトが広がっていく様子を少し説明し、ソーシャルメディアのトラフィック源は、Diggだけじゃないってことを示したわ。

ちなみに、今回のプレゼンテーションでは、「Digg」という言葉を1度か2度しか使わないのが目標だったんだけど、ことリンクベイトの話となると、それは「えーと」みたいな言葉をまったく言わずにおくようなもの。好むと好まざるとにかかわらずね。

ブログコミュニティでは、互いのコンテンツを読み、リンクし合う
Livejournalはブロガー間の関係を促進するようにデザインされている。

どういうわけか、一部のブログプラットフォームの利用者は、関心事が共通し、なおかつ同じサービスを利用している他の人にリンクを張る傾向が強いみたい。

LiveJournalでは、同じ興味を持つ人同士のコミュニケーションを積極的に奨励しているわ。たとえばLiveJournalのLibrary Lovers(図書館愛好家)のようなコミュニティでは、図書館に興味のある人ならだれでも、ここに集まってチャットできる。ご存じのとおり、図書館というところは相当な文学好きにとってさえ、かなり退屈なところになりがち。図書館業界向けのリンクベイトがあるのだったら、このコミュニティの人たちに存在を知らせなきゃ。

フォーラムはリンクベイトを宣伝するのに適した場所だ

同様に、ジープに関するリンクベイトならば、JK-Forumのようなサイトを通じて瞬く間に広がる可能性がある。トラフィックはそれほど多くないかもしれないけど、ターゲット化はとても強いものになるわ。

GorillaMaskFarkのような一般的なフォーラムの場合は、ターゲット化がそれほどでもないリンクベイトに対して、大量のトラフィックを送り出せる。

ソーシャルニュースサイトは、ニッチ系と一般系のどちらも非常に有用だ

もちろん、Diggとそれに匹敵する同種のサイトも視野に入れておかなければならないわ。SMXイベントのセッションなんだから、Sphinnも考えに入れなきゃだめよ。

業界特化型のソーシャルニュースサイトと、主流の大手ニュースサイトの違いは、フォーラム間の違いと類似している。Redditはインターネットマーケティングのニュースサイトではないけれど、Sphinnはそうだという具合にね。

「従来的な」リンクベイトを作成するのは、非常に簡単だが…

Redditのフロントページを見たり、Stumbleボタンをクリックしたことがあれば、何が人気を集めているのかわかるでしょう。なかには不適切だったり、馬鹿馬鹿しかったり、あるいはその両方だったりするコンテンツもある。「飼い犬そっくり人間」コンテストの優勝者はかなり笑えるわ。銀髪の女性を見てよ。なんてご陽気なんでしょう。けれども、アパートを建てようとする人々に多額の不動産貸し付けを行うような保守的クライアントは、この手のコンテンツをおもしろいと思わないかもしれない。

あるいは、おもちゃの銃を使ったゾンビ対策キットみたいな洒落のおもしろさも伝わらないクライアントもいるかもしれない。たった今気づいたんだけど、私ってばこのプレゼンテーションで何度もゾンビを持ち出していたのね……。

Cracked.comのコンテンツは、どれもバイラル的人気を集める…。

「何でもあり」なサイトの例が、Cracked.comよ。

これまでCracked.comが掲載した記事の中で、diggポイントが1000点未満の記事なんてあったかしら? ここに掲載したスライドは小さくてわかり難いけど、例として示したのは、Cracked.comのフロントページにあった「完全に参ってしまいかねない5つの精神障害」よ。とてつもないリンクベイトね。あなたのSEOクライアントが健康保険会社なら、きっと大喜びするわ。

保守的な会社のためにリンクベイトを作成することは可能だが…、

このスライドで示したのは、以前SEOmoz仲間だったマット・インマンAvatarフィナンシャルグループのために作ったリンクベイトの例。Avatarフィナンシャルグループは、高金利ローンやつなぎ融資を手がける金融会社。Mattが作ったコンテンツ「私がCakePHPについて学んだ21のこと」は数多くのリンクを引き寄せたのだけど、どれも金融業界に関連性のないものだった。

関連性のあるリンクベイト作成戦略
①業界の潜在的な不可解さを想定する

関連性のあるリンクベイト作成戦略

私がリンクベイトを発想するときに使う戦術の1つに、対象とする業界の問題点、不可解さ、思いがけない事柄を考えてみる、という方法があるの。

このグラフは、私たちが苦労して行った科学的な(たとえばWikipediaを使ったりした)実験結果を表したもので、もし米国市民にもグリーンカード(永住権)の審査があったとしたら、通過できない人がいかに多いかを示したのよ。もちろん、米国市民にそんなものは必要ないのだけど、Diggはすぐさま食いついてきた。Diggに投稿したときのタイトルは、表現に若干の誤りがあり、あくまでも仮の話だったため、Diggファンが殺到とまで行かなかったものの、それでも764ポイントを記録したわ。このコンテンツは、Ubuntuやロン・ポールやテレビゲームに関する話じゃなかったのだから、この数字にさほど意気消沈することはなかったの。

※Web担編注 Ubuntu(Linux)やロン・ポール(大統領候補)は、Diggで人気の出やすいテーマの例。

このグラフが示す事柄の中には、他のものより議論を呼んだものもあったわ(それに、いくつかの点については、少々まじめに説明しなければならない)。このグラフは、完璧に正確というには程遠い代物よ。このコンテンツの中では、切り捨てた部分と不可解さについてはすべて説明したけれど、そんな枠外のテキストを読む人なんて、ほとんどいないわ。これは、移民問題を扱う弁護士を引き付ける絶好のリンクベイトになるはずだった。ところが、残念なことにそうはならなかったの。でもこれは、そうした業界が相手の場合、どんな戦術が使えるかってことをある程度示しているわよね。

関連性のあるリンクベイト作成戦略
②潜在顧客が直面する問題を考慮する

関連性のあるリンクベイト作成戦略

次に、潜在的クライアントが直面する問題を気にかけておくこと。彼らは何に興味を持っているのかしら? 学生向けローン会社だったら、学生生活でどんな無駄遣いをしているかってことを気にかけるかもしれないわ。学生ローンを求める人の大半は、新入生(大学1年生)や高校の最終学年の生徒なのだから、その年代の若者向けコンテンツを作成してもいいわね。あるいは、学生ローンの借り換えを専門に扱う会社なら、同様に大学4年生向けのコンテンツを展開する道もあるわ。

関連性のあるリンクベイト作成戦略
③それとなくキーワードの使用を促す

関連性のあるリンクベイト作成戦略

だれでも、適切なアンカーテキストでリンクして欲しがっているの。その方がメリットが大きいからよ。アンカーテキストが「ここをクリック」でもリンクに変わりはないけど、それが「学生ローンの借り換え」ならもっと良いわ。リンクベイトの主題がキーワードから大きく外れていない限り、それをtitleタグやmeta descriptionで使ってみるべきね。自分のコンテンツに他人がどうやってリンクを張るのか、こちらからどうこうすることはできない(Rebeccaが書いたわかり難いリンクの記事は読んだ?)けれど、ヒントを与えることはできるわ。

関連性のあるリンクベイト作成戦略
④通常コンテンツを、創造性が高く独自性のあるかたちで提示する

関連性のあるリンクベイト作成戦略

オランダのサイトHema.nlが、このとっても華やかで楽しいFlashのプレゼンテーションを作ったんだけど……、えっとこれは製品のページ? それとも製品ハイライトのページなのかしら? うーん、私はオランダ語が読めないので、何のページかわからないわ。でも、すごくかっこよかったので、このページにリンクを張ったの。オランダにおけるHema.nlの競合にはリンクを張らず、こちらにリンクを張った人で、オランダ語を読めない人の多くは、私と同じ理由だったと思うわ。そして、まさにそこがポイントなのよ。

通常コンテンツのユーザーの目から

リンクベイトを「隠す」ことは、個人的にお奨めしないけど、会社のホームページ(トップページ)上に撒き散らす必要もないわね。もしそうしたくなければ、トップページからリンクベイトコンテンツにリンクを張らなくても構わない。ただし一般論として、リンクベイトのコンテンツからサイト上の最も重要なページには、リンクを張っておく方が良いわ! 思い出してほしいんだけど、サイト内で非常に人気のあるページは、ブランド名とか企業名で検索した際に、検索結果で字下げ表示となって出てくることがあるでしょ。人気者はうまく「隠せ」そうにないわね。

WeddingPaperDivas.com

さてここで、退屈なサイトのための餌撒きの典型とも言えそうな、だれかが作ったリンクベイトの「実例」を示すわ。

結婚式の招待状が退屈って言っているんじゃないのよ。結婚を控えている人なら、そりゃあとても関心があると思うわ。このWeddingPaperDivas.comは、「奇抜な結婚式」のアイデアをいくつか提供し、リンクベイトにしているの。スーパーヒーローとかスタートレックのキャラクタとか、あるいはゾンビなんかに扮して結婚式をやるわけ。はい、これでこの記事に「ゾンビ」が出てくるのは2回目ね。

このコンテンツは、ナビゲーションテンプレートを使ってサイト上のすべての重要なページにリンクしている。けれども、ホームページからリンクベイトに対するリンクはない。ここのリンクベイトは、主題に適合していて非常に訴求力が高いのよ。

もっと優れたものになり得たリンクベイトの例

ここで、実際よりも有効なものになり得たリンクベイトを強調するために、「あなたの言葉はどこの地方系?」というテストを取り上げたの。

この言葉遣いテストは(それに類するものも含めて)、半年ほど前にとても人気があったの。だけどこのバージョンは、最終結果を表示して、「友人に送る」リンクを提供するだけのものだった。

クイズを作るなら、こういうカッコいいバッジを作らなくちゃいけなかったっていう例を示しておくわ。こうしたバッジがあれば、ゾンビの黙示録を生き延びる可能性が67%で、南部のアクセントの影響を57%受けていることが一目でわかるでしょ(これで3回目のゾンビ登場)。

倫理的に問題のある「コードスワッピング」

コードスワッピングの典型的な例
このリンクベイトに気付いた私は記事を書いたけど、該当のページは、その会社で最も実利を生むページにリダイレクトされてしまう。このページのリンクは、どれも「limousine(リムジン)」という単語が入っている。

上に示したのは、すごく簡単なんだけど、ほんの少し非倫理的なコードスワッピングの最近の実例よ。「コードスワッピング」とは、いったんリンクベイトを設置し、十分なリンクが集まったら、そのURLで表示される内容を、実利を生む別のページにすげ替えること。DiggやRedditやStumbleUpon用に、私たちはサンフランシスコみたいな急坂の街を運転しようとするリムジンの写真を用意したわ。急な坂で立ち往生するリムジンを見ておもしろがらない人なんているかしら? だれだってくすくす笑っちゃうでしょ。以前私が書いたSEOmozのブログ記事(日本語版記事)で、そういうリムジンにリンクを張ったの。企業が実施する優れたリンクベイトの例を探そうと、その記事を見直したところ、リンク先のページは、現在その会社のマイアミにあるリムジンレンタルのページにリダイレクトされていることがわかったのよ。マイアミはおそらく、その会社で最も利益の上がる市場なんでしょうね。そのページへのリンクの大半には、「limo」とか「limousine」という言葉が含まれていたわ。

私としては、コードスワッピングの手法を奨励しない。それはちょっとモラルという点で問題があるし、結局は意図しないところへリンクするはめになってしまうから。でも、ひとたび人気コンテンツでたくさんのリンクを獲得したら、多くのサイトが使いそうな選択肢ではあると思う。

このリンクベイトに気付いた私は記事を書いたけど

リンクベイトに関して重要なポイントが3つあるので、心に留めておいて。

  1. 否定的なコメントは、ソーシャルメディアの世界なら当たり前。でも、コメントは直に掲載せず、いったん管理者がチェックしてから表示するようにした方が賢明よ。ソーシャルニュースサイトやフォーラム、あるいはブログで何を言われるのか、それを制限することはできないけれど、自宅の庭で起こっていることなら管理できるはず。
  2. 「実例」として示した例は、まさに今実施されていること。「標準的な」クライアントのためにリンクベイトを作成するのは、不可能なことではないし、非常に困難というわけでもない。
  3. (えぇ、みんなスライドを読めば済むってことはわかってるわ……)リンクベイトを作成しても、リンクや投票や関心を多く集められないこともある。まあ、それはともかく、新しいコンテンツを作っていれば、いずれ成果があがる可能性は大いにあるわ。何が上手く働き、何が上手く行かないのかを学ぶことになるでしょう。そして、自分が作ったものを、どこでどのように売り込めば良いのか、的確にわかるようになるわ。

と、ここまで話して私は会場の聴衆に感謝し、スピーチを終えたの。光栄にも皆さんが拍手をしてくれて、嬉しかったわ。拍手がなかったら、とてもがっかりしてしまったでしょうね。それから、プレゼンテーションの資料(英語)をアップロードしておいたので、興味があれば何度でも再生してみて!

更新情報:SlideShareにアップロードした資料は、OpenOfficeで書き換えられたみたい。一部のスライドは、フォーマットが崩れて見えるわ。ロンドンの会場では、ちゃんとしたフォーマットのバージョンを見せたんですからね!

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