スポンサードサーチ Ver.3で押さえておきたい機能強化と変更点 6つのポイント

事前設定機能がスタートされ、Yahoo!リスティング広告「スポンサードサーチ Ver.3」への移行時期もいよいよ近づいてきた。追加機能や変更点に関する情報も少しずつ公開されている。今回は、現在明らかになっている新機能や強化点についてまとめてみた。
ベールを脱ぎつつあるスポンサードサーチ Ver.3の新機能&変更点
事前設定が始まり、すでに一部の機能が先行リリースされ、Yahoo!リスティング広告「スポンサードサーチ Ver.3」への移行がいよいよ間近に迫ってきた。それにともない、新機能や変更点についての具体的な情報も移行ポータルで公開されており、「スポンサードサーチ Ver.3で何が変わるのか?」「広告主はどう対応しなければいけないか?」など、広告主にとって気になる点も明らかになってきた。今回は、現状で明らかになっている新機能や変更点について改めて整理してみよう。
なお、事前設定については移行ポータルの「事前設定関連」記事や前回の「スポンサードサーチ Ver.3への移行事前設定スタート! 済ませておくべき2つの設定 [1]」を参考にしてほしい。
- 移行ポータルへのログインページ [2]
※「移行ポータル」の閲覧には、ログインIDの統合により発行されるYahoo! JAPANビジネスIDが必要です。統合が済んでいない場合は、「『スポンサードサーチ Ver.3』登場! 新情報を見逃さないために必要なこと [3]」を参考に手続きをしてください。
スポンサードサーチ Ver.3での変更は、広告主にとってのメリットをさらに向上させることに重点が置かれている。同等以上の広告効果を最小限の運用負荷で実現することを目指して、次のような強化が行われている。
- 検索キーワードと広告のマッチング精度向上
- マッチタイプ(検索方式)の拡張による細かい入札設定の実現
- 入札オプションの拡充による、手間のかからない自動入札の実現
では、具体的な機能強化や変更点について見ていこう。以下では、次の6点を解説する。
- マッチタイプの拡充によるキーワード設定の強化 [5]
- 対象外キーワードの設定可能数が大幅に拡張 [6]
- 統合されて使いやすくなった管理画面 [7]
- TPOに合わせて広告配信できるターゲティング機能の強化 [8]
- 広告プレビューツールの追加 [9]
- レポートのカスタマイズ性が向上 [10]
- マッチタイプの拡充によるキーワード設定の強化
- 対象外キーワードの設定可能数が大幅に拡張
ポイント1
マッチタイプの拡充によるキーワード設定の強化
スポンサードサーチ Ver.3で特に押さえておきたい機能強化の1つが「マッチタイプ」だ。これまで「検索方式」と呼ばれていたもので、「マッチタイプ」に名称が変わる。従来の「完全一致」「部分一致」に加えて、新たに「フレーズ一致」と、部分一致の拡張を制御する「絞り込み部分一致」が加わる。これらを組み合わせることで、これまで以上にきめ細かいキーワード設定ができるようになる。
各マッチタイプの対象範囲と、「ギフト 内祝い」をキーワードにした際にどのように機能するのかを次に示す。
完全一致設定したキーワードと一言一句完全に一致する検索でのみ広告を表示
「ギフト 内祝い」で登録すると、「ギフト 内祝い」というクエリで検索した場合のみ広告が表示される。
フレーズ一致《新》 設定したキーワードと完全に一致するフレーズを含む検索で広告を表示
「ギフト 内祝い」で登録すると、「ギフト 内祝い」というクエリで検索した場合に加えて、「ギフト 内祝い 2011」など、「ギフト 内祝い」が語順どおりに含まれるクエリで検索した場合に広告が表示される。
絞り込み部分一致《新》 部分一致の対象範囲を絞り込む
「ギフト +内祝い」で登録すると、「ギフト 内祝い」(完全一致)や「ギフト 内祝い 2011」(フレーズ一致)というクエリで検索した場合に加えて、「プレゼント 内祝」など「+」の後ろに付いているキーワード以外については、類義語や関連性のある語句の検索に対しても広告が表示される。つまり、「+」を付けた語句は、その語句自体か、ほんの少しの言葉の揺れ、たとえば、タイプミスや送り仮名の違いに対してのみ広告が表示される。一方、「+」を付けていない語句は、類義語や関連性のある検索に対して広告が表示される。「部分一致」よりも絞り込みつつ、「フレーズ一致」よりは幅広い見込み客にアピールしたい時に効果的だ。
部分一致設定したキーワードの類義語や関連性のある語句に対しても広告を表示
「ギフト 内祝い」で登録すると、「ギフト 内祝い」(完全一致)や「ギフト 内祝い 2011」(フレーズ一致)、また「プレゼント 内祝」(絞り込み部分一致)というクエリで検索した場合に加えて、「内祝い マナー」「内祝い 食器」「贈り物」など、類義語や関連性のある語句に対しても広告が表示される。

現在、完全一致に設定されているキーワードは、移行後もそのまま完全一致として設定される。しかし、スポンサードサーチ Ver.3の完全一致方式では、ユーザーが入力する検索キーワードと広告主が登録したキーワードが一言一句まったく同じ場合のみ一致とみなされる。そのため、完全一致のままだとインプレッション数が激減して、大きな機会損失を招いてしまうおそれがある。
インプレッションの減少(機会損失)を避けるためにも、マッチタイプは、スポンサードサーチ Ver.3への移行前に「完全一致」設定から「部分一致」設定に切り替えておくようにしよう。「移行ポータル」の下記ページでも詳細を説明しているので参考にしてほしい。
※上記URLにアクセスするにはYahoo! JAPANビジネスIDでのログインが必要です
ポイント2
対象外キーワードの設定可能数が大幅に拡張
スポンサードサーチ Ver.3では、対象外キーワードの設定可能数が大幅に拡張される。それにともない、アカウント単位で設定されている対象外キーワードは、キャンペーン単位の設定に移行される。現在のシステムの「アカウント単位」で設定した対象外キーワードは、「キャンペーン単位」に設定変更しておこう。そうすると、移行後と同じ状況になるので確認しやすくなる。
なお、現在のシステムのアカウント単位とキャンペーン単位で設定されている対象外キーワードが重複する場合は、各キャンペーンに設定される対象外キーワードは1つのみ移行される。
- 統合されて使いやすくなった管理画面
- TPOに合わせて広告配信できるターゲティング機能の強化
- 広告プレビューツールの追加
- レポートのカスタマイズ性が向上
ポイント3
統合されて使いやすくなった管理画面
ログインIDの統合により、これまで複数のIDで運用されていた各サービスを1つのIDでまとめることができる。画面デザインやユーザーインターフェイスが改善され、一覧性が向上してひと目で数値を確認しやすくなったり、管理画面や階層の移動操作が減ったりと、使い勝手がよくなる。さらに、表示内容やフィルタをクリック単価の高いもの順やキャンペーンのデバイスごとに表示できるなど、カスタマイズ性が向上して分析もしやすくなる。

※画像はサンプルです。実際の表示とは異なる場合があります
ポイント4
TPOに合わせて広告配信できるターゲティング機能の強化
ターゲティング機能が大幅に強化され、TPOに合わせたきめ細かい広告配信設定が可能になる。具体的には「T=曜日・時間」「P=場所(地域)」「O=ユーザーの閲覧環境(デバイス)」の指定が可能になり、たとえば期間限定のキャンペーンを展開する際に威力を発揮する。時間帯別に入札価格を変更することもできる。
- スマートフォンやタブレット端末などデバイス別のターゲティング配信(「Android向け」など)
- モバイルにおける地域ターゲティングのサポート
- 曜日別や時間帯別(15分単位)での配信指定(デバイス共通)
ポイント5
広告プレビューツールの追加
「広告プレビューツール」が新たに追加される。このツールを使うと、インプレッションを発生させずに広告の掲載を確認できる。
ポイント6
レポートのカスタマイズ性が向上
レポート機能が強化され、より柔軟なカスタマイズが可能になる。これまでは既定のテンプレートのみだったが、「どんな数字が見たいか」「どの期間にかけてか」「定期的に内容をチェックしたい」など、要望に応じて細かくカスタマイズできるようになる。これによって、手間のかかっていた個別レポートの作成が楽になるはずだ。
今回紹介した機能強化や変更点に関する情報は、「Yahoo!リスティング広告 スポンサードサーチ Ver.3 新システム移行ガイド」でも紹介している。以下のページからPDF版をダウンロードできるので、参考資料としてこちらもチェックしておこう。
※上記URLにアクセスするにはYahoo! JAPANビジネスIDでのログインが必要です
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