「コンテンツは良いのに大企業にSEOで負けた」そんな中小企業が逆転するために必要な考え方
読者から寄せられた仕事の悩みをウェブパンが代わって解決するパン! 今回は中小企業のSEO施策の悩みを解決するパン!
読者からのお悩みを解決するパン!
読者のお悩み
小規模企業で、自社サイトのコンテンツを作成しています。
弊社は早期から自社でコンテンツ制作に取り組んでいますが、ここ最近、後発でコンテンツを作り始めた有名企業に検索エンジンの表示順位で抜かれてしまいました。
大企業・有名企業にSEOでどのように対抗すればよいのでしょうか?
サイバーエージェントの木村さんに、ぜひ答えてほしいです!(ペンネーム:匿名)
お便りありがとうパン!
ご要望のとおり、SEOの達人である株式会社サイバーエージェントの木村賢さんに相談してみるパン!
ウェブパン、いらっしゃい! 私がそのお悩みを解決しましょう!
SEOで、中小は大手に勝てないのか?
後発の大企業にSEOで追い抜かれたパン! やっぱり会社の大きさが、SEOにも影響するパン?
SEOにおいて、まちがいなく大企業は有利です。大企業はサイテーション(Web上での言及数)が多く、その結果サイトが強くなり、コンテンツページの表示順位も上がりやすくなるのです。
中小企業がハンデを背負っているのは確かでしょうね。
やっぱりそうパンね……。じゃあもう、中小企業はSEOでは勝てないパン?
実はそんなこともありません。情報を求めるInformationalクエリであれば、いいコンテンツを作れば中小企業でも勝てる可能性があります。個人ブログやアフィリエイトサイトでさえ上がるくらいですから。ただし、YMYLは除きますので注意してください。
逆に、ECサイトでの購入など取引を意図したTransactionalクエリでは、中小企業は勝ちにくいでしょう。というのも、TransactionalクエリはYMYLの一部だとも言えるもので、サイトの信頼性などが重要視されるからです。
Informationalクエリに応えるコンテンツなら希望はあるパンね!
そうです。圧倒的に良いコンテンツであれば、企業規模やサイト規模のハンデは逆転可能です。
抜かれた理由は、コンテンツで負けたから
この質問者さんが大手に追い越された一番の原因は、何だと思うパン?
小規模企業だからサイトの力が弱いという以前に、コンテンツの質で負けていると思います。
「コンテンツは良いのに大手に勝てない」という相談は、実はすごく多いんです。でも厳しいことを言うと、そういう企業のコンテンツはたいてい微妙で、本当に質が良いケースは1割未満です。
企業規模を言い訳にして、コンテンツを磨ききれていない印象を持ちます。
木村さん、けっこう辛口パン……。
自分で作った記事がわが子のように可愛いい気持ちはわかります。しかし質を判断するのは、あくまで検索者や検索エンジンなんですよね。
なので原点に立ち返って、コンテンツの質を高めてみてください。その記事のテーマに関心がある人が100人いたら100人全員が満足できるような、至高の1本を目指してみましょう。
至高の1本! サイト名とか企業名をぜんぶ隠して見せても「すばらしい!」って言わせるような逸品パンね!
テクニックより、検索者を見ろ
ところでコンテンツの質を上げるには、どうすればいいパン?
「検索者を最高に満足させる」、その一点に集中することです。
この質問者さんは、SEOのテクニックはある程度ご存じだと思います。だからこそ、テクニックに頼りがちになってしまいます。SEOを一旦考えずに、本当に検索者に向き合って記事を書いてみたらどうでしょうか?
検索エンジンのために必要な要素を並べるイメージではなく、生身の人間に向けてハートで書くイメージです。たとえば「読後感」にしても、検索エンジン向けに書いた記事は読後感が悪くなりやすいんです。
テクニックより、まずは読む人に向き合う心構えからパンね!
そうです。実はテクニックよりも、コンテンツで人の心を動かすことが最高のSEOになったりします。
というのも、検索者の心が動くと、被リンクをもらいやすくなります。被リンクはSEO効果が高く、たった1本の被リンクでもランキングが上がったりします。
あるいはSNSでシェアされてサイテーションが付くことでも、記事やサイトのスコアが上がり、上位表示されやすくなります。
コンテンツで人の心を動かせば、大手に勝つチャンスも十分にあります。
SEOのエッセンスは、後から追加する
検索者に満足してもらえるように書けば、それでOKパン?
それができれば大きな進歩ですが、ユーザーファーストの記事を書いたあとに、SEOのエッセンスを加えるとさらに良い記事になります。
SEOのエッセンスって、たとえばどういうものパン?
コンテンツに関しては、簡単なものでも大丈夫です。たとえば次の2つの方法があります。
方法1キーワードをしっかりと入れてみる
上位表示を目指す検索キーワードを決めたうえで、次の3か所にそのキーワードをしっかり入れましょう。不自然にならない程度で大丈夫です:
- タイトル
- 小見出し
- 本文
あと、そのキーワードに関連するワード(共起語)を文中に入れるとなお良いですが、あまり本質的ではないので意識しすぎる必要はありません。
方法2検索エンジンが理解しやすい表現を使う
検索エンジンは、小説やポエムでよく見られるような凝った表現を理解するのが苦手です。たとえば次のようなものですね:
- 行間を読ませる
- 主語を省略する
- 倒置表現を使う
なるべく論文のように、論理的でストレートな文章にしましょう。
なるほど! SEO初心者でもすぐに実践できそうパン!
もっと言うとGoogleの品質評価ガイドラインで提示された「E-E-A-T」についても知っておいたほうが良いのですが、それを知るとテクニックに走りすぎるリスクもあるので、今回は「E-E-A-T」の説明については割愛します。
あと、ちょっと気になる点があるパン。
この質問者さんがコンテンツを刷新する場合、「リライト」と「最初から作り直し」のどっちが良いパン?
実際の現場では「リライト」の方法が取られることが多いです。もちろん最初から作り直すのは大変ですし、コストをかけて作った記事を潰すというのは、大義名分が立たなくて難しいんですよね。
でも私のおすすめは「最初から作り直し」です。マインドセットを切り替えて最初から書き始めるほうが、以前のコンテンツにひきずられず良いコンテンツになると思いますよ。もちろんケースバイケースですが。
検索エンジンと人間の脳みそは、ほぼイコール
検索者の満足が大事だとよくわかったけど、それは最近のSEOではテクニックが効かないということパン?
その傾向は強まっています。数年前までは、検索者を満足させるSEOは「キレイごと」で、テクニックで勝ててしまっていました。しかしここ最近は、「検索者を満足させること」が本当に実効性のあるSEO施策になってきているんです。
その背景には、検索エンジンと人間の脳みそが近づいていることがあります。というのもGoogleのAI型アルゴリズムは、実際の人間がコンテンツを評価したデータをトレーニングセットとして学習した、すなわち人間の思考を反映したものになっていると考えられています。
「検索者に好かれること≒検索エンジンに好かれること」と覚えておきましょう。
くり返しになりますが、Informationalクエリで検索者を満足させれば、小規模サイトや個人でも十分に勝機があります。あきらめずに、大手企業にチャレンジしてみてくださいね。
お悩み解決できたかな?「Web担当者Forum」では今後も読者のお悩みを解決するために頑張るパン!
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