GA4をサイト改善にどう活かす? 最初に取るべきアクションは、数字を眺める前に〇〇を変えること!
読者から寄せられた仕事の悩みをウェブパンが代わって解決するパン! 今回はサイト改善の悩みを解決するパン!
読者からのお悩みを解決するパン!
読者のお悩み
サイト改善のPDCAサイクルがわかりません。Googleアナリティクスの見方・データポータルの作り方などはわかりますが、どこをチェックし、どう改善に活かせばいいのか知りたいです。なお中小企業のため、Web担当者として動ける者は実質1人です。(ペンネーム: 雪見だいふくがすき)
お便りありがとうパン!
30年近いアクセス解析歴を持つプロフェッショナル、株式会社ミルズの石井研二さんに相談してみるパン!
ウェブパン、いらっしゃい! 私がそのお悩みを解決しましょう!
アクセス解析の数字を眺める前にすべきこと
解析画面を眺めていても、何もアクションが思い浮かばないパン。どうすればいいパン?
「トップページや会社概要ページへのアクセスが多いな」という当たり前の状態を漫然と見ていても、サイトは何も良くなりません。
また私のように多くのサイトを比較できる支援会社側であれば話は別ですが、企業のWeb担当者は比較対象がありませんから、数字だけを眺めていても、良し悪しの判断をしようがないでしょう。
なので分析するより先に、サイトに何か変更を加えてみてください。変更を加えることで、着眼点を持って数字を見られますし、変更した結果を受けて新しいアクションを起こしやすくなります。
そう言われてみれば、たしかにそうパン。でも「変更」って、たとえばどういうことパン?
簡単にできる、とっておきの打ち手があります。それは「リンクを変えること」です。具体的には、たとえば次の2つが考えられます:
- そのページの内容に関連性の高いページへのリンクに変更
- リンクへの誘導文言を、より期待感を持たせる文言に変更
リンク文が「戻る」や「詳しくはこちら」だけなら、すぐに変えましょう。あまりに素っ気ないですし、どんなページに飛ぶのか想像できません。
たとえば「なぜ○○は○○なのか? 気になる理由はこちら!」のように、読者が興味を持つポイントを想像しながら、期待感を高める文言に変えてみてください。
サイト改善のカギは「誘導力」を上げること
リンクを変えるだけなら、今すぐできそうパン! リンクのほかには、何を変えたほうがいいパン?
当然、闇雲にサイトを更新しても意味はありません。企業がWebサイトを通して、何を手に入れたいかという「目標」が必要です。目標があるから、アクセスを集めたいページや、改善すべきポイントが見えてきます。
たとえば「お問い合わせ」がサイトでの目標だとします。お問い合わせを増やすには、どのページへのアクセスを増やす必要がありますか?
えーと、お問い合わせフォーム……パン?
そうですよね。お問い合わせフォームを通らなければ、お問い合わせすることは不可能です。
では、お問い合わせフォームへのアクセスを増やすには、どうすればいいと思いますか?
え!? サイトに来てくれる人を増やすのが良さそう……パン?
たしかにサイト訪問者を増やす「集客」も大事です。でも、その前にすべきことはフォームへの「誘導」です。
GA4の「経路データ探索」という機能を使えば、お問い合わせフォームの前に見ていたページの情報を見られます。そこで見つけてほしいのが、この2つのページです:
- アクセスは多いが、フォームへの誘導数が少ないページ
- アクセスは少ないが、フォームへの誘導数が多いぺージ
前者の「アクセスは多いが、フォームへの誘導数が少ない」ページは、誘導力を上げる必要があります。リンクの文章などをテコ入れすることで、サイト全体のフォームへの誘導力を底上げできるのです。
後者の「アクセスは少ないが、フォームへの誘導数が多い」優秀なページも見つかることでしょう。そうしたページは、アクセスを増やす方法を考えます。たとえば、そのページへのリンクを増やす、SEOやリスティング広告で集客するなどです。
どっちのページを先に直したほうがいいパン?
「アクセスは多いが、フォームへの誘導数が少ない」ページを優先的に改善していきましょう。
ホームページは、上位15ぺージで6割程度の集客をしているというデータもあります。アクセスの多いページを直すほうが、サイト全体へのインパクトが断然大きいのです。
上司に「あいつに任せたら効き目が出てきたな」と思ってもらうには、アクセスの多いページから先に手を付けるのが賢明です。
SNSや広告での集客を考えるまえに、まずは誘導力の高いサイトを作ることが大事パンね!
GA4活用のポイントは「探索」
ところで、GoogleアナリティクスがGA4にバージョンアップしたけど、使い方のポイントはあるパン?
GA4は、Web広告を使わない企業のWeb担当者にとってはやや不親切です。
まず初期設定のホーム画面に並んでいる項目が「ユーザー」「新規ユーザー」「イベント数」「平均エンゲージメント時間」という見慣れない項目です。これで大半の人がGA4を遠ざけてしまっているように思えます。
項目名は、変更可能です。プルダウン形式で選択できるので、次の項目名などに変更しておきましょう:
- セッション
- 表示回数
- ユーザー
- コンバージョン
この指標があれば「表示回数÷セッションで平均ページ数」「セッション÷ユーザーで訪問頻度」「コンバージョン÷セッションでCVR」などが簡単に計算できます。
いきなり挫折しないように注意が必要パンね!
あと、「ホーム」では月次データが取れない点も、多くの企業にとっては使いにくい点でしょう。旧バージョンのUAでは月別の折れ線グラフを簡単に表示でき、データもエクスポートできましたが、GA4ではそれができません。
この点はGA4の左メニュー上から3番目にある「探索」を使えば解決できます。探索であれば、「日別」「週別」「月別」などの粒度を選択可能です。
基本的に私は「レポート」は見ておらず、もっぱら「探索」を使っています。自由に指標やディメンションを選んでレポートを作れますし、目標到達プロセスや経路データもグラフ化された形で見られます。
GA4は少しとっつきづらいけど、探索をフル活用できれば強い味方になりそうパン!
Web担当者が社内評価を上げる裏技「えこひいき」
質問者さんのような1人Web担当者さんに向けて、何かアドバイスはあるパン?
まずWeb担当者は社内で「あいつにWebを任せたら、なんだか上手くいっている」と思ってもらわないといけません。手っ取り早いのは数字で示すことです。
成約1件で100万円の売上とするなら、年間12件もWebから成約すれば1200万円の売上になって、Web担当者をもう1人付けようかという話も上がってくるのです。
結果を出すことが大事パンね。
結果を出すと、周りの対応も変わってきます。多くの会社では「営業がWebに非協力的」という問題を抱えていますが、結果さえ出せば営業のほうから「俺は前からWebが大事だと思っていた」と言って近づいてきてくれます。
ちょっとしたテクニックをお伝えすると、どこか1部門に絞って施策を打って、結果を出してみてください。いわば「えこひいき」ですね。どこか1部門で結果を出すと、ほかの部門が手のひらを返して連携を求めてくるようになります。
1人Web担当者も、まずは小さくてもいいので実績を作り、社内での自分自身やWebの評価を高めていきましょう。
お悩み解決できたかな?「Web担当者Forum」では今後も読者のお悩みを解決するために頑張るパン!
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