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YouTube アナリティクスで見るべき指標は? 動画SEOで注意すべき点と改善方法も解説

YouTubeアナリティクスで改善ポイントを紹介します。YouTubeのSEOで注意すべきチェックリストも紹介(第5回)。
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新人マーケター

YouTubeで動画をいくつか公開しているんですけど、芳しくないんです。

中山

最初はそういうものですよ。継続あるのみ。ところで、YouTube アナリティクスで数値の振り返りはしていますか?

新人マーケター

ざっくり眺めてはいるんですけど、データをどう解釈して、どんな対策を打てばいいのか、わからないんです。

中山

グラフや数字を漠然と見るだけでは、解決策は浮かんできません。分析のポイントや数値の解釈方法を解説しましょう。

新人マーケター

よろしくお願いします!

【注意】本連載は企業に勤めるマーケターさんに向けて書いており、広告収益でマネタイズを目指す個人YouTuber向けではありません。

YouTube アナリティクスで振り返りをしよう

YouTube アナリティクスは「YouTube Studio」の機能のひとつです。チャンネル全体の設定やカスタマイズ、コメント管理、収益受け取りをするのがYouTube Studioで、その中にあるメニューのひとつです。

チャンネルを開設すれば自動で用意されて、もちろん無料で使えます。動画の再生数や視聴者数、「どこから見に来た」「何分くらい視聴した」「高評価した」など、視聴者の傾向を詳細に確認できます。

ステップ ① チャンネル全体をチェックする

デフォルトでは直近の28日間のデータが表示されていますが、1か月では傾向がつかみにくいので、全体傾向を見るには「90日間」に設定するのが良いでしょう。

チャンネルアナリティクスで「90日間」の表示に変更

概要タブで見られるのは、「点ではなく面」なので、流れや傾向、あるいは急激な変動(動画がバズったなど)を把握するのには向いています。しかし、具体的に何をどうすればいいのか? 課題がどこにあるのか? は見えません。

人気順に動画が並んでいますが、人気の理由を示唆してくれるわけではなく、あくまで結果を表示しているのみです。

ざっくり眺めているだけでは改善策が見つからない理由は、そもそも流れや傾向を把握するために作られているからですね。点で見ていくためには、個別動画も振り返らねばなりません。「チャンネル全体(森)」と「個別動画(木)」の両方を交互に見比べて、分析するイメージです。

ステップ ② 動画ごとに「インプレッション → CTR(クリック率) → 視聴者維持率」をチェック

分析の目的は「仮説の見立て → アクション → 再び振り返って検証」するためです。

出した動画は、すべて「コンテンツ」メニューで答え合わせしましょう。やってみるとわかりますが、動画毎に「こんなに数値が異なるの!?」と驚くと思います。そして、理由を知りたくなるでしょう。

「コンテンツ」で動画毎に数値分析をする

動画にカーソルを合わせると、「アナリティクス」が表示されるのでクリックします。公開直後~2日くらいはデータが集計されていないので、数日後に見てみましょう。

「アナリティクス」をクリック

個別動画のアナリティクスも、「概要」「リーチ」「エンゲージメント」「視聴者」とタブが並びます。収益化設定をしていれば、「収益」というメニューも見られます。ちなみに、ミエルカチャンネルは収益化を目的としていないので、データはありません。

個別動画のアナリティクスの項目

それぞれのタブでわかることは、次の通りです。

  • リーチ(from Where): どこから流入したか? どれくらいの目に触れたか?
  • エンゲージメント(How/Which): どの動画が見られたか? どれくらい見られたか?
  • 視聴者(Who/When): 誰が、いつ見たか?

ただし、「Why(なぜそう行動したか?)」は教えてくれません。分析ツールなので当然ですね。データから仮説を立て、施策 → 検証するのは自分自身です。骨の折れる作業ですが、ここがチャンネル運営の一番の醍醐味でもあります。

以下、筆者が重視する3つのチェックポイントを順に紹介します。

  1. インプレッション
  2. インプレッションのCTR(クリック率)
  3. 視聴者維持率

1. インプレッション

インプレッションは、「YouTube上でどれだけ表示されたか」の指標です。どれだけ露出したか、がわかるわけですが、言い換えると「YouTubeが『この動画は、たくさんの人の目に触れさせる価値がある』と判断したか」を測る数値でもあります。

インプレッション数1.4万

2. インプレッションのCTR

インプレッションの次に見るのがCTR(クリック率)です。どれだけ視聴者の目に留まり、クリックされたかの数値です。

インプレッションのCTR 5.4%

「CTRの合格ラインは何パーセントか?」とよく質問を受けるのですが、ハッキリした正解はありません。ただ、目安をお伝えすると4%あたりでしょうか。経験からの体感で表すと、次の通りです。

  • 2~3%:やや低調
  • 4~5%:ひとまずクリア
  • 6~7%:まずまず
  • 8~9%:かなり良好

CTRからわかることは、サムネイル(とタイトル)の出来不出来です。サムネイルの良し悪しでCTRが激変するので、本編以上にクリエイティブには気を使う必要があります。

どんなサムネイルがクリックされやすいか? の成功条件があるわけではないですが、個人的に導き出した「これは満たしていないとダメ」な3条件はこちら。

  • 文字数は20文字以下
  • 一瞬で視認しやすいビジュアル(大き目のフォント)
  • 要素は3つまで(誰が、何を、どうした)
左:CTR7.0% 右:CTR:7.9%

上図のサンプルは、CTRが良かった例です。左のサムネイル(CTR7.0%)は、文字数は20文字以下で、視認しやすいビジュアルであるとともに、3つの要素を満たしています。

  • 誰が: ファベルカンパニーの女性社員が
  • 何を: 競合サイトと上位サイトの
  • どうした: 調査方法を教えます

右のサムネイル(CTR7.9%)も文字数、視認性を満たし、3つの要素を満たしています。

  • 誰が: ファベルカンパニーの鈴木謙一が
  • 何を: リンクスパムアップデートが始まったことを
  • どうした: 解説します

それ以外にも、次のことをイメージしながら試行錯誤することで、数値は改善していきます。

  • スマホをスクロールする一瞬で読めるか?
  • 読むのに脳が疲れないか?
  • 視聴するメリットがあるか?

3. 視聴者維持率

次に見るのが視聴者維持率です。再生した動画をちゃんと最後まで見てくれたか? 途中で離脱してしまっていないか? 離脱したポイントはどこか? のエンゲージメントを推し量る数値です。

平均再生率(視聴者維持率) 47.6%

YouTubeの視聴者は、電光石火の速さで「見る or 見ない」の判断を下します。若い人ほど見限る時間は早く、一説にはティーンエージャーは4~5秒、20代は6~7秒、30代は8秒前後で見るか見ないかを決めます。

シニア層だと10秒以上は見てくれる…など、我慢強い傾向はありますが、大目に見ても、再生開始後の15秒で勝負は決まるといってよいでしょう。何パーセントがどのタイミングで離脱したか? は、視聴者維持率グラフで赤裸々にわかります。

こちらは、ミエルカチャンネルの初期と最近の維持率の推移を比較したものです。

ミエルカチャンネルの初期と最近の視聴者維持率の比較

パッと見では、2つのグラフは形状が似ていますが、最初の30秒での離脱率は10ポイントも違いますし、最後まで見た率は2倍の差があります。最近の動画のほうが、維持率が高いことがわかります。

もうひとつ、円で示しているのは「急激に離脱が始まった」タイミングですが、これは視聴者が「動画が終了したんだな」と判断して離脱したポイントです。最近の動画のほうが、終了直前まで視聴していることが見て取れます。

視聴維持率の改善ポイントとしては、以下のようなものがあります。

  • 目玉シーンを最初の5秒でチラ見せして、後半の期待を高める
  • 冗長なオープニングとエンディングトークをばっさりカットして、本論の密度を高める
  • 結論を冒頭で提示し、謎解きのように後半で解説する

構成をあれこれ見直すことで、視聴者維持率を改善していきましょう。

ステップ ③ トラフィックソースの種類をチェック

視聴者がどこから動画を見に来たか」の流入経路がわかるのはトラフィックソースです。YouTubeの内部、YouTubeの外部、それぞれを細かく確認できます。

トラフィックソースの画面

主なトラフィックソースは、以下の5つ。

1. ブラウジング機能

YouTubeがオススメすることをブラウジング機能といいます。ご自身のYouTubeのホーム画面にアクセスすると、ズラッと動画が並ぶと思いますが、そのページのことを指します。ブラウジングで表示されると、再生数が一気に伸びます。

2. チャンネルページ

個別動画ではなく、「チャンネルにアクセス → 見たい動画を探す → 再生する」こともありますが、この場合が「チャンネルページ」というトラフィックにカウントされます。

3. 関連動画

動画の右横(スマホの場合は下)に、動画再生後に表示される動画が関連動画です。人気動画の関連動画にあなたの動画が表示されると、これまた再生数が伸びます。

4. YouTube検索

YouTube上で検索して再生されると、YouTube検索の項目にカウントされます。ちなみに、どんなキーワードで検索したのかも、YouTube アナリティクスで確認できます。

5. YouTube外からの流入

Google検索や、各種SNSからの流入は、「YouTube外からの流入」にカウントされます。

外部サイトからの流入は、Twitterが32.6%と最も多いことがわかる

ステップ ④ 「チャンネル未登録者へのリーチ」をチェック

視聴者タブで見られる「チャンネル登録者の総再生時間」を確認することで、チャンネル登録者と未登録者のおおよその割合がわかります。

チャンネル登録者の総再生時間

未登録が多ければ良い or 悪いは一概に言えません。まだ登録していない新規層を狙った動画なら、未登録の割合が多いほうが良いですし、既に登録している方々に届けたいメッセージであれば、登録済みの割合が高くてしかるべきです。

ひとつの正解を求めて右往左往するのではなく、「意図した結果になっているか?」「なっていないのなら、なぜか?」を自問自答して検証するサイクルを回しましょう。

未登録にリーチしたかったが…結果は振るわず

たとえば、下の「SEOあるある」は新規層にリーチさせたかったので、未登録の割合が42%という結果には、やや不満が残りました。

チャンネル登録済みが57.8% 未登録が42.2%(「SEOあるある」のチャンネル登録者の総再生回数)

チャンネル登録済みに届いた

逆に下の動画は、既存ファン向けのプレゼント企画なので、登録済みの人に届くことを目的と出したので、チャンネル登録済みの割合が63%とまずまず想定通りでした。

チャンネル登録済みが63.7% 未登録が36.3%(「プレゼント企画」のチャンネル登録者の総再生回数)

「チャンネル登録数を増やす」ことを目的にした動画なら、未登録層にリーチしなければならないので、登録済み率が9割…だったら「企画内容を考え直したほうが良い」でしょう。

かといって、未登録者しか見ない動画というのも不自然ですし、未登録者を狙った極端すぎる動画ばかりが増えると既存ファンが離れてしまいます。チャンネルを成長させつつ、既存登録者にも満足いただく個別動画の再生時間のベスト比率としては、「登録:未登録 = 40%:60%」くらい…が筆者の肌感です。

ステップ ⑤ 「YouTube 検索」もおろそかにできない

YouTubeのトラフィックは、「ブラウジング」や「関連動画」が中心です。「YouTube内で検索する人は少数派なので、YouTube SEOの重要度はあまり高くない」という声も耳にします。

たしかに、YouTubeとGoogleとでは検索行動が変わりますし、YouTubeでは検索するよりアルゴリズムが勧める動画をなんとなく見てしまうことも多いものです。しかし、YouTube 検索のみを制してもYouTubeでは勝てないけれど、ロングテールワードが積みあがることで安定したアクセスとなり、無視できないのも事実です。

たとえば、動画によってトラフィックソースはけっこう変わります。

瞬発力の動画のトラフィックソース

ブラウジング機能で一気に伸びたけれど、検索ではあまりヒットしない動画が下図です。一気に再生数を稼ぐことはできても、長期間にわたってアクセスさせることが難しい「瞬発力」タイプの動画です。

ブラウジング機能が42.2%と突出して高く、YouTube 検索は5.0%にとどまる

根強い人気動画のトラフィックソース

対照的に、瞬発力には欠けるけれど、検索で根強い人気のある動画が下図です。キーワードをしっかり押さえ、検索意図をくみ取った動画は長期にわたった資産コンテンツになります。YouTube SEO も抜かりなく実践していきましょう。

YouTube 検索からの流入が23.1%

参考までに、YouTube SEO 視点でのチェックリストを用意してみました。

  • 狙うキーワードはタイトルに入っているか
  • タイトル詐欺になっていないか(期待値を合わせる)
  • タイトルは20~40文字前後を狙う
  • 「概要欄」にキーワードと関連キーワードは複数回入っているか
  • 「概要欄」の長さは300~500文字が目安
  • 動画に関係ない情報は概要欄から減らす
  • タグにキーワードを入れる(関連動画に影響する)
  • 検索キーワードや関連動画を見ながらハッシュタグを最適化(検索結果に影響する)
  • 「チャンネルの説明」にも重要なキーワードを入れる
  • 再生回数はランキングへの影響が大(他のSNS、ブログ、公式サイトなど外部からの誘導を積極的に行う)
  • 視聴時間も影響が大きい(視聴者維持率×再生回数を増やす)
  • 高評価:低評価の比率は(最低でも)8:2を目指す
  • 動画の長さは最低2分(理想:5分~10分)
  • 公開から最初の数週間は上位に表示されやすい傾向がある(いわゆる新規ブースト)
  • コメント数→ランキングに強い相関あり(動画内でコメントを促すのも良い)
  • チャンネル登録者数→ランキングに強い相関あり(動画内で登録を促すべき)
  • 動画の埋め込みも相関あり(自社サイト、オウンドメディアなどの活用)

「これをすれば、上位表示してウハウハ」ということではなく、最低限やっておかないといけないですよ、というアドバイスとお考えください。

◇◇◇

これまで「チャンネルの立ち上げ方(第1回)」「目標設定の仕方(第2回)」「ウケる動画作りのコツ(第3回)」「撮影や編集などの現場のテクニック(第4回)」についてお話してきました。

次回の最終回では、実際にチャンネルを運営する企業さんをお招きして対談します。

チャンネル運営で感じたメリットや効果、掴んだ手応え、将来的にどう成長させ、何を期待するか? についてお話していきます。

※マーケターとマーケッターの揺れがあり、マーケターに統一しました。(編集部 21-09-21)

 

 

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