YouTubeの動画を「撮影 → 編集 → チェック → 公開」するポイント27個を大公開!
前回までの3回で、YouTubeチャンネルの目的が固まって、目標設定もできて、どんな動画を作ればいいか見えてきました。
いよいよ次は動画撮影と編集ですね。
そうなんです。でも、撮影や編集は独自の具体的なノウハウが必要ですよね? 各作業のフローやコツを知っておきたいです。
では、ステップ・バイ・ステップでノウハウをレクチャーしましょう。
よろしくお願いします!
動画作成のフロー
YouTube に限った話ではないですが、動画はこんなフローで作成されます。
1.トークスクリプト(台本) → 2.撮影準備 → 3.撮影 → 4.編集 → 5.チェック → 6.公開
今回は、順を追ってQ&A式で回答していきます。
1. トークスクリプト(台本)の用意
Q1:台本は箇条書きでもOKですか?
A:OKです。むしろ、一字一句書き上げてしまうと、棒読みになってしまって不自然になることもあります。筋道の流れさえおさえておけば、脱線してしまうこともないでしょう。
Q2:アドリブを加えても大丈夫ですか?
A:問題ありません。あえて遊びをもたせ、自由に話してもらう方が自然ですし、演者の魅力も醸し出されるものです。最初はかっちりしたスクリプトでスタートし、慣れてきたらアドリブを織り交ぜてみてはいかがでしょう。
Q3:トークスキルに自信がありません。
A:慣れが解決してくれます。最初の数回はリテイク覚悟で気軽に始める、くらいで大丈夫です。カメラに向かって話すのが慣れていなくて不安な場合、もしくは専門用語が頻出するのであれば、細かめのスクリプト(台本)を用意すると安心できます。また、たとえ詰まっても編集でどうとでもなるので、生配信でない限り心配は無用です。
2. 撮影(準備)
Q4:どんな撮影環境を用意すればいいですか?
A:雑音を拾ってしまうのを避けるため、静かな場所が望ましいです。会社であれば会議室がベストです。できれば自然光の入ってくる部屋がオススメです。
Q5:所要時間はどれくらい確保すればいいですか?
A:不慣れなうちは(直前の確認作業、機材&ネットワークトラブルの発生など)予想以上の時間を要するものです。想定の1.5倍の時間を確保しておきましょう。60分で済むと思ったら、90分おさえておく、といった感じです。
Q6:どんな機材を用意すればいいですか?
A:スマホ撮影なら、三脚と照明があればOKです。なお、照明はオンラインの場合でもあったほうがいいです。日中であっても部屋の中までなかなか光は届きませんし、届いても微妙な光加減であることが多いです。リングライトなどがあると便利です。
Q7:自宅でオンライン撮影の場合の注意点は?
A:周辺の交通量が多いと音が入ることもあります。窓やカーテンを閉める、奥の部屋を移動する、などしましょう。運悪く配達のチャイムが鳴ることもありますが、少し巻き戻して撮り直せばOKです。
3. 撮影(当日)
Q8:撮影時のあるあるミスはなんですか?
A:カメラの「録画ボタンの押し忘れ」です。信じられないようなケアレスミスですが、実際起きるものです。開始直後に気づけば御の字ですが、終盤だとリアルに血の気が引きます。
なお、押し忘れはオンライン撮影でも起きるミスです。Zoom(or Meet)の録画ボタンを押して、タイマーが起動したことを目視確認してから話し始めましょう。
Q9:話し始め、話し終わりのコツはありますか?
A:「数秒の間を開ける」よう心がけましょう。ほんの少しの余韻です。
- 撮影開始ボタンを押す → 数秒おいてから話し始める
- 話し終えて数秒おく → 撮影終了ボタンを押す
Q10:話し方のコツはありますか?
A:YouTubeならではのちょっとしたコツを挙げてみます。
- 声は大きめに(大きい分には困らないが小声は対処しようがない)
- 噛んでも気にしない(噛む前まで巻き戻して再度話す)
- 「あー」「えーっと」などは気にしない(編集でカットできます)
- 用語は端折らない&略さない(視聴者のリテラシーを意識して話す)
- 言葉はなるべく統一する(顧客 or お客様 or ユーザーなど)
Q11:何分くらい撮影すればよいですか?
A:完成動画の長さを撮影前に予想するのは難しいですが、目安は「完成動画の2倍」です。10分の動画にしたければ、撮影時間は20分くらいです。カットし、無駄な隙間を切っていくと、おおよそ半分の時間になるものです。
Q12:オンライン撮影時のコツは?
A:インタビュー撮影後に「なぜか片方の声がぜんぜん聞き取れない」ということもあります。マイクの接続がおかしい、音が飛ぶ、といったこともあるので、本番直前に音量テストはしておくとよいでしょう。
Q13:バーチャル背景かリアルな背景、どちらがよい?
A:どちらでもOKです。が、あまりにも生活感のありすぎる背景だと話者の威厳が損なわれるので、そこはバランスをとってください。面倒であれば、バーチャルにしておくのが無難です。
Q14:相槌や合いの手はどれくらい入れるのがベスト?
A:インタビュアーの「はいはい」とか「なるほど」は最低限にとどめましょう。理由は「双方の声が被ってしまうと、聞き取りにくい音源になる」からです。被っている片方だけ音を消すこともできません。
ただ、相槌が全くないのも不自然で話しづらいでしょうから、「大きめにうなずく」など、ジェスチャーでカバーするのが良いと思います。
Q15:撮影後、演者に確認しておくことはありますか?
A:トラブルを避けるため、以下を行っておくとよいでしょう。
- PC画面を共有して撮影した場合、モザイクをかける箇所を取材後に確認しておく
- 画面共有して説明したパワポの資料は、演者に共有してもらう(スクショで使いたい)
- 数字やファクトを演者に確認してサムネイルで使う(売上50%UP、検索順位25位→2位、3倍の時短など)
4. 編集
Q16:外注と内製、どちらがいいですか?
A:編集はもっとも手間と時間がかかる作業です。社内で内製できるならそれに越したことはないですが、リソース確保が難しいのなら「アウトソース一択」でしょう。編集ソフトの使い方を学んでなんとか自力で進める、ではさすがに非現実的です。餅は餅屋に任せ、社員は企画、分析、戦略設定に脳みそを使いましょう。
Q17:外部編集者に依頼する場合のコツはありますか?
A:アウトソースをする場合も、できればカット編集は社内で行うのがオススメです。理由は、外部編集者には「何をカットし、何を残すのか」の判断軸がないから。未編集の生データをそのまま渡すと、クライアントに「あそこはカットしないでほしかった」と言われることをおそれて、多めに残してしまうものです。結果、「ここはカットで良かったのに」というムダな部分が残り、手戻りの作業量が増えてしまいます。
外注者が保守的な考えになるのは当然で責められないのですが、このような双方の無駄な配慮を減らすためにも、最初のカットだけは社内でやっておくのがベターでしょう。カットは社内、テロップ、イラスト、図版、効果音、BGMなどの編集作業は外とするとスムーズに運びます。
Q18:外部編集者向けに指示書は用意したほうがいいですか?
A:以心伝心の間柄ならまだしも、そうでなければ指示書は作ったほうがいいです。というか、指示書がないと外部編集者は途方に暮れてしまいます。
とはいえ、すべての動画に細かな指示書を用意するのはしんどいですから、図版作成やイラストも外注する場合は、テンプレート(型)を作っておくのがオススメです。
テンプレートに当てはめるだけで作業が進むので、外注者が悩まなくて済みますし、依頼側も完成イメージを想像しやすいです。
Q19:BGMで気をつけることはありますか?
A:ボリュームが大きすぎると、せっかくの声がかき消されて台無しになります。動画内容をまったく知らない人に試しに見せて、聞き取れるか、BGMが邪魔していないか、をチェックするとよいでしょう。なお、演者自身は「自分の声は聞き慣れている」ので、チェックには不向きです。
Q20:外部編集者はどう探せばいいですか?
A:クラウドで探すのが手っ取り早いですが、玉石混交なので当たり外れがあります。知人経由だとある程度スキルと信用度が担保されているので、まずは周辺で聞き込みをしてみましょう。
Q21:良い編集者さんの見極め方はありますか?
A:残念ながら、確実な方法はありません。トライ・アンド・エラーあるのみ。ただ、ひとつ確実なのは「外注者さんとの相性はマジで大事!」ということ。単純にスキルが高いから相性が合うわけではなく、実際に1本お願いしてみないとわからないものです。
なお、個人的に重視しているのは「レスの早さ」。編集スキルが似たり寄ったりなら、レスの早い人に頼むのがベスト。レスが早い人は仕事ができるものだし、逆もしかりです。
5. チェック
Q22:公開前の動画チェックはどのように行えばいいですか?
A:ミエルカチャンネルでは、限定公開URLを関係者に共有して、複数の目でチェックしています。スピード重視で完成したら即公開したいところですが、企業として発信するので、最低限以下のことは複数人で確認しておきたいです。
- 内容が正確か
- 炎上を誘発しないか
- 誤解を招く表現をしていないか
- 自社や他社を毀損する発言をしていないか
Q23:どこまでの精度を求めればいいですか?
A:粗はいくらでも見つかるので、完璧を目指しすぎると永遠に公開できません。どこかで割り切る必要性はあります。
たとえば、テロップの変換ミス、照明がやや暗かった、オープニングの挨拶で噛んだ、言いたかったことをひとつ忘れてしまった、BGMの選曲がやや微妙などは致命傷にはなりません。公開を優先して反応を見て、改善を積み重ねればよいのです。
6. 公開
Q24:サムネイルで気をつけることはありますか?
A:サムネイルの良し悪しでCTRは天と地ほど変わるので、超大事です。個人的に大事にしているのは以下です。
詰め込まない
- 文字数は16~20文字前後がベスト
- 漢字・平仮名・カタカナのバランスを意識する
タイトルとサムネイルの文言は同じにしない
- タイトル:動画内容の説明
- サムネイル:目と興味を惹くキャッチコピー
凝りすぎない
- 装飾よりも一目で理解できるか? 伝わるか? が大事
- スマホで見れるフォントサイズか?
すべてを書かない
- 目的は「興味を惹く」ことなので、答えを書かない
Q25:公開する時間帯はいつがよいですか?
A:チャンネル特性、視聴者属性に左右されるので、ひとつの正解があるわけではありません。しばらく運用してからYouTubeアナリティクスを見て、よく視聴されている時間帯を探りましょう。
経験則で言いますと、ミエルカチャンネルは「月曜の朝、金曜の夕方は視聴モードになっていない時間帯」なので避けています。通勤時間、昼休み、退勤時間など、初期のうちはいろいろ試してもいいでしょう。意外に「土日に見られる」企業チャンネルもあるので、他業種の事例をそのまま鵜呑みにするのは早計です。
Q26:週末に見られることが多いなら、週末に公開するのもアリですか?
A:アリです。動画内容にもよりますが、週末の午後に視聴されていることもあったりします。
ただ、週末なのでコメント対応など、反応はしにくくなることはご留意ください。せめて、問題なく公開されているかどうかのチェックは忘れずに。公開時間にYouTubeを開いて再生するだけなので、たいした作業ではないはずです。
Q27:社員にSNSでのシェアをお願いしてもいいですか?
A:もちろんです。しかし、「個人アカウントに勤務先の投稿を載せるのはちょっと……」と、意外にシェアしてくれないのも事実でして、過度な期待はしないほうがよいです。あくまで自由意志の元、可能な人が可能な範囲でやる、くらいにしておきましょう。
逆に、登場してくださったゲストや取材相手にはしっかりご報告し、同時にシェアも依頼するのを忘れずに。
ここまでお読みいただき、具体的なノウハウは伝わったかと思います。次回は、「公開した動画をどう評価して、課題を見つけ、いかにチャンネルを成長させるか?」をお伝えします。
コメント
「論」より「証明」してほしいです
言っている事が実際に「有効」に出来ていないと思います。
「ミエルカチャンネルでは、限定公開URLを関係者に共有して、複数の目でチェックしています。スピード重視で完成したら即公開したいところですが、企業として発信するので、最低限以下のことは複数人で確認しておきたいです。」
こう書いてあります。
しかし「最近のミエルカチャンネルのサムネイル例」左上を見ると「3つを忘れる」と表示されているように見えますが、「3つを忘れるな」であり、真逆の意味で伝わります。
動画の長さ「9:08」とサムネイルの「な」が被っていて「な」が隠れてしまっています。
「忘れる」と「忘れるな」では先程も言いましたが真逆です。
なのにこれでチェックを通過したんですか?
ご意見ありがとうございます
こちらに関してもコメントでのご意見ありがとうございます。
すべてをうまくできているわけではないですが、押さえるべきポイントはみなさまのお役に立てるのではないかと。
内部的なチェックに関しては、中山さんも編集部も、さらに精進していきます!