インタビュー

Twitterに正式版「カルーセル広告」が登場! 広告効果を高める3つのトリガーとは? Twitter Japan犬飼裕一氏に聞いた

Twitterのカルーセル広告が特に日本で好調だ。広告効果が高く、多くの企業が挑戦しはじめている。その特長や活用のTipsについて、Twitter Japanで詳しく聞いてみた。
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2020年11月、満を持してTwitterのカルーセル広告が正式にリリースされた。このカルーセル広告の特長や活用のTipsについて、Twitter Japanグローバルパフォーマンススペシャリスト 犬飼裕一氏にお話をうかがった。

Twitter Japanグローバルパフォーマンススペシャリスト 犬飼裕一氏

Twitterのカルーセル広告とは?

カルーセル広告は、2~6枚の画像または動画が並んだ広告フォーマットのことだ。右にスワイプすると、次の画像または動画が表示され、アプリやWebサイトへの誘導ができる。設定は、Twitterの広告マネージャーのツイート作成画面から簡単に行える。

タイムラインが縦にスクロールするTwitterの中で、カルーセル広告は唯一横に移動できるクリエイティブなので、インパクトがありますし、ユーザーの注意をひくことができます。横にスライドする画像、動画を使って豊かな文脈を伝えていけるのがカルーセル広告の特徴です(犬飼氏)

カルーセル広告はTwitterに初登場というわけではない。2019年にベータ版として広範囲に提供しており、成果を上げている広告主も多かった。しかし、一般提供するには、安定性において改善するべき点があるということでベータ版の提供をいったん終了した。

すべてのお客様に安心して使ってもらうために、いちから開発し直しました。開発後、再度アルファ版、ベータ版を一部のお客様に提供し、広告プラットフォームとして強度、安定性を上げて、2020年11月に正式版としてリリースしました(犬飼氏)

ここまで丁寧な対応をしているのは、カルーセル広告のポテンシャルが高いからだ。ベータ版提供時には、次のような成果が得られている。

  • Webサイトに誘導するカルーセルでは、通常のWebサイトカードフォーマットと比較して、CTR(Click Through Rate)が平均で15%増加
  • アプリに誘導するカルーセルでは、通常のアプリカードフォーマットと比較して、インプレッションあたりのインストール数が平均で24%増加

カルーセル広告の目的とTwitterならではの特徴

カルーセル広告は次のような目的で活用ができる。

  • ウェブサイトカルーセル:ダイレクトレスポンス(LP誘導)、ブランディング、ブランド認知向上、態度変容
  • アプリカルーセル:アプリのインストール、既存アプリユーザーのリテンション、再利用の促進

商品が複数あるなら、Webサイトカルーセルでそれぞれの商品画像を見せてもいいし、単品の商品でも複数の観点からの特徴を紹介してもいい。犬飼氏がおすすめするのは、Twitterユーザーの気質を理解したうえでのクリエイティブだ。

ディスカバリーマインドセットと呼んでいるのですが、Twitterユーザーは楽しいこと、ワクワクすることはないかと期待してTwitterを開きます。おもしろいものがあれば、次を見たい、さらに次を見たいと、スワイプしてくれます。商品を並べてアピールするのも効果があるのですが、次はなんだろうと思ってもらえるような、カルーセルでストーリーを示すようなクリエイティブが受け入れられる傾向があります(犬飼氏)

この点でマッチするのが電子書籍業界だ。マンガの1コマ1コマをカルーセルで表示し、スワイプするごとにストーリーが進んでいく。最後のコマで続きはアプリで、とつなげることでアプリインストールに誘導できる。

また、ゲーム業界もマッチしている。インストールだけでなく、リエンゲージメント(休眠していたユーザーのアプリの再利用)に効果を発揮するのは、キャラクターをカルーセルに表示させるクリエイティブだ。キャラクターを見て「そういえば、途中だった」と思い出し、アプリを開いたり課金したり行動を起こすユーザーも多い。

もちろん、その他の商材でも有効だ。ブランディング目的では、2020年年末商戦でハイブランドの多くがカルーセル広告を使っていた。ハイブランドは「お買い得」「セール」というアピールではなく、むしろ商品そのものを表示するだけで、ブランドの世界観を伝えている。ハイブランドでも実際に、Twitter広告経由で商品購入につながっている例もある。

カルーセル広告使いこなすためのTips

2020年11月にカルーセル広告を正式リリースした途端、日本では多くの企業がカルーセル広告に挑戦しはじめた。

アーリーアダプターの広告効果が高く出ており、それを知った他の広告主もこぞって使い始めている。犬飼氏は、カルーセル広告のグローバルでの導入浸透の責任者も担っており、本社から高い目標を設定されたが、日本と韓国市場ではすでに目標値を達成したというのだから、その利用意向の高さがうかがえる。

犬飼氏は現在、日本で成果を出しているクリエイティブアイデアをベストプラクティスとして、日本のみならずグローバルで紹介し、浸透をはかっている。ちなみに、このベストプラクティスは、自らを「ツイ廃(Twitter廃人の略で、Twitter利用に没頭しており利用頻度が高い人を指す俗語)」と称する犬飼氏自身がTwitterで広告と接触する中で発見したもの。それが「カルーセル広告にエンゲージする3つのトリガー」だ。

  • スワイプできることに気づく
  • スワイプしたくなる
  • CTA(Call To Action)を押したくなる

それぞれについて詳しく見ていこう。

トリガー1:スワイプできることに気づく

まずは、ユーザーにカルーセルであること、スワイプすると続きがあることに気づいてもらわないといけない。そのための工夫として、次の3つを紹介する。

2枚目の画像の存在を目立たせる

1枚目の右側に配置される2枚目の画像に気づきやすいように目立つ色を使う。Twitterには、通常モードとダークモードがあるので、どちらであっても目立つように、白黒以外の背景を使うといい。たとえば、マンガは白い背景が多いが、枠を別の色で縁取ることで次の画像があることに気づかせられる。

スワイプを促すビジュアルキューを使う

画像の場合は、2枚の画像に矢印やイラストをまたがって描く、あるいは1枚目の画像に、「スワイプしてね」というようなメッセージやイラストを掲載するといった工夫で、ユーザーがスワイプすると動かせることを認識できるようにする。

1枚目の動画を短く

カルーセル広告に動画を配置すると、「オードアドバンス機能」によって、動画の再生が終わると自動的に次のカードが表示される。1枚目の動画を1~8秒と短くすると、自動的に2枚目に移動するので、ユーザーの注意をひくことができる。Twitterは縦スクロールなので、横に動くだけでも「あれ?」と思わせ、続きが表示できることを効果的にアピールできる。

トリガー2:スワイプしたくなる

スワイプできることに気づいたら、次はスワイプしたいと思ってもらうことだ。そのためには、順番が重要だと犬飼氏は話す。

Twitterのカルーセル広告は、設定した順番どおりに画像・動画を表示するようになっており、他のプラットフォームにあるような配信状況に合わせた順番の入れ替えを行わない。あえて順番を動かさないのは、メッセージの流れを崩さないためだ。

カルーセル広告の見せ方としては、次の4つがある。1、2は順番を変更したら意味が通じなくなるもの、3、4は変わっても意味は通じるものだ。

ストーリー/使い方・遊び方、操作方法

この2つは特に順番に見せることに意味があるものだ。ストーリーは、電子書籍やゲームの序盤をカルーセルごとに紹介するような形が王道だが、他にも商品やサービスのセールスポイントをマンガやイラストで見せるといったこともできる。

ゲームの場合は、遊び方の説明や、操作方法の説明をすることで、インストール前のユーザーの期待や理解度を上げることができ、広告費用対効果(ROAS)、インストール後の課金(LTV)などにも効果がある。

特長・効用・キャンペーン/商品写真、キャラ一覧

特長や効能など複数のアピールポイントがある場合は、カルーセルを並列する形でアピールできる。購入につながりやすいポイントを1枚目に持ってくるなど、構成を意識したい。

また、キャンペーン開催中であれば、すべての画像の中に同じ文言、フォーマットを含めることで、商品のバラエティを見せるのとキャンペーンを同時に訴求できる。

商品写真やキャラクターを並列に並べるのもよい。ブランドの世界観を投影した商品画像であれば、ブランディングへの貢献がある。キャラクターについては、特に有名なキャラクターであるほど、タイムラインで目を引きやすい。反対にゲームプレイヤー以外には、認知されていないキャラクターの場合は、並べてもスルーされやすく、新規獲得にはつながりにくいので、遊ぶ楽しさを伝えたほうが効果的だ。

トリガー3:CTAを押したくなる

カルーセル広告では、どのカードをタップしても、誘導するWebサイト、アプリに遷移するが、CTA(Call To Action)で行動をうながすメッセージ(今すぐチェック、ダウンロードなど)を入れたほうが効果的だ。

CTAは、カルーセルのどこに入れてもよいが、最後に入れると、途中で離脱せずに最後まで見たエンゲージメントの高い人にアクションしてもらえる。

さまざまな商品を並列で見せる場合は、全カードで30%オフというような購入を後押しするメッセージを入れてもよい。チラシ風のデザインにしている事例もある。ブランディングを目的とする場合は、あえてCTAを入れないケースもある。

紹介したカルーセル広告のTipsをまとめると次のようになる。

記事では具体的な導入事例を示せないが、担当代理店を通してTwitterの営業担当者に問い合わせをもらえれば、さまざまな活用例を教えてもらえる。

進化し続けるTwitter広告プラットフォーム

Twitterでは、カルーセル広告のリリース以外にもさまざまな広告プラットフォームのリビルド(再構築)を行い、より効果が出やすいように改善されている。簡単に紹介しよう。

モバイルアプリインストール広告の表示がよりわかりやすく

モバイルアプリのインストール広告では、ユーザーが見たときにより正しく伝わるように次のような情報が追加された。

  • アプリアイコン
  • レーティング平均(高評価のみ)
  • 価格

アプリの信頼性を高めるこれらの情報を加えることで、ユーザーが安心してインストールできるようにしている。なおこの改善後、インプレッションあたりのインストール数が8.88%向上したという。

モバイルアプリインストール広告の予測性能と広告枠の改善

モバイルアプリ広告枠の在庫を増やしたことにより、2020年同時期と比較すると、インプレッションが80%増加している。

これは、配信予測性能の改善と入札の最適化、プラットフォーム内の在庫の調整に加え、コロナ禍でユーザーの在宅時間が増えたことによるmDAU(収益につながるデイリーアクティブユーザー)が増えたことも影響している。より多くの広告枠をモバイルアプリ広告に供給できるようになった。

シンプルになったキャンペーンの設定と管理

Twitter広告マネージャーからの広告設定をより直感的に操作できるように、シンプルな構成に改善した。

モバイルアプリインストール広告の効果測定

Appleはプライバシー情報保護の観点から、iOS14からApp Tracking Transparency(ATT)を導入することを発表している。ATT導入後も、Twitter広告のインストールのアトリビューションを極力正確に提供できるような効果測定ソリューションを導入して、広告配信の成果を確認できるように対応している。

ダイレクトレスポンスの正確な効果測定

Webサイトに誘導する広告測定は、これまでサードパーティCookieに依存していたが、新しい仕組みとしてサイト訪問をより正確に計測するためのクリックIDを導入した。クリックIDは、リンク先のURLにユニークなIDをつけて送信し、広告主のWebサイトを表示したタイミングで、Twitterに情報を返すという仕組みだ。この仕組みを導入してから、広告経由の計測可能な訪問数が約10倍になっているという。

間違いクリックを減らすための表示

Webサイト誘導では、誤クリックを減らすためのインタフェース改善を行い、訪問したい人のみが訪問できるように調整した結果、広告をクリックした人の実際のサイトビジットが26%増加した。

Twitter広告プラットフォームの改善は、これが終わりではなく、常に継続して行っており、よりよいパフォーマンスでの広告配信ができるようにしています。私は、本社にいる開発チームに、日本の広告主や代理店をつなぐ役割を担っており、日本のニーズや課題などを伝えて改善を進めています。ご要望などがあれば、ぜひお知らせください(犬飼氏)

まとめ:Twitterカルーセル広告に挑戦してみよう

新しく生まれ変わったカルーセル広告について取り上げたが、Twitterを見るとさまざまなアイデアがカルーセル広告で表現されていることに気づく。Twitterの雰囲気を壊すことなく、ユーザーの好奇心や興味をそそるようなカルーセル広告は、広告成果が高く出ている。まだチャレンジしたことがない方は、これを機会にぜひチャレンジしてみてはどうだろうか。

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