国内&海外SEO情報ウォッチ 「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、日本と海外の検索マーケティング情報をさらっとまとめて毎週金曜日にお届け。
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コア ウェブ バイタルを良くしたいなら、ReactやVue.jsよりAMPを使うのが楽?

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コア ウェブ バイタルを良くしたいなら、ReactやVue.jsよりAMPを使うのが楽?
他JSフレームワークより好ましい相関を示す (Google Developers Japan) 国内情報

コア ウェブ バイタル、特にLCPとCLSを良くしたいのであれば、

  • React
  • Vue.js
  • AngularJS
  • Backbone.js

といったフロントエンド向けのJavaScriptフレームワークではなく、AMPを使うほうがいい ―― そうした調査結果を、グーグルのデータサイエンティストが公開した。

HTTP Archiveのラボデータセットに基づいた調査・分析によると、ウェブで広く使われているJavaScriptフレームワークと比較すると、AMPはコア ウェブ バイタルに良い効果をもたらすフレームワークだと考えられそうだ。

  • LCP(最大コンテンツの描画)
    • AMPは、LCP値と相関性が低く、あったとしてもLCP値に良い影響を与える
    • 調査した他のJavaScriptフレームワークすべては、LCP値と相関性が高く、いずれもLCP値に悪い影響を与える(特に悪影響が大きいのはAngularJS、GSAP、MooTools、RequireJS)
  • CLS(累積レイアウト変更)
    • AMP、GSAP、Reactは、「CLSが0.1未満になるか」に相関性が低く、影響も小さい
    • それ以外の調査したJavaScriptフレームワークは、「CLSが0.1未満になるか」に比較的相関性があり、悪い影響を与える(特に悪影響が大きいのはAngularJS、Handlebars、Vue.js)
  • FID(初回入力遅延)については、HTTP Archiveの調査データにないため不明

AMPを導入すれば、それだけでLCPとCLSが良くなるということを意味するデータではない。元記事でも次のように明記している:

その技術をウェブサイトに導入すれば、ウェブのパフォーマンスが向上すると解釈することはできません。

とはいえ、優れたコア ウェブ バイタル実現するフレームワークとしての能力をAMPは備えているとみなして差し支えないだろう。

調査データはグーグルのサイトに掲載された日本語記事にもあるが、完全版はHTTP Archive Blogにある。完全版ではJavaScriptフレームワーク以外の要素やCMSに関してもデータがあるので、興味がある人はそちらを参照してほしい。

★★★☆☆
  • CWV改善がんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

ドコモもauも、解約案内ページをnoindexで検索よけ。令和になってもそんなことしてるんだ……
体質がバレてしまいますよ (ITmedia Mobile) 国内情報

報道ですでに知っている読者も多いかもしれないが、大手携帯キャリアのNTTドコモとauが、検索結果の不適切な操作を理由に総務省から指摘を受けていたことが発覚した。

不適切な操作といってもスパム行為ではない。noindex robots meta タグの適切ではない場面での利用だ。具体的には、解約手続きを案内するページにnoindexを設置して、検索結果から隠していたのだ。

noindexしたページは検索結果に出てこない。つまり、「ドコモ 解約」や「au 契約解除」のような検索クエリで該当ページをユーザーは見つけることができないのだ。解約させないためなのではと疑ってしまう。

noindexにしていた理由を両社は次のように説明したそうだ。

保証サービスやお得な料金プランなど、解約前にご案内しないとお客さまの不利益になりうるものをまずご案内していた(ドコモ)

解約を検討中の利用者のためのページには検索回避のタグをつけていたが、解約の手続き方法を説明するページにはつけていない(au)

理由が納得できるものかどうかはここでは議論しないとしても、少なくないユーザーが探すであろうページを検索結果に意図的に出ないようにする姿勢には筆者は賛同しがたい。あなたはどう感じるだろうか?

ちなみに、UXの世界では「事前UX」「利用中UX」「事後UX」といった顧客の企業とのかかわりライフサイクル全体を通して体験を設計するという考えが、かなり前から言われている。

たとえば、家具や家電の事後UXは「買い換えるとき、捨てるときの体験はどうか」などだろう。不動産屋ならば「契約後の対応」「賃貸の退去時のやりとり」なども重要な事後UXのシーンだ。

こうした事後UXが悪いと、その不満がソーシャルメディアに投稿されるのが今の時代だ。それが拡散されればマスメディアで取り上げられる可能性も高まる。

「新規顧客獲得」「アップセル・クロスセル」「利用者対応」「契約解除対応」などを完全に別チームで対応しサイロ化させていると、局所最適化が全体UXを阻害する可能性がある。そうではなく、「知って、興味をもって、顧客になり、利用し、利用し終わる」全体の体験デザインを軸にできれば、こうした問題も減っていくのかもしれない。

★★★☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

ECで買うとき、62%の人が、他の人がSNSに投稿した写真を見ると買う気が増す
FB、インスタ、YouTubeを活用したい (eMarketer) 海外情報

62%の人が「他のユーザーが投稿した商品の写真や動画を見ることができると、商品購入の意欲が増す」と回答

これは、ある調査で判明したネットショップでの購買にかかわるユーザーの傾向だ(ここでいう「写真や動画」は、販売者がECサイトに掲載しているものとは別の、他のユーザーによる追加の視覚的情報」のこと)。

理由は単純明快で、その商品の全体的な見た目を購入前に知ることができるからだ。

具体的には次のような回答だ(カッコ内はそう回答した人の比率):

  1. はっきりしなかった部分が明確になる場合があるから(24%)
  2. 実際に使っているところを買う前に見たいから(21%)
  3. レビューが本当かどうかをより確信できるから(17%)
  4. 商品の質がわかりやすくなるから(17%)
  5. 商品のサイズ・フィット感・色がわかりやすくなるから(11%)
  6. 商品の素材がわかりやすくなるから(7%)

さらに、調査によれば、ソーシャルメディアに投稿された写真や動画が購入に大きな影響を与えるとのことだ。最も影響力が大きいのはフェイスブックで、インスタグラムとYouTubeが続く。

  1. フェイスブック(26.4%)
  2. インスタグラム(17.4%)
  3. YouTube(16.8%)

こうした結果が出たことを、eMarketer(イーマーケター)のプリンシパル アナリストは次のように分析している。

主流メディアや企業による見せかけのマーケティングを消費者は信用しなくなっている

その代わりに、事実を見つけるのに一般ユーザーやインフルエンサーによる投稿を頼るようになっている。

この調査は、Bazaarvoice(バザーボイス)の依頼によってSavanta(サヴァンタ)が2020年11月27日から12月4日に実施したもの。16歳以上の7602名がインターネット上で回答したもので、調査対象者は次の6か国から:

  • オーストラリア(n=576)
  • カナダ(n=1005)
  • フランス(n=1501)
  • ドイツ(n=1492)
  • イギリス(n=1515)
  • アメリカ(n=1513)

日本は含まれていないのだが、同じような傾向が見られるのではないかと筆者は推測する。

ECサイトでは、レビューには文章だけでなく写真や動画を添えられるようにすれば価値がありそうだ。

または、ソーシャルメディアを活用した写真や動画付きでのレビュー投稿を促進し、ECサイト側ではそうしたソーシャル投稿を表示するのも手だろう。

★★★★☆
  • すべてのECサイトのWeb担当者 必見!

適切な検索結果がないときのメッセージをグーグルが変更
前よりもわかりやすくなった? (Google Japan Blog) 国内情報

Google検索で、クエリに対して適切な検索結果をグーグルが見つけられなかったときの表示を、グーグルが変更した。

いまは、次のメッセージが表示される。

検索条件と十分に一致する結果が見つかりません。

検索条件と十分に一致する結果が見つかりません。

ヒント: 探しているページに表示されている可能性がある言葉で検索してみてください。たとえば、「ケーキの作り方」ではなく、「ケーキのレシピ」でお試しください。

お困りの場合は、その他の Google での検索のヒントをご覧ください。

このメッセージは、クエリとの関連性が低い検索結果しか作れなかったときに表示されるのだという。そのため、このメッセージが出たときも、関連しているのではないかとグーグルが判断した検索結果が表示されている。

ここからは推測だが、これはここ数年聞くことが増えていた「最近グーグルの検索結果が良くない」という声とも関係がありそうだ。つまり、以前は関連性が低い検索結果しか作れなかったときでもふつうに表示していたのだが、そうした場合には「違うかもしれないけど、探しているのはこういうことですか?」という意味あいのメッセージを出すようにしたのではないかというわけだ。

グーグルは可能な限り検索クエリに応えるように、さまざまな技術を活用して検索ニーズを推測し、検索結果を作っている。それでもユーザーのニーズに適合しているだろうと確信をもてない検索結果になった場合に表示されるのだと思われる。

ちなみに、本当に関連しそうなページをまったく見つけられないときは、今でも「見つかりませんでした」のメッセージが表示される。

一致する情報は見つかりませんでした

親切になったかどうかは微妙だが、少なくともグーグルがその検索結果をどの程度の確度とみて表示しているのかがわかるようになったのは、いち検索ユーザーとしてありがたい……SEOにはあまり関係はなさそうだが。

★★☆☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

98%のレビューがグーグルマップから削除されても順位が下がらないのはなぜ?
削除ではなく非表示になっただけ? (Sterling Sky Blog) 海外情報

グーグルマップでの上位表示の要因の1つにレビューの獲得数がある(単純に数が多ければいいというものではないだろうが)。

このレビュー数とランキングに関する興味深い観察結果がある。レビュー総数の98%(数にして700件以上)のレビューが削除されたビジネスがあったのだが、削除されたあとでも数か月にわたって上位表示を維持していたそうだ(削除理由はガイドライン違反とのこと)。

果たして、レビュー数はランキングとは無関係なのだろうか?

マップチームで働いていた元グーグル社員によると、レビューは実際には削除ではなく非表示になっているだけらしい。つまり、ユーザーには見えなくなっているものの、内部での評価要素としてはそのままで変わっていなかった可能性があるというのだ。

レビュー数の大多数を失ったこのビジネスは最終的にはランキングが下がった。だがこれは、レビューが少なくなったために目立たなくなりユーザーの反応が悪くなったためではないかと観察者は推測している。

いずれにしても、重要なランキング要因であるはずのレビューを大量に失ってもローカル検索の順位が下がらなかったというのは気になる。元グーグル社員の話が本当だったとしたら、たとえポリシー違反であってもレビューには価値があるということになる(現時点では)。

さすがにそれはおかしいので、もし現状がそうだとしても、すぐに修正されることだろう。

★★★☆☆
  • ローカルSEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

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