[若手マーケターコラム] Half Empty? Half Full?

マーケターから広報に転職して考えた、SNS時代に即した広報のあり方とは?

広告ではない方法でサービスを知ってもらうためにマーケターができることは何か?
ストアーズ・ドット・ジェーピー株式会社 加藤”えんじぇる”千穂氏

こんにちは、加藤”えんじぇる”千穂です。東急ハンズから2018年12月に転職し、現在は、ストアーズ・ドット・ジェーピー株式会社に所属しています。

みなさん、「STORES.jp」というサービスをご存知でしょうか? 誰でも簡単にオンラインストアがつくれるサービスで、アマチュアからプロまで、アパレルから食べ物や音楽まで、さまざまな方がこだわり溢れるオンラインストアを運営されています。

企業様にもご利用いただいていて、わさビーフの山芳製菓さんがオンラインショップで商品を販売していたり、スープストックトーキョーなどを展開するスマイルズさんの檸檬ホテルが宿泊予約を受け付けていたりと、業種業態、使い方もバラエティに富んでいます。

そんなSTORES.jpでの私の役割は、広告ではない方法でサービスを知ってもらうこと。

それって広報なのでは? と思い、広報について知るために、本を読んだり、他社の広報の方にヒアリングしてみたりしましたが、そもそも広報とは何なのでしょうか。

「広告ではない方法で認知を広めてほしい!」と言われて

公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会のホームページには、PR・広報についての定義が詳しく紹介されています。要約すると、

企業、行政、学校、NPOなどあらゆる組織体が、それを取り巻く多様な人々(今日ではその組織となんらかの利害関係がある人々をステークホルダーと呼ぶ)との間に継続的な“信頼関係”を築いていくための思考・行動である。

となります。

さまざまな立場の人たちと信頼関係を築き、維持していくこと、それは広報という職種かどうかに関係なく、チームで働くすべての人に必要な思考だと感じました。

今回は未経験で広報という役割になった、よちよち歩きな私と一緒に、「広報」について考えていただけると嬉しいです。

公式SNSって効果あるの?

企業の広報宣伝活動で、もはや欠かせないツールとなったSNS。御社ではどなたが担当されていますか? マーケティング部門、それとも広報部門?

媒体や目的によって異なるかと思いますが、ここでは広報として、ステークホルダーとの継続的な信頼関係を築くためのSNSのオーガニック運用について考えてみたいと思います。

私はTwitterをはじめとした、公式SNSの運用を担当しているのですが、このSNSにかける時間は非効率なのでは、と感じることが何度かありました。つぶやきひとつでお客様が獲得できるわけじゃないし、意外と時間もかかるし……と。

STORES.jpの公式SNSアカウント

特にSTORES.jpというサービスは、知ってすぐにアクションが起こるものではないという特性もあり、SNSは本当に必要なのだろうか、オウンドメディアの方が大事だし効果的なのではないだろうか、とそもそもを問うていた時期もあります。

そんなときに、コルクBooks主催「SNS公式アカウントNight」というイベントがあり、NHK公式Twitterアカウント、初代「中の人」浅生鴨さんの発言がタイムラインに流れてきました。

SNSは農業なんです。(中略)耕して、種をまいて、育てて、花が咲いて、実ができて、それでようやくいくらか収穫できるという。

目的をコンバージョンに置いてしまうとSNSは効果が薄いと思っていましたが、これは農業で、長期的な関係性を築くことが目的なのだと思えば、SNSに向き合う気持ちが変わりました。

その他の企業公式アカウントについても、どのような位置づけで運用されているのか調べてみました。

先日、中の人(妹)の卒業で話題になったキングジムさんは「知ってもらい、対話するため」、山芳製菓さんは「自社の商品を知ってもらうためと、ファンの皆様に親近感を持っていただくため」という目的で運用されている、とのことでした。

みなさんの意見を参考にしながら、SNSの目的とは、認知と一方通行ではないコミュニケーションだなと改めて感じました。

これから自社アカウントを運用する上でも、これは目先の利益ではなく、ステークホルダーとの長期的な関係性を築くためだということを忘れずに、続けていこうと思います。

プレスリリースって機能している?

広報の本を読むと必ず出てくるのが「プレスリリース」。ネット以前は、自社の情報を幅広く伝える手段がマスメディアに限られていたため、メディアへの情報提供ツールとしてプレスリリースは必要でした。

今は企業がWebサイトやSNSを通して、直接お客様に情報を伝えられます。それでも、プレスリリースはまだ必要なのでしょうか?

私個人の感想は、8割「はい」、2割「いいえ」かな、というのが今の思いです。

8割「はい」の理由は、ニュースの信憑性の担保と、情報を幅広い層に届けることができるからです。

いくら企業から直接発信できるようになったとはいえ、自分からのメッセージは独りよがりな情報に捉えられます。自社媒体以外のメディアが報じることで、そのニュースの信憑性は高まりますよね。

また、自社媒体の発信で情報が届けられる範囲は限られています。自社媒体で情報が届けられるのは既存のお客様、その中でも特に自社に関心を持ってくれているお客様です。

メディアを通じて自社の情報が発信されることで、自分たちでは情報を届けることができない層に情報を見てもらうことができます。メディアへのプラスな露出が増えることで、自社が活気づいて見え、それはお客様にとってはもちろん、従業員や従業員の家族にとってもプラスに働くと感じています。

どの媒体にも同じ情報では響かない

2割「いいえ」の理由は、一斉配信されたプレスリリースの掲載に意味があるのか、という疑問からです。

現在は、PR会社の配信システムを使うことで、何百というメディアに一斉にプレスリリースを配信できます。かつてのように、自力でメディアにアポをとったり、1つずつメディアの連絡先を調べて、プレスリリースを送ってという手間が省けるのは素晴らしいことです。しかし、一斉配信されるプレスリリースを、メディアは1日に何十、何百と受け取っています。その中で目に留まるものはいくつあるのでしょうか。

また、運良くメディアにプレスリリースが掲載されました! となっても、見てみると、プレスリリースがそのまま掲載されていることが多い。そういうものだと言えば、そうなのかもしれませんが、読者や特性が異なるメディアに、まったく同じ内容の記事を載せる意味とは? と考えてしまいます。

双方、人的、時間的リソースが不足しているのが理由だとは思いますが、やはり理想を言えば、企業はメディアの特性に合わせたプレスリリースを発行し、メディアはそのプレスリリースを参考にしつつ、読者特性に合わせて編集を施した記事にする。それによって、企業が届けたい人に対して最適な広報活動を行うことになり、ユーザーがその企業の商品やサービスに興味を持つ。

このような好ましい循環を生み出すために、できることはなんだろうというのを、よちよち広報なりに考えてみました。

良い循環を生むプレスリリースのポイント

1. 誰に情報を届けたいのかを考える

何よりも大切なのは、「誰に何を届けたいのか」を明確にすることです。

ただ話題になりたい、メディアに露出したいだと、プレスリリースもエッジが立たず、誰にも届かない情報となって終わります。対象が決まらないままだと、プレスリリースの掲載数だけで成果を判断することになりますが、それに意味がないことはもう多くの人が分かっているはずです。

届けたい人がいるメディアに掲載されたかどうか、それが何より重要だと思います。

2. メディアを知る

これはとあるメディア編集部の方に伺った話ですが、ビジネス系専門誌なのに、食品の新製品についてのプレスリリースを渡されたので、「うちのメディアを見たことありますか?」と聞いたら「いいえ……」と。

これは極端なエピソードかもしれませんが、届けたい人を決めたら、次はその人がどのメディアと相性がよさそうなのか、メディアを研究しないとわかりません。

対象となりそうなメディアはなるべく目を通し、誰に何を届けているのかを自分なりに分析します。頻出するキーワードを書き留めたり、どんなテーマがよく選ばれるのかを見てみたり。広告出稿で媒体を選ぶときも同じことが言えそうですね。

3. メディアに合わせて、ネタを編集する

メディアごとに出し分けられるほど自社のニュースが溢れている、という方は少ないと思います。ただ、たったひとつのニュースでも、メディアに合わせて編集し直せば、何通りにも膨らませることができます。

リリース全文をとまではいかなくとも、タイトルやサブタイトルだけでも、メディアに合わせて編集し直したいですよね。

でも、何よりも大事なのは「愛」!

最後に、広報をする上で何より大事なポイントは、自社の商品やサービスに愛と自信を持つことだと思います。

何のために知ってもらう必要があるのか、それはその商品やサービスが社会を良くするから、です。

これがあることで、よりよい未来や毎日になるという確信を持って発信する。誰より自社のファンになって、情報に想いを込める。

自社商品やサービスのしっかりとした理解と強い想いが、広報である私から語られる言葉に安心感や信頼感を付与してくれるはずだと思います。そういった言葉や態度の積み重ねが、自社商品やサービスへの信頼感につながっていくのだと思うのです。

まだまだ勉強中で、わからないことだらけです! この記事をお読みいただいた先輩読者の皆様! いやいや広報のポイントはそこじゃないよ、などお思いの方もいらっしゃるはず。どうぞ、いろいろなご意見・ご感想を聞かせてください!

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