Googleマイビジネスのリスティング管理がSEOで大切な理由と、シナリオ別の作業フロー(前編)
SEOのフォーラムには、Googleマイビジネスの情報リスティングに関して「リスティングを削除するには?」という質問がよくされる。
だが、この質問のような表現では、複雑で多様な問題が単純化されすぎている。実際には、リスティングを削除するだけで問題を解決できることなどほとんどない。
ビジネスを営む過程で起こるさまざまな出来事に対処するには、Googleマイビジネスのリスティングを削除することよりも、適切に管理する手順を知っておくことが必要だ。そうすれば、Googleマイビジネスを「ビジネスを阻害するもの」ではなく「支援してくれるも」のとして活用できる。
Googleマイビジネスの不都合なリスティングや問題のあるリスティングの管理は、きわめて専門性の高い作業だ。想定されるシナリオの種類によって行うべき作業が異なるため、これさえ行えば確実という単一の手順は存在しない。
そこで、以下の解説では、一般的なシナリオから状況に最も合ったものを選べるようにした。自分に合ったシナリオが見つかれば、どのような対策が可能なのか、あるいは残念ながら取りうる対策がないのかを知ることができる。
問題のあるGoogleマイビジネスのリスティングを管理するには、通常、そのリスティングの管理アクセス権を獲得するか、未確認状態にする必要がある。そこで、以下の表では、まず確認作業に関連した3つのシナリオについて説明してから、ビジネスでよく起こる他のシナリオについて説明する。
- なぜグーグルのリスティングの問題を積極的に解決するべきなのか
- 確認関連シナリオ
- 対処シナリオ
- 参考リンク
なぜグーグルのリスティングの問題を積極的に解決するべきなのか
簡潔にまとめるなら、Googleマイビジネス関連の不正確なリスティングや重複したリスティングは、顧客に誤った情報を与えたり誤った場所を示したりするだけでなく、そのせいで検索順位が下がってしまう危険性があるからだ。ローカルビジネスのリスティングは顧客サービスの一種であり、全体的なマーケティングプランでこの点を考慮しなければ、トラフィックや売上を大きく損ないかねない。
また、オンラインのアクセス案内に誤りがあることを指摘した否定的な口コミや、移転前の住所に行ってしまったという苦情の口コミが投稿されて、そのせいで評判を落とす結果になる可能性もある。
こうしたことをすべて考え合わせると、望まない結果が起きないようにするには、すべてのビジネスリスティングについて問題がないかどうかを監視し、問題がある場合は解決に向けた適切な対策を講じるといった、積極的なロケーションデータ管理戦略が必要であることがわかる。
リスティングを確認したり重複を管理したりする作業は、華やかな仕事ではない。だが、ビジネスにとってどんなリスクがかかっているのかを考えれば、これは必要な作業というだけでなく、称賛されるべき仕事だ。したがって、スキルを高め、厄介な状況に対処できるように準備を整えよう。この取り組みに成功すれば、その見返りは実に大きい!
確認関連シナリオ1
管理している確認済みリスティングを未確認状態にしたい
状況
Googleマイビジネスのダッシュボードに、管理をやめたいリスティングがある。
手順
Googleマイビジネスのダッシュボードにログインする
管理をやめたいリスティングの[ビジネスを管理]をクリックする
左のメニューで[情報]をクリックする
メインエリアの[このリスティングを閉業、または削除する]リンクをクリックする
すべてのチェックボックスにチェックを入れる
[アカウントを削除]をクリックする
備考
心配はいらない。最後の手順を実行しても、Googleアカウントやリスティング自体が削除されることはない。単にリスティングが未確認状態になり、あなたに管理できなくなるだけだ。リスティングはその後も存在し、他のユーザーが管理できる。
確認関連シナリオ2
未確認状態のリスティングを確認済みにして、管理できるようにしたい
状況
不都合なリスティングがあるので、管理できるようにしたい。
リスティングが未確認状態であることは、Googleマップに「ビジネスオーナーですか?」と表示されるか、ナレッジパネルに「このビジネスのオーナーですか?」と表示されることでわかる。
手順
グーグルが掲載している通常の確認プロセスに従うだけでいい。
備考
リスティングが確認済みになれば、問題のあるリスティングを管理するための手順に進むことができる。
確認関連シナリオ3
他のユーザーが確認を済ませているリスティングを管理したい
状況
不都合なリスティングがあるので管理できるようにしたいが、そのリスティングは別のユーザーによって確認が済んでいる。
リスティングの確認が済んでいることは、Googleマップに「ビジネスオーナーですか?」の表示がないか、ナレッジパネルに「このビジネスのオーナーですか?」の表示がないことからわかる。
手順
ここに書かれている手順で、グーグルに問い合わせる。
グーグルから現在のオーナーに連絡が行く。
1週間たってもそのオーナーからグーグルに返信がない場合は、このリスティングの確認手続きができるようになる。
備考
ビジネスのウェブサイトと同じドメイン名のメールアドレスを管理している事実を示して、リスティングの管理権限を持つオーナーであるとグーグルに認めさせるという話がいくつか伝わっている。
だが、これが有効だという保証はない。
リスティングの管理アクセス権を手放そうとしない第三者がいる場合、法的な調停が必要になる場合もあるかもしれない。
対処シナリオ1
実店舗の重複したリスティングを管理したい
状況
実店舗で消費者向けビジネスを展開している(小売店、レストラン、弁護士事務所など)。しかし、自社のビジネスを示すリスティングが、今の住所だけでなく、誤った住所や古い住所のものなど複数あるのを見つけた。
手順
重複リスティングの住所が現在の正しい住所と同じである場合は、グーグルに問い合わせて、2つのリスティングを1つに統合するようリクエストする。
住所に誤りがあり、ビジネスがその場所に存在していない場合は、Googleマップでそのリスティングを表示し、[情報の修正を提案]リンクをクリックする。表示されるボックスで[閉業している、または存在しない場所]を[いいえ]から[はい]にして、選択肢から[存在していない]ラジオボタンを選んで[送信]する。
住所がそのビジネスの元の住所である場合は、「ビジネスの住所変更」に関するセクションを参照してほしい。
備考
住所が間違っているほうのリスティングに口コミがある場合は、Googleマップで「存在していない」を選択する前に、口コミの移行をリクエストすることが可能だ。
対処シナリオ2
非店舗型ビジネスの重複リスティングを管理したい
状況
出張型サービスによる(非店舗型の)消費者向けビジネスを展開している(配管工、庭師、清掃サービスなど)が、ビジネスを示すリスティングが2つ以上存在しているのを見つけた。
手順
重複リスティングが確認済みである場合は、グーグルに問い合わせて、2つのリスティングを1つに統合するようリクエストする。
備考
ただし、グーグルのガイドラインにより、非店舗型ビジネスの住所は非表示にする必要がある。
対処シナリオ3
複数の開業者がいるビジネスの不都合なリスティングを管理したい
状況
複数のパートナーとビジネスを運営している(法律事務所や診療所など)が、特定のパートナーのリスティングが複数あるか、その事業所で仕事をしていないパートナーや亡くなったパートナーのリスティングがあるのを見つけた。
手順
残念ながら、現時点でビジネスに雇用されているパートナーについては、複数の開業者が登録されていても、グーグルは削除しない。
パートナーがすでに在職していない場合は、この記事を読んで、リスティングを放置しておいた場合の危険性を確認してほしい。そのうえで、グーグルに問い合わせ、(ビジネスの住所が変わった場合と同じように)リスティングを、そのパートナーの新しい住所にではなく、現在の住所に「移転」として表示するようリクエストする(「備考」欄を参照のこと)。
悲しいことにパートナーが亡くなっている場合は、グーグルに問い合わせて、パートナーの死亡を伝えよう。
備考
2番目のシナリオでリスティングが未確認の場合、グーグルは以前のパートナーのリスティングに「移転」と表示するだけだ。リスティングが確認済みである場合は、以前のパートナーにそのリスティングを未確認状態にしてもらうのが理想的だ。だが、そうしてくれない場合は、最後の手段として、そのパートナーに対し、リスティングを新しい住所で更新するよう説得してみてほしい。とはいえ、後者の方法は理想的な解決には程遠い。
また、開業者が1人しかいないビジネスで不都合なリスティングがある場合(会社のリスティングとその会社を運営する開業者のリスティングの両方がある場合)は、グーグルに問い合わせて、2つのリスティングを統合するようリクエストすれば、2つのリスティングの検索順位獲得パワーを統合できる。
対処シナリオ4
ビジネスの住所を変更するので、リスティングを管理したい
状況
会社が新しい住所に移転することになった。リスティングに「閉業」と表示され、ビジネスをやめてしまったと顧客に誤解されるのを防ぎたい。
手順
ウェブサイトを更新し、新しい連絡先やアクセス案内を掲載する。
Googleマイビジネスのダッシュボードで、既存のリスティングを更新する。新しいリスティングを作成してはいけない!
他のローカルビジネスリスティングを更新し、新しい情報を反映させる(Moz Localのようなサービスを使えば、この面倒な作業がとても簡単になる)。
備考
ソーシャルプラットフォームで移転を告知することを忘れないようにしよう。
住所を変更するとリスティングの重複が起こることがあるので、重複がないか目を光らせておこう。この場合も、Moz Localが役に立つ。
口コミは通常、古い住所から新しい住所に自動的に移行される。ただし、例外があるのでこのページを読んでおいてほしい。
この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回は、今回に引き続きGoogleマイビジネスのリスティングに関するさまざまな問題について、対処法を説明する。→後編を読む
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